オフィス照明の選び方をポイント解説! おしゃれな施行事例も紹介

オフィス照明は、企業の生産性にも関わる重要な器具です。照明選びの際には、電球や照明の特徴を踏まえて、明るさも考慮して選ぶ必要があります。本記事では、オフィス照明の重要性や選ぶうえで大切なポイント、企業に与えるメリットなどについて解説します。

2022.08.22

オフィスの照明ひとつで、空間の印象は大きく変わります。また、照明選びひとつで仕事の取り組みやすさが変わるほか、電気料金も変化します。そのため、オフィスの照明選びは慎重に行わなくてはなりません。
本記事では、オフィス照明の重要性や選び方のポイント、メリットなどを解説します。併せて、オフィス照明の事例も紹介するので、オフィス環境改善に取り組んでいる企業は、ぜひ参考にしてください。

オフィス照明の重要性

オフィスの内装デザインを考える時、何となく照明を後回しにしてしまう人も多いでしょう。ついオフィス家具の種類やレイアウトなどを優先してしまいがちですが、「照明はオフィス環境そのものを左右する」と言われるほど重要です。快適な明るさの照明は、知的生産性の向上や従業員の満足度向上、企業のイメージアップなど、さまざまな効果が期待できます。

オフィス環境の見直しをしていると、「レイアウトやデザインなどは問題ないものの、どことなく洗練されていない印象を受ける」「従業員からの評判が思ったより振るわない」などの問題に直面することがあります。照明は、ほかの内装と比べて違和感に気付きにくいため、問題があっても放置されてしまうケースも多いのです。そういった場合は、照明の明るさや種類、デザインなどを変更してみると、問題が解決するかもしれません。

オフィス照明選びで知っておきたい3つのポイント

オフィスの照明選びで失敗しないよう、大切な3つのポイントを押さえておきましょう。覚えておくべきは、電球の種類と特徴、最適な明るさの基準、照明のタイプなどです。

1. 電球の種類と特徴

オフィスで使われる電球は、主に「白熱電球」「蛍光灯」「LED電球」の3種類です。それぞれ異なる特徴があるため、耐久性や消費電力、色味などを比較しつつ、適切なものを選ぶとよいでしょう。

・白熱電球
白熱電球は、内部に取り付けられた抵抗体に電気を流し、発熱させることで発光します。最も有名な電球であり、照明を購入した時に付属しているケースも少なくありません。温かみのある暖色系の光色が人気を集めており、リフレッシュルームや休憩室など、リラックス効果をアップしたい空間に適しています。また白熱電球は、すべての種類が調光機能に対応しているため、気分によって明るさを調整したい人にもオススメです。
ただし、電球1個あたりの単価は安いものの、電気代はほかの電球に比べて高くなりやすいため注意しましょう。

・蛍光灯
蛍光灯は、水銀の放電で発生する紫外線を利用して発光します。長年多くのオフィスで使用されており、照明の種類で迷ったら、とりあえず蛍光灯を選んでおけば間違いないでしょう。明るく自然な光色のものが多く、省エネ効果にも優れているため、執務室やミーティングルームといったデスクワークを行う部屋に適しています。
一方、スイッチを入れてから完全に明るくなるまでに多少時間がかかるため、注意が必要です。そのため、トイレや玄関、給湯室など滞在時間が短い部屋には不向きかもしれません。

・LED電球
LED電球とは、2000年代に登場した比較的新しい電球で、発光ダイオードを使って発光します。LED電球の特徴は、省エネ効果が高く、長期的なコストパフォーマンスが期待できることです。消費電力は白熱電球の1/8ほどで、電球そのものの寿命は約40,000時間と言われており、電気代を節約しながら長く使用できます。
フリーアドレスフロアや大規模な執務フロア、カフェフロアなどの広い空間に使用すると、上記のようなメリットを実感しやすいでしょう。またLED電球は、白熱電球と違って電球が熱くならないため、観葉植物やインテリアを照らす際にも重宝します。

2. 最適な明るさの基準

光の強さは、オフィス環境そのものの満足度を左右する大切なポイントです。部屋によって適切な明るさは異なりますが、基準にすべき数値や指標などはあるのでしょうか。

現在、オフィス照明に適した明るさや照明計画を決める時、多くの企業では「JIS照明基準」が用いられています。これは快適かつ安全に作業を行うために、日本工業規格(JIS)が推奨している照度基準のことです。作業内容や空間の種類などによって照度が決められており、執務室やエントランスなど、部屋の種類によっても適切な明るさは異なるので注意しましょう。

主なオフィスの照度を挙げると、事務室や執務室は750lx、会議室やミーティングルームは500lx、トイレや更衣室は200lx、休憩室や廊下は100lxなどです。細かな作業を行う部屋は照度の基準も高く、リフレッシュルームや緻密な業務を行わない部屋は、比較的暗めの照度が推奨されています。
via JISC 日本産業標準調査会「照明基準総則」

3. 照明のタイプ

オフィスで使われる主な照明のタイプは、「シーリングライト」「ダウンライト」「シャンデリア」「スポットライト」「スタンドライト」などです。

・シーリングライト
シーリングライトは一般家庭などにもよく見られる、天井に取り付ける照明です。空間をまんべんなく照らせるため、執務室や食堂など広いフロアに適しています。

・ダウンライト
ダウンライトは天井に埋め込むタイプの照明です。照明そのものが目立たず、スタイリッシュな印象を与えるため、オシャレなオフィスをつくりたい企業に適しています。

・シャンデリア
シャンデリアは天井から吊り下げるタイプの照明で、デザイン性に優れたものが多いことから、内装デザインのひとつとして取り入れられることがあります。ラグジュアリーな印象の製品も多く、重要な顧客を招く応接室などに適しています。

・スポットライト
スポットライトは指向性が高く、光源を向けた方向に光を集中して当てられる照明です。天井付近に設置し、光のムラが出やすいダウンライトと一緒に用いられることも少なくありません。

・スタンドライト
スタンドライトには、卓上に置いて使用するタイプや、床に置いて間接照明のように使用するタイプがあります。ミーティングスペースや休憩室の補助照明として使うと、リラックス効果が得られるでしょう。

オフィス照明が企業に与えるメリット

普段あまり意識することのない照明ですが、実はオフィスのさまざまな点に影響を与えています。部屋や空間に合った適切な照明を用いることで、生産性やオフィスのイメージ向上、省エネ効果などが期待できます。

生産性の向上

第一のメリットは、生産性の向上です。従業員は1日の大半をオフィスで過ごすため、オフィスの快適性が業務に大きな影響を与えます。例えば、明るすぎる照明は緊張感がほぐれず、疲れを溜めやすくなり、眼精疲労や肩こりなどを引き起こす恐れがあります。一方、暗過ぎるオフィスでは細かい作業が行いにくく、明るいパソコン画面の光などで逆に目が疲れてしまいかねません。空間に合った快適な照明を用いることで、従業員が気持ちよく業務を行える空間を構築できます。

オフィスイメージの向上

第二のメリットは、オフィスイメージの向上です。適切な照明は、空間のイメージを大きくアップし、一目で部屋の役割や雰囲気などを相手に伝える効果があります。エントランスは暗めのダウンライトで高級感を演出し、オフィスカフェは暖色系の照明でまとめるなど、部屋によって照明を使い分ければ、ワンランク上のオフィスがつくれるでしょう。

省エネ効果

第三のメリットは、省エネ効果が得られることです。照明の種類を選ぶ時、デザインや光色だけでなく消費電力にも着目すると、電気代節約につながります。購入費用はやや割高なものの、電球そのものの寿命が長いため、長期的に見ると高いコストパフォーマンスを発揮します。例えば、多くの人が集まるフロアや広い部屋などは、省エネ効果の高いLED電球がオススメです。

LEDの寿命は約40,000時間と長く、1日約6時間の使用を10年続けても電球の交換が不要です(使用環境により異なる)。一方、蛍光灯の寿命は約6,000時間なので、10年のあいだに3回は交換しなくてはなりません。年間あたりの電気代も、蛍光灯に比べて約2,000円の節約効果が期待できます。

オフィス照明の事例集

ここでは、照明を活かした魅力的なオフィスデザインをまとめました。シャンデリアやダウンライトなど、さまざまな種類の照明を使ったオシャレな内装事例を紹介します。

シャンデリアでオシャレな空間を演出

こちらは「KOKUYO」掲載の「株式会社バンダイナムコエンターテインメント」のオフィス照明事例です。会議スペースの照明に、個性的なシャンデリアを導入しました。会議スペースにふさわしいかっちりとした雰囲気はそのままに、壁材やインテリアなどで宇宙空間を表現したとのことです。遊び心のある内装ですが、ラグジュアリーな照明を用いることで、カジュアルすぎない雰囲気に仕上がっています。

照明と木の一体感で落ち着いた空間

こちらは「オフィスコムマガジン」掲載の某造園業のオフィス照明事例です。天井にダウンライトを埋め込み、柔らかい光が印象的な執務スペースをつくりました。内装は造園業を営む企業イメージを活かし、木の温もりや素材感を意識しています。素材と相性のよい照明を用いることで、デザインのよさをいっそう引き出し、オフィス全体に一体感をもたらしています。

遊び心満載の個性的な照明

こちらは「ODELIC」掲載の「株式会社doors」のオフィス照明事例です。大きなフロアの壁面には執務スペースのデスクが並び、中央には打ち合わせスペースが設けられたユニークなレイアウトを採用しています。打ち合わせスペースの天井には、アクセントとしてリング状のペンダントライトが設置されています。全体的に暗めの照明でまとめられていますが、デスクに光が届くよう、壁面に間接照明を設置するなど、快適性を高める工夫も見られます。
つい後回しにしがちな照明ですが、実はオフィスの快適さを左右する重要なポイントです。部屋や空間に合った適切な照明は、従業員の生産性向上や企業イメージアップ、省エネなどに資するため、オフィス環境で悩んでいるのなら、照明計画を見直してみてはいかがでしょうか。

照明を選ぶコツは、「電球の種類」「光の強さ」「照明のタイプ」の3つの項目に注意することです。業種や業態を問わず、部屋によって適切な照明は異なるため、照明の種類も複数用意すると、より快適なオフィスがつくれるでしょう。
詳しいデザインや費用、照明を含めたオフィスのトータルデザインなどを相談したい人は、実績豊富な「カシワバラ・コーポレーション」に、ぜひお問い合わせください。

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DIYer(s)

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