絞り染めの5パターンの方法でオリジナルファブリックを作る
一口に染め物といってもタイダイ染めや藍染など様々な染め方があります。今回は「絞り染め」をピックアップし、基本の模様5種類の染め方をご紹介。
公開日 2016.12.17
更新日 2023.09.11
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DIYer(s)では、【漂白剤で好きなデザインのファブリックをDIY!】や【ピクニックギアをDIY! ~アイスダイテーブルクロス~】など、これまでもオリジナルのファブリック作りに挑戦してきましたが、今回トライするのは「絞り染め」。
絞り染めとは、生地を圧縮したり、巻いたり、縮めたりして染色することで、染まる部分と染まらない部分を作り、模様を表現する技法の一つ。
ここでは、ベージックな形の◯、□2種類と、花模様、曲線、ボーダーの5種類に挑戦しました。
初挑戦ゆえ失敗もありますが、それも含めて染め物の楽しさ。
だからこそ、思い通りに染まったときの感動はひとしおですよ。
それでは、早速下準備から。
下準備
【共通の材料と道具】
■水
■染料
■セスキ炭酸ソーダ(洗剤売り場等で入手可能)
■生地
■バケツ
■ゴム手袋
STEP.01
染まりやすくするために、生地を一度濡らして、絞ってからスタートします。
STEP.02
記載されている割合で、水またはお湯に染料を加えます。今回使ったものはお湯でなくても染めることができましたが、お湯がマストなものもあるので説明書きをチェックしてくださいね。
STEP.03
染料と水を混ぜたら、染まりを良くするためにセスキ炭酸ソーダを加えます。塩でも代用OK。さらによく混ぜたら、準備完了。
さぁ、絞り染めを始めましょう!
1.◯を描く「 輪っか絞り 」 難易度:★☆☆
【用意するもの】
◼輪ゴム
◼スーパーボール
【手順】
STEP.01
生地の裏側となる面にボールをのせて包み、輪ゴムでしっかりと留めます。
例えば○が1列に並んだ模様を表現したい場合は、ボールが1列になるように並べます。
輪ゴムで隠れている部分が染まらず白く残るのですが、留め方が弱いと染料が侵入してきれいな輪っかができないので、ギュッと強く留めましょう。
STEP.02
好きな位置・好きな数ボールを包み、留め終わったら、後はそのまま染料液の中に入れるだけ。染まるまで2時間ほど置きます。
STEP.03
染まったら流水ですすいで、乾かしたら完成!
きれいな輪っかができました!一番上は、少し間隔をあけて2箇所に輪ゴムを留めてアレンジ。輪っかも2重に。
輪っかをたくさん作っていくと、残りの生地の面積が少なくなるにつれ引っ張るのが大変になるので、そこが頑張りどころです。
【Point】
・スーパーボールの代わりにビー玉などでも。もちろん、ボールを入れず輪ゴムで留めるだけでも輪っかは作れます。もっと小さな◯を作りたい場合は、糸を使うと良いです。
2. □を描く「 板締め絞り 」 難易度:★★☆
【用意するもの】
◼長方形の板材
◼輪ゴム or たこ糸
【手順】
STEP.01
まずは端から端までじゃばら状に折ります。折る幅は、表現したい□の大きさに合わせて調節しましょう。
STEP.02
最後まで折ったら、向きを変えてさらにじゃばらに折ります。
STEP.03
折ったものを板材で挟み、上下を輪ゴムでしっかり留めます。板材部分が染まらずに白く出る仕組みなので、染料液が侵入しないようしっかり固定し、浸します。そのまま2時間放置。
STEP.04
板材を外して生地を流水でよく洗い、乾かします。
ここまででもOKなのですが、板から露出する部分が場所によって異なり、線の太さにけっこうな差が出てしまったので、修正を試みました。
STEP.05
乾いたら、さっと濡らして絞り、最初と同様にじゃばら折にします。
STEP.06
最後まで折ったら、今度は最初に板材でとめた部分とは向きを変えて板材を固定。同様に染料液に浸して2時間たったら、よく流水で洗います。
これで、太い方の線にすべての線が揃うので、きれいなチェック柄になるはず。
完成です!
線の太さが揃って、きれいなチェックができました。
【Point】
・今回はたまたまあった細長い板材を使用ましたが、染めたい□のサイズより一回り大きい板材を使えば、一度染めで同じ太さの線が表現できます。
・二度染めすると時間はかかりますが、1回目と2回目の部分とで色の濃さが違ってきれいです。
・割り箸を使って留めると細い線ができるので、また違った模様を作れます。
③花模様を表現する「板締め雪花絞り 」 難易度:★☆☆
【用意するもの】
◼三角の板材2枚
◼たこ糸
◼ネジ
【手順】
STEP.01
まず、三角の板材の側面2カ所にネジを差し込みます。こうしておくと、たこ糸を巻きやすくなります。
STEP.02
□の時と同じように、生地をじゃばら折りにします。
STEP.03
端から、三角形になるようじゃばら折りします。
STEP.04
最後に□の時と同様に、板材の間に生地を挟んで、たこ糸でしっかり固定させます。ここでネジがお役立ち。
STEP.05
染料液に浸します。今回は、両サイドの2辺は染料液に浸さず、底辺のみにしてみました。2時間待って、流水でしっかり洗い流します。
完成です!
【Point】
・三角形に折る際、小さく折ると模様も小さく、大きく折ると模様も大きくなります。
・染める部分を2辺や全体にしたり、角だけにしたり、角と辺で色を変えるなど、アレンジは無限です。
④斜めボーダーを描く「 あらし絞り染め 」 難易度:★☆☆
【用意するもの】
◼塩ビパイプ
◼輪ゴム
◼ひも
【手順】
STEP. 01
最初に生地が滑らないよう塩ビパイプの端に輪ゴム数本を巻きます。
STEP.02
思いのままに生地をぐるぐる巻きつけていきます。
STEP.03
最後まで巻きつけたら、塩ビパイプの先端に向かってギュッと寄せ、その上から輪ゴムやたこ糸をぐるぐる巻きつけます。
STEP.04
染料液に2時間浸けてから、流水で洗い流します。
さざ波のような、木目のような、美しいラインが生まれました。
【Point】
・染料液に浸す時、塩ビパイプの先だけ浸すとグラデーションが出来上がります。
・細い塩ビパイプを使用すると、染まる面積が狭くなるので、また一味違う模様に。
⑤文字や曲線を自由に描く「折り縫い染め」 難易度:★★★
【用意するもの】
◼針
◼糸
◼印刷したデザイン画や文字
◼鉛筆
【手順】
STEP.01
最初に表現したいデザインを生地に写します。下に印刷した紙を敷いて、上から生地を重ねて鉛筆で写すとラク。
STEP.02
写した絵や文字に沿って、並縫いをしていきます。
後から縫った部分をぎゅっと絞ると縫った部分が白く残り、文字が浮き上がる…はずでした。
が、生地全体を染料液に浸して2時間待ち、洗い流してみると…。
Dはうっすらと見えるのですが、他の文字はわかりにくいですね…。失敗です……。
しかし、失敗で終わらせないのがDIYer(s)。
不屈の精神で(でも写すのが面倒なので今度はただの曲線にして)、今度は並縫いではなく、つまみ縫いにし、さっきより強く!絞ってみました。
STEP.03
先ほどはしなかった玉結びもして縫い目が緩まないようにし、染料液に浸すこと2時間。洗い流してみると…。
バッチリ、線が浮き上がりました!今度こそは成功です。
【Point】
・生地を強く強く絞って、染めている途中緩んでこないようにしっかり玉結びをすること!
以上、絞り染めの基本、5パターンの染め方でした。
いかがでしたでしょうか?
どれも思ったほど難しくなく、気軽にできて楽しかったです。
染め上がりを確認するときのドキドキや、思い描いた通りに染まったときの達成感に加え、思いもよらない模様が生まれたときも感動的。
どう仕上がっても、一期一会の柄はどれも美しく、味わい深いところが、絞り染めの一番の魅力かもしれません。
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