オフィスにおけるトイレの重要性とは? 空間設計のポイントと合わせて解説

本記事では、オフィスにおけるトイレ設計のポイントやデザイン事例を紹介します。確認すべき法律や具体的なトイレの寸法など、トイレ設計で知っておきたい情報をまとめました。オフィスのトイレリフォームを検討している人は、ぜひ参考にしてください。

公開日 2022.01.27

更新日 2022.01.27

オフィスにおけるトイレの重要性とは? 空間設計のポイントと合わせて解説

オフィスのトイレ設計は、従業員のモチベーションや企業の印象をアップする重要なポイントです。快適でオシャレなワンランク上のトイレをつくるには、どのようなポイントがあるのでしょうか。本記事では、オフィスのトイレ設計のコツや注意点、デザイン事例などを紹介します。オフィス空間の改善を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

意外と重要!オフィスのトイレを快適に保つべき理由とは

オフィスを設計する時、執務室や会議室などメインとなるフロアを優先するあまり、トイレの優先順位が下がってしまうケースは多いものです。ここでは、オフィスのトイレ設計に力をいれるべき理由を紹介します。

従業員のモチベーション低下・ストレスの要因に

オフィスにおけるトイレの重要性とは? 空間設計のポイントと合わせて解説
居心地が悪いトイレや清潔感のないトイレは、従業員のストレスの原因になることがあります。従業員はオフィスで1日の大半の時間を過ごすため、たとえメインフロアではないとしても、毎日使用する空間が快適でないとストレスを感じてしまいます。特に女性にとって、トイレは化粧直しや歯磨きなどを行う場所でもあるため、清潔感のないトイレには不満を感じやすいでしょう。

また、トイレは従業員の気分転換やストレス解消の場としても機能しています。「食堂やリフレッシュスペースよりも、トイレの快適性を重視する」という人も案外多く、居心地の悪いトイレは従業員のモチベーション低下を招くケースもあるようです。

来客時に重要な「顔」となる設備

オフィスにおけるトイレの重要性とは? 空間設計のポイントと合わせて解説
トイレは来客の印象を左右する、オフィスの顔となる設備といっても過言ではありません。トイレは従業員だけでなく、オフィスに足を運んだ取引先や顧客なども使用します。いくらエントランスや応接室などオフィスのデザイン性を高めても、トイレがほかの内装に見合っていないと、企業のイメージアップにはつながらないでしょう。

近年では、企業イメージが伝わりやすいオフィスデザインを取り入れたり、オシャレな内装で企業のブランディングを図ったりするケースも増えています。トイレ設計の重要性を認識し、すべての人が快適に使用できる空間をつくれれば、企業の信頼感や評価を底上げすることにもつながるでしょう。

オフィスのトイレはどう設計すべき?注意点やポイントを解説

ここでは、ワンランク上のトイレをつくるコツや、失敗しないための注意点などを紹介します。適切な寸法や機能、デザインなど、さまざまな視点からトイレ設計で取り入れるべきポイントをまとめました。

トイレの個室数は「労働安全衛生法」で定められている

オフィスにおけるトイレの重要性とは? 空間設計のポイントと合わせて解説
オフィス設計においては、労働者の安全と健康を守り、快適なオフィス環境を目指すためにつくられた「労働安全衛生法」の基準に従って、設備やレイアウトなどを決定する必要があります。トイレの個室は、従業員数によって適切な数が定められており、最低でもその数を守ってトイレを設計しなくてはなりません。

労働安全衛生法によると、女性用トイレは社員20人以内ごとに最低でも1つ用意し、男性用トイレは社員30人以内ごとに最低でも小便器を1つ、社員60人ごとに最低でも個室トイレを1つ設置する必要があります。女性は男性に比べてトイレの使用時間が長いため、従業員数あたりの個数が多く設定されています。

しかし、この数はあくまでも最低限の基準であるため、スペースに余裕がある場合は、さらに余裕をもって設備を設けることが望ましいでしょう。トイレ機器メーカーによっては、理想の設備数を記載している場合があるので、併せて参考にするのがオススメです。トイレの数を増やすことで、無駄な待ち時間を削減し、業務効率や生産性のアップが期待できます。

余裕のある個室サイズの確認

オフィスにおけるトイレの重要性とは? 空間設計のポイントと合わせて解説
トイレの個室サイズは、快適性を左右する重要なポイントです。一般的な寸法は、横幅が70~80cm、奥行きが125~170cmと言われています。便座の大きさによって適切な奥行きは異なりますが、便座の先からドアまでの距離を45~50cmほどにすると、狭さを感じない個室がつくれるでしょう。また、便座の左右は15~20cmほど空けると、掃除がしやすくメンテナンス性の高い空間になります。

とはいえ、近年は個室内にそれぞれの手洗い場を設けたものなど、サイズに余裕のある個室トイレ設計も増えています。ワンランク上のトイレをつくりたい人は、個室一つひとつのサイズを広げ、圧迫感の少ない空間を心掛けるとよいでしょう。

トイレの機能や種類、電源の確保

オフィスにおけるトイレの重要性とは? 空間設計のポイントと合わせて解説
便器には「タンク式」と「タンクレス」の2種類があります。タンク式は、昔から多くの住宅やオフィス、施設などで用いられてきたもので、タンクに水を溜めて便器を洗浄します。タンクレスに比べてサイズが大きいため、場合によっては空間を圧迫する可能性がありますが、タンク上部に手洗い機がついているため、新たに設置する必要がありません。停電時にも使用でき、オプションで節電・節水機能や消臭機能、ウォシュレットなども付けられます。

一方のタンクレスは、すっきりとしたフォルムで人気を集める、タンクがない最新型の便器です。サイズが小さいため空間を広く使えることや、掃除に手間がかからないなどのメリットがあります。
タンクに水が溜まるまで待つ必要がないので、大人数が使用するトイレや、規模が大きい企業などに適しているでしょう。標準設備でウォシュレットがついており、多機能なものが多いですが、停電時に水が流れず使用できないものもあるので注意しましょう。

なお、どちらのタイプもトイレ用擬音装置や温水式便座を設置する時は、個室あたりに最低1つコンセントが必要です。電源がない場合は、新たに電気工事を行う必要があるので、予算や工期などをよく確認しましょう。

バリアフリー対応・洗面スペースの拡充も

オフィスにおけるトイレの重要性とは? 空間設計のポイントと合わせて解説
従業員や来客の中には、車椅子の人や体が不自由な人などもいます。すべての人が快適にトイレを使用するためには、バリアフリー設備や多目的トイレの設置が必要です。個室のスペースに余裕をもたせ、引き戸や手すりを導入したり、設備の説明書きに点字を付けたりするなど、オフィスに最低でも1つはバリアフリー対応のトイレを設置することが望ましいでしょう。

また、広々とした洗面スペースは、車椅子の走行を助けるだけでなく、従業員の満足感を高める効果もあります。洗面スペースはメイク直しや歯磨きなどでも使用するため、滞在時間が長くなりやすいものです。それゆえに「掃除が行き届いているか」「デザインは最適か」「居心地がよいか」など、細かい部分に目が届きやすく、満足感に影響を与えやすいと言われています。オフィススペースに余裕がある場合は洗面スペースを拡充すると、より快適なトイレがつくれるでしょう。

清掃のしやすさ・快適性など「普段使い」を意識したレイアウトに

オフィスにおけるトイレの重要性とは? 空間設計のポイントと合わせて解説
トイレのレイアウトで重要なのは、「普段使い」を意識して、常に快適性を保てる空間にすることです。いくらトイレの内装デザインにこだわったとしても、掃除がしにくく汚れが溜まりやすいトイレでは、快適さを維持するのは難しいでしょう。メンテナンス性の高い床材や汚れが付着しづらい便器など、日々の掃除に手間がかからない設備や素材を導入するのがオススメです。

また、トイレの快適性をアップするには、適切な導線設計が欠かせません。荷物が多い場合や順番待ちをする場合など、さまざまな人が使用するケースを想定し、どんな時でも使いやすい導線設計を心掛けるとよいでしょう。

デザイン・小物からも「清潔感」を演出する

オフィスにおけるトイレの重要性とは? 空間設計のポイントと合わせて解説
トイレデザインのポイントは、清潔感を意識することです。素材やカラー、照明、インテリアなどを選ぶ際は、「掃除がしやすいか」「汚れが目立ちすぎないか」などを考慮したうえで、なるべくトイレ感の少ない、部屋のようなデザインに仕上げるのがオススメです。
一見すると清潔感を演出しやすそうな純白は、ホコリや汚れなどが目立ちやすいので、オフホワイトやクリーム色、グレーなどに置き換えると長く清潔に使える空間となるでしょう。

近年では、木目のドアやダークカラーのタイル、オレンジ系の間接照明などで落ち着いた空間を目指したり、観葉植物やアクセントカラーの小物を配置してボタニカルテイストのデザインにしたりするなど、企業によって個性豊かなトイレデザインが見受けられます。ほかのオフィスデザインとの兼ね合いも考えつつ、企業のイメージアップにつながる効果的な内装を考案できれば理想的です。

オフィスを彩るトイレデザインの事例

ここでは、ぜひ参考にしたい優れたトイレデザイン事例をまとめました。ホテルライクな内装や多様性に配慮した設備など、さまざまな視点からデザインのポイントを解説します。

ビルのイメージカラーを基調とした清潔感あふれるデザイン

こちらは、「竹橋スクエア」のオフィスリノベーション事例です。トイレの内装を一新し、テナントビルのイメージカラーであるブルーを基調とした、清潔感あふれるデザインに改修しました。建物全体で共通したデザインコンセプトを定めたことで、統一感のある内装に仕上がっています。

「働く女性」を支えるホテルライクな高級感を演出したトイレ

こちらは、「日比谷パークフロント」のオフィスリノベーション事例です。テナントビルのコンセプトである「公園内のオフィス」を意識し、高級感がありながらも自然のナチュラルさを感じられるデザインを採用。洗面スペースの拡充やホテルライクな内装など、働く女性が快適に過ごせるトイレを目指しました。

ダイバーシティの推進を重視したトイレ設置の事例

こちらは、渋谷区立渋谷駅東口公衆便所のトイレデザイン事例です。多目的トイレとは別に、性別を問わずに使用できる完全個室型の「みんなのトイレ」を設置しました。また、すべての個室に手すりとベビーチェアを設置するなど、どのような人でも使いやすい、多様性を意識したトイレ設計が特徴的です。公衆トイレでありながら、よりグレードの高い上質なトイレを目指しました。

快適なオフィスをつくるには、適切なトイレ設計が欠かせません。従業員のモチベーションや企業のブランディングなどに影響を及ぼすこともあるため、デザインやレイアウト、メンテナンス性などを考慮した、居心地のよいトイレをつくることが大切です。トイレを含むオフィスのリノベーションを検討している人は、施工実績が豊富な「カシワバラ・コーポレーション」にぜひご相談ください。

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