オフィスのトイレは快適さも重要! おしゃれなデザイン事例も紹介

オフィスにおいて、トイレは従業員のリフレッシュスペースになったり、プライベート空間をつくり出したりと、用を足す以上に大きな役割を果たす重要な設備です。オフィスのトイレがどのような役割を果たすのか、空間設計をするポイントを含めて解説します。

公開日 2022.01.27

更新日 2023.04.18

オフィスのトイレは快適さも重要! おしゃれなデザイン事例も紹介

オフィスのトイレ設計は、従業員のモチベーションや企業の印象をアップする重要なポイントです。快適でオシャレなワンランク上のトイレをつくるには、どのようなポイントがあるのでしょうか。本記事では、オフィスのトイレ設計のコツや注意点、デザイン事例などを紹介します。オフィス空間の改善を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

意外と重要!オフィスのトイレを快適に保つべき理由とは

オフィスを設計する時、執務室や会議室などメインとなるフロアを優先するあまり、トイレの優先順位が下がってしまうケースは多いものです。ここでは、オフィスのトイレ設計に力をいれるべき理由を紹介します。

従業員のモチベーション低下・ストレスの要因に

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清潔感がないなどの居心地が悪いトイレでは従業員のストレスの原因になる可能性があります。オフィスで過ごす従業員にとっては毎日利用するトイレ環境が悪いとモチベーションの低下にも繋がりかねません。

また、経済産業省が企業の収益性・生産性の向上を目的として推進している「健康経営オフィス」には、社内環境を「清潔にする」という項目があります。この項目達成のための取り組みには手洗い、うがいなども含まれており、トイレ環境を整えることはモチベーション低下やストレスの原因となることを防ぎ、ひいては従業員の健康保持・促進に重要なことです。

トイレはリフレッシュ空間や気分転換できる場

トイレは、従業員の気分転換やストレス解消の場としても機能します。気分転換やストレス解消といえば、お茶を飲んだりストレッチをしたりとさまざまな方法がありますが、意外にもトイレに行くという人は少なくありません。トイレは職場において、プライベートな空間としての役割を果たしたり、トイレに行くと環境が変わるためそれだけでリフレッシュできたりと、気持ちに大きな影響を与えることがあります。

しかし、トイレがタイル張りや和式で古くさく、においが染みついていたり、男女兼用でゆっくり過ごせなかったりすると気分転換できないでしょう。そのため、トイレの快適性を重視する人は案外多く、現に「TOTO」が行ったアンケートによると、「執務スペース以外で『仕事のモチベーションに影響する』と思う場所は?」という質問において、食堂や休憩室を抑えてトイレが1位になるほどなのです。

来客時に重要な「顔」となる設備

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トイレは、オフィスの顔となる設備といっても過言ではありません。トイレは従業員だけでなく、オフィスに足を運んだ取引先の人や顧客なども使用します。いくらエントランスや応接室などオフィスのデザイン性を高めても、トイレがそれらに見合っていないと、企業のイメージアップにはつながらないでしょう。

近年では、企業イメージが伝わりやすいオフィスデザインを取り入れたり、オシャレな内装で企業のブランディングを図ったりするケースも増えています。トイレ設計の重要性を認識し、すべての人が快適に使用できる空間となれば、企業の信頼感や評価の底上げにもつながるでしょう。

オフィスのトイレはどう設計すべき?注意点やポイントを解説

ここでは、ワンランク上のトイレをつくるコツや、失敗しないための注意点などを紹介します。適切な寸法や機能、デザインなど、さまざまな視点からトイレ設計で取り入れるべきポイントをまとめました。

トイレの個室数は「労働安全衛生法」で定められている

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オフィス設計においては、労働者の安全と健康を守り、快適なオフィス環境を目指すためにつくられた「労働安全衛生規則」の基準に従って、設備やレイアウトなどを決定する必要があります。

トイレの個室は従業員数によって適切な数が定められており、最低でもその数を守って設計しなくてはなりません。具体的には、次のように設置する必要があります。

・女性用トイレは社員20人以内ごとに最低でもひとつ
・男性用トイレは社員30人以内ごとに最低でも小便器をひとつ、社員60人ごとに最低でも大便器をひとつ

女性は男性に比べてトイレの使用時間が長いため、従業員数あたりの個数が多く設定されています。無論、この数はあくまでも最低限の基準であるため、スペースに余裕がある場合は、さらに余裕をもって設備を設けることが望ましいでしょう。トイレ機器メーカーによっては、理想の設備数を記載している場合があるので、併せて参考にするのがオススメです。トイレの数を増やすことで、無駄な待ち時間を削減し、業務効率や生産性のアップが期待できます。

余裕のある個室サイズの確認

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トイレの個室サイズは、快適性を左右する重要なポイントです。一般的な寸法は、横幅が70~80cm、奥行きが125~170cmと言われています。便座の大きさによって適切な奥行きは異なりますが、便座の先からドアまでの距離を45~50cmほどにすると、狭さを感じない個室がつくれるでしょう。また、便座の左右は15~20cmほど空けると、掃除がしやすくメンテナンス性の高い空間になります。

とはいえ、近年は個室内にそれぞれの手洗い場を設けたものなど、サイズに余裕のある個室トイレ設計も増えています。ワンランク上のトイレをつくりたい人は、個室一つひとつのサイズを広げ、圧迫感の少ない空間を心掛けるとよいでしょう。

トイレの機能や種類、電源の確保

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便器には「タンク式」と「タンクレス」の2種類があります。どちらのタイプを導入すべきか、それぞれの仕組みや特徴などを確認しておきましょう。

【タンク式】
タンク式は、昔から多くの住宅やオフィス・施設などで用いられてきたものです。背面にあるタンクに水を溜めて便器を洗浄するタイプで、次のような特徴があります。

・タンクレスと比較して価格が安く、設置面積が小さい(ただし、タンクが大きいので空間を圧迫する可能性はある)
・タンク上部に手洗いが付いているので、別途手洗い場を設置する必要がない
・つまりにくい
・タンクに水を溜めて流すので、高層階でも水圧の心配が少ない
・レバーをひねれば水が流れるので、停電時にも利用できる(電力式など一部商品を除く)
・タンク、便座、便器の組み合わせなので、故障した場合はそれぞれ交換ができる

【タンクレス】
一方のタンクレスは、タンクがなくすっきりとしたフォルムで人気を集める、最新型の便器です。タンクレスには次のようなメリットがあります。

・タンクがないので空間を広く利用でき、見た目もオシャレ
・シンプルなつくりになっており、掃除に手間がかからない
・水圧で直接流すため節水効果が高い
・タンクに水が溜まるまで待つ必要がないので、大人数が使用するトイレや、規模が大きい企業などに適している

ただし、電気で制御されているため、停電時に水が流れず使用できないものもあるので注意しましょう。また、水圧が弱いと流れなくなるため、排水管が細い家や高層階には設置できない場合があります。

なおコンセントについては、タンクレスの場合は必ず、タンク式トイレの場合も擬音装置や温水式便座を設置する際は個室に最低ひとつ必要です。電源がない場合は、新たに電気工事を行う必要があるので、予算や工期などをしっかりと確認しておくことが重要です。

バリアフリー対応・洗面スペースの拡充も

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従業員や来客の中には、車椅子の人や体が不自由な人などもいます。すべての人が快適にトイレを使用するためには、バリアフリー設備や多目的トイレの設置が必要です。個室のスペースに余裕をもたせ、引き戸や手すりを導入したり、設備の説明書きに点字を付けたりするなど、オフィスに最低でも1つはバリアフリー対応のトイレを設置することが望ましいでしょう。

また、広々とした洗面スペースは、車椅子の走行を助けるだけでなく、従業員の満足感を高める効果もあります。中でも洗面スペースは、メイク直しや歯磨きなどでも使用するため、滞在時間が長くなりやすいものです。それゆえに「掃除が行き届いているか」「デザインは最適か」「居心地がよいか」など、細かい部分に目が届きやすく、満足感に影響を与えやすいと言われています。オフィススペースに余裕がある場合は洗面スペースを拡充すると、より快適なトイレがつくれるでしょう。

清掃のしやすさ・快適性など「普段使い」を意識したレイアウトに

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トイレのレイアウトで重要なのは、「普段使い」を意識して、常に快適性を保てる空間にすることです。いくらトイレの内装デザインにこだわったとしても、掃除がしにくく汚れが溜まりやすいトイレでは、快適さを維持するのは難しいでしょう。メンテナンス性の高い床材や汚れが付着しづらい便器など、日々の掃除に手間がかからない設備や素材を導入するのがオススメです。

また、トイレの快適性をアップするには、適切な導線設計が欠かせません。荷物が多い場合や順番待ちをする場合など、さまざまな人が使用するケースを想定し、どんな時でも使いやすい導線設計を心掛けるとよいでしょう。

デザイン・小物からも「清潔感」を演出する

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トイレデザインのポイントは、清潔感を意識することです。素材やカラー、照明、インテリアなどを選ぶ際は、「掃除がしやすいか」「汚れが目立ちすぎないか」などを考慮したうえで、なるべくトイレ感の少ない、部屋のようなデザインに仕上げるのがオススメです。

例えば、一見すると清潔感を演出しやすそうな純白は、ホコリや汚れなどが目立ちやすいので、オフホワイトやクリーム色、グレーなどに置き換えると、長く清潔に使える空間となるでしょう。

近年では、木目のドアやダークカラーのタイル、オレンジ系の間接照明などで落ち着いた空間を目指したり、観葉植物やアクセントカラーの小物を配置してボタニカルテイストのデザインにしたりするなど、企業によって個性豊かなトイレデザインが見受けられます。ほかのオフィスデザインとの兼ね合いも考えつつ、企業のイメージアップにつながる効果的な内装を考案できれば理想的です。

オフィスを彩るトイレデザインの事例

ここでは、ぜひ参考にしたい優れたトイレデザイン事例をまとめました。ホテルライクな内装や多様性に配慮した設備など、さまざまな視点からデザインのポイントを解説します。

ビルのイメージカラーを基調とした清潔感あふれるデザイン

こちらは、「竹橋スクエア」のオフィスリノベーション事例です。トイレの内装を一新し、テナントビルのイメージカラーであるブルーを基調とした、清潔感あふれるデザインに改修しました。建物全体で共通したデザインコンセプトを定めたことで、統一感のある内装に仕上がっています。

「働く女性」を支えるホテルライクな高級感を演出したトイレ

こちらは、「日比谷パークフロント」のオフィスリノベーション事例です。テナントビルのコンセプトである「公園内のオフィス」を意識し、高級感がありながらも自然のナチュラルさを感じられるデザインを採用。洗面スペースの拡充やホテルライクな内装など、働く女性が快適に過ごせるトイレを目指しました。

ダイバーシティの推進を重視したトイレ設置の事例

こちらは、渋谷区立渋谷駅東口公衆便所のトイレデザイン事例です。多目的トイレとは別に、性別を問わずに使用できる完全個室型の「みんなのトイレ」を設置しました。また、すべての個室に手すりとベビーチェアを設置するなど、どのような人でも使いやすい、多様性を意識したトイレ設計が特徴的です。公衆トイレでありながら、よりグレードの高い上質なトイレを目指しました。

わざわざ行きたくなるオシャレなデザイン

こちらは、JR広島駅と直結する商業施設「ekie」のトイレデザイン事例です。荷物が置けるよう、個室のサイズや手洗い場の間隔を広めに設定し、地元住民をはじめ国内外から訪れる多くの観光客やビジネスパーソンなど、さまざまな利用者を想定したつくりになっています。

また、トイレ内は全体的にナチュラルなデザインで、空間のアクセントとなる植栽も施すなど、都会的な演出がなされています。女性用トイレのスタイリングコーナーはスタンディング・シッティングタイプの両方を用意する、混雑しないよう個室の数を充実させる、一部の個室にフィッティングボードを設置するなど、多くのニーズに対応しているのも特徴です。

さらに、ベビールームにキッズスペースを設けるなど、ほっと一息つける空間に仕上がり、まさに「わざわざ行きたくなる」トイレとなっています。

快適なオフィスをつくるには、適切なトイレ設計が欠かせません。従業員のモチベーションや企業のブランディングなどに影響を及ぼすこともあるため、デザインやレイアウト、メンテナンス性などを考慮した、居心地のよいトイレをつくることが大切です。トイレを含むオフィスのリノベーションを検討している人は、施工実績が豊富な「カシワバラ・コーポレーション」にぜひご相談ください。

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