オフィスの給湯室を一新して働き方改革!収納のポイントと合わせて解説

本記事では、オフィスの給湯室を一新し、より働きやすい空間をつくるポイントを解説します。給湯室を「マグネットスペース」として活用し、従業員のモチベーションや生産性をアップする方法についてまとめました。オフィス環境の改善を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

公開日 2022.01.26

更新日 2022.01.26

オフィスの給湯室を一新して働き方改革!収納のポイントと合わせて解説

所属している部署やチームなどに関わらず、さまざまな従業員が使用する給湯室。使い勝手がよく、つい立ち寄ってしまうような給湯室は、コミュニケーションの活性化やモチベーションの向上など多くのメリットが期待できます。そこで本記事では、オフィスの給湯室を見直すことで得られる効果や、快適な給湯室をつくるポイントなどを紹介します。

そもそもオフィスの給湯室が担う役割とは?

オフィスの給湯室を一新して働き方改革!収納のポイントと合わせて解説
「給湯室」とは、別名「湯沸室」とも呼ばれ、従業員や来客のためのコーヒー・お茶を淹れるスペースをいいます。一般的な設備は小型のシンクやポットなどで、企業によっては収納スペースや冷蔵庫、電子レンジ、ミニキッチンなどを常設している場合もあります。近年ではカフェを併設している企業など、給湯室を設けないオフィスもありますが、昔ながらのオフィスビルでは必ずといってよいほど給湯室が設置されています。

給湯室は、来客用の飲み物を準備するだけでなく、従業員の息抜きやコミュニケーションを促進させる役割も担います。昨今でも、休憩時間に給湯室に行き、顔を合わせた人と会話を楽しんだり、情報交換をしたりする人も多いのではないでしょうか。
しかし、「給湯室が設置されているものの、あまり使用されていない」「給湯室が狭くて居心地が悪い」などの課題を抱えている企業も少なくはありません。こうした場合は、せっかくのメリットを享受できず、スペースが無駄になってしまっていることでしょう。

従来の価値観に変化も?「マグネットスペース」としての給湯室の価値

近年、社内のコミュニケーションを催す場所として、「マグネットスペース」が注目を集めています。マグネットスペースとは、オフィス内で自然と人が集まる場所のことです。ミーティングルームや執務室のように、事前にスケジュールを決めて集まる場所ではなく、コピー機や自販機の周り、資料スペース、リフレッシュエリアなど、用事や休息などで偶発的なコミュニケーションが生まれやすい場所を指します。

給湯室にもマグネットスペースとしての機能を期待し、空間設計や設備などを見直す企業が増えています。既存の給湯室があまり使われていない場合は、空間を現代風にアレンジすることで、マグネットスペースとしての新たな効果が望めるかもしれません。

マグネットスペースが企業にもたらすメリット

そもそもマグネットスペースは、企業にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。

第一のメリットとして、社内のコミュニケーションを活性化させることが挙げられます。マグネットスペースは、所属している部署やチームなどに関わらず、社内のさまざまな人が使用します。用事を済ます時や休憩中などにふらりと立ち寄ることで、普段顔を合わせる機会が少ない人とも気軽に会話を楽しめるでしょう。

第二のメリットは、従業員のモチベーションや生産性をアップできることです。マグネットスペースで所属部署を越えたコミュニケーションを取ることで、普段とは違った視点で業務に取り組めたり、偶発的なコラボレーションが生まれたりするなど、新しい発見が得られます。
普段同じ場所で業務を行っている人たちは、会話をする相手を互いに固定化してしまっており、ほかの人と情報交換をする機会も限定されてしまうことも多いでしょう。マグネットスペースを効果的に活用することでこうした点を解消し、従業員同士でモチベーションを高め合えるため、生産性の向上が期待できます。

カフェスペース・休憩スペースの増設も視野に入れた設計がオススメ

昔ながらの給湯室というと、「日光が届きにくく暗い」「狭くて多くの人が利用できない」などのイメージを思い浮かべる人もいるでしょう。しかし現代では、給湯室の面積を広げ、機能を拡張することで、オフィスカフェを兼ねたオシャレな給湯室をつくる企業が増えています。マグネットスペースとしてだけでなく、リフレッシュや立ち話ベースのちょっとしたミーティングなどにも役立ち、より柔軟に空間を活用できるため、フリーアドレスの導入と併せて検討されることもあります。

このような現代風の給湯室は、企業によって導入される設備やデザインなどもさまざまです。広々としたワンフロアにミーティングスペースとオープンキッチンを設置し、休憩スペースを兼ねたカフェ風の給湯室をつくったり、既存の給湯室をリノベーションし、面積を広げてソファやテーブルを設置したりするなど、企業ごとに個性を活かした多様な給湯室が見られます。さまざまな用途で使える広い給湯室をつくりたい人は、カフェスペースや休憩スペースの増設も視野に入れつつ、間取りやデザイン設計を検討するとよいでしょう。

給湯室のレイアウトや収納設備を便利に変えるポイント

オフィスの給湯室を一新して働き方改革!収納のポイントと合わせて解説
既存の給湯室をアレンジし、より利便性の高い空間に変えるには、いくつか押さえておくべきポイントがあります。以下でそれぞれ詳しく見ていきましょう。

給湯室の場所を変更できない場合は既存のスペースを活かす

まず、オフィスの種類によっては給湯室の場所を変更できないことが挙げられます。賃貸物件の場合、水回りの位置を変更できないケースも多く、既存のスペースを活かして空間設計を行う必要があります。間取りを検討する際は、水回りに近い位置に配置したい部屋をあらかじめ決めておくようにしてみましょう。

導線を重視してレイアウトを決める

オフィスにおけるトイレの重要性とは? 空間設計のポイントと合わせて解説
従業員の導線を重視してレイアウトを決定することもポイントです。給湯室のスペースが限られている場合、家具を増やすとかえって雑然とした印象になることもあります。「活用できるスペースはどれくらいか」「かえって窮屈な空間にならないか」などを考慮しつつ、なるべくコンパクトなものを選ぶとよいでしょう。

また食器や掃除用具、日用品など生活感が出やすいものは、なるべく見えないように収納することが大切です。収納力の高いキッチンや棚などを導入し、すっきりとした見栄えになるよう整理整頓してみてください。

清潔感に配慮したルール作りも重要

オフィスにおけるトイレの重要性とは? 空間設計のポイントと合わせて解説
清潔感のある快適な給湯室をつくるには、従業員間の運用・清掃ルールを明確にすることが欠かせません。給湯室は社内のさまざまな人が利用し、人によって使い方や掃除の仕方なども異なります。「個人のカップを置いてもよいのか」「お弁当を冷蔵庫に入れておいてもよいのか」「掃除は誰が行うのか」など、細かいルールをめぐって従業員の不満が溜まることもあるでしょう。給湯室の快適性を保つには空間設計だけでなく、きちんとルールを制定し、周知させる仕組みをつくることも大切です。

運用・清掃のルールを制定する際は、「布巾はいつ・誰が漂白するのか」「備品がなくなったら誰に連絡するのか」など、責任者や係を具体的に決めるとよいでしょう。
また掃除を当番制にする場合は、「当番の人は、何をどこまで掃除するのか」を細かく定めることが大切です。各人の自己判断に任せてしまうと、当番ごとに掃除の質にばらつきが出るなど、トラブルにつながる課題も発生しかねないので、注意しましょう。

オフィスの給湯室を一新しよう!デザイン事例を写真付きで紹介

ここでは、デザインやレイアウトの参考になる、オシャレな給湯室の事例を紹介します。コミュニケーションの活性化を重視したオープンな給湯室や、明るく清潔感のあるデザインを取り入れた給湯室など、さまざまな事例をまとめました。

オープンな雰囲気を纏い、コミュニケーションの場として機能する給湯室

こちらは「ユニオンテックオフィス」が手掛けた、建設企業「加賀設備」のデザイン事例です。オフィスの堅苦しいイメージや緊張感を取り除いた居心地のよい空間を目指し、デザインやレイアウトを考案しました。ポイントは、カフェスペース・ミーティングスペースへとつながる場所に、オープンな給湯室を設けたことです。業務の合間にふらりと立ち寄りやすく、マグネットスペースとして、部署間を越えた気軽なコミュニケーションを促進してくれるでしょう。内装デザインは落ち着いたカラーと木目を基調に、ゆったりとした空間を意識しました。

木の温かみと白色を基調とした空間で清潔感のある明るい給湯室

こちらは「TOOLBOX」が手掛けた、グラフィックデザイン事務所「俵社」のデザイン事例です。駐車場をガラスで仕切ったユニークな物件をリノベーションし、こだわりを詰め込んだオシャレなオフィスに改修しました。デザインのポイントは、躯体と素材のよさを活かした飾らない空間づくりを意識したことです。給湯室は既存の吊り戸棚をそのまま活かし、扉を温かみのあるラワン材に交換しました。また、デザイン性に優れた「アイアンスタンドシンク」を導入し、壁材には清潔感のあるホワイトのタイルを採用。思わず見せたくなる、明るくナチュラルな給湯室に仕上がっています。

クールな色合いのオシャレなミニマル給湯室

こちらは「エイトデザイン」が手がけた、空調メーカー「ピーエス工業」のオフィスリノベーション事例です。築年数の古いレトロなビルを活かし、素材感あふれるインダストリアルな内装へ改修しました。給湯室は壁に木毛セメント板を貼り、スタイリッシュな小型の洗面台を設置。統一感を出すために、カウンターと収納は同じ素材の木目を使用しています。ブルーの物干しが空間のアクセントとなり、クールな空間にポップで親しみやすい印象をプラス。温かみのある間接照明を設置したことで、雰囲気のある落ち着いた給湯室になりました。
オフィスの給湯室を一新して働き方改革!収納のポイントと合わせて解説
休憩中にふらりと立ち寄れる居心地のよい給湯室は、マグネットスペースとして重要な役割を果たします。オフィスの給湯室をきちんと活用できていない場合、設備や内装、ルールなどを見直し快適性を高めることで、さまざまなメリットを得られるかもしれません。

近年流行しているのは、カフェスペースや休憩スペースを増設した、広々とした多機能な給湯室です。ソファやテーブル、ミニキッチン、収納など、活用方法や企業規模などにより導入される設備は異なるため、それぞれの企業に合ったものを導入するとよいでしょう。また、給湯室の変更に伴い、ほかの箇所の間取りやデザインを変更することもオススメです。
オフィスレイアウトや必要な設備、デザインなどを相談したい時は、オフィスリノベーション実績が豊富な「カシワバラ・コーポレーション」に、お気軽にお問い合わせください。

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