おしゃれなリノベーション事例集!中古物件はココまで快適に!

中古住宅のリノベーションで、できること・できないことを、リノベーション事例とともに解説します。一戸建て住宅とマンションでは、リノベーションをできる範囲が異なるため、まずはその点についてご説明しつつ、オシャレと住みやすさを両立したリノベーション事例をご紹介していきます。

2023.04.20

近年、中古の建物を改装し不動産価値を高めるリノベーションが注目を集めています。物件は、新築から探すよりも中古から探す方がより多くの選択肢から検討できるうえ、購入費用を抑えることも可能です。
中古物件をリノベすれば、ライフスタイルに合わせて好みの住まいを設計できますが、すべて希望通りに進められるわけではありません。この記事では、一戸建てとマンションにおけるリノベで「できること」と「できないこと」をご説明すると共に、オシャレなリノベーションの施工事例もご紹介しています。近い将来、リノベをお考えの人は、ぜひ参考にしてください。

自由過ぎて悩んじゃう?!中古物件のリノベーションで何ができるの?

中古物件のリノベーションは、「どこまで自由にできるのか?」「新築と比較してどんなデメリットがあるのか?」を十分に理解したうえで、検討を重ねてから行うことが重要です。
一戸建てとマンション、それぞれのリノベーションで「できること」と「できないこと」をご紹介していきます。

一戸建て住宅のリノベーション

一戸建て住宅のリノベーションは、マンションなどの集合住宅に比べ自由度が高く、家族構成や年齢の変化に合わせて住まいを変えられる点が大きなメリットです。子どもが小さい時は家族全員リビングで過ごすことが多くても、子どもの成長とともに家族それぞれのプライバシーが大切になると、個室が不可欠になります。
さらに、子どもが独立すると住む人が減り、高齢化を見据えた機能も必要。このような変化に対応できるのが、一戸建て住宅のリノベーションです。
和室の間取りが多い中古住宅を広いLDKに変更するリノベーションでは、柱や梁は構造上残さなければなりません。しかし、これらをデザインの一部としてうまく使えば、個性的な雰囲気をかもす空間を演出できます。
屋根や外壁に塗装や重ね張り、張り替えを施せば、新築のような真新しい外観にもでき、外壁の中に断熱材を入れれば、暑さ寒さを緩和できるので光熱費の削減が可能です。内装では、水回りなどの設備交換のほか、壁紙や床材の自然素材への変更、ユニバーサルデザイン化、吹き抜け・ロフトなどの空間を生かしたレイアウト変更も可能になります。
ただし、一戸建て住宅のリノベーションにも建築基準法や自治体の条例による制約があり、リフォームはその範囲内で行わなければなりません。
特に、建物の築年数には注意が必要です。古い物件は、その耐震性が現在の建築基準を満たさなくなっているケースがあり、耐震補強をすると思わぬ費用がかかることもあります。また、増築する場合は、建築面積(建ぺい率)や延べ床面積(容積率)、屋根の高さや勾配、隣の土地との境界線などにおいて、さまざまな制限があることにも気を留めておきましょう。

マンションのリノベーション

マンションのリノベーションでは、多くの場合、専有部分の変更が可能です。ただ、マンションには管理規約や使用細則があるので、あくまで「その範囲内で可能」ということになります。
また、構造上の制約もあります。建物を柱と梁で支えるラーメン構造の場合、これらに手を加えなければ専有部分の壁を撤去するなど、間取りを大きく変えられますが、コンクリートの耐力壁が室内にある壁式構造の場合、構造の一部になっている壁は取り払えません。
しかし、これを活用することもリノベーションの楽しさです。壁が壊せないことを逆手にとり、好みのカラーやデザインをペイントしてオリジナリティあふれるインテリアに。つまり、リノベーションはアイデア次第なのです。
マンションのリノベーションでは、室内のドアや建具の交換、壁紙などの内装、コンセントや照明などの電気配線の移動も可能です。見えるところに物を置かない収納設計や、管理規約で許される範囲内で天井を高くすることも可能なので、イメージをどのように実現していくか、専門家のアドバイスを受けながら形にしていくとよいでしょう。
一方、天井や外壁に穴を開けるなどの構造体の工事や、ガス管、水道管・配水管など配管の共有部分は移動できません。玄関扉やバルコニーの手すり、ガラス窓のサッシも同様です。床材は防音性能の問題で変更できないことがあるので、リノベーションを希望する場合は管理組合に確認する必要があります。

リノベーションで解決できないこと

中古住宅をリノベーションする際には、法律の規制やマンションの規約によって「できないこと」があり、完全に自由に設計しなおすわけにはいきません。一戸建ての場合は、建築基準法や条例によって定められた制約を守ることが前提です。
マンションでは、管理規約や使用細則を守らなければなりません。マンションのリノベーションで最も気をつけるべきことは、専有部と共有部の見極めです。リノベーションができる部分とできない部分の境界が明確ではないことも多いため、注意が必要になります。

しかし、こういった制約の中で考えながら前へ進んでいくのがリノベーションの醍醐味。新しいアイデアや予期せぬイノベーションが生まれるからこそ、やりがいがあるのです。

憧れのマイホーム!夢を叶えたリノベーション事例集!

ここからは、リノベーションの実例を紹介していきます。それぞれの施工事例では、リノベーション前後の物件の特徴、変更点、また、YouTubeなどの動画で見かけるような快適でオシャレな空間作りのヒントをご紹介しています。

築41年?!ワンルームにロフト空間を!

こちらは「リノベる。」に紹介されていたリノベーション事例です。O様は、築41年、3LDK、62.0㎡のマンションを、ワンルーム+WICにリノベーションしました。部屋の中心に床を少しだけ高くしたロフトを据え、その周辺を囲むようにそれぞれの設備を配置しています。「食べる」「くつろぐ」「寝る」がひとつの空間で行えるワンルームは、1人暮らしの人にとってはとても機能的でしょう。
ワンルームといっても、寝室となるロフトやトイレ、洗面スペースとの間は160㎝の壁で仕切られているため、いわゆる「ワンルームマンション」という雰囲気は微塵もありません。アイアンとウッドによる直線を基調としたデザインが、部屋全体に統一感を与えています。配線は、ロフトの床下にすべてまとめ、リビングのテレビ下に電源を設置。家具と家電は、配置やサイズを施工前にデザイナーに伝えることで、パーフェクトに収めています。このようなオーダーメイドができるのも、リノベーションならではの利点です。

マンションでも諦めない!庭のある暮らし

築29年、75.0㎡ の3LDKは、3つの個室とキッチンが独立した間取り。このお部屋を和室付きの2LDKにリノベーションした施工事例です。マンションで庭のある暮らしを実現したかったご夫妻。すでに理想の物件が頭の中に描かれていたので、購入の決断に迷いはなかったそうです。天井高2.7m、専用庭に続くバルコニーに出られるオープンキッチンは、開放的で広々とした空間を作り出しています。
リビングの一角にある小上がりの和室は、普段は開け放して使い、来客時のみ障子で仕切るそうです。窓際の一部はタイル敷きにしてハンモックを吊したり、部屋干しをしたりできるインナーテラスにしました。ご夫妻がDIYすることを前提にしたリノベーションプランだったこともあり、デザイナーさんが特定の場所に補強を入れるなどの下ごしらえをしてくれたそうです。こちらも「リノベる。」で紹介されていたアイデアです。

趣味の時間が充実!早く帰りたくなる家

コンパクトな45㎡の2LDK中古マンションを、1LDK+WIC+防音室にリノベーションしたケースです。LDKプラス独立した洋室と和室という間取りを、ベランダからの採光を生かしてLDK+ワンルームにリノベーションしました。マンションながら、キッチンの場所を玄関側からベランダ側へ移動させたのが、このリフォームの大きな特徴です。
オーナーご夫婦が間取りを考えるうえで大事にしたのが、この部屋の長所である日当たりと眺望のよさ。リビングから取り込まれた日の光は、部屋中に行き渡るように設計されています。リビングの隣に位置する寝室には、光が差し込むようにクリアガラスの窓を設置。さらに寝室には人が入れるほどの大型の床下収納が設置され、収納不足の解消にひと役買っています。壁と天井に吸音材、ドアには二重ドアが採用されている防音室は、演奏音が外に漏れることがない本格派。「リノベる。」で紹介されていたアイデアです。

間取りが変えられるからくり空間!収納力も抜群!

築23年、55.67㎡、2LDKのマンションをリノベーションしたのは「リノベる。」で見つけたS様です。エコロジーをテーマに「素材」と「抜け感」にこだわりました。フローリングには無垢材を採用。間取りはそのままですが、完全な個室は1室のみにし、もうひとつの個室である寝室はカーテンで区切って、リビングに抜けられるウォークスルークローゼットに。
S様によると、寝室を含むお部屋全体をワンルームのように動き回れるレイアウトにしたかったとのこと。そのほかにも壁面収納のクローゼットやシューズインクローゼットを備えるお部屋は収納力も抜群です。リノベーション前と一番大きく変わったのはキッチンで、場所も向きも変更してバルコニーに直接出られる対面キッチンになっています。キッチンのすぐ横は脱衣所で、仕切りは引き戸。普段は動線を確保するために開放しています。キッチンの対面に設置されているカウンターは移動可能。リビング・ダイニングに置かれている可動式の小上がりとともに、配置が変えられるようになっています。

回れる動線とホテルライクデザインを実現!

「暮らしに合わせた家造りがしたい」とS様が選んだ物件は築29年、74.2㎡の1LDK。S様は、この物件を白と濃いグレーを基調にした、有名ホテルのような、シックな内装にリノベーションしました。間取りは1LDKのままですが、キッチンとリビング・ダイニングの間の壁を取り去り、開放的なLDKを実現しています。アンティークな家具がシンプルな内装に馴染むリビングから寝室への扉には、ガラス戸を採用。デザイン性だけでなく、リビングからも子どもの様子を見通せるという機能性も重視したチョイスです。オープンタイプのL字型キッチンからもリビングや寝室が見渡せます。キッチン背面には大きめのパントリーも設置されていて、キッチンの使い勝手は抜群です。寝室は、洗面所、バスルームとウォークスルークローゼットでつながる身支度のしやすい造りになっています。こちらも「リノベる。」で紹介されていたアイデアです。

中古物件のリノベーションは、一戸建てでもマンションでも、暮らす人の好みで住まい設計できることがメリットです。実際に建物やお部屋に手を加える際にはさまざまな制約がありますが、理想の住まいを手に入れるなら、検討すべき選択肢だといえます。

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DIYer(s)

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