シニア世代に最適な家の介護リフォームと間取りとは?

シニア世代が快適で安心して生活するためには、住まいのリフォームが非常に大切です。加齢に伴う身体的変化やライフスタイルの変化を反映させた間取りや設備を取り入れることで日常生活の自立を支え、万が一介護が必要になった場合にも対応できる環境が整います。そのため、介護に関する基本的な知識を身につけておくことが重要です。今回は、自宅での介護対応リフォームや間取りについて、役立つ情報をお届けします。

2025.02.11

そもそも介護リフォームってなに?

介護リフォームとは、介護が必要になった方が長年住み慣れた自宅で快適に過ごせるよう、住まいの仕様を改善することです。高齢になると病気や介護費用がかさみ、新たに住まいを購入することは難しい場合が多いですが、介護リフォームなら比較的低コストで対応できます。また、高齢者は自宅で過ごす時間が長く、その結果、転倒事故が住宅内で発生することがよくあります。「介護が必要になったとき」や「将来に備えたいとき」など、主に2つのタイミングで介護リフォームを検討することが推奨されます。

介護リフォーム例とポイント

階段

・手すり
多くの住宅は階段の手すりは片側だけについています。しかし片手が不自由になっている方だと上りの際につかまることができても、下りの際は手すりをつかみにくくなってしまいます。二階から一番下まで転落してしまうと、寝たきりになってしまうことも少なくありません。両側に手すりをつけておくと咄嗟につかまりやすく、転落のリスクを下げることができます。表面に滑りにくい加工をしたり、つかまりやすい波状の手すりを設置することも良いでしょう。
・照明
階段がある箇所は天井に照明がついている場合が多いです。足元が暗いとつまずきや踏み外しの原因となってしまいます。足元への照明の設置、人感センサーで点灯する照明も選択肢の一つです。
・踊り場
踊り場を作成することで、万が一転落をしてしまっても下の階まで落ちてしまうのを防ぐことができます。また、階段を上るのに疲れてしまった際に一休みすることもできます。

間取り

・寝室
寝たきりの方はもちろん、足に不自由がある方が過ごす時間が長いのが寝室です。このケースだと寝室と水まわりを隣接させることがおすすめです。水まわりが近いとトイレの介助がしやすく、介護をする側にとっても効率的です。また、寝室と浴室が近いことで部屋間の温度差が大きくなりにくく、ヒートショックの危険性を下げることができます。
・引き戸
引き戸は開き戸のように、扉の開閉の際に一歩下がったりする必要が無く、車いすでの移動や歩行介助に便利です。軽い力で開閉ができる引き戸は、握力が低下した高齢者でも扱いやすいです。介護が必要になると生活空間が狭くなったり、ベランダの日光が遮られたりして、暗い気分になりやすいですが、引き戸を活用することで、日中はベランダの日光を取り入れ、来客があった際は引き戸を閉めてベッドルームを見えなくすることができます。

玄関

・イスやベンチ
高齢者になり足腰が弱くなると、外出するのにも体力が必要なため、外に出るのがおっくうになってしまいます。リフォームで壁に収納できるタイプのものを設置することで、使用しない時には収納して玄関を広く使うことができます。イスやベンチを設置する際は介護を受ける人が立ったり座ったりしやすい高さのものを選ぶことがポイントです。
・スロープ
段差をスロープに変更することで車いすユーザーの方であっても自力で玄関の出入りが可能になります。玄関にスロープを設置する際には長さや勾配を考えること、手すりの設置、スロープ自体の素材にも注意が必要です。雨が降るとスロープが滑りやすくなってしまうことがあるため、できるだけ凹凸がある素材のものを選びましょう。

トイレ

・和式トイレを洋式トイレに
和式トイレの場合、中腰でしゃがむ姿勢になる必要がありますが、高齢者の方だと足腰が弱っているため体勢をとることが難しくなります。洋式トイレに変更することで体勢を崩して転倒するリスクを減らすことができます。また、ウォシュレット付きにすることで、体をひねる動作がなくなり、さらに腰への負担を軽減することができます。
・拡張工事
トイレは一日に何度も使用する場所のため、車いすのまま入ることができたり、杖をついて入ることができる必要があります。トイレの度に介助の必要があると、介護者の負担もかなり大きいものとなってしまいます。また、介助が必要な場合であっても、要介護者と介護者が一緒に入れるスペースが必要です。大規模な工事でなくても、間取りを変更してトイレの場所を拡張することも可能です。

浴室

・床材
昔ながらの浴室はタイル張りになっていることが多く、濡れている状態だと滑りやすく、危険です。転倒した際にタイルの溝でさらにけがをしてしまうおそれもあります。タイルより柔らかい床材に変更すると安心です。
・浴槽
バリアフリーが考えられていない浴槽だと、浴槽の底が深く高さのあるものも少なくありません。深い浴槽だと顔まで浸かってしまうおそれがあり、入浴の際にまたぐことも危険です。近年の浴槽はバリアフリーに特化したものがあり、滑り止めがついていたり、手すりが取り付けられていたりします。
・浴室暖房
浴室で危険視されるものの一つが、ヒートショックです。ヒートショックとは、大きな血圧の変動でめまいや立ちくらみなどの体調不良を引き起こしてしまうことです。浴室の温度をあらかじめ上げておき、周囲の部屋との寒暖差を小さくしてあげることがヒートショックの対策として有効です。

介護リフォームをする際の注意点

本人にあったリフォームを

介護を受ける人によって、不便を感じる点や病気の症状は様々です。例えば転倒が心配だからといって全ての段差を無くしたり、手すりを全ての箇所に設置する必要はありません。不要なリフォームを行ってしまうと、かえって無駄な出費となってしまいます。本人が日頃どのような箇所に不便を感じているのか、日常生活のなかでできない動きや物事は何なのかきちんと話し合い、理解してからリフォームをしましょう。

補助金の活用

介護保険制度を利用することで介護リフォームの補助を受けられる制度があります。対象となる人、リフォーム内容には様々な条件があります。例えばリフォーム箇所であれば、手すりの設置、床の段差解消、引き戸の設置と、各内容によって細かく適用条件が定められています。また、住んでいる自治体によっては介護保険制度の補助金に上乗せしてくれることもあります。お住まいの自治体の窓口で確認してみると良いでしょう。

失敗事例を知っておく

介護リフォームは決して安価なものではなく、慎重に計画を立てることが重要です。失敗を避けるためにも、事前にさまざまな事例を調べておくと良いでしょう。以下にいくつかの失敗例を挙げてみます。

・手すりを設置した場所が狭く、かえって使いにくくなってしまった
・手すりが太すぎて、しっかりと握れなかった
・トイレ内に介助者が入るスペースが十分に確保されていなかった
・車いすの使用を想定して昇降機を設置したが、実際には使用しなかった
・介護リフォームの相場について知識がなく、予想以上に高額な費用を支払ってしまった

このような事例があるため、事前のリサーチが欠かせません。

介護リフォームはカシワバラへご相談ください!

自身が高齢になったり、介護者の立場になると気持ちのゆとりがなくなってしまうものです。住宅リフォームをすることで環境だけでなく居住者の気持ちにも変化がうまれます。ぜひ介護リフォームを考えてみてはいかがでしょうか?さらに詳しい情報やご相談は、カシワバラ・コーポレーションまでお気軽にお問い合わせください。お客様一人ひとりに最適なプランをご提案いたします。

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