リノベーションのデメリットって?マンションと戸建てそれぞれの注意点!

中古マンションや古い団地、戸建てを購入してリノベーションすると新築より安く済みますが、新築の場合とは違う注意点もあります。中古物件を購入してリノベーションしたい人向けに、リノベーションのデメリットや失敗しないためのポイントをマンション、戸建ての特徴別に紹介します。

2023.04.20

リノベーションの醍醐味は物件を自分好みの内装に変えることができる点です。中古住宅をリノベーションする場合、新築物件を購入するより費用を抑えることができます。生活スタイルに合わせて自分のこだわりや理想を現実にしたい人にとっては魅力的です。しかし、リノベーションを行う時にはどのようなことに気を付けなければならないのでしょうか。物件購入は大きな買い物です。失敗しないために、リノベーションのデメリットや注意点について紹介します。

失敗回避!リノベーションのデメリットをチェック!

リノベーションは、建物の修復が主な目的のリフォームと異なり、豊富な選択肢があることや、自由度が高いことが特徴です。自由度が高い分、リノベーションを行う際には気を付けるべきことがいくつかあります。「新築を買ったほうが安かった」「リノベーションの結果に納得がいかない」といった事態を招かないためにも、頭に入れておきましょう。

完成までに半年程度かかる

リノベーションは設計から実際に住むまでに約半年かそれ以上の期間を要します。
まずは物件購入から始まり、設計者のヒアリング、それに基づいた設計プランと見積もり、工事、そして完成という流れが一般的です。最終的な設計プランが合意に至るまでは何回かのやり取りが行われることが多く、これらの工程に2.5か月~3か月ほどかかるかかることを想定しておきましょう。

実際の工事にも2.5か月~3か月ほどかかることが多く、お盆などの期間を挟んでしまうと、さらに長くなります。リノベーションが完成するまで賃貸住宅に住む場合、仮住まいの家賃と購入した物件の支払いを同時にしなければなりません。支払いが二重になるため、リノベーションに時間がかかれば、その分出費は多くなってしまいます。このような場合、銀行に交渉すれば最初の半年ほどは住宅ローンの金利のみの支払いが可能になるケースもあるため、事前に必ず確認しておきましょう。

物件の状態によって追加費用がかかる

事前検査では分からなかった問題が、物件を解体して初めてわかることがあります。表面的にはよい状態に見えていても、いざ解体してみると、配管や柱が傷んでいたり断熱材が入っていないことが判明したりすることがあるのです。このような場合は、当初の見積もり金額よりも高くなってしまいます。物件を決めるところからローンの手続きまで、リノベーションに関わること全てを行ってくれるワンストップ型の会社であれば、こういった場合でも迅速に対応してくれるでしょう。

物件ごとに建物の寿命が違う

メンテナンスがきちんと行われていなかった場合、管理が適切なものに比べて物件の寿命が短いことがあります。購入しようとしている物件が安心して住めるものなのか、チェックが必要です。築浅だから安全だろうと考えるのは早計でしょう。建物の管理において重要なのは築年数より管理状況と修繕状況です。築浅とはいえ、管理が行き届いていなければ10~20年後に問題が出てくる恐れがあります。中古マンションであれば、大規模修繕工事が行われているのか、修繕積立金はいくらかを確かめましょう。戸建てであれば、工法、材質、加熱法などの確認をおすすめします。いずれも個人で調べるのは難しいため、プロにチェックしてもらうのが賢明です。

外観を変えられないケースもある

自分の好きな空間を作れるのがリノベーションですが、何でも変えられるわけではありません。マンションであれば、ドアや外壁などの共有部分とされるところは変えてはいけないことになっています。ただし、管理組合に届け出を出せば変えられることもあるため、確認してみましょう。

戸建てであれば外観を変えることは可能ですが、別途費用が必要です。増築も可能ですが、都市計画法や建築基準法によってできる範囲が限られます。防火地域では木造の建物が禁止です。準防火地域では外壁を耐火構造にしなければなりません。ほかにも高さや外壁の色に制限がある場合もあるため、購入する物件のある地域の規約を確認しておきましょう。

リノベーションで失敗してしまう原因

完成した後に、こんなはずではなかった、もっとこうすればよかったと後悔したくありませんよね。納得のいくリノベーションにするにはどんなところに気を付けなければならないのでしょうか。実際に起こった5つの失敗例とその解決策について紹介します。失敗を回避するために、さまざまな失敗例を事前に知っておきましょう。

リノベーション費用に関する失敗

リノベーションの費用は、物件価格とリノベーションにかかる費用を合わせて考えなければなりません。いきなり中古物件を購入してリノベーションを行ったら、柱などの老朽化が後から見つかり、予想外の出費が増えてしまったというケースも考えられます。
また、材料のグレードで値段が異なったり、プランニングしているうちに追加したい工事が増えたりして、予算オーバーになることもあるでしょう。余裕のある予算を確保しておかないと、ある程度妥協しなければならず後悔が残ることになります。

そうならないためには、リノベーションの目的を明確にして具体的にどうしたいのかを固めてから見積もりをし、見合う物件を探すことが重要です。
また、工事に取り掛かる時に合意した見積もりより、実際の工事が終了した最終的な請求のほうが高くなる場合を踏まえて、余裕を持った予算の確保をしておきましょう。

資金計画に悩むようなら、ワンストップ型の会社に依頼する方法があります。その場合、全てを同じ会社が請け負ってくれるため、予想外の事態が起こりづらいので安心できるでしょう。
また、リノベーションするに当たってローンを組む場合は、住宅ローンとリフォームローンの二種類があります。住宅ローンは、担保は必要ですが金利が安いため、中古物件を購入してリノベーションする場合におおすすめです。現在住んでいる家をリノベーションする場合、費用が1,000万円以内であればリフォームローンのほうがよいでしょう。住宅ローンに比べて金利が高いですが、無担保で借りられるのがメリットです。

また、減税制度や補助金制度も活用しましょう。リフォームローン減税では毎年年末のローン残高の1%が10年間にわたって所得税や住民税から控除され、最大で400万円の減税が受けられます。ただし、コンクリート造マンションでは築25年、木造の戸建ての場合は築20年を超えているものは、耐震基準適合証明を受けているか既存住宅売買瑕疵保険に加入していなければ受けられません。この点に注意して物件を選びましょう。

物件選びに関する失敗

建物の構造や規約によっては、できるリノベーション工事に制約があるため、注意が必要です。マンションは主に壁式構造とラーメン構造の2種類に分類されますが、現在のマンションの多くは柱で支えるラーメン構造で造られているため、リノベーション工事の自由度が高くなっています。
一方、古い団地の場合は壁式構造であることが多く、こちらは面で支える分頑丈ですが、壊せない壁があるため、思うように部屋の形を変えることができない点がデメリットです。
戸建ての場合、マンションより自由度が高いものの、こちらも工法によって制限があります。木造軸組工法は木の柱や梁で支えているため壁を壊せますが、2×4工法やプレハブ工法は面で支えるものなので、壊せない壁があり、注意が必要です。
さらに、マンションも戸建ても水廻りの移動に制限がある場合があります。そのため、物件選びはリノベーションのプロと一緒に行うと安心です。購入後に「理想通りの工事ができない」と発覚するような事態を防げます。

設計やデザインに関する失敗

デザイナーとセンスが合わず、理想と掛け離れてしまうことがあります。また、よく考えずに依頼してしまい、使いづらい部分が多い家になってしまうと、後からさらにリフォームが必要になってしまう可能性もあります。。担当者にアイデアを提案してもらうことは必要ですが、担当者の知識や経験が浅い場合、提案力には限界があります。勧められるまま計画するのではなく、自ら積極的に情報収集をするようにしましょう。どんな暮らしがしたいのかをイメージすることが大切です。
リノベーションをする前に、まずは「オシャレな空間がいい」「スタイリッシュにしたい」といった抽象的な希望ではなく、具体的にどうしたいのかを明確にしておきましょう。インスタグラムやピンタレストなどで、理想のイメージを収集しておくこともオススメです。その上で、自分の目的やコンセプトにあったリノベーション会社を探すと失敗や後悔を減らすことができるでしょう。

また、将来的に住み替えをしてリノベーションした家を売ったり貸したりしたいと考えているのであれば、新築物件は20年間価値が下がり続けるため、築20年以降の物件購入がおすすめです。なお、駅から徒歩10分以内に立地する物件はその便利さから、借り手が付きやすくなっています。もしあまりにも個性的なリノベーションを行う場合は、将来売ろうとした時に買い手がつかないことがあるので、十分に考慮して進めましょう。

住み始めて気づく失敗

子供が生まれた時に死角が多いことに気が付く場合や、構造上の問題からこれ以上部屋を増やせない場合も考えられます。死角を減らすためには、台所から全てを見渡せるような造りがおすすめです。間取りは必要最低限にとどめることで、家族構成の変化によって柔軟に対応できるようにしましょう。

会社選びに関する失敗

リフォーム会社は大きく分けて、地元の工務店、中堅のリノベーション会社、大手のリノベーション会社があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。「費用が安いから」「大きな会社で安心だから」といった理由で安易に選択するのではなく、あらゆる面からそれぞれの特徴を把握し、自分にとって最適な会社を選択するようにしましょう。

地元工務店は部分的な修繕やリフォームを得意とすることが多く、概ね費用が安いことがメリットです。広告にお金をかけていないため、その分中堅や大手の会社に比べて費用が安く済みます。また、小回りがきくため、進行中の工程で急な変更をしたい時も比較的融通がききやすいでしょう。工務店のスタッフとよい関係性が築ければサービスしてくれることもあるかもしれません。
しかし会社によって品質に違いがあることや、少人数で作業するため非常時の交代要員が限られている、過去の事例カタログがない、といった場合もあります。また、設計や提案内容にITの最新技術が導入されていないことも多々あるため、話し合いの段階で顧客側からイメージを具体的に提示したり、工務店とよくコミュニケーションを取ることが大切です。工事が始まってからも積極的に足を運んで現場の状況を共有し、良好な関係を築きましょう。

中堅のリノベーション会社に依頼するメリットは、提案力やIT技術を取り入れた3Dのイメージ図などを提示してくれるところです。経験豊富な中堅会社だと、過去の事例カタログを提示してくれます。また、タイミングがよければ出来上がった住宅を内見できることもあるでしょう。

一方で、工務店に依頼するよりも費用はどうしても高くなりがちです。また実際の作業では、下請け会社との連携が上手くとれていないことがあるため、本社の指示と現場の作業工程に食い違いがあることもあります。これは大手会社も同様です。新しい会社だと事例の蓄積が少なく、イメージを膨らませにくいこともデメリットといえます。また、パートナー会社がそれほど多くないため、顧客の細かな要望に対応できないこともあるでしょう。
大手会社の場合はネームバリューやブランド力といった安心感があります。また中堅会社と同様に、3Dイメージ図やサンプルの提、最新の情報量の多さや営業の提案力がメリットといえるでしょう。また顧客数が多いこともあり、さまざまな事例も豊富です。さらに工事終了後のアフターフォローまでが契約に含まれていることも多くなっています。また、作業の種類ごとに選任者が細分化されており、高い専門性が望めるでしょう。
また、パートナーシップを結んでいる中堅、下請け業者も多数抱えており、カスタムメイドをしやすい、顧客の多種多様な要望にも対応してもらえる、といったメリットがあります。

半面、一つ一つの工程に別の担当者が関わるため、融通がきかない、決定や進行が比較的遅い、総費用が高い、というデメリットが考えられるでしょう。また担当者も工程ごとに複数人いるため、意思疎通に時間がかかることもあります。

注意を払べき要素はたくさんありますが、新築より費用を抑えられて、さらに自分好みの空間に住めるリノベーションはとても魅力的です。リノベーションは、この記事で紹介したデメリットや注意点を意識して検討・実施することをおすすめします。

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DIYer(s)

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