ニート娘のDIYライフと恋物語:ボンクラボンボンハウス
漫画雑誌『フィール・ヤング』(祥伝社)で絶賛連載中の漫画「ボンクラボンボンハウス」をご存知でしょうか? ドラマ化もされ話題を呼んだ「午前3時の無法地帯」の著者であるねむようこ先生の最新作なんですが、そのテーマとしてピックアップしたのはDIY?居ても立っても居られなかったので、詳しい話を聞いてきました。
2022.01.07
ー話をボンクラボンボンハウスに戻しますが、セルフリノベーションの経験が作中に生かされているシーンはありますか?
「2巻のゴミを捨てに行くシーンですね。ペンキを塗ったりモルタルをこねたりするのも面白い経験でしたが、ゴミ処理場が印象的だったので作中にも山中のゴミ処理場を描きました。あと余談ですが、港近くにある破砕場も面白かったです。施設内が『エイリアン2』に出てきそうな研究所っぽい雰囲気でワクワクしました。そういう普段行ったことがないところに行けるのも、ある意味DIYの醍醐味だと思います」
天井を塗装するねむ先生の姿。コチラの作業シーンも作中に出てくるので探してみてください。
ータイトルもかなり特徴的ですが、決め手は?
「最初は『ボンクラボンボン』というタイトルだったのですが、担当さんに『ハウス』とか『家』というワードも入れようと言われて今のタイトルになりました。語感がへんてこで気に入っています。思わず口に出してみたくなるタイトルだと思います」
ブチ切れるおじさんの落書きが作品のきっかけ!?
ー確かに一見長いようにも感じますが、口に出してみるとスラッと言えちゃう気持ちよさがありますよね。そのボンクラというところで、主人公に対してお父さんがブチ切れるシーンがすごく印象に残っています。
「私もあのシーンはすごく気に入っています。実は、この連載が始まるずっと前に、あのシーンの落描きをしていたんですよ。ブチ切れるおじさんが自分的にとても上手に描けたので気に入っていて、いつか漫画に描きたいと思っていました。あのシーンから生まれた漫画だと言っても過言ではないのかもしれません」
大学に行かせるためではなく、幸せにするためのお金
ーファンとしては堪らない裏話です。ありがとうございます。作品を読んでいて、DIY以外にもお金のありがたみや稼ぐことの大変さを感じさせる内容だなと思いました。
「自分自身が自立して一番痛感したのは、お金とはどういうものかということでした。小さい時から大人になるまで実家で暮らした長い間、一度も飢えや寒い思いをしたことがなく、希望の学校に通わせてもらいました。それは当たり前のことではないのだと、両親のたゆまぬ労働の上に成り立っていたのだと、やっと気づ着ました。それに気づいた今、大学に行くことが本当に一番有意義なお金の使い方なのかな?という疑問が浮かんできました。両親が何のために私たち子供にお金をかけてくれたのかと考えたら、大学に行かせるためではなく、幸せにするためだったと思うのです」
ーその思いを踏まえて1巻冒頭の一樹の言葉を読むと、たくましくも感じますね。
「主人公・一樹は一見するとボンクラ娘ですが、世の中の流れを見抜ける鋭い目線を持った人なのだと思います。大きな流れに乗ることで思考停止するのではなく、そこから離れて本当に自分に見合った豊かさを見つけることが本当の幸せなんじゃないかと思います」
ー今後の一樹の成長劇と恋愛模様をねむ先生がどう描いていくのか楽しみにしています。最後にDIYer(s)の読者にメッセージをお願いします。
「DIYer(s)は実例もたくさん載っていて自分もやってみたい!と思うようなアイデアが満載ですよね。よく本格的なDIYの施行例を見て、夫と『すごいねー』とか『いやウチの方がすごい』などわーわー言いながら拝見しています。DIYer(s)の読者の皆さんもきっとDIYの楽しさをご存知だと思いますので、『ボンクラボンボンハウス』も読んで頂けたら幸いです。よろしくお願いします!」
漫画で描かれるDIYの物語。その内容は壁紙や床材、天井材を取り除くスケルトン工事やスプレーガンを使っての塗装など本格派。2巻とも読み漁った自分もしっかりと勉強にさせていただきました。そして、なんと最新巻となる3巻が8/8(水)に発売。ぜひこの記事を機会に手に取ってみてください。インタビューで語ってくれたねむ先生の思いがきっと理解できると思いますよ。
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FEEL YOUNG
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Japan
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