アイランドキッチンの価格は? メリットやデメリットも解説

これからアイランドキッチンを設置しようと検討している方に向けた記事です。壁から独立させることのメリットと、逆に注意すべきデメリット、リフォーム事例や価格について具体的に解説します。また、すでに設置済みの方も簡単に使い勝手を改善できるアイデア例を紹介します。

2022.11.18

アイランドキッチンには魅力がたっぷり!今回は、アイランドキッチンのメリット・デメリットやリフォーム費用の目安、使い勝手をよくするアイデアを紹介します。これからリフォームする方に向けてアイランドキッチンの参考価格や事例などもお伝えするので、ぜひ参考にしてみてください。

意外と知らないアイランドキッチンの特徴とは?

アイランドキッチンとは、その名の通りフロアにおいて、まるでひとつの「島」のように独立しているキッチンのことを指します。オシャレなインテリア雑誌やWebサイトなどでもよく見かけるようになり、今や多くの家庭で採用されています。

では、従来のキッチンと比べて、アイランドキッチンにはほかにどのような特徴があるでしょうか。例えば、従来のキッチンであれば、壁と一面以上接しており、基本的に壁へ向かって調理するスタイルが主流です。一方で、アイランドキッチンは、作業台やシンクが壁に接しておらず、すぐそばのダイニングやリビングスペースに向かって調理することが一般的でしょう。つまり、同じ空間にいる家族と、より一体感が生まれコミュニケーションも図りやすくなるほか、遮るものがないため、開放感を得ながら調理や作業できるといった点も、人気の要因と考えられます。

ペニンシュラキッチンとの違いは?

アイランドキッチンと似ているキッチンとして「ペニンシュラキッチン」と呼ばれるものも人気があります。そもそもペニンシュラ(peninsula)とは「半島」を意味しており、左右のうち片側のみが壁に接しているのが特徴です。

アイランドキッチンと同じく対面キッチンのため、調理しながら家族との会話を楽しめるでしょう。また、アイランドキッチンでは、四方に人が通れるスペースを確保する必要がある一方で、ペニンシュラキッチンであれば片側は壁に接しているため、スペースの限られた間取りであっても採用しやすいと考えられます。

アイランドキッチンのメリット

では、アイランドキッチンには、どのようなメリットが考えられるでしょうか。空間や機能面からここでは代表的な3つについて解説します。

開放的な空間を実現できる

アイランドキッチンは壁に接しておらず、視界をさえぎられないため、調理中もダイニングやリビングなどの広い空間全体を見渡せます。家族との会話を楽しめたり、リビングに置いてあるテレビを一緒に見たりすることも可能です。独立したキッチンではともすれば孤独になりがちですが、常に開放的で一体感のある空間を存分に味わえるのがアイランドキッチンの魅力でしょう。

オシャレなカスタマイズができる

アイランドキッチンは生活空間を彩る主役として考えられるため、メーカー各社ともデザイン性を重視した、さまざまな商品を展開しています。インテリアのイメージによって、キッチンの大きさや高さ、色や素材などはもちろん、飾り棚を付けたり少し低めのカウンターを設置したりするなど、ライフスタイルに合わせてさまざまなカスタマイズも可能です。

大人数での作業がしやすい

アイランドキッチンは四方にある程度スペースがあるため、動線が一方通行ではなく、自由に行き来できるのも魅力です。例えば家族と一緒に料理する際や、ホームパーティーなどで複数人が頻繁にキッチンに出入りするような場合も、各自がスムーズに動きやすいと感じられるでしょう。

アイランドキッチンのデメリット

アイランドキッチンには、メリットのみならず注意すべきデメリットもあります。ここでは主な3つのポイントを紹介しますので、メリットと併せて判断した上で、導入するかどうかを決めるようにしましょう。

油はねやニオイなどが気になりやすい

アイランドキッチンで調理していると、換気扇で吸い取られなかった煙やニオイが、ダイレクトにダイニングやリビングへ流れやすくなってしまいます。ただ、できるだけ性能の高い換気扇を選び、設置することで対策は可能です。その際、静音タイプを選ぶと、空間全体を快適に維持できます。

また、壁に接していない分、フライパンなどからの油はねで床が汚れるのではないかと気になる人も多いのではないでしょうか。基本的には、アイランドキッチンのコンロ前にオイルガードを設置することで、それより先の床へ飛び散るのを防げます。キッチンの種類によっては、オイルガードの色や高さもカスタマイズできることがあるので、デザイン性と機能面の両面を考慮しながら選ぶとよいでしょう。

スペースに余裕がないと圧迫感を覚えやすい

アイランドキッチンでは、四方に人が通れるくらいのスペースが必要です。しかし、LDKにあまり余裕がない場合、空間の中での存在感が大きすぎてしまい、ほかの家具類を置けなくなる可能性があります。そのため、憧れだけで即決はせず、実際に設置した時に圧迫感がないかどうか、メーカーと間取りをしっかり確認した上で採用することが大切です。

整理整頓しないと散らかって見えてしまう

キッチンではさまざまなものを使用します。しかし、アイランドキッチンでツール類などを整理整頓できていないとすぐ目に付きやすく、散らかって見えてしまうでしょう。さえぎるものがない開放的な空間をより素敵に見せるためにも、調理が終わればキッチンの上にできるだけ何も置かないようにすることが大切です。また、調理中に手元を見られたくない、あるいはダイニングやリビングから、少しでもすっきりと見せたい場合は、作業するスペースの前に低い立ち上がりの壁があるデザインを選ぶのもオススメです。

アイランドキッチンのリフォーム費用の目安

部屋の中央にキッチンを設置する特殊な工事のため、一般的な壁に面したキッチンからのリフォームの相場は、150万円以上になる場合も多くあります。以下は、主な工事費用の内訳例です。

・解体工事費用:約5〜10万円
・壁のクロス張り替え:約5万円〜
・電気系統工事:約5万円〜
・給排水管工事:約5万円〜
・キッチン取り付け費用:約15万円〜
・IHクッキングヒーターなどのオプション:約15万円〜
・背面収納:約20万円〜

ただ、費用はキッチンの設置に伴って発生する工事や商品のグレード、オプションによっても大きく変わってきます。グレードの高い商品や必要のないオプションを削っていけば、相場よりも安くすることは十分可能でしょう。

【一戸建て編】アイランドキッチンリフォームにかかる費用の目安

独立型キッチンからアイランドキッチンへリフォームした事例をご紹介しましょう。キッチンに接する壁から切り離すことで、部屋自体の広さは変わっていなくても、明るく広々としたキッチンに生まれ変わりました。独立型キッチン特有の、壁に囲われた閉塞感がなくなり、毎日の調理も楽しくはかどりそうです。

費用としては、スタンダードなアイランドキッチンの設置で150万円程度かかりました。床や壁のクロス張り替えの必要はなかったため、10日間の工事期間で完了しています。しかし、アイランドキッチンのグレードによっては、300万円を超えるものもあり、予算やデザイン、機能などを総合的に見て検討する必要があります。

【マンション編】アイランドキッチンリフォームにかかる費用目安

続いてはマンションでのリフォーム例です。マンションの場合、一戸建てと比べるとダイニングやリビングのスペースが限られてきます。そのため、無理やりアイランドキッチンを設置すると、閉塞感を覚えてしまう可能性があり、注意が必要です。

この事例では、キッチンの設置と同時に、リビングの隣にあった和室をリビングスペースに取り込むことで、広々とした空間を実現しています。光が行き渡りやすくなり、部屋全体も明るくなりました。

費用としては、ふた部屋をひと部屋にした間取り変更と腰壁の設置、スタンダードなアイランドキッチンの設置で200万円ほどがかかりました。また壁を壊すような、大掛かりなリフォームのため、約20日間という若干長めの工事期間を要しています。

アイランドキッチンの価格はどのくらい?

アイランドキッチンでは、サイズや収納、カウンターの素材などによって価格が変わります。そこで代表的なグレードと価格例について紹介します。

まず、各メーカーとも、サイズは240~270cmの範囲に収まるものがほとんどで、大きくなるにつれて値段は高くなる傾向です。例えば240cmの「TOTO ミッテ」は48万円ですが、270cmの「TOTO ミッテ」は50万7,000円〜というように数万円の差があります。

次に、収納には「開き扉タイプ」と「引き出しタイプ」があります。開き扉タイプの「ハウステック カナリエ」は56万2,000円〜ですが、引き出しタイプの方は61万4,000円〜と、引き出しタイプの方が高額です。

最後にカウンターの主な素材として、「ステンレス」と「人工大理石」があります。例えば、ステンレスタイプの「トーヨーキッチン BAY」は106万2,000円〜ですが、人工大理石タイプは111万6,000円~と、人工大理石の方が高い傾向にあります。

アイランドキッチンを快適に使うコツとアイデア!

アイランドキッチンでは、少しでも乱雑にものが置かれているだけで、部屋全体の掃除が行き届いていないように見えてしまいます。そこで「見せる収納」を試してみてはいかがでしょうか。

例えば、株式会社サオビさんのホームページで紹介されているように、キッチンの上に吊り下げ収納が可能なパイプをつければ、あっという間に収納スペースを確保できます。

吊り下げ収納は見せる収納として、グラスなど見栄えがいいキッチングッズを整然と並べるとよいでしょう。部屋全体の雰囲気がグッと引き締まるはずです。このように収納スペースを作り、キッチンの上にものを置かないようにすることで、清潔でスッキリした印象を与えられるためオススメです。
また、油はね対策としてオイルガードを設置する方法について紹介しましたが、コンロを使う時だけ立て掛けられる「油はねガード」を用意する手もあります。『リノベと暮らしとインテリア』の管理人cocoyukoさんも実践しているこの方法は、誰でも比較的安価で手軽に採り入れやすいのがポイントです。

コンロの使用中に油はねガードを立て掛けるだけなので、調理が終われば折りたたみ、ちょっとしたスペースにでも収納できます。つまり、調理している時以外は、すっきりとしたキッチンを維持できるわけです。油はねガードをしまえば、コンロ周りはフラットな状態に戻るため、カバーしきれなかった油はねの掃除がしやすいのも嬉しい点でしょう。

まとめ

アイランドキッチンは調理中に開放感を味わえたり、家族とのコミュニケーションを図りやすかったりと、多くのメリットがある一方で、あらかじめ気を付けておかなければならないデメリットもあります。ただ、整理整頓しやすいように必要な収納スペースを確保する、あるいはコンロの周りにガードを設置するなどの工夫を施せば、対策は十分可能です。また、アイランドキッチンはライフスタイルにあわせ、自分の好きなようにカスタマイズしやすい点が魅力です。本記事で紹介した設置例なども参考にしながら、この機にアイランドキッチンへのリフォームを検討してみてはいかがでしょうか。

WRITTEN BY

DIYer(s)

Japan

DIYer(s)編集部です。DIYのアイデアやハウツー、おすすめツールやショップ情報まで幅広くお届けします!