パン屋の内装はどのくらい費用がかかる?コストを抑えるポイントも解説!

この記事では、パン屋の内装費用やコストを削減するコツをまとめました。併せて、パン屋の内装で求められる項目や、オシャレな内装をつくるポイントなどについて、デザイン事例を交えながら紹介します。パン屋の開業を検討されている人は、ぜひ参考にしてください。

2022.06.24

近年、都内や全国の主要都市などを中心に、内装にこだわったオシャレなパン屋が増えています。パン屋は厨房設備などで内装費用がかかりやすいものの、デザインやレイアウトなどにもこだわったワンランク上の店舗がつくれれば嬉しいものです。そこで本記事では、パン屋の内装費用の内訳などにも触れながら、コストを抑える方法やオシャレな内装をつくるコツなどについて解説します。これからパン屋を開業される予定の人は、ぜひ参考にしてください。

パン屋の内装にこだわることで売上をアップできる!

近年、カフェのようにイートインスペースを充実させたパン屋や、SNSでの拡散を狙ったオシャレなパン屋などが増えています。パン屋の内装を決める時は、どのような点に着目すればよいのでしょうか。

パン屋は「オシャレさ」と「清潔感」が大切

地域や立地などにもよりますが、パン屋では20〜30代ほどの女性がランチなどで購入するケースが多く見られます。SNSで注目を集める人気のパン屋に、若い女性がずらりと並んでいる光景を目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。パンの美味しさで勝負するのはもちろん大切ですが、店内に並ぶパンをより美しく見せ、顧客の満足度を高めるためには「内装のオシャレさ」「清潔感」が重要なポイントです。

清潔感のある内装をつくるには、掃除のしやすい素材・レイアウトを意識することが大切です。耐水性があり水拭きしやすい壁紙や、汚れが付着しづらい凹凸のない床材など、日々の掃除が楽になるものをチョイスするとよいでしょう。

セルフ式と対面式、どちらを選ぶ?

パン屋のレイアウトには「セルフ式」と「対面式」の2種類があります。
セルフ式とは、店内に並ぶパンを顧客が自らピックアップするスタイルのことです。オープンディスプレイで多くの商品を展開でき、スタッフはレジ・陳列・仕込みなどの業務に集中しやすいメリットがあります。
対面式と比べて店舗に広い面積が必要です。しかしその分回転率が高く、人件費も削りやすいことから、利益を出しやすい形式と言えます。このメリットを活かすには、顧客がレジに向かいながらパンを選んでいけるよう、スタッフ・顧客の導線設計をしっかりと検討しなくてはなりません。
一方、対面式とはショーケースや棚などに並んだパンを顧客に選んでもらい、スタッフがピックアップするスタイルのことです。狭小店舗など限られたスペースのテナントでも設計しやすく、多くの場合は最低ひとつの什器があれば運営できます。
すべてのパンがショーケースに入っているため、衛生面での安心感もあるでしょう。セルフ式に比べると、並べられるパンの数が少なかったり、接客に時間がかかりやすかったりするなどの懸念点もあります。しかし小規模の店舗でも運営しやすく、一人ひとりの顧客に丁寧な接客・サービスを提供できるのが対面式の魅力です。

セルフ式と対面式は、どちらのスタイルがより優れているというものではなく、自身が目指す店舗に合わせて適切なものを選ぶことが大切です。理想のディスプレイ方法・回転率・スタッフ数・人件費・物件の面積、などを検討しつつ条件に合うスタイルを選択するとよいでしょう。

オシャレな内装にする際のポイント

ここでは、リピーターや新規顧客の集客につながるオシャレな内装をつくるポイントについて、事例を交えながら紹介します。パン屋の店舗デザインで悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

照明にこだわる

こちらは「岩崎電気株式会社」が手がけた、照明にこだわったパン屋の内装デザイン事例です。コーポレートカラーの淡いブルーで塗装した特注の照明に、電球色のランプを組み合わせ、温かみのある空間を演出しました。パン屋においては、パンを美味しく見せるディスプレイが重要であるため、見た目の印象を左右する照明は慎重に選ぶ必要があります。

照明器具の形は店舗の印象を、照明の色はパンの見栄えや空間の雰囲気などを決める役割があるため、照明の色にもこだわるとよいでしょう。食べ物を美味しく見せるには、オレンジがかったものなど、暖色系の照明が適しています。

木材を使用する

こちらは「東京創建」が手がけた、都心のオシャレなベーカリーのデザイン事例です。8坪に満たない小さな物件ですが、対面式スタイルを取り入れつつ厨房配置にもこだわり、限られたスペースを有効活用しています。

内装は、顧客の視線が届きやすいショーケース付近を中心に、木材を多く取り入れた温かみのあるデザインです。机や棚など什器系に木材を使用し、フローリングや扉などと木目の色を合わせることで、統一感のある内装に仕上げています。天然素材の木を使うと内装費が高くなりやすいため、木目がプリントされたシートや合板などを組み合わせるのがオススメです。例えば「触れやすいショーケース周りには天然木を、ほかの部分は化粧板を使用する」などと使い分けるとよいでしょう。

イートインスペースは売り場と切り分ける

こちらは「リビングえひめ」に掲載されている、パン屋の内装デザイン事例です。特に注目すべきはイートインスペースです。木目やグレーの化粧壁・温かみのある照明・観葉植物などの組み合わせにより、ナチュラルでオシャレなカフェのような雰囲気に演出されています。パン屋のイートインスペースは、地域の交流の場にもなりやすく、内装にこだわることでリピーターの獲得につなげやすいメリットがあります。

イートインスペースは、同じ空間でも売り場と切り分けて設計することが大切です。腰壁や間仕切りなどを設置したり、「売り場はモダンテイスト、イートインスペースはナチュラルなカフェテイストにする」などデザインで視覚的に分けたりすると、快適なイートインスペースをつくりやすいでしょう。

パン屋の内装にかかる費用

一般に「パン屋は厨房設備を整えるのに費用がかさみやすい」と言われていますが、実際のところ、費用相場はいくらほどなのでしょうか。ここでは、パン屋の内装にかかる費用目安や内訳などを紹介します。

厨房機器は特にお金がかかりやすい

パン屋は、ほかの飲食店よりも厨房機器に費用がかかりやすく、初期費用の5割以上を内装費用が占めるケースもあります。厨房機器にはパン屋でしか使わない専門機器も多く、さらに電気や給排水設備、空調設備などの大掛かりな工事も必要です。

内装費用の相場は30万〜50万円/坪ほどで、一般的なパン屋の面積が20坪ほどだとすると、約600万〜1,000万円程度の費用が必要です。内装をオシャレにしたり、イートインスペースをつくったりすると、さらに費用が上乗せされます。

内装工事費用の内訳

パン屋の内装工事費用は、取得する物件が「スケルトン物件」か「居抜き物件」かによって変わってきます。
スケルトン物件とは、建物のコンクリートがむき出しの状態になっており、内装をゼロからつくる物件のことです。スケルトン物件の場合、厨房設備のほかにも、「フローリングや壁のクロス・天井の化粧板」などまで、すべて自身で負担する必要があります。

一方、居抜き物件とは前のテナントの内装や設備が、そのまま残っている物件のことです。それらを買い取る費用は必要になるものの、同じ業態の居抜き物件を選ぶことで開業資金を大幅に削減できるメリットがあります。

内装工事にかかるコストを抑えるには?

初期費用が高額になりやすいパン屋の内装工事。コストを抑えるには、どのような方法があるのでしょうか。

相見積もりを取る

内装工事を依頼する業者は、3社ほどを目安に相見積もりを取りましょう。パン屋は設備の種類や店舗の面積、そしてデザインによっても施工費用が大きく変わります。そのため、一社からだけ見積もりを取っても、正しい費用相場を把握できない可能性があります。
複数社から相見積もりを取ることで、適正価格を確認しましょう。併せて、費用対効果や施工業者との相性、サービスの質なども比較・検討できるため、満足度の高い店舗をつくりやすくなります。

相見積もりを取る時は、それぞれの業者に相見積もりであることをあらかじめ伝えておく必要があります。しかし、ほかの業者の見積書を見せたり、他社の金額を例に挙げて値切り交渉を持ち掛けたりするのはマナー違反です。施工業者との信頼関係を築きづらくなるため、極端な価格競争を行うのは避けましょう。

中古品・リースを活用する

厨房設備をすべて新品で購入する必要はありません。新品では数百万円ほどになる設備もあるため、適切に、中古品の購入やリースを検討するのが望ましいでしょう。
リースを活用すると初期費用を抑えられるだけでなく、設備の入れ替えがしやすいメリットもあります。「ゆくゆくはグレードの高い設備を導入したい」「実際の売上を見ながら購入する設備を決めたい」といった場合は、ひとまずリースを検討するのがオススメです。

居抜き物件を選ぶ

居抜き物件は、設備や内装を格安で譲ってもらえる可能性が高いため、開業資金を大幅に抑えられます。限られた予算でパン屋を開店したい場合は、居抜きに絞って物件を探すのもよいでしょう。注意点として、居抜き物件は人気が高く、市場に出回ってもすぐに契約が決まってしまうことが挙げられます。そのため物件を取得するのに時間がかかったり、立地や方角など理想の条件で物件が見つからなかったりするなどのデメリットも認識しておきましょう。

居抜き物件を選ぶ場合は、前のテナントの設備や内装などを活かして店舗をつくります。設備が古過ぎたり、内装のイメージが違い過ぎたりすると、すべてゼロからつくり直す必要があり、居抜き物件のメリットを享受できないため注意しましょう。
パン屋の居抜きであればどの物件でもよいわけではなく、しっかりと条件に合うものを見極める必要があります。自分の店舗イメージをしっかりと固め、具体的な条件として明確化しつつ、物件を探してください。
パン屋の内装で重要なのは、「オシャレさ・清潔感」です。パンを美味しく見せられる照明やディスプレイはもちろんのこと、床材・壁紙などは掃除のしやすさも考慮して選ぶとよいでしょう。
また、パン屋は厨房設備に費用がかかりやすく、ほかの飲食店よりも開業資金が割高になりがちです。コストを抑えたい場合は、中古品の購入やリース、居抜き物件の契約なども視野に入れるのがオススメです。
パン屋の開業を検討されている人は、コストバランスに優れたオシャレな内装リフォームを手がける「カシワバラ・コーポレーション」に、どうぞお気軽にご相談ください。

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DIYer(s)

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