ファサードデザインとは?店舗デザインを考えるポイント

店舗の顔であるファサードデザインは、お客様にとってお店の第一印象を左右する、非常に重要な要素です。この記事では、ファサードデザインに関する基本的な知識を学ぶと共に、印象に残る外観をした店舗の実例などを取り上げています。

公開日 2020.05.19

更新日 2020.05.19

ファサードデザインとは?店舗デザインを考えるポイント

店舗デザインを考えるにあたって最も大切なポイントは、建物の顔となるファサードデザインです。
ファサードとは、フランス語で「顔」を意味する言葉であり、建築物の第一印象を左右する最も重要な要素です。
今回は、ファサードデザインに関する基本的な知識や考えるべきポイントについて学ぶと共に、メリットとデメリットも見ていきます。
お手本となるようなオシャレな外観をした店舗の実例もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

ファサードデザインってどんなデザイン?

ファサードデザインとは、建築物の正面部分を指す言葉であり、その語源が示す通り、建物の「顔」です。物件のステータスを象徴するものでもあり、その建築物のコンセプトに相応しいデザインが求められます。

人々の記憶に残るような美しさや、見る者を圧倒するような威厳を感じさせる建築物には、例外なくファサードデザインにさまざまな創意工夫がなされています。
例えば、大聖堂や神殿、教会や寺院などは、多くの人が神聖かつ荘厳な佇まいという印象を受けると思われますが、それは建物のファサードデザインによるところが大きいと考えられます。
すでに建て替えが不可能となった歴史的建築物などは、建物の正面部分だけを保存する方法が選択されることからも、いかにファサードデザインが重要であるかがわかります。
ファサードデザインとは?店舗デザインを考えるポイント
とくに、ファサードは店舗デザインにおいて最も重要視される部分です。人はお店正面の外観や看板が目に入ると同時に、無意識の内にどのようなお店なのかを瞬時に判断します。
店舗コンセプトを明確に打ち出すと同時に、地域や周辺環境とも調和した、高いデザイン性が求められます。

店舗のファサードデザインを考えるポイント

店舗デザインというと内装が重視されがちですが、どんなに素敵な内装であっても、お客様が入ってこなければ意味がありません。
お客様が入店を決める際にポイントとなるのがファサードであり、苛烈な競争社会の中で差別化を図り、生き残っていくためには、店舗の外観は非常に重要です。
人目を引くような、趣向を凝らしたファサードは集客率の向上に役立ちますが、だからといって奇抜であればいいというわけでもありません。
建築物の個性を表現するだけでなく、店舗のメインコンセプトとの融合、そして地域や街並みとの調和など、ファサードデザインには多くのことが求められます。
そこで、続いては店舗のファサードデザインについて考えるべき大切なポイントをご紹介します。ぜひ参考にしてください。
ファサードデザインとは?店舗デザインを考えるポイント

遠くからでも店舗の存在がわかる

ファサードや看板などの外観は、お店の命と言っても過言ではありません。店舗デザインに求められるのは、お店のコンセプトをデザインとして可視化すると共に、いかにお客様の目を引くかです。
個性豊かで人目を引くデザインは視認性を高め、「ここに、こんなお店があります」と、道行く人々の興味を掻き立てて、高い集客効果を発揮するでしょう。遠く離れた場所からでも、その店舗が持つ独特の存在感を醸し出すようなファサードデザインを、設計・デザインに取り入れることが重要となります。

サービス内容がわかる

個性豊かな目立つデザインであることが求められるファサードですが、重要なポイントはそれだけではありません。何のお店であるかが、パッと見て一目で分かることも大切です。
どれだけ洗練された美しいデザインであっても、お店のコンセプトをうまく表現していなければお客様にもそれが伝わらず、入店してもらえる可能性は低くなるでしょう。ファサード近くのディスプレイも店舗の第一印象を決める大きな要素です。
どんな商品やサービスを扱っているお店なのかに関する、明確なコンセプトの提示と美しさの両方を兼ね備えた、人目を引く外観デザインが求められます。

ファサード周辺の印象を良くする

人気の高い店舗に共通する点をひとつ挙げるなら、間違いなく「清潔感」というキーワードがあるでしょう。
お店の清潔感は、売上や集客率に大きく影響を及ぼします。ファサードデザインは店舗の顔ですから、整理・整頓・掃除を徹底することは、デザインそのものにこだわるよりも遥かに重要だと考えられます。

人気のガラスファサードは注意点もあり

ファサードは建物の顔であるだけに、建築家もデザイナーも常に新しいものを取り入れて差別化を図ろうと、さまざまな創意工夫をしています。
そんなファサードデザインで人気が高いのが、「ガラスファサード」です。ガラスファサードとはその名の通り、建築物の正面外観がガラスでできた、オフィスビルのカーテンウォールなどによく使われる手法です。
ファサードデザインとは?店舗デザインを考えるポイント
ガラスの透明感という特性を活かした、開放感溢れるスタイリッシュなデザインが人気のガラスファサードですが、気をつけるべき注意点がいくつかあります。
続いてはガラスファサードの魅力や効果を学ぶと共に、注意すべき点についても見ていきましょう。

ガラスファサードの魅力と効果

ガラスファサードが持つ最大の魅力は、ガラス張りによる透明感と開放感がもたらす、スタイリッシュなデザインです。ガラスが生み出すクリアな雰囲気は、非常に現代的で洗練された印象を与えます。
また、陽の当たる面積が広がることで、たくさんの陽光を取り込むことができ、室内空間を明るく開放的にする効果があります。太陽がもたらすやさしい自然光は、どんな照明にも勝る最高のライトアップとなるでしょう。

世界最大手のコーヒーチェーンであるスターバックスコーヒーでも、ガラスファサードを取り入れた店舗が多くあります。
富山市にある『スターバックス富山環水公園店』は全面ガラス張りの洗練された美しいデザインが特徴的で、「世界一美しいスタバ」と称されています。
画像は、スターバックス富山環水公園店のガラスファサードの事例です。

ガラスファサードの魅力は、その洗練された外観だけではありません。ガラスを多用するため、店舗の内部から外の景色を一望できる利点も生まれます。
朝は陽光と青空が生み出すコントラストを楽しみ、夜はライトアップされたエクステリアと煌めく星々のような夜景を楽しむことができるでしょう。

ガラスが生み出す透明感と開放感は集客にも大きな影響を及ぼします。人は店内の様子がわからないお店には入りづらいと感じるものです。
外から店内の様子が見えることで、どんなお店で、どんな人が働いていて、どんな客層のお店なのかといった様子が見て取れます。
そうして店舗の情報をあらかじめ受け取ることによって、お客様は「安心感」と「親近感」を感じ、入りやすいお店だという印象を受けるのです。

あらかじめ知っておきたい注意点

スタイリッシュなデザインで人気のガラスファサードですが、取り入れるにあたって、いくつかの注意点があります。
どんな物事にも必ず二面性があり、あるメリットは裏を返せばそのままデメリットとなる可能性があります。

例えばガラス張りにすることで、店舗の内部から外の景色を一望できるということは、外からの視線もそのぶん感じやすくなることを意味します。
つまり、プライバシー性が低いというデメリットがあるのです。しかしお客様にとっては、外から内部が見えることによってお店に入りやすく感じるという心理的なメリットもあるので、やはり一長一短です。
ファサードデザインとは?店舗デザインを考えるポイント
また、店内の温度管理にも注意が必要です。陽が入りやすく、明るく開放的であるということは、太陽の影響をダイレクトに受けることを意味し、店内の温度が上がりやすくなります。
内部空間の温度を一定に保つには、遮熱効果のあるガラスを取り入れるといった工夫が必要です。

ガラスは汚れが目立ちやすい性質であることも、忘れてはならないポイントです。
ガラスの汚れが目立てば、せっかくの外観の美しさを損なうのはもちろんのこと、店内から眺められる綺麗な景色も台無しになります。せっかくのデザイン性の高さを活かすためには、定期的なメンテナンスが必要となるでしょう。

顧客の心を掴むオシャレなファサード実例

ここからは、オシャレで独創的なファサードデザインを実践している店舗の事例を見ていきましょう。
「百聞は一見に如かず」という言葉があるように、実際に美しく洗練されたデザインを見ることで、自分はどんな外観を求めているのかが、より具体的かつ鮮明にイメージできるものです。
個性的でありながらもコンセプトとうまく融合しており、店舗デザインのお手本となるようなお店を5つピックアップしてみました。ぜひこれらを参考にして、デザイン案に取り入れてみてください。

日東堂 京都

画像は株式会社ライン様が2018年に実施した「日東堂 京都」のファサードデザイン事例です。
木造の町屋風建築を大胆にリノベーションした店舗デザインで設計されており、木の温もりと歴史ある外観を活かしつつ、ガラス貼りによって店内を格調高く見せています。
「日本の藝と道具」をコンセプトとして工芸品の販売を行いつつ、コーヒースタンドとしての運営も行われており、歴史とモダンがクロスオーバーしたスタイリッシュなデザインが魅力的です。

shiro LONDON monmouth street

続いて、株式会社ライン様のデザイン事例からもう一例画像をご紹介します。
「shiro LONDON monmouth street」は、化粧品や食料品の販売、ビューティサロンや飲食店の運営などを行う株式会社シロのロンドン支店のファサードデザイン事例です。
ブランド名の通りホワイトカラーを基調とした店舗外観にガラスをふんだんに活用し、透明感を演出しています。日本発のブランドながら、イギリスの路面店とも遜色ないシンプルモダンな店舗デザインといえるでしょう。

agnès b. Ginza Rue du Jour

画像はSUPPOSE DESIGN OFFICE様が手掛けたアニエスベー銀座店のファサードデザインです。
本場パリの1号店や市内のアトリエなどを通じて感じた「開放感」と銀座の街が持つ上品さがミックスされています。
店舗外観はもちろん、天井にもガラスを配して店舗内部にも外部の光景を映し込む技巧が用いられており、過度なカラーリングや装飾を抑えたシンプルさが、デザインコンセプトの「何気ない新しさ」を演出しています。

TORAYA AOYAMA

室町時代から営まれ続けている歴史ある和菓子店「とらや」が開設した、期間限定店のファサードです。デザインは丹青社が手掛けています。画像はとらや様公式ホームページから引用しています。
スポーツ愛好家が多く集まる青山という土地を活かすべく、「スポーツウェアでも立ち寄れる店舗」「スポーツのおともに羊羹を」といったキーワードをコンセプトに清潔感やリラックス感を与えられるように設計されています。
「とらや」の伝統的な暖簾にファサードが組み合わさっており、スポーティな印象ながらどこか懐かしさや温かみを感じられる外観が魅力的です。
また、ヨガ教室などのイベント開催にも対応できるよう、店内什器が移動可能な設計となっており、外部から活動的な雰囲気をアピールする狙いも込められています。

JA兵庫六甲 御影JA総合センター

最後にご紹介するのは、神戸市東灘区に居を構える「JA兵庫六甲 御影JA総合センター」のファサードデザイン事例です。画像は丹青社様ホームページから引用しています。
木をふんだんに取り入れた斬新な外観で、陽当たりで変化する陰影が特徴的です。入口部にファサードを施すことで、農畜産物の販売拠点や金融機関、カフェといった複合的な役割を持つ施設に開かれた印象を与えています。
農家の方々と地域住民や事業者とが交流する拠点となるべく、デザイン性だけでなく開放感や親しみやすさを加えた事例です。

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