注文住宅のパイオニア。「東京組」が目指すリノベーションへのアプローチ

今回は、数多くのオリジナル建材を扱う注文住宅メーカー「東京組」に突撃取材!インタビュアーにはDIYer(s)ではお馴染みの岩西氏を迎え、その奥深いこだわりを伺ってきました。本記事では東京組のメーカーとしての変遷や想いについて、後編の記事ではオリジナル建材の具体的な魅力に迫っていきます。

公開日 2023.08.04

更新日 2023.11.02

注文住宅のパイオニア。「東京組」が目指すリノベーションへのアプローチ

美しい街を、家から作る。

「東京組」という名を聞いたことがあるだろうか?東京組は1993年より6300棟もの注文住宅を手掛けてきた業界のパイオニア。当時、家らしい家を建てるハウスメーカーが多い中、顧客とメーカーとの間に常に設計士が介在し、トレンドをいち早く取り入れたモダンな家を明朗会計に提供することで名を馳せた住宅メーカーである。
注文住宅のパイオニア。「東京組」が目指すリノベーションへのアプローチ
社名に「東京」を冠してはいるが、世田谷、目黒、渋谷、品川の「城南・城西地区」の地域密着にこだわってきた。そのこだわりは、「美しい街づくり」「コスト削減」「オリジナル建材の開発」へと発展していく。
 昨年カシワバラ・コーポレーションの傘下となり、新たなステージに「リノベーション」に力を入れていくようである。これまで注文住宅で培ってきたポテンシャルは、リノベーションにどのように発揮されるのか。今回は東京組によるリノベーションの可能性について、設計デザインを長く手掛けてきた設計部の上田明宏さんにお話を伺ってみた。

東京組を象徴する「オリジナル建材」

注文住宅のパイオニア。「東京組」が目指すリノベーションへのアプローチ
岩西:
 東京組といえばシンプルで洗練されたデザインを可能にしてくれる「オリジナルの建材」の存在が大きいかと思います。数多あるハウスメーカーで、且つ中堅どころの東京組がオリジナルの建材を輸入・開発するということは大変珍しいことではないかと思いますが、どのような経緯でオリジナル建材の開発に至ったのでしょうか?

上田:
 東京組のオリジナル建材は、創業者の「他にないものを」「こんなのあったら良いよね」という純粋なアイディアから始まります。
 また、イタリアの建材展などに足繁く通い、日本の住まいにもフィットしそうなものを見つけては輸入をしつつ、オリジナルの建材の必要性を感じて開発していきました。これが後に東京組のオリジナリティ、そして強みとなりました。これからも「良い住まい」「良い街」をつくるため使命感として開発をし続けていこうと思っています。

オリジナルの木製サッシを作るために設立した「日本の窓」

注文住宅のパイオニア。「東京組」が目指すリノベーションへのアプローチ
岩西:
 その中でも木製サッシにはかなり力を入れられていますが、オリジナルを開発をした経緯を教えて下さい。

上田:
 先程の海外建材が日本の住まいにフィットするかどうかという面で、まさに輸入していた木製サッシはゴツく大変野暮ったいイメージでした。東京組はシンプルモダンなデザインを実現する為に、それまで細身でスタイリッシュなアルミサッシをスペックしてきたので、真逆な海外の木製サッシを導入することには設計側からも不満が出ていました。
 しかし、木製サッシがヨーロッパの住宅ではスタンダードであり、機能性が高いことは理解していました。「断熱性」の高さ、生産時の「CO2の排出削減」などはアルミサッシよりも遥かに優れています。これを使わない理由はなく、なんとか日本の住まいにもフィットする木製サッシを作れないかと考えたわけです。
注文住宅のパイオニア。「東京組」が目指すリノベーションへのアプローチ
そこで6年ほど前、青森県十和田市に「日本の窓」という会社と工場を設立しました。お客様のニーズに応えられるもの、これまで数多くの住宅を設計してきた建築士のノウハウから改善案を反映させた、日本の住まいに合った木製サッシを作るための工場です。しかし、それを作るには高等な技術と設備が必要となります。そこで青森県や十和田市の支援を受け、イタリアのSAOMAD社から最新鋭の工作機械を導入し生産ラインを構築、防火認定の試験に合格し、いまでは一日60窓(1棟15窓として4棟分)のサッシを生産することができるようになりました。また、優れた窓には優れた素材と設備が必要ということで、工場にもこだわりと美しさを追求しました。

値段の高いイメージの「木製サッシ」だが

注文住宅のパイオニア。「東京組」が目指すリノベーションへのアプローチ
岩西:
 そもそも値段が高いイメージの木製サッシですが、それを国内生産で高性能なものとなると、さらに高くなると思いますがいかがでしょうか?

上田:
 当初、木製サッシは国内で取り扱うメーカーも少なかった為に非常に高額なものでした。そこで「日本の窓」では、無駄のない生産ラインとコスト管理し、国内で伐採された「杉」を使うことで大幅なコストダウンに成功しました。
さらにアルミや樹脂サッシと比較して製造時に発生する二酸化炭素の放出を極端に少なくできるので、環境保全にも貢献できる建材となりました。

リノベーション向けに「オリジナル建材」が購入可能!

注文住宅のパイオニア。「東京組」が目指すリノベーションへのアプローチ
岩西:東京組の新たなるステージとして「リノベーション」に力を入れていくということですが、どのような取り組みをされていくのでしょうか。

上田:東京組は創業から30年たち、当初建てられた住宅もリフォーム、リノベーションの時期を迎えています。当初より進歩した技術や建材などを用いて東京組的なリフォームやリノベーションを提案していくつもりです。
 また、弊社の住宅だけでなく、他社の物件やリノベーションに東京組のオリジナル建材を使って頂くために外販(外部への販売)に力を入れています。木製サッシはもちろんのこと、ドアなどの建具類、洗面台、システムキッチンなど、弊社の住宅でしか使えないと思われていますが、リノベーション用に外部にも販売をしております。最近ではリノベーションを検討中のオーナーさんが、設計士さんや工務店さんと共に建材を見学にいらしてます。ぜひ、お気軽にお問い合わせ頂ければと思います。

まとめ

こだわりの住まいを手掛けてきた東京組の源泉は「建材」にあり。良いものにとことんこだわり、改善点があれば自らブラッシュアップしていくモチベーションこそが東京組の強みだと感じました。 
 なかでもハードルの高そうな「木製サッシ」ですが、東京組のそれは価格もスタイルも今の住まいにフィット。そのような秀逸な東京組のオリジナル建材が外部に販売されているとは、リノベーションを検討されている方には朗報だったのではないでしょうか。次回はこの東京組のオリジナル建材について、さらに深掘りしていこうと思います。どうぞお楽しみに。

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