フリーアドレスにおける収納のコツを徹底解説! おしゃれな収納グッズも紹介

本記事では、オフィスのフリーアドレス化に伴う荷物の収納について詳しく解説します。そもそもフリーアドレスとは何か、どういったメリットがあるのかなどの基本的な知識に触れながら、収納に必要な設備や失敗しないポイントなどをまとめました。

公開日 2021.11.01

更新日 2022.10.27

フリーアドレスにおける収納のコツを徹底解説! おしゃれな収納グッズも紹介

ポストコロナの時代で、さまざまな企業に導入されている「フリーアドレス」。個別デスクスタイルを止めた場合、それまでそこに収納していた荷物については、どう整理すればよいのでしょうか。本記事では、オフィスのフリーアドレス化に伴って導入すべき収納設備や備品など、荷物整理に役立つポイントを紹介します。オフィスレイアウトの変更によって荷物管理や整理整頓などで悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

オフィスのフリーアドレス化とは?

「フリーアドレス」とは、従業員自らが好きな座席を選んで着席するワークスタイルのことです。これまでのオフィスレイアウトは、4〜6人ほどがまとまって着席する「島型レイアウト」が一般的でした。島型レイアウトはチームで業務を行うのに適しており、コミュニケーションが取りやすくスペース効率もよいことから、日本の約9割のオフィスが採用していたといいます。

しかし、近年の働き方改革や新型コロナウイルスの影響などによって、より柔軟性の高いオフィスレイアウトが求められるようになりました。在宅ワークの普及によりオフィスの使用率が低下した今日、すべての従業員が固定デスクを持つようなスタイルのままでは、空間全体を有効活用しづらいです。フリーアドレスはこのようなリモートワークとの相性もよく、コロナ禍での多様な業務形態にも対応しやすいため、近年さまざまな企業に採用されています。

フリーアドレス制のメリット

近頃、さまざまな企業が導入を検討しているフリーアドレスですが、導入するとどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、コミュニケーションや業務効率など、さまざま視点から見たメリットを解説します。

コミュニケーション機会の創出

従来の島型レイアウトは、チーム内でのコミュニケーションこそ取りやすかったものの、席が離れている人や他部署の人などとはつながりを作りづらいというデメリットがありました。毎日話す人が固定化すると、新しい人間関係を築き、幅広い層の人と情報交換を行う機会がなくなってしまいます。
その点、フリーアドレスは毎日異なる席で業務を行えるため、所属する部署やチームにかかわらず、さまざまな人とコミュニケーションを図れます。これまで知らなかった分野の知識に触れたり、違った視点でアドバイスをもらったりすることで、新たなアイデアが浮かぶこともあるでしょう。部署間を越えた偶発的なコラボレーションが生まれることもあり、従業員の創造性アップにも期待できます。

テレワーク・ペーパーレス化の促進

フリーアドレス化には前提として業務のデジタル化が不可欠であるため、コロナ禍で在宅勤務を取り入れるにあたり、併せて実施した企業も多いそうです。もともと社内のデジタル化が進んでいた企業などは、スムーズにリモートワークへ移行できたことでしょう。しかし、オンライン上で業務を行ってこなかった企業にとっては、それまでデスクに収納していた紙資料をデータ化したり、オンライン退勤システムを導入したりと、さまざまな面でシステムの改革が必要です。

新たなシステムを導入し、テレワークやペーパーレス化を進めることは、生産性向上や業務の効率化にも効果があります。フリーアドレスを取り入れるためにこれらを実施した結果、みなが快適に仕事をこなせるようになり、会社全体の業務成績が向上したケースも見られます。業種にもよりますが、今までなかなか業務のデジタル化に踏み切れなかった企業も、この機会にフリーアドレスを導入し、システムの改革を推し進めるのもオススメです。

柔軟なオフィスレイアウトが可能になる

フリーアドレスにおける収納のコツを徹底解説! おしゃれな収納グッズも紹介
従来の主流であった固定座席制には、回線やデスク配置などの都合から、なかなかレイアウトを変更できない課題がありました。時差出勤や在宅勤務などで出勤状況を調整するも、「レイアウトの都合上、ひとつのフロアに人が溢れてしまう」「空いている空間を上手に活用できない」などの不具合が発生し、コロナ禍での感染症対策に苦戦した企業も多いのではないでしょうか。

その点、フリーアドレスは個人の座席が決まっていないため、柔軟かつ自由なオフィス設計が可能です。また、全員分の座席をあらかじめ用意する必要もないため、余ったスペースで集中ブースや休憩スペースなどを充実させれば、従業員自身で環境を選んで業務を行える満足度の高いオフィスが作れるでしょう。

オフィスの美化につながる

フリーアドレスにおける収納のコツを徹底解説! おしゃれな収納グッズも紹介
個人のデスクがないフリーアドレスでは、退勤時に机の上を片付け、それぞれの持ち物をパーソナルロッカーなどで管理するのが一般的です。そのためデスクに紙資料が溜まったり、荷物が散らかったままになったりすることもありません。結果的にすっきりとした美しいオフィスを実現できます。

フリーアドレス制のデメリット

フリーアドレス制とすることで自由度が高まるものの、導入によって生じるデメリットも把握しておかなければ失敗してしまいます。各課題への対応策を考えることが、フリーアドレス制を成功に導くポイントです。ここでは、「誰がどこで仕事をしているかわかりにくい」「集中力が落ちる」「貴重品や機密情報などの扱いに気をつかう」といった、フリーアドレス制の問題点について解説します。

誰がどこで仕事をしているかわかりにくい

フリーアドレス制だと席が固定されていないため、従業員の所在を把握しにくいです。誰がどこで仕事をしているのかを把握していないと連携がうまくいかず、業務に支障をきたす恐れがあります。例えば、連絡や依頼などを行う際に従業員の場所がわからないと事業所内を探し回ることになります。このように余分な時間の発生により、業務効率の低下を招きます。また、電話の取り次ぎや来客があった時の対応も遅れやすくなり、顧客を待たせてしまうことにもつながります。

このようなデメリットを解消するには、その日の座席をオンライン上で共有し移動の際に更新する、またはオフィスの壁面に表を掲示して、名前の書いたマグネットを動かしたりするといった、所在を確認するための工夫が必要です。

集中力が落ちて業務効率が低下する可能性がある

フリーアドレス制で共用スペースを設けることで、周囲の会話や電話の声が気になり、集中力が下がってしまうこともあります。人によっては気が散ってしまい、業務効率の低下やストレスを招き、仕事が捗らなくなる恐れがあります。対策としては、共用スペースをワーキングエリアから離れたところに設置したり、利用ルールを設けたりするのが有効です。

また、毎日席が変わることで周辺環境も変化するため、気分転換のしやすさからメリットを感じる従業員がいる一方で、落ち着かないという人も出てくる可能性があります。このような問題には、個別スペースの設置によって対応が可能です。

書類・持ち物などの管理が難しい

フリーアドレス制を導入すると、書類や文房具など、従業員が業務に使用する物品の管理が難しくなります。固定席の場合は、各自のデスクに引き出しやラックなどの収納スペースが確保されていますが、フリーアドレス制だとこれらが個別のものではありません。書類や文房具などの私物を置く場所に困り、不便に感じられる可能性もあるため、置き場所を新たに作るなどの対策が求められます。

特に、貴重品や機密情報の管理が不十分だと、紛失や盗難、情報漏洩といった重大な問題に発展する恐れもあるため、施錠できる保管場所を確保するなど、方法を考える必要があります。

フリーアドレス導入時にチェックしたい荷物整理のポイント

ここでは、フリーアドレス導入時に確認すべき荷物整理のコツをまとめました。収納スペースを設置するポイントや失敗しないルール制定の方法など、フリーアドレスを取り入れる際に知っておきたい情報を紹介します。

パーソナルロッカーの導入

オフィスのフリーアドレス化にあたっては、必ずパーソナルロッカーを導入することがポイントです。私物を置いておく場所が完全になくなると、機密情報の紛失や貴重品の盗難など、荷物関連のトラブルも発生しやすくなります。従業員それぞれに個人ロッカーを割り当て、特に荷物が多い人に向けて貸しロッカーを設置するなど、私物を管理するスペースをしっかりと確保することが大切です。

パーソナルロッカーの導入で注意すべきポイントは、設備やサイズ感です。さまざまなタイプのロッカーが販売されていますが、オススメはきちんと施錠できる鍵付きタイプ。ロッカーは人目に付きづらい場所に設置されることも多いため、盗難などの被害が発生しないように、セキュリティ性の高いものを選びましょう。

また、どの大きさのロッカーを選ぶかによって、従業員の荷物量も変わってくるので、サイズ選びは慎重に行うことが大切です。「大き過ぎるものを選んでしまい、紙資料を溜め込みペーパーレス化が進まない」「ロッカーが小さ過ぎて、業務に必要なものが入らない」などのトラブルが起きないように、適切なサイズを選択しましょう。A4サイズの紙資料が縦にも横にも収納できるサイズなら、ストレスを感じることなく荷物を取り出せるでしょう。

社内ルールの見直し・改訂

案外見落としがちなのが、社内ルールの見直しや改訂です。荷物管理の問題は、パーソナルロッカーを設置しただけでは解決せず、それらをきちんと運用する仕組みも併せて作らなければなりません。
明確なルールを制定していないと、ロッカーに入りきらない荷物や小物類が床に置かれたり、共有物の整理整頓が行き届かなかったりと、かえって雑然としたオフィスになることもあります。「私物の持ち込みは最小限にとどめる」「荷物の置き場所を徹底する」などのルールを制定し、それらをきちんと周知することが大切です。

また、郵便物の受け渡しに関しても、設備やルールを設けるとよいでしょう。フリーアドレスでは、従業員がどこにいるのかが一目で判断できないため、個人に直接郵便物を渡そうとすると手間がかかってしまいます。「ロッカーに郵便物投函口を設ける」「出入り口付近に専用のスペースを設ける」など、新たな仕組みを導入するのがオススメです。

移動用バッグの支給

移動用バッグは、フリーアドレスで重宝する便利グッズのひとつです。キャビネットタイプなど、資料やパソコンを収納できるバッグはオフィスでの移動に重宝するでしょう。また、ロッカーにそのまましまっておける自立型のファイルボックスタイプなら、業務開始や終業時に手間取ることもありません。フリーアドレスでは退勤時に荷物をまとめて片付ける必要があるため、なるべく整理整頓に時間がかからないよう配慮しましょう。

自由に使える共有アイテムを用意する

整理整頓の行き届いたすっきりとしたフリーアドレスのオフィスを作るには、共有アイテムを上手に活用することが大切です。文房具や掃除用具、消毒用品、消耗品などはそれぞれが持ち歩くのではなく、フリーアドレス内の共有スペースに常備しておくとよいでしょう。共有物が増えると感染症対策に不安を覚える人もいるため、「使用後は必ず消毒する」などの使用ルールを貼り紙などで周知することも大切です。

また、フリーアドレス内にオフィスカフェやウォーターサーバー、コーヒーサーバーなどを設置すれば、従業員が飲み物を持ち込む頻度も少なくなります。中には執務スペースやミーティングスペース、来客スペース、休憩スペースなどを兼ねた広いオフィスカフェを設置する企業もあるなど、さまざまなタイプのフリーアドレスオフィスが誕生しているようです。

フリーアドレスにおける収納に便利なアイテム

フリーアドレスのオフィスに収納グッズを取り入れることで利便性が高まり、業務効率も向上します。フリーアドレスだとノートパソコンや文房具など個人の仕事道具を持ち運ぶことが多いため、コンパクトに収納できるアイテムが便利です。

荷物をまとめて運べるバッグ

フリーアドレスのオフィスでは、従来のように個人のデスクがないため、引き出しなどへ荷物を収納できません。座席の移動を伴うフリーアドレスのオフィスにおいては、ノートパソコンなどの仕事道具、A4サイズの書類といった私物を持ち運べるバッグがあると重宝します。人によって運ぶ量はさまざまであることから、どの程度の大きさが必要になるかを確認しておきましょう。

バッグにはショルダー、手提げタイプといった持ち方や、開いた状態で使える開放タイプ、物を落としにくいチャック式など多くの種類が用意されています。日常的に使うアイテムなので、使い勝手のよいものを選ぶようにしましょう。

文房具をコンパクトに収納できるグッズ

業務に用いる文房具をコンパクトに収納できると持ち運びやすく、机上のスペースを取らずに済みます。何度も出し入れを繰り返すことが多いので、取り出しやすく直しやすい形状のグッズを選ぶと便利です。

席に着いて作業する際には、デスクへ筆箱のような収納ケースを置くこともありますが、使用できる広さは場所によって変わるため、大容量のものだと置けないこともあります。細長い形状で、縦横の置き方を選べるタイプの収納ケースだと、立てて置けるので限られた空間でも使用しやすいです。

個人用の収納ケースだけでなく、棚の上へ文房具を置けるようにするグッズもあり、共有で使えます。特にホッチキスやハサミ、パンチといった大きめのツールを共有すると、利便性が高いです。

大きな荷物を置ける移動式のワゴン

仕事道具が多い人や大きな荷物を持ち運びたい人には、移動式のワゴンがあると便利です。キャスター付きで重いものでも楽に持ち運べるので、まとまった荷物の移動に役立ちます。カバンをイスの上や床に置くと「座れない」「つまづく」といった問題が生じやすいですが、ワゴンを利用すると上にそのまま置けて邪魔になりません。

移動式なら仕事道具を取り出しやすい位置へ動かせるので、作業が捗ります。多くの荷物や書類を収納できるため、作業場所の確保も可能です。机上に広げるスペースがない場合にも活躍します。

フリーアドレスを成功させるには

フリーアドレスの成功は、導入によってその先にある目的を達成することです。まずはフリーアドレスを導入する目的と、得たい成果を明確にしましょう。それを従業員に説明して理解、共感してもらうことで、フリーアドレスを浸透させていきます。フリーアドレスが浸透するかどうかは、日常の利便性によって大きく左右されるため、オフィス環境を整えることも大切です。

フリーアドレス導入の目的と期待成果を明らかにする

フリーアドレスを導入する目的と、得たい成果を明確にしておく必要があります。フリーアドレスは組織の生産性向上やコスト削減といった目的を達成するための手段です。目的や期待する成果が曖昧だと、フリーアドレスを導入しても効果が得られずに失敗する可能性が高くなります。

フリーアドレスの導入にはオフィスの配置転換や備品の購入といったコスト、実行する工数がかかることから、「何のために」「何を得るために」といったことを明らかにした上で検討を行うことが大切です。

コミュニケーションを通じて社員に共感してもらう

フリーアドレスを成功させるには、従業員の協力が不可欠です。トップダウンによる強引な導入の仕方は、組織のモチベーションを下げてしまう可能性が高く、失敗に終わりかねません。目的やメリットを丁寧に説明し理解してもらうことで一体感が生まれ、モチベーションを高められます。

中にはフリーアドレス制に反対していたり、意味を見出せずにいたりする人がいる可能性もあるため、納得してもらえるように働きかけることや、意見に耳を傾けて解決していくことが必要です。社内全体の目的意識を高めるために、現状の問題点について共感を得られるようにコミュニケーションを取りましょう。

オフィスの環境を整備する

オフィス環境の整備は、フリーアドレスの成否に直結する重要な項目です。従業員が働きやすいと感じるようなレイアウトとし、共有形式で使いやすいデスクやイスを配備しましょう。座席は全員分ではなく、在籍率に応じて用意するとスペースが空くので、空間を有効活用しやすくなります。

部署ごとに固まらないようになると、コミュニケーションが希薄化することも考えられるので、会話のための時間やスペースを設けることもポイントです。また、固定式のデスクトップパソコンや電話機から、ノートパソコンおよびスマートフォンといった移動式端末へ移行するなど、フリーアドレス導入に必要な備品の拡充も行いましょう。

フリーアドレスは従業員ごとに個別のデスクを用意せず、好きな席を選んで着席してもらう新しいスタイルです。生産性向上や業務効率化、コミュニケーションの活性化などさまざまなメリットがある一方で、従業員の荷物管理が複雑になることや、座席が変わることによる荷物の移動が生じるといったデメリットもあります。個人ロッカーの設置や収納アイテムの活用、運用ルールの作成など、あらかじめ対策を考えておくとよいでしょう。
オフィスのフリーアドレス化に伴うレイアウト変更やオフィスリノベーションなどでお悩みの際は、「カシワバラ・コーポレーション」にお気軽にご相談ください。

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