コミュニケーションスペースの設置で社内の生産性が変わる理由とは

オフィスにコミュニケーションスペースを設置すると、どのような影響があるのかを解説します。得られるメリットやコミュニケーションスペースの種類、失敗しないための注意点などを紹介します。オフィス環境の改善に興味がある人は、ぜひ参考にしてください。

2022.01.07

アフターコロナの時代では、従業員同士のコミュニケーションはとても大切です。テレワークの導入によって出社の頻度が減ったからこそ、近年、オフィスは会話を楽しんだり、情報交換をしたりする場所として機能しています。この記事では、社内にコミュニケーションスペースを設置する効果やメリット、その種類について説明します。オフィス環境の改善を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

コミュニケーションスペースが求められる背景

新型コロナウイルスの影響によって、この数年で働き方が変化した人は多いことでしょう。テレワークメインの業務にシフトしたり、在宅勤務とオフィス勤務を組み合わせたりと、企業によってさまざまな取り組みが見られます。
共通しているのは、ウイルスは人との接触で感染しやすいため、なるべくオフィスに人が集まりすぎないように出社の頻度を調整している点です。それにより、従来よりも柔軟性のある働き方が可能になったものの、従業員同士のコミュニケーション頻度は減少しています。

また、プリコロナ時代は、仕事後の飲み会がコミュニケーションの場として機能していました。しかし、緊急事態宣言が発令されたことや、プライベートを大切にする考え方が広まったことなどによって、飲み会を断る人が増加しています。そのため、オフィス内で安全にコミュニケーションを取れる場所を作ることが、近年重要視されています。

コミュニケーションスペースを設置するメリット

生産性が向上する

コミュニケーションスペースによって従業員の交流が円滑になれば、業務分担や進捗の遅れなどにもスムーズに対応可能です。急なトラブルや変更事項などがあってもすぐに情報を共有できるため、二次的なミスも起きづらいでしょう。また、わからないことをすぐに質問できる環境が整えられていれば、従業員たちは苦手な業務に必要以上の時間を割かずに済みます。

さらに、コミュニケーションスペースの設置は人間関係を良好にし、従業員のモチベーションを維持するメリットも。特にテレワークが増え、対面で会話する機会が減ると孤独感を感じる人もいます。出社時にきちんとコミュニケーションを取れば、チームで仕事をしている安心感を得られ、従業員のやる気も引き上げられるでしょう。

新しいアイデアが生まれやすくなる

コミュニケーションスペースのメリットは、所属する組織に関わらず、社内のさまざまな人と交流できることです。従業員が専用のデスクを持ち、毎日同じ部屋を使用するワークスタイルだと、どうしても会話をする人が限定されてしまいます。従業員が自由に使えるコミュニケーションスペースを設置すれば、部署やチームを超えた新しい交流が生まれるでしょう。

また、会話する人が固定化すると、気づかないうちに視点が狭くなってしまう場合もあります。部署を超えたコミュニケーションが活発になれば、今までとは違う切り口から物事を考える”キッカケ”になるでしょう。それぞれの得意分野を活かしたコラボレーションなどで、新しいアイデアが生まれるかもしれません。

従業員の離職を防ぐ

人材不足が深刻化する日本において、従業員の定着率を高めることはとても重要な問題です。退職の理由は人によってさまざまですが、人間関係や職場環境などに起因しているケースも多いでしょう。特に上司・部下間など、縦の関係性にトラブルがあると、社員の満足度は下がりやすいと言われています。

周囲とのコミュニケーションが習慣化している従業員同士なら、情報共有をしやすく、それぞれ自の意見をきちんと主張し合えるでしょう。こうしたコミュニケーション環境の整備は、例えば「仕事で不満・不安を覚えたときなども、すぐに相談相手が見つかる」という、従業員全体の安心感につながります。

コミュニケーションスペースの種類

ひと言で「コミュニケーションスペース」といっても、規模や内装、使い方など、さまざまな種類があります。ここでは、多くの企業で取り入れられているコミュニケーションスペースの種類を紹介します。

予約不要のミーティングスペース

従来のオフィスでは、ミーティングを行う場合、席や部屋などを事前予約するスタイルが一般的です。確かにこれにより「ミーティング直前でも空き部屋が見つからない」などのトラブルを防げるメリットは大きいでしょう。しかし、急な予定変更に対応しにくい、スケジュールが合わないとなかなか業務が進まない、などのデメリットもあります。

そこで近年注目されているのは、予約不要で使用できる4〜6人ほどのミーティングスペース。必要な時にすぐに使え、例えば他部署の人ともスピーディーに会議を行えるのが特徴です。フリーアドレスで取り入れられることも多く、ミーティングスペースと執務スペースを兼ねた、カフェのような大空間を作る企業もあります。

短時間の会議に使える立ち話スペース

業務の打ち合わせは、しっかりと時間を作り大人数で行う会議だけではありません。空いた時間を活かして、スピーディーに話を進めたい場合もあるでしょう。短時間での打ち合わせは、席を確保するよりも立ち話スペースで話した方が効率的です。立ち話スペースを作ることで、「隙間時間を活用しよう」という意識が生まれ、業務の生産性向上を図れるメリットもあります。

立ち話スペースのメリットは、背の高いテーブルやカウンターを設置するだけで作れることです。椅子を必要としないため、限られた場所を活用してコミュニケーションスペースを作りたい場合にも適しています。自動販売機やコーヒーサーバーの近くなど、ちょっとしたスペースを活用するのもオススメです。

気軽に話せるマグネットスペース

マグネットスペースとは、「磁石に吸いつけられるように人が集まる場所」という意味の言葉です。オフィスでは、エントランスやコピー機周辺、給湯室などがマグネットスペースに該当するでしょう。これらは、部署やチームに関係なく、さまざまな人が使用する場所であるため、コミュニケーションスペースを作るのにうってつけの場所なのです。

マグネットスペースは、雑談やほかの部署との情報交換などを楽しめる場所にするとよいでしょう。デスクやチェアを設置し、しっかりとしたミーティングブースを設けるというよりも、ソファやローテーブルなどでリラックスできる空間を作る企業が多いようです。

憩いの場となるリフレッシュスペース

リフレッシュスペースは、従業員たちが仕事の疲れを癒したり、交流したりする場所です。オフィスのどこへ行っても雑談や休憩が許されないような雰囲気では、オンとオフの切り替えが難しく、かえって生産性が落ちてしまいます。快適なリフレッシュスペースがあれば従業員の満足度も高まりやすく、快適に業務ができるでしょう。

従業員の中には仲間との談笑を楽しみたい人もいれば、一人で気兼ねなく過ごしたい人もいます。リフレッシュスペースは、すべての従業員が快適に過ごせるように、さまざまなタイプの席を用意するとよいでしょう。また、柔らかい素材や観葉植物、リラックスできるBGMなどで、ほかの部屋とわかりやすく区別するのもオススメです。

多目的に使える社内カフェ

社内食堂とは別に、コーヒーなどの飲料やスナックを提供する、社内カフェを設ける企業が増えています。社内カフェの特徴は、休憩スペースとしての使用はもちろん、商談やセミナーなど、さまざまな目的で使えること。特に、ポストコロナ社会では、変わりやすい状況に対応できるように、柔軟性の高い空間作りが求められています。部屋の目的を細かく定めるのではなく、多目的に使える大空間の社内カフェを作るのもよいでしょう。

「社内カフェ」と聞くと、「空間的に余裕のある大きなオフィスを持っている企業が設置するもの」と思うかもしれません。しかし、スペースを多目的に有効活用可能な社内カフェは、個室を多く用意できない小規模なオフィスに導入してこそ、メリットを発揮します。加えて、来客をもてなす際にも使用できるので、オシャレな企業イメージをアピールすることにもつながります。

コミュニケーションスペースを作る際の注意点

コミュニケーションスペースは、所属する組織に関わらず、多くの人と接点を持てます。部署を超えたコラボレーションなども生まれやすく、創造性を重視したい企業や、新たな視点でアイデアを考えたい組織などに適しているでしょう。テレワークの導入によって、日頃会話をする人が限定されやすいからこそ、社内のコミュニケーションスペースを有効活用する必要があるのです。

しかし、従業員の中には、オープンなコミュニケーションスペースが苦手だと感じる人もいるでしょう。そのような人にとっては、大型の社内カフェや、執務スペースとミーティングスペースを兼ねたコミュニケーションスペースなどは、雑音が気になって集中力を欠いてしまう可能性があります。コミュニケーションスペースの設置に伴い、個人で集中できるエリアを完全になくしてしまうと、一部の従業員にとっては、かえって働きにくい環境になるかもしれません。


コミュニケーションスペースの設置で失敗しないポイントは、一人用の執務スペースもきちんと用意しておくことです。ミーティングスペースと同じ空間に作る場合は、話の内容が聞こえすぎないように、個人の作業スペースとミーティング用テーブルの間隔は十分に空けましょう。すべての従業員が快適に働けるように、導入設備やレイアウトなどに気を配ることができると理想的です。

まとめ

この数年でテレワークの導入が進み、対面で会話する機会が減った人も多いことでしょう。だからこそ、近年のオフィスはコミュニケーションの場として重要な役割を果たしているのです。コミュニケーションスペースの設置は、従業員のモチベーションを維持し、生産性や創造性を高めるメリットがあります。
ミーティングスペースや立ち話スペース、社内カフェなどさまざまな種類があるので、それぞれの特徴をよく理解し、適切な設備を導入しましょう。その際は、換気やデスク間のスペースに気を配り、感染症予防を目指すレイアウトにすることも重要です。
失敗しないポイントは、個別の執務スペースも併せて確保することです。オープンなコミュニケーションスペースが苦手だと感じる人もいるので、一人で集中できるエリアもしっかりと用意しましょう。
ほかにも、これからの時代に合わせたオフィスのリフォームなどをご検討の際は、「カシワバラ・コーポレーション」へぜひお問い合わせください。具体的な改修プランや費用面についても、ご提案させていただきます。

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