OAフロア(フリーアクセスフロア)とは? メリットや種類について解説

OAフロアとは、二重構造にした床の間にOA機器用のケーブル類を収納するオフィス用のフロアシステムのことです。この記事では、OAフロアの導入で得られるメリットについて解説するとともに、主な配線方法やパネルの種類・材質など、OAフロアの導入時に役に立つ情報も掲載しています。

公開日 2023.01.22

更新日 2023.01.22

OAフロア(フリーアクセスフロア)とは? メリットや種類について解説

パソコンやインターネットの普及にともない、オフィスでは数多くのOA機器が使用され、大量のケーブル類が配線されるようになりました。ケーブルをそのまま床上に配線してしまえば、オフィスが雑然としてしまいますが、OAフロアにすれば、オフィスをすっきりとできます。

この記事では、OAフロアの導入によって、どのようなメリットが得られるのか、さらに主な配線方法やパネルの種類・材質といった、OAフロアを選択する際に必要な情報も掲載しています。自社にOAフロアの導入を検討している人はぜひ参考にしてください。

OAフロアとはオフィスの配線などを収納する二重床のこと

OAフロア(フリーアクセスフロア)とは? メリットや種類について解説
OAフロアのOAとは、オフィスオートメーション(Office Automation)=オフィスでの事務作業の自動化・効率化のことです。つまりパソコン・プリンタ・スキャナなどの機器により、人手で行っていた事務作業を効率化することがOAです。業務のOA化が進むにつれて、オフィス内に配線されるケーブル類も増加しました。OAフロアとは文字通り、OAのためのフロア(床)で、大量のケーブル類をすっきりと配線し、床下収納するために二重構造にしたフロアシステムのことです。

フリーアクセスフロアとの違い

OAフロアと並んでよく使われる言葉にフリーアクセスフロアがあります。この二つに基本的な違いはありません。厳密にいえば、フリーアクセスフロアは、ケーブル類の収納や取り出しが容易な二重床の総称で、OAフロアもフリーアクセスフロアのひとつです。一般的なオフィスに設置されたフリーアクセスフロアを特にOAフロアと呼んでいます。フリーアクセスフロアは一般的なオフィス以外にも、サーバルームや工場、医療施設、官公庁施設など、さまざまな場所で利用されています。

OAフロアのメリット

OAフロアにしてケーブル類を床下に収納すると、オフィスはより快適になります。OAフロアの導入で得られるメリットを紹介します。

見栄えが良くなりオフィスのイメージがアップする

OAフロア(フリーアクセスフロア)とは? メリットや種類について解説
OAフロアの導入によって得られるメリットのひとつが、オフィスの見栄えが良くなることです。多数のケーブル類が床上にむき出しとなっているオフィスは、見る人に乱雑な印象を与えかねません。OAフロアにしてケーブル類を床下に収納すれば、すっきりとしてイメージアップに繋がります。

ケーブル類が雑然と配線されていれば、ほこりがたまりやすくなります。逆に床上に無駄なものが置かれていなければ、掃除がしやすくなります。また、床上からケーブル類がなくなると、デスクやパーティションなどの移動も容易になり、オフィスのレイアウト変更も簡単です。デザイン性の高いレイアウトを実現できます。

転倒防止に繋がり安全性が向上する

OAフロア(フリーアクセスフロア)とは? メリットや種類について解説
ケーブル類が床の上に配線されていると、足を引っかけて転倒する恐れがあります。オフィスをOAフロアにし、床上からケーブル類がなくなれば、足を引っかける心配もなくなり、働きやすい安全なオフィスになります。また、ケーブル類に足が引っかかると、断線や接触不良によって作業中のデータが消えたり、機器が故障したりといった問題が起こるかもしれません。OAフロアを導入すれば、このようなトラブルの発生を大幅に低減できます。

OAフロアの主な配線方法

OAフロア(フリーアクセスフロア)とは? メリットや種類について解説
OAフロアは配線方法の違いによって「パネル下配線方式」と「溝配線方式」に分けられます。それぞれにメリット・デメリットがあるので、特徴を把握しておきましょう。

パネル下配線方式

OAフロア(フリーアクセスフロア)とは? メリットや種類について解説
「パネル下配線方式」は、支柱の付いたパネルを床に設置し、パネルと床との間にできた空間へケーブル類を配線します。この方式のメリットは、パネル下にできた大きな空間に多量のケーブルを収納できることです。ケーブル類の配線に方向の制限もないため、配線の自由度が高い点も特徴です。大量のケーブル類が必要な大規模事務所や、サーバルームなどに適しています。

デメリットは、ケーブルを乱雑に詰め込むと、配線の変更時に必要なケーブルを見つけづらくなったり、配線の混触やノイズ発生のリスクが高くなったりすることです。ノイズによる電子機器類の誤作動を防ぐには、ケーブル類が密接しないようにしっかりと固定して配線することが大切です。

溝配線方式

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「溝配線方式」は、パネル下配線方式とは逆に、上部に溝のあるパネルを床に置き、ケーブル類を溝に沿って配線します。配線が完了したら、保護用のカバーを上から被せます。ケーブル類を整然と配線できるので、混触しづらいことがメリットです。カバーを外せばすぐに配線を組み換えられるので、オフィスのレイアウト変更にともなう配線の増設・変更にも容易に対応できます。ケーブル類のルートが溝によって固定されるので、ノイズが発生しづらい点もメリットです。ノイズの影響を受けてネットワーク障害を起こす可能性があるLANケーブルは、ほかのケーブル類から離して敷設する必要があります。

デメリットは、ケーブル類の配線場所が溝に限られるので、収納できる量が少ないことです。多量のケーブル類が必要な大規模オフィスにはあまり向いていません。ある程度頻繁にレイアウト変更を行う中規模オフィスや、今後人員が増加してケーブル類の増設が予定される小規模オフィスなどに適した配線方式です。

OAフロアの種類

OAフロアは、使用するパネルによっても分類され、「支柱タイプ」と「置敷タイプ」に分けられます。自社に適したOAフロアを選ぶためには、それぞれのメリット・デメリットを把握しておきましょう。

支柱タイプ

OAフロア(フリーアクセスフロア)とは? メリットや種類について解説
「支柱タイプ」は、高さ調節が可能な支柱の付いたパネルを使用して、床との間にできた空間へケーブル類を配線する方式です。支柱は個別に高さを調節できるので、傾斜のある床にも設置が可能です。支柱はビスで床に固定するので安定し、耐震性にも優れています。多量のケーブル類を配線するときは支柱を高くして床との間を広くすればよく、必要な収納量に合わせて配線空間を変更できるのが大きなメリットです。パネルにはスチールやコンクリートなどの頑丈な素材が使われることが多く、耐荷重や耐燃焼性に優れています。反面、重量があるため、建物の傾きに影響を与える可能性があります。また、支柱を固定するためにビスを打つので、床を傷つける恐れがあることや、施工に時間がかかることはデメリットです。建物にダメージを与える可能性があるため、施工の許可が下りない場合もあります。建物の管理者へ事前に確認しましょう。

置敷タイプ

OAフロア(フリーアクセスフロア)とは? メリットや種類について解説
「置敷タイプ」は、ケーブル類を収納するパネルを床に敷く方式です。パネルを床に置くだけで利用可能なため、床を傷つけることなく容易に設置できます。置敷タイプのパネル材料として最も多く使われているのが樹脂です。樹脂は軽量で、スチールやコンクリートに比べて低コストで済みます。施工時間が短く済む点もメリットのひとつです。置敷タイプは配線方法の違いで、さらに「置敷式簡易OAフロア」と「置敷式溝配線OAフロア」に分けられます。固定脚の付いた置敷式簡易OAフロアは、パネル下配線方式で、置敷式溝配線OAフロアは名前の通り溝配線方式です。置敷式簡易OAフロアの脚は高さが変えられないので、収納スペースを増やせません。置敷式溝配線OAフロアも収納スペースは溝の容量に限定されてしまうため、収納量を増やしたいときに対応しにくい点はデメリットです。高さの調整ができないことは、床や天井に合わせた微調整ができないとも言い換えられます。したがって、傾斜のある床への設置には適しません。「置敷式溝配線OAフロア」にはコンクリートで作られた製品もありますが、樹脂製よりもコストがかかります。

OAフロアの材質

OAフロア(フリーアクセスフロア)とは? メリットや種類について解説
OAフロアは、製品に使われる材質によっても分類できます。材質には「金属製」「樹脂製」「コンクリート製」の3種類があります。それぞれのメリット・デメリットを確認しておきましょう。

金属製

金属製のOAフロアパネルには、スチール製やアルミ製があります。スチール製の特徴は、耐荷重に優れることです。一般的なオフィスでの使用に適した3000N(1㎡あたり約200~300kg)の耐荷重を持つ製品から、サーバルームでの使用にも耐える6000Nの耐荷重を持つ製品まで、ラインナップが幅広く、設置場所に合わせて選べます。材質が頑丈で安定しており、歩きやすい点や、リサイクル可能な製品が多い点もメリットです。


次にアルミ製の大きな特徴は、非磁性体で磁気の影響を受けないことです。そのためサーバルームや機械室といった、繊細な機器がある場所での使用に適しています。また、アルミ製もスチール製と同様に、リサイクル可能な製品が多く、歩きやすいというメリットもあります。
このように使い勝手の良い金属製のフロアパネルですが、スチール製・アルミ製は資材費や施工費が比較的に高額というデメリットを持ちます。

樹脂製

樹脂製のメリットは、軽くて建物に与える負担が少ないことと、コストが比較的安価なことです。また、加工が容易な材質なため、部屋の形に合わせて現場でカットし、隅々まで敷き詰められるというメリットもあります。反面、頑丈な素材ではないため、耐荷重、耐久性、耐燃焼性、耐震性が低いことはデメリットです。樹脂製特有の頼りない歩行感がすることや、歩くと空洞音が鳴りやすいことも難点として挙げられます。

コンクリート製

コンクリート製の特徴は頑丈なことです。耐久性と耐熱性が高く、下に空間があることを感じさせない歩きやすさがメリットとして挙げられます。歩いたときに空洞音が気になることはほとんどありません。また、コンクリートには電子機器の誤作動や通信不良を引き起こすノイズを防ぐ効果があるので、コンクリート製の溝配線方式OAフロアはノイズ障害を起こしにくいという特徴があります。デメリットは、資材費や施工費が比較的高価なことです。また、廃棄する際は、産業廃棄物として処分しなければいけないことにも注意しましょう。

ケーブル類の収納や取り出しが容易にできる機能を持つ、二重床構造のフリーアクセスフロアのうち、一般的なオフィスに使用されるものをOAフロアといいます。材質で見ると、金属製やコンクリート製の「支柱タイプ」と、樹脂製やコンクリート製の「置敷タイプ」があり、配線方法には「パネル下配線方式」と「溝配線方式」があります。自社に適したOAフロアを選ぶには、それぞれの特徴を把握することが大切です。

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