オフィス窓について考える時の参考に!その種類やガラス、周辺グッズとは

この記事では、オフィスにオススメの窓の種類や周辺グッズについて紹介します。オフィスにおける窓の役割や必要性といった基本情報にも触れながら、オフィスに取り入れるべき窓やガラスの種類をまとめました。オフィスの環境改善について調べている人は、ぜひ参考にしてください。

2023.04.15

オフィスの窓は防犯・防災といったセキュリティ面だけでなく、防音性や換気性、働きやすさなど労働環境にも影響を与える重要なポイントです。窓の選定は後回しになってしまいがちかもしれませんが、窓にもさまざまな種類があります。
この記事では、オフィス窓の種類はもちろん、ガラスの種類、オススメの周辺グッズなどまで紹介します。オフィスの環境改善を図りたい人は、ぜひ参考にしてください。

オフィス窓について考える必要性

オフィスの環境改善やレイアウト変更などを実行する際、つい後回しになりがちなのが窓まわりです。しかし、快適な労働環境を構築するうえで、窓は非常に重要な役割を担っていることをご存知でしょうか。まずは、オフィス窓が持つ主な役割について紹介します。

防犯・防音・防災

窓は泥棒などの侵入経路として狙われる可能性があるため、人が立ち入りやすい1〜2階部分は特に、防犯性能に気を配る必要があります。防犯ガラスの窓・センサー付きの窓といった、割れにくく侵入があった時にすぐに知らせてくれるタイプなら、オフィスのセキュリティ向上に期待できます。また、防音ガラスや防火窓など機能性に優れた窓を導入すれば、より安全性の高いオフィスがつくれるでしょう。

換気

近年、感染症対策の一環として換気の重要性が高まっており、新たに換気システムを導入する企業も増えています。とはいえ、オフィス全体に換気システムを導入するとなると費用も膨らみやすいため、窓の交換や修繕などに施工範囲を留めることで、コストを削減したいと考える企業も多いのではないでしょうか。

窓は種類によって、「扉の有無」「換気のしやすさ」などさまざまな点で異なるため、特徴をよく理解したうえで適切なものを導入することが大切です。
まず、各所への導入目的をはっきりとさせておくと、窓タイプを選定しやすくなります。例えば「人が長時間滞在しやすい執務室には、扉付きのものを導入する」「採光目的の窓は、換気よりもデザイン性を重視する」など、目的と窓タイプを一致させるように検討を進めましょう。

社員への影響

窓からの光の入り具合は、オフィスで働く従業員のモチベーションや集中力に影響を与えると言われています。従業員は1日の大半をオフィスで過ごすため、居心地の悪いオフィスでは業務効率や生産性の低下を招く可能性があります。ほどよく太陽光が差し込む明るい空間なら、従業員の気分も明るくなり、前向きな気持ちで業務に取り組めるでしょう。ブラインドやカーテンなどで採光を調節すれば、季節や時間帯にとらわれず快適な空間をつくることが可能です。

オフィス窓の種類例

ここでは、オフィスで使用される窓の種類をまとめました。それぞれ特徴やメリット・デメリットなどが異なるので、ぜひオフィスデザインの参考にしてください。

引違い

「引違い窓」は、一般的に普及している横開きタイプの窓のことです。賃貸や一般住宅、店舗、オフィスなど多くの建物に使用されており、最もオーソドックスな窓と言えるでしょう。換気調整がしやすく、網戸付きのものを選べば常に窓を開けておくことも可能です。また、周辺グッズも充実しており、生活スタイルに合わせて気軽にオプションを追加できるメリットもあります。

一方で、窓の面積が広くなりやすいことや、隙間風が発生しやすいことなどから、断熱性は高くありません。そのため、結露や冷暖房効率などに注意しましょう。

FIX

「FIX窓」は、開閉ができないシンプルな窓のことです。「窓を開けて換気をする必要のある部屋」「大人数が集まる部屋」などには不向きです。しかしデザイン性は高いため、飾り窓や採光目的の窓などに適しています。空間のアクセントや開放感をプラスしたい場合などに部分的に取り入れると、ワンランク上の空間がつくれるでしょう。

なお、FIX窓のみの部屋や建物は空気が淀みやすいため、サーキュレーターや換気設備などを別途用意するのがオススメです。

片開き

「片開き窓」は文字通り、内側か外側のどちらか一方に開く窓のことです。内開き窓・外開き窓とも呼ばれており、公共施設やビル、ホテルなどで見られる縦長の小窓をイメージする人も多いでしょう。

光や風を取り入れやすく、気密性が高いメリットをもちます。しかし強風の影響を受けやすいため、ビルの高層階などで設置する際は注意が必要です。そうした場合は、風で窓が全開にならないように、ストッパー付きのものを導入するとよいでしょう。

外倒し / 内倒し

「外倒し窓/内倒し窓」とは、外側か内側に倒して開閉する窓のことです。換気性に優れており、臭いのこもりやすい場所や災害時に煙を逃したい場所などに設置されます。そのため、空気が上昇して出ていきやすいよう、天井付近などに設置されるのが一般的です。

ただし、低い位置に設置すると防犯性を損なう恐れも生じます。その場合は防犯用の格子などを併用するとよいでしょう。また、倒した窓に質量をかけると壊れやすいため、扱い方にも注意が必要です。

オーニング

「オーニング窓」とは、複数の外開き窓が連なった窓のことです。ハンドルでそれぞれの窓を一度に開閉し、扉の開け具合を変えることで、風通しを調整できます。一つひとつの窓に枠が付いており防犯性に優れるため、低階層や浴室などに用いられることが多いです。

デメリットは、構造が複雑なため、修理や清掃は専門業者に依頼しなければならず、ややメンテナンスに手間がかかることです。一般的な窓として多用するのではなく、防犯性を高めたい箇所のみ部分的に使用するとよいでしょう。

オフィス窓に使われるガラスの種類

ここでは、オフィス窓に使用されるガラスの種類を紹介します。採光に適したものや防犯性の高いものなど、さまざまな機能を持つタイプをまとめました。

フロート板ガラス

「フロート板ガラス」とは一般的なガラスのことで、一般住宅の窓ガラスとして最もポピュラーなものです。ゆがみが少なく透明な一枚板のため、太陽光を多く室内に取り込んでくれます。特別な機能性はありませんが、住宅・ビル・店舗・オフィスなどの建物やショーケース、インテリアなどにも使用されています。

合わせガラス

「合わせガラス」とは、2枚のフロートガラスを貼り合わせた機能性ガラスのことです。間に特殊なフィルムを挟んでいるため、「割れた時にガラスの破片が飛び散りにくい」という特徴を持ちます。また、フィルムが音を吸収するため、住宅の防音性をアップする効果まで期待できます。防犯・防音・防火性を向上させられるので、建物の低層階やセキュリティ性をアップさせたい箇所などに適しています。

複層ガラス(ペアガラス)

「複層ガラス」とは、2枚のガラスの間に空気層を設けた機能性ガラスのことです。ガラスの間に空気を閉じ込めることで、室内に外気が伝わりづらいため、高い断熱効果を期待できます。結露の発生を抑えたい場合や、寒い地域の住宅や省エネ住宅などで多く使用されている高性能ガラスです。

強化ガラス

「強化ガラス」は、フロート板ガラスの数倍近い強度を誇るガラスです。叩いても割れにくく、割れたとしてもガラス片が細かい粒状になるため、大怪我をする心配がありません。見た目はフロート板ガラスと変わらず、透明で採光に優れています。そのため、一般的な窓をより安全性の高いガラスにしたい人や、防犯性を高めたい人などに適したタイプです。

すりガラス

「すりガラス」は、一般的なガラスの片面のみを不透明になるよう加工したものです。外からの視線を遮りつつ、室内に柔らかい光を取り入れてくれるため、1階部分やエントランス周りなど、プライバシーと採光を両立したい場所に適しています。また、オフィスの間仕切りとしても頻繁に使用されており、空間の開放感を保ちながらほどよく視線を遮ってくれます。

オフィス窓と一緒に検討したい周辺グッズ

ここからは、オフィス窓にプラスして揃えたいオススメグッズを、事例付きで紹介します。後付けで機能性をアップさせたい場合や、性能を補強したい場合などに、ぜひ取り入れてみてください。

ブラインド

こちらは「ニチベイ」に掲載されている「YKK80ビル」の事例です。下から上に昇降するクライマー式のブラインドを設置し、向かいのビルからの視線をカット。採光を邪魔することなくプライバシー性を向上できるため、社内が薄暗くなってしまうこともありません。カラーはインテリアと統一感を持たせたホワイトを選び、明るく開放感のある空間を意識しています。

素材はアルミや木製などさまざまなものがあるので、内装とのバランスを見て適切なものを選ぶとよいでしょう。ほかにも、天井から床へ下ろすタイプや横型タイプ、電動式タイプなどさまざまな種類が販売されています。

ロールスクリーン

こちらは「ASKUL」に掲載されているロールスクリーンの事例です。ブラインドよりもコンパクトな見た目が特徴で、日差しや視線などが気になる時のみロールから引き出して使用できます。また、スクリーンの位置を調整することで、下側からも日光を取り入れられるなど、状況に合わせて柔軟に対応できるメリットも。

「普段はガラスのみでよいが、西日が差し込む時間だけ日差しを遮りたい」「季節や時間によって調節できるものがほしい」といった場所には、このロールスクリーンを導入することが有効です。

フィルム

「既存の窓ガラスを活かしつつ、性能を上げたい」という場合にオススメなのが、窓に直接貼り付ける機能性フィルムです。遮光・遮熱や断熱、ガラス飛散対策、紫外線カットなど、さまざまな性能のものが販売されており、費用を抑えながら簡単に施工できます。透明度が高く、見た目に大きな変化もないため、採光や開放感を損なうこともありません。

また、近年では省エネや環境への配慮から、断熱フィルムを導入する企業も増えています。広いオフィスや天井の高いオフィスなどは冷暖房効率が悪くなりやすく、空調が効きづらいこともあるでしょう。断熱性に優れたフィルムを導入することで、少ない電力で効率的に室内温度を快適に保つことが可能です。

オフィスの窓は、セキュリティ性や空間の快適さなどを左右する重要なポイントです。特に近年は、感染症対策を行ううえでこまめな換気が欠かせないため、風通しを確保しやすい窓を設置することが望ましいでしょう。
窓は扉の有無や機能などによって、さまざまな種類があるため、特徴を理解したうえで目的に合ったものを選ぶことが大切です。窓を含めたオフィスリノベーションや、ニューノーマルな働き方に合ったオフィスレイアウトなどを検討している人は、オフィス設計の実績豊富な「カシワバラ・コーポレーション」にぜひご相談ください。

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DIYer(s)

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