リフォームと建て替え、どちらがお得?判断基準のポイントや費用相場を徹底比較!

リフォームと建て替え、どちらがお得になるのか気になっている方はいませんか?リフォームと建て替え、それぞれにメリットとデメリットがあるため、一概にどちらがよいとは言えません。本記事では、リフォームと建て替えの費用相場や、判断基準のポイントを解説します。

2023.04.15

古くなった住宅をリフォームするか、それとも建て替えするかで悩んでしまうケースは少なくありません。リフォームと建て替えでは、工事に要する期間や費用、内容などが大きく異なるため、正しい知識のもと判断する必要があります。
本記事では、工事を決断するにあたっての判断基準や費用相場などを紹介します。また、それぞれのメリットとデメリットも解説するので、ぜひ参考にしてください。

リフォームと建て替えの違いとは

リフォームと建て替えの違いがわからず、混同してしまうケースは少なくありません。まずは、それぞれの違いを理解することから始めましょう。

リフォームとは、部分的な修繕や増改築のことです。流し台を最新のシステムキッチンに据え替える、フローリングや壁紙を貼り替える、コンセントや照明を増設するなどが挙げられます。基本的に、家の基礎部分には手を加えません。範囲が家全体に及ぶケースでも、基礎や土台はそのままです。
一方、建て替えは、家を一度解体し、同じ土地に新たに建物を建築します。基礎を再利用するケースもありますが、一般的には基礎部分も解体したうえで建て替えることがほとんどです。

大まかに説明するなら、「基礎を残して家へ手を加える」のがリフォーム、「基礎も含めて解体し、更地の状態から新たに建築する」のが建て替えと言えるでしょう。

なお、2009年ごろから頻繁に目にするようになったリノベーションという言葉ですが、これは家屋を一度躯体だけのスケルトン状態にし、そのうえで手を加える大掛かりな施工を指します。基本的に行われるのは、新たな価値を付加し、資産価値を向上させる工事です。規模は大きくなりますが、基礎に手をつけないことがほとんどで、建物全体を解体するわけではありません。そのため、建て替えよりもリフォーム寄りの意味合いで使われます。

リフォームと建て替え、それぞれのメリット・デメリットを整理

どちらがベターな選択となるのかは、ケースバイケースです。予算・状況で最良の選択が異なりますので、まずはそれぞれのメリット・デメリットを理解しておきましょう。

リフォームのメリット・デメリット

小規模な工事で全工程を終えられるリフォームなら、施工中でも自宅で日常生活を送れます。そのための引越しを考える手間もなく、そこに掛かる労力・費用もありません。

工期が短いのもメリットのひとつです。規模や内容にもよりますが、場合によっては1日で終わることもあります。短期間で、古くなった住宅を生まれ変わらせられるのは大きな魅力です。

大掛かりな解体が必要なく、廃棄物も少ないため、トータルでの費用を抑えられることもメリットと言えるでしょう。建て替えに比べると作業全体の手間が少なく、ローコストで理想的な住空間を実現できます。

そのほかにも、一定の要件を満たせば補助金が支給されたり、税制面での優遇措置が受けられたりと、リフォームのメリットはさまざまです。

一方のデメリットは、劇的な変化を期待できないことです。躯体に手を加えずに作業を行うことも多く、建て替えに比べて自由度は高くありません。また、コンクリート基礎をそのまま使用するため、地盤に問題があっても改良ができないデメリットも生じます。

築年数の長い物件では、さまざまな部分に問題が生じている可能性もあるでしょう。このようなケースでは、部分的な補修を行いつつ工事を進めます。断熱性や耐震性をアップさせたいなどの希望があるなら、それに見合った費用がプラスされ、建て替えと変わらない金額を請求される恐れもあるでしょう。

建て替えのメリット・デメリット

何といっても、住宅に関するさまざまな問題をすべて解決できるのは、リフォームにはない大きな魅力です。一度更地にしてから工事を始めるため、設備追加など、まったく新しい住まいが出来上がります。地盤の強化や耐震補強もでき、思い描いた通りの家を手に入れられるのです。

間取りも自在に変更可能なので、現在のライフスタイルや家族構成に合わせた家づくりができます。新たに子ども部屋を作る、趣味専用のスペースを設けるなど、思った通りの住居が手に入れられるでしょう。

デメリットは、やはりコスト面です。家屋そのものを解体し、土地も更地に戻すため、新築工事以上の手間が掛かります。導入する設備機器や建材にもこだわるのなら、多額の費用が必要です。しかも、その間は別途住む場所を確保しなければならず、それに関わる費用も発生します。

建て替えでは、仮住まいの賃貸契約に掛かる諸費用をはじめ、月々の家賃など、実に多くのお金が必要です。そのうえ、建て替え工事が終了したあかつきには、新居へ家財を搬入しなくてはなりません。つまり、短期間で2度も引越しをしなくてはならないのです。引越し業者に任せるのなら、その費用も倍になります。

リフォームと建て替えはどちらがお得?費用相場を比較

工事を検討するにあたり、一番気になるのは費用面ではないでしょうか。目先のコストだけを考えれば、リフォームが安上がりでお得です。しかし、状況によっては建て替えのほうがお得になることもあります。以下、それぞれの費用相場を比較しました。

リフォームの費用相場

トイレのリフォームなら、20万~40万円程度で可能です。温水洗浄便座への交換や手すりの設置なら30万円以下、空間の拡張や床、壁紙の貼り替えなども行うのなら、30万~50万円、もしくはそれ以上掛かることもあります。
そのほかにも、屋内の例を挙げるなら、キッチンは60万~150万円、浴室は80万~120万円、洗面所なら20万~40万円程度です。段差解消や手すりの設置など、全面バリアフリーなら400万~500万円程度となるでしょう。
また、駐車場やガレージ、エクステリアなら、50万~100万円、外壁塗装やサイディングの貼り替えなどは90万~120万円程度が相場です。

最終的な価格は、内容や使用する材料、依頼する業者によって大きく変わります。そのため、工事を検討しているのなら、複数の業者へ相談し、見積もりをとったうえで比較しながら判断することが大切です。なお、リフォームの相場について詳しく知りたい人は、下記の記事にも目を通してみましょう。

建て替えの費用相場

建て替えの相場としては、30坪程度なら2,650万円前後、40坪で3,500万円前後が目安です。基本的に、坪数が増えるほど費用も高くなります。なお、解体する家屋が木造なのかRC造なのか、軽量鉄骨造なのかによってもトータルの費用が大きく変化するため、注意が必要です。


あくまで目安ですが、2,000万円台の予算を投入できるのなら、最新設備の設置も可能です。システムキッチンやシステムバスも夢ではありません。3,000万円台なら、無垢材を使用したフローリングやグレードの高いクロス、床暖房設備なども導入できる可能性があります。
建て替えにおいては、工事以外の費用が発生することも忘れてはなりません。ここで必要になるのは、仮住まいや引越しなどの費用です。地域や物件によって異なりますが、仮住まいの契約では30万~50万円程度の費用が必要となるでしょう。引越しも、世帯人数や引越し時期にもよりますが、10万~15万円、もしくはそれ以上の費用が掛かる可能性もあります。

リフォームと建て替え、どちらを選ぶべき?判断基準のポイントを知ろう

判断基準のポイントは大きく3つ、築年数と費用、耐震基準が挙げられます。これらのポイントを踏まえたうえで、リフォームするのか、それとも建て替えるのかを判断しましょう。

判断基準のポイント1:築年数

建物の築年数は、人間でいえば年齢です。人が高齢になると体のいたるところに問題が生じるように、家屋も年月が経つにつれてコンディションが低下します。そのため、年数の経過を判断のひとつの目安にしましょう。

実際には、築30年以上であっても、問題なく暮らせる家もあります。そのような場合、部分的なリフォームでも、十分望みを叶えられることもあるでしょう。

しかし、築30年以上の家が、自然にコンディションを回復させることは考えられません。状態がさらに悪化すれば、せっかくリフォームしても、結局建て替える羽目になる可能性は高いです。現状のことだけではなく、先々のことを考えたうえで判断しましょう。

判断基準のポイント2:費用

リフォームのほうが総体的な予算規模が小さいことから、リフォームを選択する人は少なくありません。しかし、フルリフォームのような大掛かりな工事では、建て替えとほぼ変わらないくらいの費用が掛かることもあります。このような場合、自由度の高さからいっても、リフォームではなく新築し直したほうがお得でしょう。

また、リフォームでは建物に生じた根本的な問題を改善できません。土台や梁、柱がシロアリ被害に遭っている、雨水に浸食されている、耐震性が著しく劣化しているなど、リフォーム中に判明するのはよくあることです。建て替えなら、費用こそ高くなるものの、これらの問題を一気に解決できます。大切なのは、目先の費用に惑わされないことです。このようなことも理解したうえで、判断すべきでしょう。

判断基準のポイント3:耐震基準

地震の多い日本において、家屋に耐震性をもたせることは重要です。リフォームか建て替えかを考える時には、耐震基準も考慮しなくてはなりません。

1981年に、建築基準法が改正され新耐震基準が設けられました。1981年の6月以降に建築確認を受けた家屋は、この新基準を満たしています。一方、それ以前に建築されたものは旧基準が採用されているため、十分な耐震性を有していない可能性が高いのです。
このような住宅の場合、工事において大規模な耐震対策が必要となるでしょう。基礎や柱、建築金物なども見直す必要があります。

リフォームでは、細部にわたって耐震対策を行えません。部分的には可能ですが、限界があります。現代の耐震基準を満たした、地震に強い家にしたいのなら、リフォームではなく建て替えを検討したほうがよいでしょう。
リフォームと建て替え、それぞれに特徴やメリット、デメリットがあることを理解することは大切です。そのうえで、築年数や費用、耐震基準などを考慮しつつ、どちらを選ぶか判断しましょう。
ただ、実際のところどちらを選ぶべきかを、自分だけで判断するのは困難かもしれません。明確な判断要素がないのなら、専門家への相談も視野に入れてはいかがでしょうか。その際はぜひ、「カシワバラ・コーポレーション」にお気軽にご相談ください。

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