入りづらい店の特徴とは? 入りやすい店に生まれ変わる5つの方法

この記事では、入りづらいお店の特徴を挙げながら、入店のハードルを下げて親しみやすい店舗づくりのコツを紹介します。店頭やSNSで掲示すべき情報や、顧客が入店前に知りたい事柄、店舗リノベーションの必要性など、入りやすい店舗をつくるポイントを幅広くまとめました。

2023.04.15

個人経営の店舗は、チェーン店にはない個性やきめ細かなこだわりなどが魅力です。お店ならではのサービスや商品などを楽しめますが、「ひとりで入るには勇気がいる」「お店の雰囲気がわからず入店しづらい」などの意見を耳にすることもあります。この記事では、入りづらいと感じる店舗の特徴を挙げながら、「入店のハードルを少し下げ、お客さまが安心して来店できる店舗にする方法」を紹介します。自分の店舗の印象をアップしたい人や、客数増加を目指したい人などは、ぜひ参考にしてください。

入りづらい店の特徴とは?

そもそも、顧客が入店を戸惑う店舗とは、どのような特徴があるのでしょうか。まずは、入りづらい店舗の外観や雰囲気、印象などを項目ごとに紹介します。

中の様子がわからない

誰でも未知の場所に飛び込むのには勇気が要ります。外から店内の様子がわかりにくい店舗は、雰囲気などをつかみづらく、初めて店舗を訪れる人からすると不安を感じるものです。外から店内の様子が見えないと、こうした不安は増してしまうでしょう。

また、外観から予想される店内の印象と、実際のそれが違っていると、居心地の悪さや満足感の低さにつながってしまいます。例えば「静かに過ごしたかったのに、思ったよりも大衆的な雰囲気だった」「常連客が多く、ひとりで入ったら浮いてしまった」という心証を与えてしまい、お店自体の評価を落とす原因にもなりかねません。そのため、顧客層に店内の雰囲気を訴えられる外観にすることも重要です。

いくらかかるのかがわからない

顧客にとって、予算感はとても重要な情報です。多くの場合は店構えや立地、外観などからおおまかな価格帯を予想します。そうした外観などからでは「利用にいくらかかるのか」を把握しづらい店舗では、入店を躊躇させてしまいます。
メニューやサービスの一覧、料金システム、ほかにかかる料金などをお店の前に掲示したり、ホームページに掲載したりするなど、「どれくらいの料金で、どの程度のサービスを受けられるのか」を顧客が想像しやすいように配慮しましょう。

サービス内容がわからない

「どんなサービスが受けられるのか」「どんなものが食べられるのか」などがわかりにくい店舗は、顧客に不安感を与えてしまい、入店につながりづらいでしょう。特に飲食店は、店名だけではどのような料理を提供する店なのか把握しづらいため、メニューや看板などで情報を提示することが大切です。

また、現在は新型コロナウイルスの影響で、営業時間が変わったり臨時休業をしていたりする店舗も少なくありません。「そもそも今は営業しているのか」「営業時間やラストオーダーは何時なのか」などは、必ず一目でわかる場所に掲示しましょう。

間口が狭い・すっきりしない

入り口が狭い店舗は、顧客に入店のハードルが高い印象を与えてしまいます。「隠れ家カフェ」「占いの館」などのコンセプトを打ち出したい場合を除いて、基本的には間口を広く取り、気軽に入店できる雰囲気を心掛けるとよいでしょう。

また、入り口付近は店舗の第一印象を決める大切な場所です。モノでごちゃごちゃしていると雑然とした印象を与えてしまうため、掃除用具や使っていない什器など、サービスに関係のないものは表に出ないようにしましょう。

薄汚れている・雰囲気が暗い

店舗の清潔感も、入店しやすさに関わる大切な項目です。古い資材や建物などが味になる場合もあるので、すべての設備を一新する必要はありませんが、清掃が行き届いており、気持ちよく利用できる店舗でないと客足の減少につながります。特に飲食店は、汚れていると顧客に不快な印象を与えてしまうので注意しましょう。

また、スタッフの雰囲気や接客の様子なども、店舗の印象を決める要素のひとつです。対応が淡泊すぎたり、口調が刺々しかったりすると印象を悪くしてしまいます。

プレッシャーを感じる

逆にスタッフの過度な接客は、時に顧客のプレッシャーになることもあります。アパレルショップなどの物販店で何度も話しかけられ、「買わされそうだな」と嫌な思いをしたことがある人もいるでしょう。また、必要以上にスタッフが多いと、顧客側はプレッシャーを感じやすく、入店しづらくなってしまいます。

そのほか「女性向けにデザインされたスイーツ店は、男性ひとりでは入りにくい」など、顧客に「自分には合わない」と感じさせてしまう雰囲気の店舗も、入店のハードルが高くなりやすいでしょう。店舗の雰囲気とは内装やサービスだけを指すわけでなく、「常連客が多い」「ひとりの客が少ない」など、客層や顧客の印象も含まれる点には留意しておく必要があります。

「誰にとって」入りづらい店なのか?

先述のように、初めての人が「入りづらい」と感じる要因には、店舗の外観や店内の雰囲気などさまざまなものがあります。しかし、入りづらさが逆にブランドイメージを高め、特定の客層に支持されるケースもあるため、一概に「入りづらい印象を与える店舗が悪い」とは言えません。

そこで重要なのが、「誰にとって」入りづらい店舗なのかを今一度よく考えることです。入りづらいと感じる客層が、本来的なターゲット層からずれているのであればさほど問題はありませんが、取り込みたい客層である場合は店舗の改革が必要でしょう。この点を以下では考えていきましょう。

男性、女性、おひとりさまが入りづらい店

店舗の雰囲気によっては、特定の客層が入りづらいと感じる場合もあります。しかし、必ずしもそれが悪いわけではなく、逆に別の客層にとっては入りやすさを醸成している可能性もあるでしょう。大切なのは、「どの客層がどういう店舗を入りづらいと感じるのか」をきちんと理解し、店舗のターゲット層に合わせて改革を行うことです。

わかりやすい例として、「性別によって入店しやすさが違う店舗」があります。これは「そこがどんなジャンルのお店なのか」というコンセプトを明確に提示できている店舗です。具体例としては、「斬新なデザインで流行中のアパレルショップ」なら若い女性客が入りづらく男性は入りづらいでしょう。また「カウンターしかない老舗ラーメン屋」なら男性のひとり客をターゲットとしていることが明確で、女性では入りづらくなるでしょう。このように、お店のジャンルを外観や内装などでわかりやすく打ち出すことは、ターゲティング策としても大切です。

また、ひとりで食事などをする「おひとりさま消費」が増えている近年では、「男性・女性によって、ひとりで入店しやすいと感じる店が異なる」という点が重要視されてきています。男性は麺類・カレー・牛丼などの店舗、女性はファストフードやチェーンのカフェ、ファミレスなどの店舗に入りやすさを感じやすいといいます。

入りづらい店の条件を良く満たす高級店

一方性別にかかわらず、そもそも「ひとりでは入りづらい」と感じるのは、料亭やフレンチ、高級焼肉店、(回転寿司以外の)寿司屋などが挙げられています。
こうした割烹やフレンチといった高級店では、あえて「入りづらい店構え」にすることもあります。間口が狭かったり、メニュー・料金表示がなかったり、店内が見えづらかったりと入店のハードルを高くすることで、かえって非日常的な空間を構築し、特別感を演出できるのです。このように、ターゲットとしている客層やお店のスタイルによっては、親しみやすい店構えにしないことがメリットとなる場合も少なくありません。

求める客層にとっての入りやすさを考える

以上のように、「すべての人にとって入りやすい店構え」を目指す必要はありません。大切なのは、「想定するターゲット層が入りやすいと感じる店舗かどうか」です。まずは、店舗としてどのような客層に利用してもらいたいのかを明確化し、ターゲット層を取り込むための対策を検討しましょう。

入りやすい店にするには?

店内の様子や価格帯など、わからないことが多いと顧客は不安を感じやすいものです。ここでは、入店のハードルを少しだけ下げ、多くの人が親しみやすいと感じる店舗にするアイデアを5つ紹介します。

店の情報を見せる

店内に入るまでお店の情報がわからないつくりだと、初めての人は入店に踏み切りづらいものです。値段・価格帯やメニュー、システムなどの情報はすべて入店前にわかるように、看板などに掲示しておきましょう。

また、大きな窓を設置したり、ドアを開けておいたりするなど、店内の雰囲気やスタッフの様子がわかるようにすることも大切です。その場合、スタッフは常に見られていることを意識した行動が求められるため、必要に応じて休憩場所や勤務態度などのルールを設けるとよいでしょう。

インターネットに情報を出す

インターネットやSNSなどが進歩した現代では、多くの人が入店前にスマートフォンで店舗の情報を調べています。特に近年では、通りすがりの店舗をその場でスマートフォン検索する傾向も見られるため、MEO対策とともにホームページやSNSなどで普段から情報を発信するようにしましょう。無論、普段の接客やサービスなどが悪いと、口コミで悪評が広まってしまうリスクもあるため、良質なサービスの提供を徹底することも大切です。

客の不安を取り除く

初めて店舗を利用する人は、「ひとりで入っても大丈夫か」「価格は高すぎないか」などの不安を抱えています。店頭やインターネットで店舗の情報を提供することも、顧客の不安を取り除き、安心感を与える方法のひとつです。ほかにも、ひとり客を歓迎している旨を店頭やネットでお知らせするなどして、限定した客層にアピールすることで、入店ハードルを下げられるケースもあります。

清潔感を演出する

薄汚れた不衛生な印象の店舗は、お店の第一印象を損ねてしまいます。すみずみまで掃除を徹底するのはもちろんのこと、制服や設備、スタッフの印象などにも気を配り、清潔感を演出することも大切です。

ただし、単に清潔感を演出しているだけではいけません。きちんと実際に清潔な状態を保ちましょう。特に近年は新型コロナウイルスの影響で、顧客側でもアルコール消毒・換気の徹底などへの関心が高まっています。政府の要請を守って営業し、ウイルス対策を実際に徹底した上で、そのことを顧客側にきちんと認識してもらいましょう。これにより安心感が高まり、入店ハードルを一段階下げられます。

明るくオープンな構えにする

間口の広い店舗を作りたくても、物件の構造によっては、どうしても閉鎖的で入りづらい雰囲気になってしまうことはあります。その場合は、営業努力だけでは解決が難しいため、店舗リノベーションで間口の開放感をアップするのがオススメです。例えば入り口を広げたり、客席周りをガラス張りにしたりと、建物そのもののつくりに手を加えれば、印象を大幅に変えられるでしょう。

また、客席を外から見えるつくりに変更する場合、店内が閑散としていると逆に入りづらい雰囲気になってしまうこともあるので要注意です。販促を行うなど、呼び水になる顧客を集める工夫も併せて取り入れるとよいでしょう。
「外観だけでは何のお店かわからない」「予算感や店内の様子を予想しづらい」など、店舗に関して不明瞭な点が多いと、初めて利用する人は入店を躊躇ってしまいます。入りやすいお店をつくるには、店頭の看板やインターネットで情報を提供したり、入り口を広くしたりと、入る前から店舗の様子を把握できるようにすることが大切です。
店舗の入りづらさは自力で解決できるケースもありますが、建物そのものに問題がある場合は、リノベーションによる抜本的な改革が必要です。店舗の改修を検討している人は、実績豊富な「カシワバラ・コーポレーション」にぜひご相談ください。

WRITTEN BY

DIYer(s)

Japan

DIYer(s)編集部です。DIYのアイデアやハウツー、おすすめツールやショップ情報まで幅広くお届けします!