屋根リフォームのすべて、教えます。種類と費用相場&知っておくべき情報まとめ

屋根リフォームの種類、費用相場、リフォーム時期など、施工前に知っておくと有意義な情報を紹介します。屋根リフォームの際によくあるトラブルや、業者選びのコツについても解説しますので、屋根塗装や葺き替えなどを検討している方はぜひ参考にしてみてください。

2022.01.07

一軒家を購入してから十数年経つと、そろそろ気になり始める屋根のリフォーム。家の耐久性を保ち、長く安心して暮らすために屋根のメンテナンスは欠かせません。ではリフォームを依頼するにあたって、事前にどんなことを知っておくとよいのでしょうか。
この記事では、屋根リフォームについて、適切な時期や費用の目安、よくある疑問点、業者選びのコツを紹介します。屋根を含む、家全体のメンテナンスを考えている人もぜひ参考にしてみてください。

屋根の寿命は何年?リフォームすべき時期の見極め方

屋根は、普段近くで状態を確認したり触ったりする機会は少ないため、不具合が起きるまで劣化に気づきにくいものです。新築から何年でリフォームを行うべきか、おおよその時期について解説します。ただし、雨漏りなどのトラブルがある場合は、放っておくと家全体の劣化につながるため、築年数に関わらずただちにリフォームを行いましょう。

15~20年経ったらメンテナンスは必須、リフォームも検討を

屋根リフォームの目安は築15年〜20年ほどです。屋根材の種類によっては10年前後で劣化が始まるため、気になるようなら早めにリフォームを依頼してもよいでしょう。特にトタン屋根やコロニアル屋根(ストレート屋根)は耐用年数の短いものもあるので、注意が必要です。

快適な暮らしを実現するためには、定期的なメンテナンスが何よりも大切です。雨漏り、カビ、ひび割れなどのトラブルが起こる前に、余裕を持ってリフォームを依頼しましょう。

屋根材の種類によっても耐久性は変わる

屋根の耐久性は、屋根材の種類で、左右されます。よく使われる屋根材は、コロニアル、和瓦、トタン、成型ガルバリウム鋼板などです。コロニアルとは、粘土版岩を使用した屋根材のことで、ストレートやカラーベストと呼ばれることもあります。耐久性は10〜30年ほどと幅広く、最近の住宅では耐用年数10〜20年ほどの塗料が多く使われているようです。
瓦屋根は、耐久性に優れ、メンテナンスも手間がかかりません。瓦の種類にもよりますが、寿命は20〜60年ほどと長く、中には100年ほど葺き替えのいらないものもあります。
トタン屋根の寿命は最長でも20年ほどで、10年に1度は塗装やメンテナンスが必要です。安価で設置できる利点がありますが、耐久性はほかの屋根材と比べて低いので注意しましょう。
成型ガルバリウム鋼板は、軽さが人気の金属屋根です。屋根リフォームで多く利用されており、寿命は25〜40年前後。耐久性能は高いですが色落ちしやすいため、約10年に1度メンテナンスをするのが望ましいでしょう。

また注意点として、屋根材だけでなく下地材などの耐用年数によっても適切な施工時期は異なります。相場より早く寿命を迎えるケースもあるため、あくまで目安と考えておきましょう。

どんな選択肢がある?屋根リフォームの種類と費用相場

住宅の状態や予算などによって、選ぶべきリフォーム内容は異なります。ここでは、屋根リフォームの種類や特徴、メリット・デメリット、そして費用の相場などを紹介します。

古くなった屋根材の上から塗料を塗りなおす「屋根塗装」

屋根塗装は、表面の洗浄と塗り直しを行い、費用の相場は約20万〜40万円ほどです。塗料によって金額や耐用年数は大きく異なります。

人気の塗料はシリコン、フッ素、無機塗料などです。最も使用されている塗装はシリコンで、紫外線に強く価格が安いことから多くの現場で使用されています。一方で、木部に塗装できない、ひび割れしやすい、といったデメリットもあります。

フッ素塗料は耐久性がとても高く、寿命はシリコン素材の1.5倍ほどです。費用対効果が高いため、コストパフォーマンスのよい塗料を使用したい人にオススメです。とはいえ、塗料の良し悪しを直接見分けることは難しいので、技術に信頼のある業者を選び、依頼するとよいでしょう。

無機塗料は、住宅に使う塗料の中では最もハイグレードです。耐用年数25年ほどと、トップレベルの耐久性を誇ります。メンテナンス回数を減らせるため、長期的に見るとコストパフォーマンスはよいといえますが、1回の工事費用は高額です。

【人気塗料の耐用年数・1㎡あたりの費用】
・シリコン:6年前後 約3,000円
・フッ素:10〜15年 約4,000円 
・無機塗料:15〜25年 約4,000〜5,000円

古い屋根材の上から新しい屋根材を取り付ける「重ね葺き(カバー工法)」

コストを抑えて屋根交換を行いたい人にオススメなのが、重ね葺き(カバー工法)です。既存の屋根を取り払わずに、上から新しい屋根を取り付けるため、解体費や廃材処理費はかかりません。また、屋根が二重になるので断熱・耐久性が向上する点もメリットといえます。
しかし、屋根の劣化がひどい場合や、過去にカバー工法を行なっている屋根は施工できないので注意しましょう。費用は工事費用や足場代などを含めて、70万〜150万円ほどです。

屋根材を剥がし、まるごと新品にする「葺き替え」

既存の屋根をすべて剥がし、新品に交換するのが「葺き替え」です。カバー工法では補修できない下地の劣化なども直せるので、古い住宅に適しています。しかし、既存屋根の撤去費、下地の補強費などがかかるため、重ね葺きと比べて費用は高額になるでしょう。

屋根材によって費用に幅があり、コロニアルは約70万〜200万円、瓦・セメント瓦は約70万〜250万円ほどです。機能などについて詳しく知りたい人は、ぜひこちらの記事も読んでみてください。

状態によっては、瓦や雨どいの補修も必要に

住宅の状態によっては、追加補修が必要なケースもあります。日本瓦の接着剤として使われている漆喰にひび割れなどが見られる場合は、漆喰補修を行います。費用目安はだいたい30万〜80万円です。
コロニアル屋根を固定している金属部品が劣化している場合は、棟板金の取り換え工事を要します。30万円前後で施工できる場合が多いですが、施工範囲や劣化の度合いによっては100万円近くかかることもあります。

ほかにも、雨どいの補強は1㎡あたり4,000円前後、雨漏りの補修は15万〜30万円ほどで行えます。建物によって必要な補修は異なるので、屋根の交換・塗装以外の費用も考慮して予算を立てると安心です。

要チェック!よくある疑問&知っておきたい屋根リフォームの豆知識

屋根リフォームは資材や工法によって値段の幅が広く、不安に思う人もいるでしょう。続いては屋根リフォームを依頼する前に知っておくべきポイントを紹介します。

どのリフォームを選べばいいの?屋根の状態に応じた判断方法

屋根の状態によって選ぶべきリフォーム方法は異なります。塗り替えは、屋根材を変更しないため、資材の劣化が少ない場合に適しています。また、屋根材は傷んでいても、下地や基礎部分がまだ使えるときは重ね葺きを、どちらも劣化しているときは葺き替えを選ぶとよいでしょう。いずれのケースも、最終的な判断はプロに任せると安心です。

屋根の色で性能は変わる?選び方のコツ&おすすめのカラー

家の外観だけでなく、遮熱性にも影響を及ぼす屋根のカラーリング。遮熱効果のある色を選ぶには、「明度」に着目するとよいでしょう。白に近く、明度の高い色は光を集めにくいため、夏場の暑さを軽減してくれます。

しかし、明るい色は汚れが目立ちやすく、メンテナンスに手間がかかることもあります。現在人気のカラーは、遮熱効果もあり汚れもカバーできるグレーやブラウン系です。お手入れのしやすさと遮熱性を兼ね備えた色を選ぶとよいでしょう。

屋根リフォームに「建築確認申請」は必要?

屋根リフォームを行う際、一般的には建築確認申請は不要です。しかし、リフォームの範囲や住宅の種類などによっては必要なケースもあります。

「アパート・マンションなどの共同住宅」、「3階以上の木造建築」、「2階以上の非木造建築」をリフォームする際は注意が必要です。屋根の半分以上をリフォームする際は、申請が必要になる場合もあります。各自治体によって規約が異なるので、詳しい条件はホームページなどで確認しましょう。

リフォーム費用を抑えたい!使える補助金や助成金はある?

屋根リフォームで使える助成金や補助金は、長期優良化リフォーム推進事業制度、高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業、次世代省エネ建材支援事業などが挙げられます。

対象となるのは、「屋根の葺き替えによって耐震性・断熱性などが向上した」「屋根工事に加えて太陽発電パネルを取り付けた」「屋根のアスベストを除去した」などといったケースです。制度によって内容、補助率などは異なるので注意しましょう。また、屋根をリフォームする理由が、台風などの自然災害によるものなら、火災保険が使える可能性もあります。

悪質な業者はどう見極める?ありがちなトラブル例と、失敗しないためにできること

業者選びは、リフォームの成功を左右する重要なポイントです。塗料・資材の質などを素人が見極めるのは難しいため、施工ミスが後から発覚することもあります。ここでは、屋根リフォームでありがちなトラブルを紹介します。

トラブル例①屋根の塗装工事後に、雨漏りが発生!

1年ほど前に屋根塗装を行ったにも関わらず、雨漏りが発生したケースです。屋根の劣化状態を十分に把握できず、下地舗装や葺き替えを行わなかったことが原因として挙げられます。

リフォーム前にしっかりと現地調査を行い、必要な施工内容を確認してもらいましょう。また、万が一トラブルが発生した際の保証について、内容を双方で確認すると安心です。

トラブル例②屋根工事の音やニオイでご近所トラブルに……。

住宅街や団地など家が密集している地域は、工事中の近隣トラブルにも注意が必要です。養生が不十分だったり、騒音対策が行き届いていなかったりと原因はさまざまです。

近隣との間が狭いときは、工事前に飛散防止対策をしっかりするようにお願いしましょう。また、業者任せにするのではなく、自分で事前に挨拶まわりしておくと安心です。

危機感をあおって即決を迫るリフォーム業者には要注意!

打ち合わせ時には、施工内容だけでなく、リフォーム業者の対応自体にも注意しましょう。「詳しい説明や料金の案内もなく契約を急がせる」「見積もりが極端に安い」「見積もり書の内訳をよく説明してくれない」「訪問販売で無料点検を強くすすめてくる」といった業者には要注意です。

「こちらの質問に丁寧に答えてくれるか」「見積書は正確か」「事前調査は丁寧か」などを参考に、1社ではなく複数の業者に見積もりを出して比較するのがオススメです。

屋根リフォームは、住宅の状態によって、塗料の種類や作業内容などが異なります。より詳しい内容が知りたい人は、ぜひ「カシワバラ・コーポレーション」にご相談ください。

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DIYer(s)

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