【木造車庫を建てる】施工例から価格目安、税金や建築ルールまでを徹底解説

木造車庫を新設する費用目安や工事のポイント、施工事例などを紹介します。建築基準法や税金に関するルールなどにも触れながら、木造車庫を新設する時に知りたい情報を総合的に解説するので、これから施工を考えている人はぜひ参考にしてください。

公開日 2021.02.23

更新日 2023.04.06

【木造車庫を建てる】施工例から価格目安、税金や建築ルールまでを徹底解説

近ごろ、家にいる時間が増え、新しい趣味を始めたり住まいの居心地を見直したりする人が増えています。「自分だけの趣味の空間がほしい」「車やバイクなどをかっこよくディスプレイしたい」といった人は、木造倉庫を新設してみてはいかがでしょうか。
当記事では、木造倉庫の施工事例や必要な費用、注意するべきポイントなどを紹介します。建築基準法や税金に関するルールなど、ガレージ新設に関する情報を総合的に知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

物置や作業スペースとしても◎!かっこよくて便利な木造車庫(ガレージ)の施工例5選

ここでは、レトロな内装にこだわったガレージや趣味の空間としても使える2階建ての車庫など、魅力あふれる木造車庫の施工事例を紹介します。

道路との高低差を活用。高さを生かし趣味のロフト空間も設けた事例

「EXALIVE SPACE DESIGN」に掲載されている木造ガレージの施工事例です。元々地面から高かった床の位置を地面まで下げることで背の高いガレージに仕上げ、ロフト空間を設けました。アメリカンテイストでまとめたレトロな内装もこだわりのポイントです。

既存住宅とも違和感のない外観で、内装はモダンに仕上げた事例

「ワイズギャラリー」より、外装・内装のデザインにこだわったガレージを紹介します。外装はベージュや木目などを基調としたコンサバティブなデザインですが、内装はアメ車が似合うモダンなデザインに。依頼主の趣味だというフィッシングの道具を飾る棚も造作しました。

車2台が駐車できる大空間を、柱なしで実現した事例

「藤田建設」より、車2台を駐車できる広々としたガレージを新設した事例です。柱を用いない在来木造軸組で作られているため、限りある広さの土地でも十分な駐車スペースを確保。外装はモノトーンでシックなデザインに仕上げました。

外壁を住宅と同じサイディングで仕上げた、統一感のある事例

「星工務店」より、既存住宅と同じ外壁材を使用し、統一感のあるガレージを新設した事例です。外装は住宅と同じサイディングで仕上げ、シンプルでスタイリッシュな外観になりました。片引き戸とサッシ窓を設置したため、倉庫以外にもさまざまな用途で使用できるでしょう。

隠れ家としても使えそうな、ロマンあふれる2階建ての事例

「EEPLAN」に掲載されている、2階建て木造ガレージの施工例です。1階は車庫、2階は水道が通った広いフリースペースになっています。物置としてはもちろんのこと、趣味を楽しむ隠れ家空間としても活用できるでしょう。

木造の車庫(ガレージ)を作るのにかかる費用の目安は?

木造車庫を新設するには、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。ここでは、費用目安や値段が変わるポイント、費用を抑えるコツなどを紹介します。

トータルの値段は「駐車する台数」によって変動する

ガレージ新設の費用は、施工する広さによって異なります。どれくらいの面積のガレージを作るかは、駐車する車の台数を目安とするとよいでしょう。
費用は、1台用が150〜250万円、2台用が200〜400万円、3台用が250〜550万円ほどです。既製品なら比較的安く設置できますが、設計から依頼する場合は費用が膨らみやすいので注意しましょう。

一部をDIYできる「木造ガレージ」キットを販売しているメーカーも

なるべく安くガレージを作りたい場合は、できる限りDIYで施工するという手もあります。工程の一部をDIY可能なキットもあるので、費用と工期のバランスを見ながら上手に取り入れてみてください。
車庫完成まで業者に頼むと一般的に150〜550万円ほどかかりますが、木材のみのキットだと100〜300万円ほどで施工可能で、通常の半額程度で済むこともあります。また、業者によっては基礎工事のみの施工や、構造部分の工事まで施工してくれるプランもあるようです。

理想のガレージを作りたい!使い勝手で後悔しない、車庫設計のポイント

ここでは、理想のガレージを作るために、施工前に知っておきたいポイントをまとめました。木造倉庫のサイズ設計や導入設備などで迷っている人はぜひ参考にしてください。

乗り降りや出入庫のしやすさまで考慮したサイズ設計を

ガレージの広さを決める基準は、駐車する車の台数だけではありません。車のサイズによっても必要なスペースは異なるため、あらかじめ車種に合った広さを把握しておく必要があります。例えば、軽自動車や小型の自動車は幅2.0〜3.0m×奥行き3.6〜5.5m、中型の自動車は2.5〜3.0m×4.7〜5.5m、大型の自動車は2.5〜3.0m×5.0〜6.0mほどが目安です。また、車椅子やベビーカーを使う場合は、その分の広さも考慮しましょう。バイクや自転車を一緒に停めたい場合は、幅・奥行きどちらもプラス1mしておくと安心です。

シャッターの電動・手動は、利便性とコストのバランスで考えよう

【木造車庫を建てる】施工例から価格目安、税金や建築ルールまでを徹底解説
ガレージのシャッターに電動・手動どちらのタイプを取り入れるか悩む人も多いはず。電動シャッターは設置費用が高いため、利便性とコストのバランスを考えて導入を検討するのがオススメです。

電動シャッターは、車から乗り降りせずにリモコン1つで開閉できます。雨の日や荷物が多い日などでもスムーズにガレージが使えるでしょう。一方で、設置費用や修理費用が高く、電池の交換など定期的なメンテナンスも必要です。
手動シャッターは安い価格で設置でき、また高い耐久性があります。しっかりお手入れすれば20年ほどは使用可能なため、コストパフォーマンスがよい設備と言えるでしょう。しかし、開閉音が大きい、開閉に力や手間がかかるなどのデメリットもあります。

必要に応じて、コンセントや洗車用の水道を備えておくと後々便利!

「車のメンテナンスをより快適に行いたい」「利便性の高いガレージにしたい」という人は、ガレージの中にコンセントや水道などを設置するとよいでしょう。最近はガレージ内にコンセントを設置し、電動自動車の充電を行う人も増えています。配管や電気工事は後から追加で行うと無駄な費用や手間がかかるので、必要な場合は新設の際に施工してください。

耐久性やメンテナンス性を求めるなら鉄骨造のガレージも検討を

【木造車庫を建てる】施工例から価格目安、税金や建築ルールまでを徹底解説
より耐久性やメンテナンス性の高いガレージを作りたい人は、木造ではなく、鉄骨造のガレージを設置するのがオススメです。鉄骨造は中柱を必要としないため、木造よりも広々とした空間を作れるメリットもあります。
設置費用は1台用で250〜350万円、2台用で350〜500万円ほどと木造よりも高めです。しかし耐用年数が長いため、長期的に考えるとコストパフォーマンスがよいと言えるでしょう。

税金は?申請は必要?木造車庫を自宅敷地内に増設する場合のルールと注意点

木造車庫を新設する場合、気をつけるべき法律や税金のルールなどはあるのでしょうか。ここでは、建ぺい率や収容率、固定資産税などに着目してガレージを建てる注意点を紹介します。

ガレージの設置には「建築確認申請」が必要!業者に依頼するならその費用もプラスに

建築確認申請とは、建物を建てる前に、土地や建築物が建築基準法に違反していないかどうかを確認することです。すべての建物に申請が必要なわけではありませんが、「ガレージを新設する地域が防火地域・準防火地域に指定されている場合」「建物が10㎡以上になる場合」は、申請しなくてはなりません。
多くの場合は、施工をするリフォーム業者が申請を行ってくれますが、15〜20万円ほどの費用が追加でかかるので注意しましょう。

カーポートも検討すべき?ガレージを新設すると「固定資産税」が発生する

たとえ狭いガレージでも、法律上で建物と認められれば固定資産税が発生します。
「居住、作業、貯蔵等に利用できる状態であること」「屋根があり、外周壁や建具で3方面囲われていること」「基礎工事などで土地に固定されていること」のすべてを満たしている場合は建物と認められます。
ガレージは、基本的に上記の3条件を満たすことになりますので、固定資産税がかかってくるでしょう。税金を少なくしたい人は、壁のないカーポートや、土地に固定しないプレハブ倉庫などを検討するのもオススメです。

違法建築物になるかも?!土地の「建ぺい率」と「容積率」にも注意を

建ぺい率とは、土地に対して建築する住宅の面積割合のことです。一方、容積率とは土地に対して建築する住宅の延べ床面積の割合を指します。
これらは地域によって上限が決められており、建物を新設する時は、数値を超えないように注意が必要です。基準を超えてしまった場合、違法建築物となってしまいます。建物を売却する時などにも、不利になるでしょう。

また、建ぺい率、容積率にはそれぞれ緩和措置があります。「柱の間隔・天井の高さ」などによっては建物面積に関わらず建築できることもあります。平家で柱間隔が2m以上で比較的天井が高いカーポートなどは建ぺい率緩和措置を適用される場合が多いので、詳しい条件を調べてみてください。容積率緩和は、ガレージ面積が「建物全体の5分の1以下」であれば、延べ床面積には入りません。

特にDIY時は注意!木造車庫の内装に使用できる材料には制限がある

DIYでガレージを新設する場合、内装で使用できる資材に注意が必要です。建築基準法により、「自動車車庫」として使用する建物の内装は、石膏ボードなどの準不燃材料で仕上げなければなりません。木造ガレージとして販売されている既製品でも、自動車車庫として使用する場合は、自分で不燃材による被覆をしなくてはならないものもあります。内装資材や既製品のガレージを購入する時は、「自動車車庫として使用できる資材なのか」よく確認するとよいでしょう。
車庫だけでなく、趣味の空間や物置など、さまざまな用途で使用可能な木造ガレージ。おうち時間を見直したい人や、より車やバイクなどの保護に力を入れたい人は、設置を検討してはいかがでしょうか。
具体的な相談をしたい人は、創立70年の実績を持つ「カシワバラ・コーポレーション」にお任せください。

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