筋交いをおしゃれに活かして抜けない壁と柱を有効活用
この記事では、筋交いをおしゃれに活用する方法について紹介します。空間に合った柱のカラーや、インテリアとしての活用方法など、抜けない壁と柱を活用してワンランク上のおしゃれな住宅を目指す方法をまとめました。筋交いの扱いで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
2023.04.14
一戸建て住宅のリフォームで、「この柱がなければ、希望のデザインが実現できるのに」と悩む方は多いでしょう。柱には、住宅の構造上どうしても残さざるを得ないものもあります。特に、筋交いは活用方法に困る柱の代表格です。そこで本記事では、筋交いを活かして、おしゃれな住まいを作るアイデアをご紹介します。注意すべきポイントにも触れていくので、柱を撤去するか迷っている方や、柱のある古い家をリフォームしたい方などは、ぜひ参考にしてください。
リフォームする前に知っておくべき情報!柱は抜けるものと抜けないものがある
希望のデザインや間取りなどによっては、すでに部屋内に存在している柱が、どうしても邪魔になってしまうこともあります。しかし、ひとくちに柱と言っても住宅の構造によって「抜けるもの」と「抜けないもの」があるため、あらかじめ種類を知っておくとよいでしょう。
壁を固定する「間柱」は抜ける
日本の木造住宅は一般に、木造軸組工法(在来工法)と呼ばれる工法で建てられています。この工法上、住宅を直接支える役割を持っている柱は抜けません。仮に抜いた場合、構造に重大な問題が生じ、住宅を支えておけなくなってしまうでしょう。場合によっては、大きな事故にもつながる恐れも。
逆に、撤去しても住宅の強度・耐震性能に影響が出ない柱は、「間柱」と呼ばれています。これは、内壁を支えるための比較的幅が狭い柱です。間柱は、家を支える主要な柱とは異なり、壁に隙間を作ったり、壁材を固定したりする役割があります。スケルトンリフォームや間取り変更など、大掛かりなリノベーションでは、間柱を壁ごと取り除場合も多数です。
逆に、撤去しても住宅の強度・耐震性能に影響が出ない柱は、「間柱」と呼ばれています。これは、内壁を支えるための比較的幅が狭い柱です。間柱は、家を支える主要な柱とは異なり、壁に隙間を作ったり、壁材を固定したりする役割があります。スケルトンリフォームや間取り変更など、大掛かりなリノベーションでは、間柱を壁ごと取り除場合も多数です。
土台から軒までつながる「通し柱」は抜けない
リフォームで抜けないのは、住宅の骨組みとなる「通し柱」や「管柱」です。
通し柱とは、「土台から軒まで継ぎ目のない1本柱」を指します。主に2階建ての木造住宅に使われています。これを抜こうとすると、住宅の構造全体に大きな影響を与えるため、どんなに大掛かりなリノベーションでも、撤去したり移動させたりすることは難しいでしょう。
一方、管柱とは「2階の床梁で分断されている、通し柱以外の柱」のことです。住宅の中には、通し柱を用いずに管柱のみで構成されているものもあります。管柱も通し柱と同様に、建物の強度を左右する重要な役割を担っているため、撤去できません。
通し柱とは、「土台から軒まで継ぎ目のない1本柱」を指します。主に2階建ての木造住宅に使われています。これを抜こうとすると、住宅の構造全体に大きな影響を与えるため、どんなに大掛かりなリノベーションでも、撤去したり移動させたりすることは難しいでしょう。
一方、管柱とは「2階の床梁で分断されている、通し柱以外の柱」のことです。住宅の中には、通し柱を用いずに管柱のみで構成されているものもあります。管柱も通し柱と同様に、建物の強度を左右する重要な役割を担っているため、撤去できません。
ほかにも構造に影響が出る箇所はある
通し柱や管柱のほかにも、「建物の耐震性能・強度に関係する箇所」に配置されている柱は、撤去できない可能性があります。
via homarenoie.com
例えば、柱と柱の間に木材をクロスさせるように設置する「筋交い」は、住宅の耐震補強などで設置されるため、抜けません。特にDIYリフォーム時には、壁の撤去についても十分注意が必要です。「筋交いが壁の中に埋まっていたのに気づかず、DIYで誤って壁を壊してしまった」といったトラブルにより、補修に多くの費用が発生する失敗例も少なくありません。
また、ツーバイフォー工法の住宅や壁式構造のマンションなどは、ひとつひとつの壁・床の「面」で建物を支えているため、それらが柱と同じ役割を担っています。壁を撤去すると建物が崩れやすくなることから、大掛かりな間取り変更などができないケースもあるので注意しましょう。
また、ツーバイフォー工法の住宅や壁式構造のマンションなどは、ひとつひとつの壁・床の「面」で建物を支えているため、それらが柱と同じ役割を担っています。壁を撤去すると建物が崩れやすくなることから、大掛かりな間取り変更などができないケースもあるので注意しましょう。
抜ける柱と抜けない柱の見極め方とは
上述したように、柱には抜けるものと抜けないものがあるため、DIYでリフォームをする時などに誤って撤去してしまうと、取り返しがつかない事態に発展することもあります。それでは住宅の構造を理解し、抜ける柱を見極めるためには、一体どのようにすればよいのでしょうか。
第一の方法としては、住宅の設計図を確認することが挙げられます。平面図を見ると、「対角線上に2本の線が引かれた四角形が、壁の各所に描かれている」ことが確認可能です。その印は管柱を表しており、さらにその上から丸印で囲まれた印は通し柱を指しています。これらの印がある柱は撤去できないので注意しましょう。また、1本の斜線が引かれた四角形の印は間柱を表しており、間取り変更などで取り壊しが可能です。
第二の方法は、リフォーム業者に相談することです。築年数の古い住宅や、中古物件を購入した場合などは設計図がないため、自分で住宅の構造を確認することは難しいかもしれません。素人が目視で柱の状態を見抜くのは容易ではないため、設計図がない場合は安全面においても業者に相談するのがオススメです。
第二の方法は、リフォーム業者に相談することです。築年数の古い住宅や、中古物件を購入した場合などは設計図がないため、自分で住宅の構造を確認することは難しいかもしれません。素人が目視で柱の状態を見抜くのは容易ではないため、設計図がない場合は安全面においても業者に相談するのがオススメです。
筋交いをおしゃれに活かしたリフォーム事例
ここからは、残す必要がある筋交いを無駄なくおしゃれに工夫したリフォーム事例をご紹介します。一見すると邪魔に思えてしまうような場所にある筋交いであっても、アイデア次第でワンランク上の空間になるような演出も可能です。
スペースを無駄なく使う棚を設置
こちらは筋交いによってできる隙間に板を挟み込み、棚として使います。設置の仕方は自由なので、部屋の雰囲気や個人の用途に応じて、お好みの収納スペースを作成可能です。板を壁との間に差し込み、簡単な机として活用する方法もオススメです。もともと収納スペースが少ない部屋で、ぜひ試してほしいアイデアです。部屋の中で存在感を放ってしまいがちな筋交いを、魅力的なインテリアとして有効活用してみましょう。
床材と色味を統一させる
via hikarinobe.com
こちらは「ひかリノベ」に掲載されている中古住宅リノベーションの事例です。「いつもお互いの気配が感じられるLDK」をテーマに、ナチュラル・ヴィンテージスタイルの広々としたリビングを作りました。キッチンとリビングをつなぐ空間に柱がありますが、床材と統一した木目模様にすることで、ほっと心が落ち着くおしゃれなインテリアのような佇まいに。柱にも壁紙や塗装などで工夫を施し、インテリア・床・壁などと色を合わせると、ナチュラルかつまとまりのある空間に仕上がります。
ハンモックやキャットウォークとして活用する
こちらは「SUVACO」に掲載されている柱の活用事例です。抜けない柱の強度を活かして、普段設置しづらいインテリアなどに活用する方法もあります。
via suvaco.jp
ひとつ目は、柱にハンモックを取り付けた事例です。通常、室内にハンモックを設置するためには、専用のスタンドなどを用意する必要がありますが、柱があれば直接フックを掛けて吊せます。柱の色は床・インテリアと同じ温かみのある木目で統一し、ナチュラルかつアウトドアな雰囲気を感じるような空間に仕上げました。リビングだけでなく、子ども部屋や書斎などにも活用できます。
via suvaco.jp
二つ目は、むき出しになった筋交いにキャットウォークを取り付けた事例です。筋交いは柱の対角線上にクロスするように木材を設置するため、足場をランダムに設置するキャットウォークと相性がよい一面も。また、ペットを飼っていない場合は、壁面収納の棚として活用する方法もあります。
あえて空間のアクセントに利用する
via hikarinobe.com
こちらは「ひかリノベ」に掲載されているリノベーション事例です。内装は西海岸風のデザインに統一し、木目や明るいカラーを取り入れ、全体的におしゃれな雰囲気を意識しました。また、空間内でどうしても目立ってしまう柱や筋交いは、抜け感のある白で塗装されています。このおしゃれな色味がアクセントとなり、ワンランク上の内装に仕上がっている点がポイントでしょう。
via suvaco.jp
こちらは「SUVACO」で紹介されている、柱アレンジの事例です。フレンチカジュアルを意識した白いインテリアやキッチンで、上品かつおしゃれなイメージを演出できています。そこに、無垢ナラ材を使用したダークカラーの床材を取り入れ、さらにおしゃれな仕上がりになりました。明るめのインテリアの中で、あえて暗い木目の柱を活かすことで、空間を引き締めています。観葉植物のグリーンや、壁のタイルの質感などを引き立たせている点が魅力的です。
柱を使って別のインテリアを作る
こちらは「LIXIL」に掲載されているリフォーム事例です。2本の抜けない柱を活かし、柱の間にガラスの棚板を取り付けました。また、柱を中心に回遊型のオープンキッチンを設置したことで、キッチンがダイニングとリビングにつながる、コミュニケーションの取りやすい空間に変身しています。邪魔になりがちな柱を最大限に利用し、利便性の高いデザインを実現している魅力的な事例です。
このように、「柱が2本あれば、その間に飾り棚を設置する」「1本だけならフックをつけてアウターや帽子などを掛けるラックにする」など、柱を別のインテリアとして作りかえられます。また、柱を使用してゆるやかに空間を区切り、キッチンや階段などを設置する事例も人気です。
このように、「柱が2本あれば、その間に飾り棚を設置する」「1本だけならフックをつけてアウターや帽子などを掛けるラックにする」など、柱を別のインテリアとして作りかえられます。また、柱を使用してゆるやかに空間を区切り、キッチンや階段などを設置する事例も人気です。
格子の間仕切りをつけておしゃれに目隠し
via suvaco.jp
こちらは「SUVACO」に掲載されているリノベーション事例です。複数の部屋をつなげた広々としたリビングに、筋交いを使用した間仕切りを設置しています。一見すると普通の仕切りのようですが、筋交いに同色の格子を重ねたことで、ゆるやかに空間を区切るおしゃれな目隠しになっています。抜けのあるデザインを選ぶことで、空間の開放感は残しつつ、プライバシー性とおしゃれなデザイン性を両立させることに成功しました。
抜けない柱を活かす際の注意点
このように、構造的に抜けない柱であっても、アイデア次第ではさまざまな活用方法が考えられます。ただし、抜けない柱を活かしてリノベーションなどを行う場合は、いくつかの注意点も押さえておきましょう。
防火・準防火地域に該当する場合
「防火・準防火地域」とは、都市計画法で定められた「火災が発生しやすい地域」のことです。ほかの地域よりも防火対策にまつわる基準が厳しく、建物の構造や材質などが細かく定められています。
防火・準防火地域に建てられた住宅については、「柱や筋交いをむき出しのままにすること」が禁止されていることを忘れないようにしましょう。柱・筋交いには、壁や耐火ボードで覆ったり、耐火性の高い塗料を塗布したりするなどの対策を施してください。
防火・準防火地域に建てられた住宅については、「柱や筋交いをむき出しのままにすること」が禁止されていることを忘れないようにしましょう。柱・筋交いには、壁や耐火ボードで覆ったり、耐火性の高い塗料を塗布したりするなどの対策を施してください。
ひらがな・数字が書かれている場合
via gojyou.co.jp
むき出しにした柱の表面に、ひらがなや数字などが書かれていることもあります。これは建設時にメモされたもので、「どこに使用される木材なのか」を指す言葉です。柱や筋交いは表に出すことを想定されていないため、消さずに残っていることが少なくありません。
これらのメモはもう使われることがないため、無視しても問題ないです。目立つ箇所に書かれている場合は、ボードを被せたり塗料を塗ったりして隠すとよいでしょう。
これらのメモはもう使われることがないため、無視しても問題ないです。目立つ箇所に書かれている場合は、ボードを被せたり塗料を塗ったりして隠すとよいでしょう。
まとめ
柱には、住宅の構造によって「抜けるもの」と「抜けないもの」が存在します。住宅を支える通し柱や管柱を誤って抜いてしまうと、構造全体の強度・耐震性を大きく損なう恐れがあります。DIYリフォームなどの際には、十分に注意しましょう。その上で、筋交いをおしゃれに活用する方法を試してみてください。
抜いてもよい柱の種類を見分けるには、住宅の設計図を確認したり、リフォーム業者に住宅を見てもらったりする方法があります。設計図がない場合は、目視で判断することは難しいため、やはりリフォーム業者に依頼するのがオススメです。
企業オフィスや店舗などでもリフォーム実績の豊富な「カシワバラ・コーポレーション」なら、柱を安全・有効に活用するさまざまな方法を提案できます。これからリフォームを検討している方はぜひご相談ください。
抜いてもよい柱の種類を見分けるには、住宅の設計図を確認したり、リフォーム業者に住宅を見てもらったりする方法があります。設計図がない場合は、目視で判断することは難しいため、やはりリフォーム業者に依頼するのがオススメです。
企業オフィスや店舗などでもリフォーム実績の豊富な「カシワバラ・コーポレーション」なら、柱を安全・有効に活用するさまざまな方法を提案できます。これからリフォームを検討している方はぜひご相談ください。
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