和室を洋室に?そのまま残す?和室リノベーションのメリットとは

和室リノベーションのメリットを、施工の種類ごとにまとめました。和室を洋室に作り替えるべきか、和室をそのまま残して活用するべきか、迷われる人は案外多いものです。それぞれどのような特徴があるのか、費用や機能性なども踏まえて解説します。

2023.04.15

一昔前の住宅や、古民家などでよく見られる和室。現在の生活スタイルに合わず、古い和室を持て余している人もいるのではないでしょうか。この記事では、古い和室をリノベーションで今風のオシャレな部屋にする方法や、和室をそのまま残して活用する方法などを紹介します。和室リフォームの事例なども紹介するので、和室を改装しようか迷っている人や、和室のデザイン事例を知りたい人などは、ぜひ参考にしてくださいね。

和室をリノベーションしてオシャレな洋室に

和室は、古くから日本に伝わる伝統的な居室です。しかし、現代の住宅にはあまり取り入れられておらず、中にはライフスタイルに合わないと感じる人もいるようです。
例えば、普段テーブルやチェアを使っている人は、座敷にそのまま座る和室は少々使いにくさを感じるかもしれません。また、畳は重たい家具を置くと跡が付着してしまうので、和室はタンスやクローゼットなどの収納を置きづらいというデメリットもあります。持ち物が多い人にとっては、和室があると収納スペースを圧迫し、整理整頓された空間が作りづらいケースも見受けられます。

このように、「和室が今の生活スタイルに合わない」と感じる人は、思い切ってリフォームで洋室に変えるという選択肢もあります。引き戸を洋風のドアに変更し、畳をフローリングに変えるだけでも、随分と部屋の雰囲気は変わります。押し入れをクローゼットに変更するリフォームや、壁と天井のリノベーションなどを併せて行うと、さらに洋風の佇まいになるでしょう。

和室を洋室に変えるメリット

和室を洋室リフォームするメリットはさまざまなものが挙げられますが、一つ目は日々の掃除の手間が省けることです。畳は湿気や結露などに弱く、きちんとお手入れをしないとカビやダニが発生する恐れがあります。また、飲み物をこぼした時に拭き取りづらい、定期的に交換が必要など、掃除やメンテナンスに労力がかかりやすいこともデメリットでしょう。
こうした理由から畳の管理が億劫になり、ついつい和室を使わなくなる人も多いのではないでしょうか。畳をフローリングに変更すれば、掃除機やフローリングワイパーなどで簡単に掃除できます。

二つ目のメリットは、統一感のある部屋づくりができることです。和室は洋風の家具を置きづらいため、どうしても空間全体を同系統のインテリアでまとめるのが難しいでしょう。和室を洋室にリフォームすれば、好みの家具を配置し、自由に空間デザインを楽しめます。

三つ目のメリットは、バリアフリーに対応しやすいことです。畳は重たい家具を置くのに不向きなため、介護用のベッドや車椅子などが使えません。また、和室の生活スタイルは腰や膝などに負担をかけやすく、立ち上がった時に体を痛めてしまう人も。「両親の在宅介護をする可能性がある」「将来のために足腰を労った生活をしたい」という人は、洋室への変更リフォームが適しているでしょう。

あえて和室を残す選択肢も

和室を洋室に変更するリフォームが人気を集めている一方で、「あえて和室を残したい」と考える人もいます。とはいえ、古い和室は見栄えが悪く汚れも溜まりやすいため、住宅の状態によっては、設備を一新するリフォームを行うとよいでしょう。
主な施工内容は、畳の張り替えや壁材の変更、収納の造作などです。縁のない畳やアクセントクロスなどを効果的に使い、かつデザインも見直すことで、モダンで現代的な和室へアップグレードすることもできます。どうしても「インテリアを置きづらい」と感じやすい和室も、効果的に手を加えれば、屋内全体のアクセントになるのです。

また、畳は吸音性が高く、足音や生活音などを下の階に響かせないメリットがあります。そのため、和室は子どもの遊び場として優れた機能を発揮します。和室をそのまま残し、リビングと地続きのスペースにすれば、料理や家事の最中でも目の届きやすい、安全性の高い子ども部屋になるでしょう。マンションなどの集合住宅に住んでいる人や、子ども部屋リフォームを検討している人は、和室をそのまま活かした方が、かえって暮らしやすい住まいになるかもしれません。

和室をそのまま残すメリット

一つ目のメリットは、リフォーム費用を削減できることです。デザイン性の高い畳や照明など、インテリアにこだわると費用が高く付きますが、経年劣化を修復する程度のリフォームなら、比較的安く施工できるでしょう。しかし、畳の下地が腐食しているなど、建物の構造部分に響く劣化がある場合は要注意。大掛かりな施工が必要になり、和室リフォームの方向性に関わらず、費用が膨らむこともあります。

二つ目のメリットは、お客様を和室に泊められることです。普段使っていない和室も、こまめに手入れをしておけば客室として重宝します。布団を敷くだけで快適な寝床を提供できるのも、和室ならではのメリットだと言えるでしょう。自宅に人を招く機会が多い人や、よく親戚が泊まりに来る人などは、和室があると便利です。

加えて先述のように、和室は子ども部屋としても有効に利用できます。そのため、子どもの成長に合わせて、和室のリフォーム方法や時期を検討していくこともオススメです。

和室リノベーションにかかる費用

和室全体を洋室へリフォームする費用の相場は、50万〜100万円ほどです。主な施工内容は、畳・壁材の変更や押し入れの作り替え、天井工事、扉の変更など。
和室を洋室に変更した上で、隣接するリビングなどとつなげる場合は、壁の撤去やクロスの張り替え、段差の解消なども追加で行います。間取り変更を行わない小規模な施工であれば、50万円前後でリフォームできるケースが多いでしょう。

また、「押し入れだけ使いやすく改修したい」「畳の変更リフォームのみ施工したい」など部分的なリフォームの依頼も可能です。費用目安をまとめて紹介します。
押し入れをクローゼットに変更する場合は10万〜25万円、畳をフローリングに変更する場合は15万円前後、畳を琉球畳などグレードが高いものに変更する場合は5万〜10万円、壁や天井を洋風に作り替える場合は10万〜20万円ほどで施工できます。
リフォームを小分けにして何度も依頼すると費用が膨らみやすいので、近い将来改修する予定があるものは、なるべくまとめて見積もりを出してもらいましょう。

和室リノベーションのポイント

和室を洋室へリノベーションする場合、改修内容によっては費用が高く付くかもしれません。なるべく安く施工したい場合は、リフォームの優先度をきちんと見極めることが大切です。優先的に変更するべきは、畳や建具など、和室らしい雰囲気が残りやすい箇所。また、柱や梁など、昔ながらの造りが見える場合は、これらも業者に相談して隠してもらいましょう。
また、畳をフローリングに直しても、砂壁や塗り壁などが残っているとちぐはぐな雰囲気になることも。上からクロスを貼ったり、塗装したりするだけで洋室らしさが生まれるので、和室らしい作りの壁はそのままにせず、一手間加えるのがベターです。

また、和室を洋室に変更し、リビングなどとつなげる場合は、床と天井の高さに注意しましょう。これらの高さが違っていると一体感が生まれず、連続性の欠いた空間になってしまいます。多くの和室は部屋の境目に段差があり、間仕切りや天井の高さがほかの部屋と異なるため、これらを揃えて調整する必要があります。

和室リノベーションの事例集

ここでは、ぜひ真似したい魅力的な和室リノベーションの事例をまとめました。和室を空間のアクセントとして上手に取り入れた事例や、異素材を組み合わせたユニークな内装など、ワンランク上の和室を作るコツを紹介します。

【事例①】畳の小上がりスペースをつくり空間のアクセントに

「SHUKEN Re」より、畳を空間のアクセントとして有効に活用したリフォーム事例を紹介。洋風のリビングのアクセントとして、多目的に使える畳の小上がりスペースを造作しました。ポイントは、間仕切り壁は設置せず、段差を使って視覚的に空間を分けたこと。リビングの開放感はそのままに、和室を生活に上手に取り入れています。

【事例②】異素材を組み合わせてつくりあげる和モダン

via n-u.jp
「nuリノベーション」より、シンプルな和モダンテイストの和室を紹介します。縁のない畳とフローリング、モルタルの異素材を組み合わせて作り上げた床が特徴的。ニュアンスブルーの壁がアクセントとなった、モダンでスタイリッシュなデザインの和室です。素材やカラーで遊びを入れていますが、天井と引き戸、フローリングに同系色の木目を使い、まとまりのある空間に仕上げています。

【事例③】トレンドの縁なし畳を使用したカジュアルな和室

「ひかリノベ」より、洋風リビングと相性のよいカジュアルな和室を紹介します。デザインのポイントは、トレンドの縁なし畳を使い、フローリングと組み合わせて配置したこと。インテリアやクロスなどは洋風のものを使用していますが、畳と違和感なく調和しています。洋風の家具を取り入れたい時や、リビングに隣接する和室などに縁なし畳を取り入れると、スッキリとしたオシャレな空間になるでしょう。

生活スタイルに合わない、掃除しにくいなどの理由から、古い和室を持て余している人は案外多いものです。思い切って洋風の部屋へリフォームすれば、より生活しやすい住まいが作れるかもしれません。
とはいえ、和室は子どもの遊び場や客間などに適しているため、畳の張り替えやデザインの見直しなどを行い、和室を再活用した事例も見られます。迷っている人は、「子どもが小さいうちは和室を残し、大きくなったら洋室へリフォームする」など、長いスパンでリフォーム計画を立てるのもオススメです。
より具体的な費用やデザインなどを知りたい人は、リフォーム実績が豊富な「カシワバラ・コーポレーション」にご相談ください。

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DIYer(s)

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