介護リフォームについて考える!体の負担が少ない家づくりとは?

28歳で福岡へ移住し、築40年の物件をセルフリノベーションしながら生活。その様子をブログメディア「DIY MAGAZINE」で公開しているセーチです。普段DIYをしていると両親の将来の暮らしについて考える機会が増えました。ケガや病気で家族に介護が必要になった場合に検討したいのが介護リフォーム。 自分や親の介護が必要になったとき、何からはじめればいいのか案外分からないものです。 今までDIYしてきた経験から介護リフォームをすべき場所について話します。

公開日 2024.04.10

更新日 2024.04.10

介護リフォームについて考える!体の負担が少ない家づくりとは?

どの場所を介護用にリフォームすべきか

「介護リフォーム」と言っても、どこをリフォームするればいいのか検討も付かないと思います。
日常生活で躓いたり、こけたりしてケガしそうな危険な場所をリフォームして安全な環境に整えることを「介護リフォーム」と言います。

リフォームする際は介護される側だけでなく、介護する側の視点も取り入れることが大切です。
トイレや浴室など一緒に入って介助できるスペースを確保したり、車いすの使用が考えられる場合は、安全に介助できる動線の確保も必要です。

介護リフォームは探し出せばいくらでも工事が可能ですが、急に過度なリフォームをしても逆に使いずらくなってしまうこともあるので、「現状必要」な場所から工事することをおすすめします。
手すりの位置は介護を受ける方の症状によって異なるので、実際に不自由な部分が出てくるまで本当に使いやすい位置を判断するのは困難ですし、不要な場所にリフォームをしても使い勝手が悪くなるだけなので、必要な箇所のみリフォームを実施しましょう。

まずはドアまわりのリフォームを検討する

古い住宅の場合、ドアノブがレバータイプでなく握りタイプのことが多いので、交換することをおすすめします。トイレや部屋の開閉に握力を使う握りタイプのドアノブだと、介護される側が1人で使用する場合の負担になる可能性があります。交換部品自体は数千円で購入できる物なので、使用頻度の高いドアノブから交換してみてください。

また外開きのドアの場合、扉を開けるスペースを確保しないといけないので、一度下がってからドアをあける必要があります。歩行が困難な状態になったり、車いすを使用する場合、毎回ドアを開けてから下がる動作は負担に感じてしまうので引き戸にリフォームすることをおすすめします。

玄関を介護リフォームする場合

段差の多い玄関は介護リフォームが必要になることが多い場所で、車いすを使用する場合スロープを設置する必要があります。体を支える手すりや、開き戸のドアから引き戸へのリフォームや、滑りにくい床材へ変更される方も多いです。

多くの住宅の玄関には上がり框(かまち)の段差があります。
高齢者や被介護者にはこの段差がネックで、上り下りを補助する台を設置したりすれば、出入りが容易になります。玄関の段差を完全に無くす工事は大がかりな工事になってしまうので、少し補助できれば問題ないのであれば、レンタル品のスロープ等で対応するのも手です。
手すり等は他のリフォーム箇所と一緒に業者に依頼できるので、必要であればお願いすると良いでしょう。
介護する側の目線でリフォームするのであれば、靴を履いたり脱ぐときに座る場所があると助かります。
足腰が弱ってくると、靴を履いたり脱いだりするために体のバランスを取るのが難しくなるので、座る場所があると安心です。

トイレの介護リフォームも必須

毎日使うトイレもリラックスして使えるようにリフォームをした方がいい場所です。
トイレの介護リフォームで考えられるのは、手すりの設置、トイレ内が冷えない対策、床材を滑らない物に変更、和式から様式への交換等があたります。

手すりは座ったり立ち上がったりする際に補助になるので、L字型のタイプを取り付けると良いです。手すりを掴むのが難しい方は肘で体を支える位置に設置する方法もあります。
トイレの床材がタイル等滑りやすい場合は、滑りにくいクッションフロア等に変更することができます。滑らない床で安全を確保しましょう。

トイレもヒートショックが起きやすい場所と言われているので、温水便座の設置やトイレ内に暖房を置くなどの対策を取っておくと安心です。

お風呂の介護リフォームは費用が高くなる

お風呂の介護リフォームは一番値段が高くなる場所、どこまでリフォームするのか検討する必要があります。

介護する人が手伝いながら一緒に浴室に入る場合、大人が2人で入るスペースが必要になります。
今の浴室で広さが足りないようであれば拡張を検討してみてください。
既存のサイズから拡張する場合、業者の方にサイズを計ってもらい入るサイズのユニットバスの見積りを出してもらいましょう。在来工法のお風呂の場合、解体費用も含めると100万円は超えてくることが多いので、予算感と照らし合わせながら検討してください。

予算が高すぎて拡張した新品のお風呂が難しい場合、床材を滑りにくいタイプにリフォームすると良いでしょう。浴室の床がタイルの場合は滑りやすく冷たいですしヒートショックも心配です。
浴槽に入る際には足をあげたりと行動も大きくなるので、浴槽のそばに手すりを設置すると安心です。
余裕があれば浴室暖房の設置もできると良いです。

お風呂の広さは十分だけど床を滑りにくくして、暖かいお風呂にリフォームしたいと考えている方は、既存の風呂内にユニットバスを組み立てて設置することも可能なので、業者の方に見積もりを出してもらいましょう。床材や壁材の上張りという方法もあるので、状況に応じたリフォームを検討してみてください。

階段の介護リフォームは手すりだけでもOK

階段の段差を緩やかにする工事は費用がかさみますが、滑り止めを付けたり手すりを付けるリフォームであれば費用を抑えながらも安全に補助することができます。設置工事も数時間で終わりますし、費用も高くないので、介護が必要になったら手すりと滑り止めは取り付けることをおすすめします。

負担を抑えながら介護リフォームを検討しましょう

介護リフォームでは、安全の為に取り付けた手すりやスロープが、介護する人の邪魔をしてしまってはストレスになってしまうので、介護される方だけでなく介護する方にとっての使いやすさも考慮して進める必要があります。

介護保険サービスを使用して介護リフォームを利用する場合には、工事前に必ず自治体に事前申請する必要があります。申請前に工事を始めてしまうと、原則「住宅改修費」として介護保険サービスを受けられません。

慣れ親しんだ家でも、身体機能が低下すると家の中でも思わぬ危険が出てきます。介護保険サービスを使って介護リフォームをすることで、経済的な負担を抑えながら安心な住環境を整えることができるので検討してみてください。

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セーチ

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DIYのブログ『DIY MAGAZINE』を運営。福岡在住の28歳です。物件をセルフリノベーションしていく過程とDIYに関する情報を発信しています。