コンクリート(セメント)DIYでインテリア・庭アイテムを手作り!材料・作業方法を解説

コンクリートをDIYで。そう聞くと大変そう、手間がかかりそうと思われる方も多いかもしれません。しかし最近では100円ショップでも売られるようになり、実は身近な素材に変わりつつあります。さらに必要な道具がそこまで多くなく、お手軽な素材でもあるのです。コンクリートの魅力はその無機質さで、どんなインテリアにも合いやすく、洗練された印象にしてくれることです。様々なコンクリートのDIY術をご紹介するとともに、コンクリートを扱う上での注意点や、DIYではおなじみのセメントやモルタルがコンクリートとどう違うのかについてもご紹介します!

2022.01.07

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道具がたくさん必要で手間がかかりそう…そう思われがちなコンクリートですが、最近では100円ショップでも手に入るようになり、身近なものを使って型にできるため、手軽に作ることができるのです。今回は、そんなコンクリートを使ったアイデアに加え、屋外のDIYでよく用いられるモルタルとコンクリートの違いや使い分け方、コンクリートの使用上の注意点もお伝えします!

コンクリートってそもそもどんなもの?モルタルとの違い

日ごろからDIYに親しんでいる方にとって、コンクリートやセメント、モルタルは比較的身近な存在かもしれません。でもその違いは?と考えると、意外と知らないということも少なくないのではないでしょうか。
セメントは、石灰石や粘土、けい石などを粉砕してできる粉末であり、実はコンクリートとモルタルはどちらもこのセメントを原料に作られています。
材料は似ているものの、コンクリートとモルタルでは、性質や用途が異なります。それぞれの違いを理解し、状況に合わせて活用ができると、DIYのスキルもグンとアップするでしょう。

コンクリートとは

コンクリートは、セメントに砂や砂利、水を入れて作られるものです。セメント1に対して、砂が3、砂利が6程度の割合で練られます。

圧縮力に強く、型に合わせて自在に変形しやすいことから、土木や建築の現場などで用いられています。引っ張る力には弱いという性質を補うため、鉄筋を組み合わせた鉄筋コンクリートも生み出されています。

外構などで使用されるモルタル

モルタルは、セメントに砂や水を入れて作られるものです。セメント1に対して砂が3程度の割合で練られ、用途によって配合量は変更されます。

身近なところでは、庭や玄関のアプローチ、塀などの外構、エクステリアで多用され、レンガやブロックを積む作業や、タイルの目地などに使用されるほか、壁などの仕上材にも活用されます。セメントと砂を配合し、水を加えるだけで使えるインスタントモルタルも販売されており、DIYでの利用にも便利です。

コンクリートとモルタルの使い分け方

一般に、強度が必要な場面ではコンクリートが使用されます。外構を例にとると、塀やブロックの土台や基礎部分などでは、強度を上げる必要があるためコンクリートを、タイルやレンガの接着、仕上げ、補修などにはモルタルを使うとよいでしょう。

作業に必要な道具

実際にコンクリートを使って作業を始める前に、そろえておきたい道具をご紹介しておきましょう。

・軍手か手袋

コンクリートは非常に強いアルカリ性なので、素手で作業をするとすぐに手が荒れてしまいます。必ず軍手か手袋を装着してから作業してください。

・トロ舟かバケツ

コンクリートはセメントに水や砂、砂利などを混ぜて作ります。そのため、それらを入れるための器が必要です。使用するコンクリートがすべて入る容量の器であれば、特に形状を気にする必要はありません。プロの現場ではトロ舟と呼ばれるプラスチックの容器を使いますが、一般家庭でこうした用具を繰り返し使うことはあまりないので、バケツなどで代用してもよいでしょう。プラスチックだと強度が少し足りないので、金属製がオススメです。バケツでは収まらない量のコンクリートを使う場合は、トロ舟の購入を検討しましょう。

・シャベルや鋤

器に入れた材料を混ぜるための道具です。こちらも混ぜられさえすれば何でもいいのですが、コンクリートの量が少ない場合は園芸用のスコップ、多い場合は鋤(すき)を使うとよいでしょう。

・汚れてもいい服

自分で作業をするとどうしても材料が飛び散ります。汚れてもいいような古着や作業着を用意しましょう。

・長靴

靴は服以上に汚れます。普通の靴だと水分が染み込むだけでなく、汚れも取れなくなってしまうので、園芸用や作業用の長靴を用意しましょう。

・防水シート

作業では水を使うため、周囲が水浸しになる可能性があります。場所によっては、防水シートを敷いてから作業をするとよいでしょう。

・防塵マスク

水と混ぜ合わせる前のセメントや砂からは、細かい粒子が飛び散ります。体に悪影響を及ぼしかねないので、防塵マスクを用意しておくと安心です。

コンクリートの作り方

セメントの作り方で重要なのが、材料の配分と加え方です。強度が必要な場合、セメント1に対し、砂が2、砂利が4。一般的な用途では、セメント1に対して、砂が3、砂利が6、が配分の目安になります。
材料が用意できたらセメントと砂、砂利をトロ舟やバケツに入れ、スコップなどでよく混ぜます。器の容量の半分を超えるとあふれる可能性があるので注意しましょう。よく混ざったら、中央にくぼみを作って水を少しずつ入れて練ります。スコップの先から流れ落ちない程度の硬さになったら出来上がりです。

モルタルの作り方

仕上げに使われることの多いモルタルについても、その材料や作り方を簡単にご紹介しておきましょう。セメントでは砂と砂利を使いますが、モルタルの場合は砂利は使わず、砂だけを使います。基本となる配合は、セメント1に対して砂が3。表面仕上げやレンガの接合に使う場合は、この配合で十分です。仕上げではなく、強度を求める場合は、セメントに対して砂の割合を2程度にするとよいでしょう。
これらの材料をよく混ぜたら、そこに水を少しずつ加えながら、さらに混ぜていきます。全体的によく混ざったら完成です。水の量が多いと緩め、少なくすると固めのモルタルになります。夏は気温が高く乾燥しやすいので多少緩めに、冬は乾燥しにくいので、少し固めに作るとよいでしょう。

使用上の注意点

コンクリートと聞くと、素人には扱いにくいイメージもありますが、それほど難しいものではありません。注意すべきポイントを押さえて、コンクリートを使いこなせるようになれば、DIYの世界はぐっと広がります。
まず、すでに触れたとおり、コンクリートは強いアルカリ性なので、そのまま素手で触ると手が荒れてしまいます。必ずゴム手袋や軍手を着用してから作業をしてください。安全のためにマスクも併せて着用するとよいでしょう。また、コンクリートは急に乾燥させると収縮するため、ひび割れを起こしてしまいます。使う前に散水すること、そして打設したら1週間程度は適切な温度管理や散水などの養生をすることも重要です。
商品選びの際にも注意が必要です。例えば、同じ「インスタントコンクリート」という商品名でも、砂利が入っているものといないものがあります。また、ホワイトとグレーというカラーバリエーションもあるので、購入前に必ず確認しましょう。

ムラなく塗る方法

実際にコンクリートを塗る際は、それなりの技術が必要です。ただ、ちょっとしたコツを掴めば、熟練の職人には及ばないにしても、仕上がりは大きく変わります。
特に注意をしたいのは、水平にムラなく塗ることです。そのためには、利き腕の反対側から塗っていくとうまくいきます。右利きの人なら左から、左利きの人なら右から、といった具合です。経験が浅いうちは、やや高い位置から塗り始めるといいでしょう。コテの浮かし具合も重要です。ある程度浮かせないとスムーズに塗れないのですが、浮かしすぎてもコテの端が立ち気味になり、塗る面を削ってしまうことがあります。コテを動かす際はできるだけ力を抜き、進行方向に対して少し浮かし気味に、やさしく撫でるように塗りましょう。
また、長い距離を塗っていくと、次第に水平が取りづらくなってきます。これを防ぐために有効なのが糸。糸を水平に張っておくと目安になるので効果的です。

さて、ここからはインテリアや庭など、身の回りで活躍するコンクリートを使った手作り小物や雑貨を紹介します。素敵なアイデアがそろっていますので、生活を豊かにするためのアイテム作りのヒントにしてみてくださいね。

<追加見出し>自分で手作り!コンクリートDIY

さて、ここからはインテリアや庭など、身の回りで活躍するコンクリートを使った手作り小物や雑貨を紹介します。素敵なアイデアがそろっていますので、生活を豊かにするためのアイテム作りのヒントにしてみてくださいね。

コンクリートDIY:時計

準備するのは時計のキット、型枠用の板、発泡スチロール。まず5つの板を使い、箱状に型枠を作ります。隙間があると、コンクリートが漏れてしまいますので注意してください。その中に発泡スチロールで作った型を入れてから、コンクリートを流し込むことでお好みの形を作ることができます。コンクリートが固まったら、そこへ時計キットを装着すれば完成。型を作るのが少し手間ですが、型さえあればどんな形にもできてしまうのが、コンクリートの魅力。お好みの型でお試しくださいね!

コンクリートDIY:ポップコーンの容器で作るiPadスタンド

型を自分で作るのではなく、既存のものを使うことで手間を省くことができます。なんと紙素地でも型にすることができるのです。ご紹介するのは、ポップコーンの容器で作るiPadスタンド。まずスタンドの傾斜をつけるため、ポップコーンの容器を斜めにカットします。iPadを置く板の部分をはめ込む穴を作るため、発泡スチロールをポップコーンの容器に固定します。そこへコンクリートを流し込み、固まったら容器とコンクリートの付着している部分をカミソリで切り離し、容器の部分を破ってはがしていきます。最後にiPadを置く板をはめ込んだら完成です。

コンクリートDIY:シリンダーを使った花瓶

コンクリートとシリンダーの無機質な組み合わせも、花を飾ることで一気に華やかさが増してしまうから不思議。次にご紹介するのは、そんなシンプルな花瓶です。作り方も至ってシンプル。まずヨーグルトやサワークリームなど、お好みの大きさのカップを準備し、コンクリートを流し込みます。中央にシリンダーを配置し、少し置いておきます(速乾性のコンクリートであれば15分ほどで固まってきます)。シリンダーが固定されたことを確認したら、コンクリートが完全に乾くのを待つだけ。型を外したら完成です。

コンクリートDIY:電球壁フック

次にご紹介するのは、コンクリートの壁フック。型として使うのはなんと電球!まずは、電球の中身をすべて取り除いていきます。電球の下部にある金属の円をペンチで握り、持ち上げます。この時、電球が割れる可能性もありますので、安全眼鏡と軍手を装着の上、作業を行ってください。中身を取り除いたら、使わない歯ブラシなどで中をキレイにします。そこへコンクリートを流し込み、ボルトを最後に入れ、固まるまで待ちます。コンクリートが固まったら、ゴミ箱などを準備し、厚手の手袋を装着の上、電球にヒビを入れ、中のコンクリートを取り出し完成です。玄関付近に取り付ければ、家に帰ってきた時にサッとものがかけられるフックとして活躍しそうですね!

コンクリートDIY:キャンドルスタンド

レースとコンクリート、一見不釣り合いに思える組み合わせですが、コンクリートにガーリーさが加わりオシャレな雰囲気に!まず型となるプラスチック容器(紙の容器でも可)を準備し、その内側にレースのシールを貼り付けます。そこへコンクリートを流し込んだら、キャンドルが入るサイズのプラスチック容器を押し込みます。プラスチック容器の中に重しとなる硬貨を入れて、固まるのを待ちます。コンクリートが固まったのを確認したら外側のプラスチックを、カッターなどを使いながら切断して、完成です。

コンクリートDIY:写真フレーム

写真フレームは、写真を引き立てるためにもシンプルなものを…そうお考えの方にオススメなのが、コンクリートの写真フレームです。まず写真が収まるサイズの薄い箱を準備します。その中央に写真のサイズの穴を開け、箱の中がつながるようにテープで留めます。その箱の中にコンクリートを流し込み、コンクリートが固まったら箱を破って中身を取り出し、完成です。飾りたい写真のサイズのフレームがなかなか見つからない時にも、DIYは有効ですね!

コンクリートDIY:吊り下げプランターテーブル

プランターをもっとオシャレに見せたい、そんな方にオススメなのがこちらのアイテム。吊り下げて使うことができるテーブルです。まず丸い形の型にコンクリートを流し込み、穴を開ける時の目印とするため、三角形の頂点となる場所にダボを置きます。均等に置かないと、吊り下げた時にバランスが悪くなるので注意が必要です。コンクリートが固まったら型から外し、ダボを置いていた部分にドリルで穴を開け、ナイロンロープを通したら完成です。

コンクリートDIY:カッティングボード

フルーツやチーズなど、ちょっとしたものを切りたい時に活躍するのがカッティングボード。ただでさえオシャレなこのアイテムを、コンクリートで作ることでさらに素敵に!作り方は至って簡単。お好みのサイズのタッパーにコンクリートを流し込み、乾いたら取り出すだけ。使う前には、カルナウバロウやミツロウなどを塗ってから使用してくださいね。

コンクリートDIY:モジュラープランター

今、ブームとなっているのが壁に取り付けることのできるプランター。そんなプランターもDIYすることができます。ご紹介するのは、幾何学模様のプランターをモジュール式に取り付け、お好みの形にディスプレイできる優れもの。型は段ボールを使用し、大きめの三角形とその内側にも三角形を作り、壁に取り付けるためのくぼみを3か所につけます。そこにコンクリートを流し込み、乾いたら完成です。お好みの数を作って、組み合わせを楽しんでくださいね。

コンクリートDIY:テーブル

テーブルのような大物にも挑戦してみましょう。既存のテーブルを購入し、その天板をもとに型を取り、脚は既存のものをそのまま使用するという大胆なアイデア。白の脚とコンクリートが見事にマッチして、既存の製品よりぐっとオシャレに仕上がります。

コンクリートDIY:ネックレス

コンクリートをネックレスにするというユーモアあふれるアイデアをご紹介。型となる紙を準備してお好みの大きさになるようカットし、型の中央にチェーンを通します。そこへコンクリートを流し込み、固まったら型を取り除いて完成です。横型や縦型、アイデア次第で様々な形を楽しむことができそうです!

コンクリートDIY:手型フック

様々な形に流し込めるのがコンクリートの利点。ただ、自分で複雑な型を作るのは難しいという方にオススメなのが、アルギン酸塩という素材です。歯医者でかぶせ物の型取りにも使われており、ご存知の方も多いのではないでしょうか?「立体型取り剤」という名前で東急ハンズ、Amazonや楽天などの通販サイトにて販売されていますので、活用してみてください。作り方は簡単。大きめのペットボトルの注ぎ口を切り取り、立体型取り剤を流し込みます。そこにお好みの形を作って手を入れます。10分ほどで固まりますので、手を抜きます。そこにコンクリートを流し込み(壁に取り付けたい場合はボルトも入れます)、乾いたら型から取り出し完成です。木製の台座を一緒につけてもいいですね!

コンクリートDIY:パッケージ

こちらはコンクリートをパッケージに使うアイデア。プレゼントは別に用意して、梱包材を自らの手で作ってみるというのも粋ではないでしょうか。きっと思いがさらに届くはずです。

コンクリートDIY:マーブル柄プランター

まるで大理石のようなマーブルの模様が美しいコンクリートのプランター。シリコンのお好みの型を使い、簡単にできるプランターをご紹介します。通常のコンクリートとコンクリート用顔料の白色を使い、マーブル模様を表現しています。それをシリコンの型に入れ、固まれば完成です。混ぜ合わせ方によって全く違う表情を見せますので、色々試してみてくださいね!

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