階段リフォームの費用相場を一覧解説!事前に知っておくべきポイントとは?

階段リフォームの種類ごとに、費用相場を一覧で紹介します。「建築確認申請は必要なのか・使える助成金はあるか・所得税や固定資産税は減税できるのか」など、知っておきたい制度についても併せて解説するので、これからリフォームを行う人は参考にしてください。

2023.04.15

築年数の古い住宅は、間取りや構造などが現在の家とは異なります。代表的なものを挙げると、和室や土間、押し入れなどがありますが、見落としがちなのが階段です。勾配が急で幅が狭いなど、安全性に欠けるものもあり、上り下りに苦労している人もいるのではないでしょうか。この記事では、階段リフォームの費用相場を、施工の種類ごとにまとめました。安全で使いやすい階段を作りたい人は、参考にしてくださいね。

どんな工事が可能?主な階段リフォームの種類と、かかる費用の目安

階段リフォームの種類とその費用相場を解説します。予算をかけずに手軽にできるものから大掛かりなものまでさまざまな階段リフォームを紹介するので、ぜひ自宅に合うものを探してみてください。

アイアン素材でオシャレにも♪安全対策の手すりを付けるリフォーム

【予算相場】
・10万〜20万円

「なるべく予算を抑えて安全対策を行いたい」という人にオススメなのは、手すりの設置リフォームです。階段リフォームの中では比較的低予算で設置でき、工期も1〜3日ほどに収まります。

階段の構造や長さなどによって値段に幅はありますが、平均費用は10万〜20万円ほど。曲がり角の少ないストレート階段は比較的安く手すりが付けられますが、螺旋階段やL字階段などは費用が膨らみやすいので注意しましょう。木材やアイアン素材など、資材にこだわれば階段の雰囲気をオシャレに一新することもできます。

小さな子どもやペットも安心!ステップへ滑り止めを設置するリフォーム

【予算相場】
・1万円前後

小さな子どもがいる家庭では、特に階段での転倒事故に気をつけたいもの。手すりのないスケルトン階段などで足を滑らせて、怪我をしてしまうケースも多いようです。階段のステップへ滑り止めを設置すれば、こうしたトラブルを防ぐことができます。

ステップに貼れる滑り止めシートは、ホームセンターやDIYショップなどで気軽に購入できます。ステップ全体に敷き詰めるマットレスタイプや淵のみに貼るタイプなど、さまざまな商品があり、平均費用は1万円前後。デザインや使い勝手などを考慮して、自宅に合うものを選んでみてください。

傷んできた床材を手軽に修繕!既存の階段板へ新しい部材を上貼りするリフォーム

【予算相場】
・15万〜45万円

床材の汚れが気になる人や、古いデザインを一新したい人は、床材の上貼りリフォームがオススメです。上貼りリフォームのメリットは、古い階段板の上から新しい資材を被せるため、床材の撤去費用がかからないことです。しかし、下地材の修復などはできないため、床材の劣化が激しい場合など、避けたほうがよいケースもあります。

上貼りリフォームの費用目安は15万〜45万円ほどで、工事は1〜2日ほどで完了します。床材は滑りにくいものや柔らかいものを選ぶと、より安全性の高い階段が作れるでしょう。

古いカーペット素材の新調もOK♪階段板の部材を張り替える(交換する)リフォーム

【予算相場】
・階段板の部材張り替え:30万円前後
・カーペットの交換:5万〜8万円

床材のカーペットは、古くなると汚れやホコリなどが目立ち始めます。メンテナンスを怠るとダニがつく可能性もあるので、階段板のカーペットは一定の期間ごとに交換を行いましょう。また、カーペットからフローリングに交換するなど、階段板の部材を変更することもできます。

床材の交換リフォームは、既存の床材は何か、どの素材に変更するかなどで費用が異なります。相場は30万円ほどで、カーペットの交換のみなら5万〜8万円ほどで行えます。工期は2週間ほどを目安とするとよいでしょう。

「片付かない」問題を解決。引き出しの設置など、階段下へ収納を増やすリフォーム

【予算相場】
・階段下収納:10万〜30万円
・棚の造作:5万〜10万円

子どもが生まれたり、両親と一緒に住むようになったり、ライフスタイルが変わるとその分の収納スペースも必要になるでしょう。階段下のデッドスペースを収納にリフォームすれば、タンスやラックなどで部屋が狭くなることもありません。また、階段の脇に棚を造作するリフォームも人気があります。

階段下収納を作るリフォームは、照明やドアの有無、壁や床の素材はどうするかなどによって異なり、予算は7万〜30万円ほど。棚の造作は2〜10万円と、比較的安く施工できます。階段のステップ下を引き出しにリフォームする場合など、階段の構造に関わるものは100万円以上になることもあるので注意しましょう。

急な階段も緩やかにできる?上り下りしやすい安全な勾配へ変えるリフォーム

【予算相場】
・階段数を増やすリフォーム:25万〜50万円
・構造を変更するリフォーム:80万〜150万円


高齢の両親や自分自身の老後のことを考えて、「勾配が急な階段を緩やかにしたい」と考える人は多いでしょう。階段周りのスペースがある人は、段差を狭めて階段数を増やすリフォームを行い、階段周りが狭い人は、階段の構造そのものを変更するリフォームを行います。

階段数を増やすリフォームの相場は25万〜50万円、階段の構造を変更するリフォームは80万〜150万円ほどで行えます。後期は3〜5日ほどが多く、リフォームの規模によってはもっと長くなることもあります。

階段をもっと広くしたい!ステップの幅を変更するリフォーム

【予算相場】
・50万〜150万円

古い階段が使いにくいと感じる理由は、勾配だけではありません。階段自体が狭い場合も多いので、荷物を持っている際などでは、上り下りしづらくなることも多くなるでしょう。

ステップの幅を広くするリフォームは50万〜150万円ほどで行えます。工期は施工の規模にもよりますが3〜5日ほどを目安としましょう。勾配を緩やかにするリフォームと併せて行うなど、ほかのリフォームと組み合わせるのもオススメです。

古くなった階段を丸ごと一新!位置は変えずに新しい階段へ架け替えるリフォーム

【予算相場】
・100万円前後

階段の下地や資材などが激しく劣化している場合は、階段をまるごと一新するリフォームがオススメです。費用目安は100万円ほどで、住宅の状態によっては相場を上回ることもあります。

工期は2週間ほどの、大掛かりなリフォームになりやすいでしょう。しかし、「勾配がきつい・幅が狭い・床がきしむ」など複数のトラブルが起きている時は、思い切ってまるごと一新した方が、後悔のない階段リフォームになることも少なくありません。

スケルトンリフォームなら位置変更も◎ 階段を別の場所へ移動するリフォーム

【予算相場】
・150万〜300万円

階段の位置変更は、ほかの部屋の間取りなども併せて改修するケースが多く、階段リフォームの中では最も規模が大きくなりやすいでしょう。家の骨組み以外をすべて解体する「スケルトンリフォーム」と一緒に行われることも多く、家全体を一新したい人や、併せて古い間取りを変更したい人などにオススメです。費用は150万〜300万円で、工期は2週間以上かかることもあります。

リフォーム前にチェック!「安全で使いやすい階段」を作るためのポイント

ここでは、建築基準法で定められている階段のサイズや、導入するべき安全対策など、リフォーム前に知っておきたい情報をまとめました。階段リフォームを検討している人は、ぜひ参考にしてください。

法律上のルールは?建築基準法で定められている最低寸法について

建築基準法では階段の最低寸法が定められており、一般住宅や店舗など、建物によって基準となる値が異なります。一般住宅の場合は、階段・踊り場の幅は75cm以上、「蹴上」と呼ばれる段差間の幅は23cm以下、踏面は15cm以上で設計しなければなりません。直上階の床面積や階段を作る場所などによっても数値が異なるので、階段のサイズ変更を検討している人は、あらかじめ詳しい条件を確認しておきましょう。
https://www.cao.go.jp/bunken-suishin/doc/tebukai41shiryou04_3.pdf

使いやすい階段サイズの考え方と、そのほかの安全対策

建築基準法の寸法は、あくまで設置してよい最低限のラインを定めたものです。この数値ギリギリで設計すると、人によっては狭くて使いづらい階段になることも。人がすれ違ったり、荷物を持って上り下りをしたりすることを考慮して、「蹴上の2倍+踏面=60cm」になるように寸法を決めるとよいでしょう。また、滑りにくい床材を使用する、照明で明るさを確保するなど、安全性を高める工夫も併せて取り入れてみてください。

費用負担を減らす助成金が使えるかも?制度上の注意点や、お得な情報を知っておこう

階段の改修を含むバリアフリーリフォームは、条件を満たせば減税制度や助成金制度が活用できます。ここでは、これらの制度を使ってお得にリフォームを行うコツや、申請の注意点などを紹介します。

工事の内容によっては、「建築確認申請」が必要になることも

建築確認申請とは、住宅が現在の法律に即しているかを業者に審査してもらうことです。基本的に、新築時は必ず建築確認申請が必要です。リフォームの場合は、改修の内容によって申請の必要・不要は異なるので、注意しましょう。

特に階段リフォームでは、間取りを大幅に変える場合や、階段の位置変更をする場合などに建築確認申請が必要です。比較的大掛かりな階段リフォームを行う場合は、あらかじめ申請が必要かを業者に確認するとよいでしょう。

所得税や固定資産税の減税制度が使える要件に当てはまるかは要確認

リフォームを行うと、所得税や固定資産税の減税制度を利用できることがあります。階段の勾配を緩やかにする、手すりを設置するなどの施工はバリアフリーリフォームに当たるため、条件を満たせばこれらの制度を利用できるでしょう。所得税の減税制度は、投資型減税とローン型減税、住宅ローン減税があり、資金繰りの方法によって使える制度が異なります。

固定資産税の減税は、工事費用50万円以上、住宅の築年数10年以上、65歳以上の高齢者が住んでいるなどの条件があります。管轄の自治体によって必要書類や手続きの方法が異なるので、住んでいる地域のホームページなどを確認してください。

対象のバリアフリーリフォームなら、介護保険の助成も受けられる!

介護保険の制度を活用すれば、バリアフリーリフォームの費用を助成金で賄えることもあります。利用できるリフォーム内容が限られており、階段リフォームでは手すりの設置と滑り止めリフォームが対象です。助成額の上限は18万円で、所得によって変わりますが工事額の7〜9割ほどを負担してくれます。階段以外のリフォームにも適用できるので、まとめてバリアフリーリフォームを行う場合は担当のケアマネジャーやリフォーム業者などに相談するとよいでしょう。

古い住宅によく見られる、狭くて急な階段は上り下りが大変なものです。「老後に備えて安全な階段を作りたい」という人は多いのではないでしょうか。滑り止め・手すりの設置などの気軽にできるものから、階段の移動や架け替えなどの大掛かりなものまでさまざまなリフォームがあるので、自宅の状態に合ったものを選んでみてください。
実際の工事内容を知りたい人や、見積もりを依頼したい人などは、リフォームのプロ「カシワバラ・コーポレーション」にご相談ください。

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DIYer(s)

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