店舗・商業施設のトイレをオシャレに設計するポイントは?デザイン事例と併せて解説

飲食店や商業施設などに行った時、清潔感のあるオシャレなトイレがあると嬉しいものです。内装のデザインや居心地のよい空間は、店舗のイメージに直結しやすいため、トイレも細部までこだわって設計できれば理想的でしょう。そこで本記事では、店舗におけるワンランク上のトイレを作るポイントや費用相場、オシャレなデザイン事例などを紹介します。店舗のトイレリノベーションで悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

2023.04.20

飲食店や商業施設などに行った時、清潔感のあるオシャレなトイレがあると嬉しいものです。内装のデザインや居心地のよい空間は、店舗のイメージに直結しやすいため、トイレも細部までこだわって設計できれば理想的でしょう。そこで本記事では、店舗におけるワンランク上のトイレを作るポイントや費用相場、オシャレなデザイン事例などを紹介します。店舗のトイレリノベーションで悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

店舗デザインにおけるトイレの重要性

店舗のデザインを考える時、メインとなるフロアを重要視するあまり、トイレを後回しにしてしまう人も多いでしょう。しかし、トイレの印象は、店舗そのもののイメージにも影響を与える大切なポイントです。実際に、トイレの設備やデザインや清掃のルールなどを見直して、常に清潔感のあるきれいなトイレにしたところ、お店の評判がよくなり業績がアップした事例も見られます。

また、特に女性にとっては、トイレは化粧直しや身だしなみを整える場所でもあります。滞在時間が長くなることも多いので、トイレや洗面台の細かい汚れや劣化などにも気付きやすいでしょう。
たとえ商品やサービスのクオリティが高かったとしても、トイレの印象が悪いと店舗のイメージダウンにつながりかねません。きちんと掃除を行い、清潔感を保つのはもちろんのこと、インテリアや小物類などにこだわり、居心地のよさにも配慮したトイレを作れれば、顧客の満足度も高まるでしょう。

お店のイメージをワンランク高めるトイレ設計のポイント

オシャレで快適なトイレを作るには、どのような点に気をつければよいのでしょうか。ここでは、トイレの印象を底上げするポイントや、すぐに取り入れられるレイアウトのコツなどを詳しく紹介します。

動線設計を考える

店舗のレイアウトを考える際、店内からトイレへスムーズに移動できるように動線を考えなくてはなりません。お客様がトイレに行くたびに従業員の通り道を妨げてしまったり、場所がわかりにくかったりすると、お客様は不便に感じてしまうことでしょう。間取りを大幅に変えなくても、インテリアや家具の配置を見直すだけで改善できる場合もあるので、「お客様と従業員の動線が重なりすぎないか」「トイレの場所が一目でわかる工夫はあるか」などを確認し、動線設計を見直すとよいでしょう。

また、トイレフロア内の使い勝手も、お客様の満足度をアップする大切なポイントです。広さに余裕があれば、ファミリー層やご年配の方、障がいのある方などが使用できるように、ベビーチェアや手すりなどの設置を検討するとよいでしょう。店舗のコンセプトなどにもよりますが、さまざまな客層が使いやすいと感じるトイレを設置することで、これまであまり訪れなかった人々がリピーターになってくれるかもしれません。

清潔さを意識する

掃除の行き届いていないトイレは、業種や業態に関わらず、店舗のイメージを損ねる原因になります。サービスや商品のクオリティが申し分ないとしても、トイレが汚れていると店舗そのものの印象も落としかねません。トイレの設備を選ぶ時は、汚れが目立ちにくいカラーや素材をチョイスし、場合によっては日々の清掃ルールを見直してみるのもオススメです。

また、トイレの壁材や床材、洗面ボウルなどのメンテナンス性も重要なポイントです。美しいデザインでも、汚れが落ちにくいものや掃除に手間がかかるものだと、かえって清潔感のない空間になってしまいます。トイレの設備を選ぶ時は、なるべく日々の掃除が簡単なものを選び、清潔さを意識した小物の配置やデザインを検討するとよいでしょう。

スペースに余裕を持たせる

案外見落としがちなのが、トイレのスペースに関する問題です。狭過ぎたり広過ぎたりすると居心地の悪い空間になるため、適切な広さで設計することが大切です。「ファミリー層が多い店舗なら、子どもと一緒に利用できるように個室内のスペースを広く取る」「若い女性が多い店舗なら、化粧直しがしやすいように洗面台周りを充実させる」など、店舗のコンセプトによっても広さを変える必要があります。

また、トイレのスペースを工夫することで、店舗のイメージアップも図れます。例えば、入り口から便器までの距離を取り、トイレをただの個室ではなく部屋のように見せることで、リラックス効果をアップさせたケースも見られます。トイレに使えるスペースは限られているものの、なるべく奥行きのある設計にしたり、タンクレストイレを導入して便器周りに余裕を持たせたりするなど、圧迫感が生じづらい空間づくりを意識するとよいでしょう。

インテリア・小物に気を遣う

店舗のトイレは自宅のトイレと異なり、居心地のよさや清潔感、動線やデザイン性の高さなどが求められます。内装デザインにこだわるだけでなく、小物やインテリア用品なども店舗のコンセプトに合ったものを選ぶとよいでしょう。照明は明るさを調整できるものを導入すると、昼間と夜間、清掃時などシーンや用途によって使い分けることも可能です。

また、洗面台周りのアメニティも、お客様の満足度を高める重要なポイントです。近年、香りのよいハンドソープや綿棒、コットン、マウスウォッシュなど、ちょっとしたエチケット用品を常備する店舗が増えています。業種や業態にもよりますが、カップルに人気の店舗や女性客が多い店舗などは、これらを用意しておくことでイメージアップが期待できます。

店舗のトイレ工事にかかる費用相場

店舗のトイレ工事費用は、施工内容や広さ、デザイン、設備のグレードなどによって幅があります。トイレの増設は50万〜100万円ほど、改修は15万〜50万円ほど、新設は40万〜100万円ほどがそれぞれ相場です。しかし場合によってはこれらを上回ることもあるので、余裕を持って予算を組んでおくとよいでしょう。
特にトイレの移動を伴う場合や、追加で配管工事が必要な場合、大幅な間取り変更が必要な場合などは、費用が膨らむこともあります。便器のグレードを落としたり、素材を見直したりすることで費用を抑えられる可能性もあるため、きちんと予算を提示したうえで、業者に施工内容を相談することが大切です。

デザインセンスが光る店舗・商業施設のトイレ事例を紹介

ここでは、ぜひ真似したい店舗・商業施設のトイレ事例を紹介します。高級感のあるラグジュアリーな内装や、ユニバーサルデザインを意識した最先端のトイレなど、優れたデザイン事例をまとめました。

ユニバーサルデザインを意識したトイレデザイン

まずは「インターオフィス社」が家具を担当した、「羽田空港国内線第1旅客ターミナルビル到着ロビー」のパブリックスペースの事例を紹介します。デザインのポイントは、国籍・年齢・性別などを問わずすべての人が使いやすいように、用途に合った空間を演出したことです。日本に訪れる外国人観光客に向けて、スペースを大胆に拡張し、ユニバーサルデザインを意識した設計に改修しました。

個室感を高めたラグジュアリーなトイレデザイン

続いては「LIXILビジネス情報」より、「レクサス浜田山」のトイレ設計事例を紹介します。特徴は、それぞれのブースに手洗いカウンターを設置することで、より個室感や高級感のあるデザインにしたことです。内装は木目を基調とした棚やタイルなどを使用し、清潔感がある落ち着いたインテリアにまとめました。ショールームには多機能トイレや授乳室なども設置し、さまざまな人が使いやすいように配慮しています。

大人も子どもも楽しめる!遊び心をくすぐるトイレデザイン

こちらは「コメット」に掲載されている、「ベビースター®ラーメン」のテーマパーク「おやつタウン」のトイレ事例です。建物全体のコンセプトに寄り添い、小さな子どもから大人まで楽しめるような、ポップな内装に仕上げました。個室のスペースを広く取ったり、キッズトイレを設置したりするなど、家族連れや身体の不自由な人も使いやすいように広さや設備が工夫されています。

格調高い和モダンテイストを取り入れたトイレデザイン

こちらも「コメット」より、「権八NORI-TEMAKI 原宿店」のトイレ設計事例です。同店は海外からのお客様も多いため、トイレも日本ならではの大切なおもてなし要素と捉えているそうです。インパクトのあるトイレ空間を目指し、便器のグレードやインテリアなどにこだわりました。また、多様な性に配慮した「男女共用トイレ」を設置するなど、これからの時代を意識したレイアウトも特徴です。

タイルデザインにこだわったトイレデザイン

最後に「LIXILビジネス情報」より、「イオンモール常滑」のトイレ設計事例を紹介します。デザインのポイントは、海の波や水の輝きをコンセプトに、タイルの色や素材感、形などをチョイスしたことです。また、海に面した常滑市の自然や文化を感じられるように、楕円や曲線をモチーフにしたインテリアを導入し、柔らかい印象の空間を演出しました。全体を白でまとめ、アクセントにブルーを使用したことで、清潔感・開放感がありながらも統一感のあるデザインに仕上がっています。

トイレは、店舗のイメージに影響を与える大切なポイントです。仮にサービスや商品の質が高くても、トイレの印象が悪いとお客様の満足度も下がってしまうかもしれません。店舗・商業施設のトイレは家庭用トイレ以上に、居心地のよさや清潔感、動線、デザイン性などが求められます。失敗しないためには、「どのような空間にしたいのか」「どのような客層が利用するのか」などをきちんと考慮したうえで、適切なスペースやデザインなどを検討することが大切です。
トイレの新設やリノベーションについて悩んでいる人は、トイレ設計の実績も豊富な「カシワバラ・コーポレーション」にぜひご相談ください。

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DIYer(s)

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