お部屋の防音リフォーム、いくらかかる?施工内容別の費用目安一覧!

床や壁を防音仕様にリフォームした時の費用から防音室の設置にかかる費用、自分で簡単にできる防音対策まで、詳しく紹介しています。日頃から隣近所の騒音で悩んでいる人や、反対に子どものはしゃぎ声や足音がご近所に迷惑じゃないか不安…という人など、ぜひ参考にしてみてください。

2022.01.07

デリケートな騒音問題。何かできる対策は?

家族でマンションに住んでいると、階下の住人から「子どもの足音がうるさい」と苦情を言われてしまうことがあります。一軒家でも、「車の走行音が気になってなかなか眠れない」など、騒音の問題に悩んでいるという人は多いのではないでしょうか。そこで今回は、防音リフォームを行った際にかかる費用やリフォームの方法、事前に確認しておくべきポイントなどについてまとめました。

そもそも「防音リフォーム」とは? 音対策できる施工の種類

「防音リフォーム」とは、文字通り音を防ぐために行うリフォームです。マンションなどに住んでいる場合、子どもの騒ぎ声や足音、ピアノの音などが大き過ぎると隣家から苦情を受けてしまうこともあります。それとは反対に、隣家や屋外から聞こえてくる騒音が気になる場合もあるでしょう。こうした問題を解決するには、部屋の床や壁、天井などを防音仕様にするリフォームが効果的です。

「吸音」と「遮音」の違いを知っておこう

防音対策のためには、「吸音」と「遮音」の二つの違いを理解しておきましょう。
吸音とは、スポンジ状の素材などに音を吸収させ、反響を抑えたり、音量を小さくしたりすることです。対して遮音とは、遮音効果のある素材によって音の振動を遮断し、音が伝わらないようにすることを指しています。このどちらかが欠けていると十分な防音効果が得られません。吸音で音のボリュームを小さくし、さらに遮音で音の通過を防ぐことが重要です。

【リビング・子ども部屋】足音など生活音対策の防音リフォーム費用

マンションや団地などの集合住宅に住んでいると、子どもが走り回る足音やはしゃぎ声、物音などが近隣に迷惑をかけていないか、不安になることがあるでしょう。そのような生活音は、壁だけでなく床や天井などの防音リフォームによって和らげることが可能です。それぞれの費用を確認していきましょう。

壁に吸音材や遮音シートを入れる

子どものはしゃぎ声やテレビの音漏れに対しては、壁の中に吸音材と遮音シートを入れ、石膏ボードを取り付けた上から仕上げ剤を塗ることで改善を図ります。費用は15万~70万円程度が一般的です。また、ワンタッチタイプの防音壁を設置する方法もあります。工事をするのと比べるとやや防音効果は落ちますが、誰でも簡単に取り付けられ、費用を3割ほど抑えることが可能です。

床に遮音マットや吸音材を敷く

足音や硬い物の落下音などに対しては、床を防音リフォームするのが有効です。床材を防音性能の高いフローリングやカーペットに交換するほか、床材の下にグラスウールのような吸音材を詰めたり、遮音マットを敷いたりするのがオススメ。25万~80万円程度を予算として見積もっておくとよいでしょう。
賃貸住宅に住んでいて大掛かりな工事ができないのであれば、床の上に防音効果のあるカーペットなどを敷くという方法もあります。この方法だと一般的に1万~5万円、高くても10万円程度で行えます。

吸音効果のある天井材へ張り替える

天井も床と同じく、吸音効果のある天井材に張り替えることで音の反響を食い止めます。ほかにも、遮音シートを張り付けて素材の隙間をコーキング処理する方法や、天井の上にもう一つ天井を設置する「二重天井」という方法があります。一般的に天井のリフォームは難易度が高いため、費用相場は40万~100万円とほかの防音対策に比べてやや高額です。建物の構造や広さによっては、それ以上の予算が必要になるケースもあります。

【趣味・楽器部屋】ピアノなど楽器の練習を想定した防音リフォーム費用

集合住宅に住んでいるとしても、「ピアノやドラムなど大きな音の出る楽器を演奏したい」、「大音量で映画を見たり、音楽を聴いたりしたい」という人は多いのではないでしょうか。両隣や上下階の住人の迷惑にならないためには、やはり壁や天井を防音仕様にリフォームし、なるべく部屋の外に音が伝わらないようにしなければなりません。早速、具体的にどのような方法があるのかみていきましょう。

一室をまるごと防音室に作り変える

室内で気兼ねなく楽器を演奏したい場合、天井や壁を部分的にリフォームするよりも、一室をまるごと防音室に作り変える方法がオススメです。部屋の広さにもよりますが、工事費用は約200万~800万円程度を見込んでおきましょう。ドラムなどの打楽器にも対応できるような高機能タイプであれば、より高額になる可能性もあります。

防音ボックス(組み立て式防音室)を設置する

ほかにも組み立て式の防音ボックスを設置する方法があります。部屋が狭くなるほか、人によっては圧迫感や息苦しさを感じる可能性もありますが、大掛かりな工事が必要ない分、費用は防音室を作るよりも安価です。例えば、人が一人入れるぐらいの広さ(約1~2畳)であれば50万~150万円程度、グランドピアノが置けるぐらいの広さ(約3.5~4.3畳)なら125万~250万円程度と、工事をするよりも大幅に費用を節約できます。

【寝室】外からの騒音が気になる場合の防音リフォーム費用

道路に面した家であれば、車の走行音や通行人の話し声などに悩まされることも少なくないでしょう。こうした屋外からの騒音は完全になくすことはできませんので、道路側の壁や窓を防音仕様にすることで、室内に入ってくる音の軽減を図ります。

壁に防音材・吸音材を入れる

外からの騒音に対しても、室内からの音漏れを防ぐ場合と基本的な対策法は同じです。吸音材と遮音シートを使って壁の防音性を高めます。費用は先述のとおり、高額になると70万円程度かかることもありますが、概ね15万~25万円程度が多いようです。

換気口を防音仕様の製品に取り替える

見落とされがちですが、壁に付いている換気口も音の侵入経路になっています。換気口からの音の出入りを防ぐためには、屋外に設置されているキャップや室内の換気口を防音仕様の製品と取り換えたり、ダクトの中に防音効果のあるパイプを詰めたりするだけなので、DIYでも手軽に行えます。これらはあくまでも簡易的な方法なので室内からの音漏れを防ぐだけで外からの騒音防止にはさほど効果を発揮しません。しかし、費用は2万~5万円程度と比較的に手頃なので、やっておいて損はないでしょう。

窓ガラスの取替え・内窓の設置

窓は外からの音が最も入りやすい部分です。窓の防音対策としては、防音仕様のガラスに取り換える、内側に窓を追加して二重構造にするといった方法があります。防音ガラスには、厚みの違う2種類のガラスを重ね合わせたタイプと、防音機能のある特殊な中間膜を2枚のガラスで挟み合わせたタイプとがあります。内窓は、2層の窓の間にある空気がクッションとなって音を吸収するとともに、気密性を高めてくれるのが特徴です。
騒音レベルが高い場合は、防音ガラスへの交換と内窓の設置の両方を合わせて行うと一層の効果が期待できます。費用は防音ガラスとの交換が5万~13万円程度、内窓を設ける場合は7万~15万円程度です。

防音リフォームする前に確認しておくべきポイント!

防音リフォームには、実際に工事を行う前に確認しておきたいポイントが2つあります。

マンション・賃貸の場合は規約を要確認!

賃貸契約の建物を所有者(大家)や管理会社の許可なくリフォームできないのは当然ですが、分譲マンションの専有部分であっても勝手にリフォームすることはできません。手を加えられる箇所は管理規約で規定されており、一般的には専有部分のみ工事が認められ、共有部分は不可というケースがほとんどです。例えば、玄関ドアの外側や窓は共有部分ですので、新しいものに交換することはできません。
マンションで防音リフォームを行う際には、必ず管理組合の許可を取り、後でトラブルにならないよう、不明な点は必ず事前に確認しておくようにしましょう。

地域によっては使える補助金制度あり!

リフォームを行う際は、地域や条件に応じて国や自治体から受け取れる補助金制度があります。自衛隊や在日米軍の基地、空港、幹線道路の周辺で一定の区域内に住んでいる場合、この制度を利用すると防音工事にかかった費用金額の一部または全額が支給されます。
また、環境省が実施している通称「断熱リノベ」と呼ばれる補助金制度もあります。これは、高性能建材を使って断熱工事を行うと、申請によって補助金が支給される制度です。本来は断熱工事の支援を目的とするものですが、防音対策として内窓を設置するのと工事内容が同じであることから、防音工事にも活用できます。戸建て住宅であれば窓のみの工事でも申請対象となり、上限40万円まで受け取れる可能性があります。

防音リフォームはDIYでもできる?

遮音シートや防音壁を設置するだけの簡単な作業であれば、DIYでの対処も可能です。ただこれらはあくまで簡易的な対策であり、大きな効果が得られない可能性もあります。なるべくお金をかけたくない場合や大がかりな工事ができない場合、多少の防音効果で十分な場合などはDIYでも問題ありません。しかし、しっかりとした効果を期待するのであれば、床材を防音タイプの素材に張り替えたり、壁の中に吸音材を詰め込んだりと本格的な工事を行う必要があります。こうした工事は難易度が高く、慣れない人だと失敗しないとも限らないため、しっかりとした業者に頼んだ方が得策といえるでしょう。

インテリアの模様替えで騒音対策も

自分でできる範囲の簡単な防音対策を知りたい、という人もいるかもしれません。その場合、部屋のインテリアを一工夫するだけでも一定の効果を得ることができます。例えば、外からの音に対しては窓のカーテンを遮音仕様にするのがオススメです。また先述したように、床の防音には遮音性の高いカーペットを敷くと足音や物音が階下に響きにくくなります。
壁の防音には、壁の前に本棚やタンスなど背の高い収納家具を並べると効果的です。もちろん、これだけで完全に防音できるわけではありませんが、工事が不要で防音素材を購入するコストもかからないため、試してみる価値はあるでしょう。

騒音は誰もが直面し得る問題です。先手を打ってあらかじめ防音対策を行っておけば、トラブルを未然に防ぐことができます。今回紹介した防音リフォームのやり方をぜひ参考にしてみてください。
リフォームを依頼する際には、業者選びも重要です。もし業者選びに迷っているなら「カシワバラ・コーポレーション」がオススメ。1949年創業という長い歴史の中で培われた技術には定評があり、安心して工事を任せることができます。防音リフォームを検討中の人は、一度相談してみてはいかがでしょうか。

WRITTEN BY

DIYer(s)

Japan

DIYer(s)編集部です。DIYのアイデアやハウツー、おすすめツールやショップ情報まで幅広くお届けします!