珪藻土塗りにDIYで挑戦!壁紙の上からでも塗れちゃうんです!!
DIYと同じく、最近よく耳にするようになってきて気になってた人も多いであろう珪藻土(けいそうど)。今回そんな注目の資材を編集部員自ら塗ってきたレポートをお届けします。
公開日 2017.10.12
更新日 2022.01.11
INDEX目次
・珪藻土(けいそうど)とは
藻類(プランクトン)の死骸が長い時間かかって化石化してできた太古の土です。その珪藻の種類によって淡水層、海水層の2種類に分けられ、直径が数~数十μmで、内部と、外部に通じる0.1~1.0μmの無数の細孔が形成されています。そのため、吸水性、吸着性に優れ、耐熱温度が1700度と高く、七輪の原料にもなっています。
また、珪藻土は吸着性に富んでいるため、揮発性有機化合物(ホルムアルデヒドなど)によるシックハウス症候群を抑えたり、吸放湿性のない内装材では 結露の抑制が難しいため、カビやダニの発生を抑制することが難しく、アレルギーやアトピーの原因となってしまうことがありますが、珪藻土にはこれらの悪循 環を緩和する働きがあります。
また、土であるため壊しても自然の土にかえるため環境に優しいなどたくさんの利点があります。Momyはこの優れた性質を持つ珪藻土を原料にして作られたもので、ビニ-ルクロス等の上から直接塗ることができ、お部屋に理想的な環境を作ることができます。
・特徴
1. 調湿機能
吸放湿性のある塗材で室内の調湿効果があります。
2. ホルムアルデヒド吸着固定
空気清浄機能でシックハウスの原因とされるホルムアルデヒドを吸着固定します。
3. 消臭
空気清浄機能でタバコの臭い、玄関・トイレの悪臭を吸着固定します。
4. 断熱性・保温性
珪藻土は、藻の1種であるプランクトンが200~300万年前に堆積してできたものなので、セメントとほとんど同じ大きさの粒子の中に、無数の細孔があるため調湿性や断熱性などの性能が優れています。
5. 耐火性
耐熱温度が1700度で七輪の原料にもなっています。
ビニール壁紙に塗れて、軽量化を図った珪藻土
こちらが噂のMomy。ここからどのように珪藻土へと変化していくのかワクワクです。
まずは袋の口部分をカット。そのあと、ペットボトルを使い3リットル入れていきます。この水分量が雑になってしまうと硬くなり過ぎたり、柔らかくなり過ぎたりしてしまうそうなので、慎重に作業を進めました。
付属のビニタイを袋の口に巻き込んでいきます。この際、なるべく袋の空気を抜くのがポイント。
巻き込んだあとはビニタイを捻って、中身が溢れないようにします。
ここからはひたすら商品名の通りモミモミ。上下をひっくり返したり、揉む角度を変えたり、水がしっかりと浸透していくように作業を進めます。
空気が入っていて揉み混ぜにくい場合は袋の口に集めて、一度ビニタイを外して空気を抜きましょう。固まりがなくなるまで揉み込んだら、ここで一度15分ほど寝かせます。
まずは汚れている箇所を拭き掃除。
もしビニール壁紙で画像のような浮いた箇所があったら、下準備が必要です。タッカーやホッチキスで打ち込み、剥がれ止め。 打ち込んだ針の頭にサビ止め剤を塗っておくのをお忘れなく。
こちらが珪藻土塗りに使う道具。コテ台と左官ゴテ、養生のために使うマスカーとマスキングテープです。珪藻土とこの道具が一式となった「ビギナーズ道具セット」もあるようなので、初めての方は是非こちらを。
先ほどのマスカーとマスキングテープを使って養生していきます。
手始めに練習も兼ねて隅っこからスタート。丸まって説明書を見ながら作業する姿からその慎重さが伝わるかと。
壁にコテ台に近づけながら、左官ゴテで珪藻土をすくって壁に塗っていきます。
塗っては足して、塗っては足して。左官ゴテを塗り進める方向の面を少し持ち上げ、すべらすように塗るというコツも何となくつかめてきました。
編集部員にも手伝ってもらって作業効率をアップ。完成まであと少しです。
女性でもスイスイと塗れてしまいます。
作業も大詰めに。
全体が塗り終わったら、剥がれを防止するために半乾きの状態でマスキングテープを外します。あとは乾くのを待ったら完成です。ちなみに手や服に付いた珪藻土は水洗いで簡単に落とせました。
完成!
模様付けによるテクスチャー感も出せました。
近くで見てみると、このような様子に。
珪藻土塗りにかかる費用は?
珪藻土には粉末タイプと練り済みタイプがあり、粉末の場合10kgで10,000円など、1kg当たり1,000円前後で販売されています。ただ、量が少ない場合は、例えば3kgで約4,000円、5kgで約6,000円など、少々割高になることも。実際に使う量は1㎡当たり1kgが目安ですので、購入前に塗る面積を計算しておきましょう。
既に水で練られた状態の練り済みタイプのものも、販売価格は1kg当たり1,000円前後です。ただし、こちらは1㎡当たり1.5~2kg程度の量が必要です。そのため、粉末タイプよりも少し割高になります。
なお、珪藻土を塗る際は、周囲が汚れないよう養生するためにマスキングテープが必要です。また、場合によっては下地材も必要になります。下地材は1㎡当たり数百円程度で購入可能です。
失敗しないためには?
・粉末タイプは結合剤入りを選ぶ
粉末タイプの珪藻土は水を入れて自分で練る必要があります。しかし、ただ水と混ぜても珪藻土は固まってくれません。珪藻土をきれいに接着させて固めるには「結合剤」が必要です。粉末タイプの珪藻土の中には、この結合剤が含まれていない商品があるので、必ず結合材が含まれている商品を選びましょう。
・塗る場所と結合材の性質の相性を考えて商品を選ぶ
珪藻土の市販品は、製品により含まれる結合材が異なります。合成樹脂の結合材は、湿度の調節を担う穴まで埋めてしまうことがあります。そのため、トイレや洗面所など、湿度の高くなる場所に使用するとカビが生えるおそれがあります。湿度の高くなる場所には、自然素材の結合材が含まれている珪藻土を使いましょう。
・狭い場所は難しい
トイレなどの狭い場所は身動きが取りにくく、初心者には作業が難しい場所です。ある程度経験を積んでから挑戦しましょう。
上手な塗り方や厚みについてのアドバイス
塗りは壁の角から始め、そこから全体を塗るようにするとうまくいきます。表面に模様を付けたい場合は「2度塗り」がオススメ。珪藻土を強くこするように壁に押し付け、コテやヘラで薄く塗っていきます。難しい場合は手袋をして壁に直接珪藻土を塗り、それからコテやヘラで広げてもいいでしょう。
表面が乾いたら、2回目の塗りを行い、お好みで模様付けします。塗りの作業が終わったら、迅速に周囲の養生を取り除いてください。乾いてから取り除くと、養生と一緒に珪藻土が落ちてしまうので気を付けましょう。
雰囲気を変えるだけでなく、湿度の調整や脱臭などの機能まで持つ珪藻土。是非皆さんもトライしてみてください。
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WRITTEN BY
Japan
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