リフォームで憧れの防音室をGET!おしゃれ事例&DIYアイデアも

防音リフォームの種類やその内容、費用の目安などについてご説明します。おしゃれな防音ルームの実例も紹介しているので、「自宅に演奏用の防音室を作りたい」「音楽・映画鑑賞用のオーディオ・シアタールームが欲しい」という人は、ぜひ参考にしてください。

2022.01.07

日頃から楽器を演奏する人は、部屋の防音対策で悩むことも多いでしょう。音漏れを気にせず、心おきなく大きな音で練習できれば嬉しいものです。ここでは、自宅に防音室を作る際のリフォーム方法、費用の目安や施工事例などをご紹介します。「映画・音楽鑑賞などの趣味を楽しみたいけど、音漏れが心配」「デザインにもこだわったオシャレな防音室を作りたい」という人は、ぜひ読んでみてください。

憧れの防音室が欲しい!どんなリフォームが必要?

自宅に防音室を作るには、具体的にどのようなリフォームが必要なのでしょうか。防音リフォームを行う場合は、使用目的と住宅の条件を正しく理解してから始めることが重要です。

市販の防音ボックスを部屋に組み込む

ボーカルや管楽器、ギターなどは比較的狭いスペースでも演奏できます。「広い部屋でなくてもよいので防音室を安く作りたい」という人は、市販の防音ボックスがオススメです。
防音ボックスは、DIYで組み立てる簡易式のものから、業者に組み込んでもらうものまで種類はさまざまです。簡易式ボックスは、自分で工具を用意してパーツを繋ぎ合わせるタイプや、付属の面ファスナーで簡単に成形できるタイプなどがあります。
業者が組み立てを行うのは、ボックス内にピアノなどの大型楽器を設置する場合や、換気扇、エアコンなどがついた高品質の防音ボックスを設置する場合などです。より高い防音性を求めている人は、こちらのタイプがよいでしょう。

一室をまるごと防音室にリフォームする

ボックスタイプの防音室でカバーできる音量には限度があります。よりこだわりたい人は、部屋全体の防音リフォームを検討しましょう。
リフォームの施工箇所は、壁、床、窓、ドア、エアコンの配管などです。「壁に遮音シートや吸音材を埋め込み防音壁にする」「配管を隠す」「床材やドア、窓を防音性の高いものに変更する」といった工事を行います。
木造建築では、耐久性の関係で、ピアノなどの重い楽器を設置する場合、床下の補強が必要になるケースもあります。導入する楽器により工事内容も変わる可能性があるので注意しましょう。

マンションは窓やサッシのリフォームができない場合も

マンションは、規約でリフォームが禁止されている箇所があるので注意が必要です。窓やサッシは共用部分に当たるため、通常はリフォームできません。
一部屋まるごと防音室にするなら、窓に面していない部屋を選んだり、間取りを変更したりする工夫も必要です。しかし、大幅な間取り変更となると、費用も高額になります。

防音室を作るリフォームの費用目安はどのくらい?

組み立て式の防音ボックスを設置する場合と、防音リフォームを行う場合では、費用の相場も異なります。組み立て式防音ボックスの相場は約20万〜250万円と幅広く、自分で組み立てられる簡易式は20万〜30万円前後です。業者が部屋に合わせて設計・設置を行うタイプは、通常、50万円以上かかります。
一部屋まるごと防音室にリフォームする場合の費用は、100万〜500万円前後です。建物の構造、部屋の広さ、防音機能のレベルにより金額は上下します。例えば、音楽・映画鑑賞用の防音ルームは150万〜300万円ほど必要なのに対し、音量の大きいドラム演奏用は約200万〜500万円の予算が必要です。用途を考慮し、どれくらいの防音性能が必要なのか明確にしておきましょう。

防音室を作る上で知っておきたい「遮音」と「吸音」の違い

防音室の性能を決める大切なポイントは、遮音と吸音です。どちらが欠けても、音が部屋の外に漏れる原因になります。

音を跳ね返し遮断する「遮音」

音は、物体が振動し、この振動が空気を動かすことで人の耳に届きます。この振動を壁や屋根などで跳ね返し、響かないようにする方法が遮音です。遮音は楽器の音漏れに深く関係しています。遮音性が高いほど外に音は漏れません。遮音には、コンクリートや鉄板など、質量のある素材がよく使用されます。

音を吸収し反響を抑える「吸音」

吸音とは、反響する音を吸収することです。音が外に漏れることを防ぐ目的のほか、室内の反響音を抑制する目的で吸音を行います。しかし、吸音性があまりにも高いと音が反響せず、物足りない響きになる場合もあるので、質の高い防音ルームを作るには、遮音と吸音のバランスをうまく取ることが大切です。それぞれの性質を理解して、適切な防音対策を行いましょう。

目的ごとに変わる?防音室を作る際こだわるべきポイント

防音室の使用目的によって、求められる防音クオリティや反響の度合いなどの条件は違います。ここでは、防音室を作る際に気をつけるべきポイントを、目的ごとに紹介していきます。

楽器演奏のための部屋にしたいなら

一言で楽器と言っても、種類によって音量や反響音、必要な部屋の広さなどはさまざまです。ここでは、主な楽器演奏に必要な広さと遮音性能に焦点を当てて、演奏用の部屋を作るポイントをご紹介します。
「アップライトピアノ」の演奏には、防音ボックスの広さが2畳前後、遮音性能の目安がDr-35〜40程度のスペックが求められます。
アップライトピアノの音量は100dB前後です。音が響きすぎないように、壁から15cm前後離して設置します。ピアノの音色以外にも、ペダルを踏みこんだ際の振動や鍵盤を叩く音にも気を配る必要があるため、遮音性が高い防音室がオススメです。

「ギター」の演奏には、防音ボックスの広さが1.2畳前後、遮音性能の目安がDr-35程度のスペックが求められます。
アコースティックギターは80dBほど、エレキギターはアンプに繋ぐと120dB以上にもなるので、ご近所に気兼ねなく大きな音を出したいのであれば、防音リフォームを検討するとよいでしょう。

「サックス」の演奏には、防音ボックスの広さが1.2畳前後、遮音性能の目安がDr-35〜40程度のスペックが求められます。
アルトサックスやソプラノサックスは、比較的防音がしやすい音域なので、遮音性能の目安はDr-35程度あれば問題ありません。テナーサックスは低音域で音圧が高いため、Dr-40が望ましいでしょう。

ほかにも楽器はたくさんありますが、ドラム、エレキベースなどの場合は、Dr-50程度の遮音性が求められます。

オーディオルーム・シアタールームにするなら

オーディオ・シアタールームを作る際に大切なのは吸音性です。音がクリアに聞こえるように、吸音材を適切な場所に配置する必要があります。
映画や音楽鑑賞の音量は80〜90dBほどです。ピアノや管楽器ほど大きな音ではありませんが、夜間も使用するのであれば注意が必要です。この場合は、床、壁、天井のすべてに遮音層を作るなど、より遮音性を高めるためのリフォームが望まれますが、外部からの雑音もシャットアウトできるので、一石二鳥です。

真似したい!かっこよくておしゃれな防音室リフォーム事例7選

防音ボックスよりも遮音性が高く、デザインや内装にもこだわれるリフォーム。「集中して楽器を練習したい」「大好きな映画や音楽を心おきなく楽しみたい」といった人にオススメの防音リフォーム事例を紹介します。

余計な装飾はしない、グランドピアノが映えるシンプルサロン

こちらは「Budscene」に掲載されているリフォーム事例です。「日々の練習だけではなく、小さなリサイタルも開催できるようなピアノサロンを作りたい」というオーナーの要望に応えた、吸音パネルが目立たない、洗練された内装が特徴的です。遮音性にも優れた設計で、建物の外では55dB以上の減衰に成功しています。

ピアノ&ギターを存分に弾ける、広々としたカフェ風空間

「昭和音響♪」に掲載されているリフォーム事例です。オーナーは、クラシックギターやピアノを演奏する子どもたちのために防音室をオーダーしました。木目が目立つナチュラルなデザインで、将来はレンタルスペースとしても使えるように、キッチンや大きなベンチが設置されています。夜間でも思い切り練習できるよう、窓や扉にも万全の防音加工が施されています。

住宅街でも周囲に迷惑をかけない音楽スタジオ

「HIGO REFORM」に掲載されているリフォーム事例です。住宅街にある音楽スタジオのオーナーは、遮音性を高めるためにリフォームを依頼しました。壁、床、天井のすべてに防音工事が施されているため、ドラムやエレキギターなども安心して演奏できます。遮音性能の目安は約50dBです。

築20年以上の木造住宅でもできた!ドラムセットのための演奏室

「スガナミ楽器」に掲載されている一戸建て住宅のリフォーム事例です。築20年以上の木造住宅に、ドラム演奏用の防音室を設けるのは大変な作業ですが、外に面した部屋ではなく、家の中心にある和室を改装することでこの難問をクリアしています。施工期間はおよそ2週間、リフォームの総額は約313万円です。

可動式の吸音パネルで複数人の練習にも対応 コーラス練習用の防音室

こちらは「Budscene」に紹介されているリフォーム事例です。ゴスペルチームを率いているという依頼者のために、複数人で利用可能な防音ルームを作りました。吸音パネルが可動式になっており、人の配置を気にせず練習できます。コーラスだけではなく、木管楽器の演奏も可能な多機能防音室です。

音の出る趣味は全部この部屋で!バンド演奏室兼ホームシアター

こちらも「Budscene」に掲載されているリフォーム事例です。バンド演奏、映画鑑賞など、家族全員が使用可能な防音室は、エレクトリックドラムの利用を想定して防音設計が行われています。限定されたスペースでの施工でしたが、機材をすっきり収納可能なラックなどを取り付けることで、無駄なく空間を利用しています。

長時間過ごすための居心地のよさも追及 趣味の音楽鑑賞を楽しむ防音室

こちらも「Budscene」で紹介されている防音リフォーム事例です。「趣味の音楽鑑賞を思い切り楽しみたい」というオーナーの要望に応え、天井のみを吸音設計にして、響きを重視した空間に仕上げました。音漏れを65dB以上カットした高性能の遮音機能もポイントです。
防音リフォームは、「どんな目的で部屋を使うのか」「どれくらい音漏れを減らしたいのか」といったイメージが大切です。より高い防音効果を求めるなら、簡易式の防音対策よりもリフォームが向いています。防音リフォームをお考えの人は、ぜひ「カシワバラ・コーポレーション」にお問い合わせください。

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