劣化した浴室ドアの交換をDIYで出来る?費用の目安はどのくらい?

浴室ドア(浴室扉)の劣化が気になる人向けに、DIYで浴室ドアを交換する場合の難易度や、業者に依頼した際の費用などをまとめました。ドアの劣化を放置すると、浴室のカビがほかの場所に広がってしまうことも。正しく浴室ドアを交換するための基礎知識、ぜひご覧ください。

2022.01.07

浴室ドアの耐久年数は、最短で15年程度とされます。ドアの隙間などにカビが溜まってきたら、劣化が進んでいる証拠。ここでは、浴室ドアの種類や耐久年数に加え、DIYで交換するときの難易度と工法、業者に依頼した場合にかかる費用の目安などをご紹介します。浴室ドアの劣化が気になっている人は、ぜひ交換する際の参考にしてみてください。

浴室ドアの耐久年数はどのくらい?

手入れの頻度や扱い方によって変わりますが、浴室ドア(浴室扉)の平均的な耐久年数は約15~25年です。10年ほど経過すると、劣化が目に見えて分かりやすくなってくることが多いでしょう。
平均より短い期間で故障する例として、ドアを手荒に閉めるなどして扱い方が乱暴だったり、パッキンのカビなどを掃除せずに放置していたりと、手入れを怠っているケースが挙げられます。
特に、ドアのパッキンはカビやホコリに弱いため、手入れをしていないと耐久年数が平均より短くなる可能性が高いのです。ドアを長持ちさせるには、浴室を常に換気したり、こまめに掃除を行ったり、カビが繁殖しないように水気を拭き取ったりすることが重要となります。

こんな症状に注意!浴室ドアの劣化を知らせるサイン

故障する前には劣化のサインがあります。それを知るには、ドアに付いているパッキンに注目してみましょう。パッキンの役割は、ドアのサッシとガラスの隙間を埋めること。これが劣化すると縮んだり、弾力がなくなって切れたり、ひび割れを起こしたりして、サッシの隙間から水が漏れることがあります。
水漏れが続くと、ドアが腐食する恐れも。ほかの劣化症状としては、ドア周辺にカビが生えたり、入浴後にドア枠が水で濡れたりすることなども挙げられます。こうした症状が起きていたら、パッキンの劣化を疑いましょう。
また、ドアの隙間にカビが生えているケースも劣化のサインです。ドアをこまめに掃除していても、なかなかすべてのカビを取り除くのは難しいもの。構造上、ブラシや目の届かないところにカビがあったりするためです。
カビを放置していると、浴室以外の場所に広がり、体に悪い影響を与える恐れがあります。ですので、ドアの隙間にカビが溜まってきたら劣化のサインだと考え、交換を検討しましょう。また、蝶番やドアノブなどといったパーツが壊れていれば、明らかに故障と分かるでしょう。事故や怪我につながる前に、すぐに交換することをオススメします。

浴室ドアはDIYで交換できる?

浴室ドアは、個人でも通販で取り寄せできます。故障の原因を自分で正しく判断したり、寸法を正確に測るのが難しかったりするためDIYの難易度は少々高め。ですが、新しいドアさえあれば、取り替え自体は可能です。入手にかかる費用は1~3万円程度なので、自信のある人ならDIYすると費用が安く済むでしょう。取り寄せる際は、自宅に取り付けられているドアと同じ規格のものを選ぶようにします。

ドアの規格は、説明書やカタログを見れば分かる場合が多いです。寸法の項目などを探して調べてみましょう。自宅に説明書やカタログがない場合は、メーカーのホームページからでも確認できるかもしれません。

DIYでドアを交換するには、3種類の工法があります。1つ目はアタッチメント工法で、施工の際に壁を壊さずに取り付け可能です。アタッチメントと呼ばれる部品を既存枠の上下に取り付け、既存枠を残したままドアを取り替えられます。

2つ目はカバー工法です。既存枠の上にしい枠を取り付けてから、浴室ドアを交換します。こちらは、枠やドアの下地が歪んでいない場合に使える工法です。壁を壊さずに枠とドアを新しいものに取り替えられるという特徴があります。しかし、既存のドア枠の上からさらに新しい枠を重ねているため、開口部が狭くなることと、段差ができてしまう点がデメリットです。
3つ目は、浴室ドアのみを取り替える工法です。外枠や下地に腐食や劣化がなく、ドアだけに問題があることが分かっている場合、DIYでも比較的スムーズに交換が行えるでしょう。
しかし、外枠やドア周りの歪みなどが故障の原因になっていた場合、ドアだけを取り替えても問題が解決しません。DIYで浴室ドアを取り替えるには、ドアが故障した原因を判断した上で正確な採寸を行い、適切な材料をそろえて施工する必要があります。これには、高度な技術を要するでしょう。
もしドアの外枠や下地も傷んでいた場合、家の壁を一度壊して、枠ごと取り替えになる可能性があります。枠の周囲や天井など、ドアだけを交換するよりも修理する範囲が広くなってしまうため、作業をDIYで行うのはかなり無理があるといえるでしょう。このような場合は、リフォーム業者に依頼したほうが早くて安心です。

ガラス部分だけを替える場合

一方、問題のある箇所が限定的であれば、ドアを全部交換しなくても済む場合があります。例えばドアのガラス部分が割れたり、アクリルにカビが生えたりした場合です。こうしたケースでは、該当箇所の交換のみでも問題ありません。
交換に当たっては、まずは入れ替える部分のサイズを正確に測りましょう。割れていない状態であれば、ドアを分解してガラス部分だけを取り出し、直接測定すると確実です。ドアはサッシを留めているネジを外せば解体できます。同じサイズの樹脂パネルを購入したら、ゴムパッキンをきちんと巻き付け、既存のドアにはめれば完了です。この作業を失敗すると浴室の外に水が漏れる原因になります。ゴムパッキンが劣化している場合は、新しいものに替えておきましょう。
この作業で大事なポイントは、たとえガラスが割れた場合でも、購入するのは樹脂のパネルにすること。ガラスは意外に重たいので、一般人が交換しようとすると、失敗して怪我をしてしまう可能性があります。どうしてもガラスにしたい場合は業者に作業を依頼しましょう。

実際にDIYを行った施工例

では、実際の施工例を見てみましょう。こちらは樹脂パネルが割れてしまったケースで、先ほどご紹介した「ガラス部分だけを替える場合」に該当します。入手したパネルが薄いタイプだったため、2枚重ねてセットしたそうですが、出来上がりを見ると問題なく改修されていることが分かります。こちらはブログ「SUSTAINA PROJECT」を運営する杉浦啓司さんのDIYです。

ユニットバス自体を入れ替えたほうがいい場合も

浴室のドアに何らかの問題が生じて交換を考える場合、その多くは老朽化が原因。この場合、ドアと同じように浴室自体が老朽化していることを示していると同時に、目に見えない場所にもトラブルが潜んでいる可能性があることを示しています。
そのため、ドアを交換するのであれば、そのタイミングで浴室全体の入れ替えを考えてみましょう。特にユニットバスの場合、一体構造になっているので、交換する場合は一気に作業を進めることになります。実際にどの部分がどの程度傷んでいるのか、専門の業者に調べてもらうといいでしょう。ちなみにユニットバスの寿命は、一般的には15~20年とされています。
ただ、中には交換の必要性がないにもかかわらず、ユニットバスの全交換を提案してくる悪質な業者も存在します。複数の会社に見積もりを依頼し、比較・検討してから工事を発注しましょう。

浴室ドアの種類と費用の目安

続いて、業者に取り替えを依頼した場合の費用、その目安をご紹介します。浴室ドアの種類は主に3つあり、それぞれの特徴やメリット、依頼したときの相場価格が異なります。また、ドアを選ぶ際に気を付けたい点についてもご説明します。

開き戸タイプ

こちらは、室内用でよく見られる、前後に開け閉めができるドアです。取り替えを業者に依頼した場合の費用相場は3~5万円程度で、カバー工法の場合でも5万円ほどになります。

取り付けにはドアを開け閉めできる程度の空間の広さが必要なため、狭い浴室に取り付けるには不向きです。また、ドアが浴室の方向へ開く場合、人がお風呂で倒れたときにドアが開けにくくなります。万が一の場合に備えて、取り外しやすいタイプか、脱衣室向きに開くようにするなどの配慮が必要となるでしょう。
なお、ドアが脱衣室向きに開く場合、水滴が床に落ちてカビが生える原因となる可能性があるため、マットを敷くなどの対策が必要です。

開き戸の利点は、ドアノブがレバー型の場合、あまり力を入れずに開け閉めできることです。注意点もある開き戸ですが、レバー型のドアノブが使えるため、力が弱めな子どもや高齢者がいる家族構成の人にオススメできます。

折れ戸タイプ

ドアの中間が折れる構造になっているドアです。取り替えを業者に依頼した場合の費用相場は3~6万円程度で、カバー工法の場合は6~7万円ほどになります。構造上、狭い場所でも取り付けやすいため、工事がドア部分だけで済み、費用が安く済むこともあります。
折れ戸は、中間の折れる部分が壊れやすいのがデメリットです。また、構造上角が増えて汚れやすく、掃除しにくいと感じることがあるかもしれません。そして、ほかのドアよりは開け閉めに力が必要なものがあるため、高齢者や子どもにとって使いづらい場合があります。
折れ戸の利点は、浴室や脱衣室が狭くても取り付けしやすい点です。引き戸や開き戸と違ってドアの開け閉めに場所を取らないので、取り付けする部屋が狭くてもあまり問題になりません。自宅の脱衣室や浴室が狭い人にオススメできるドアです。

引き戸タイプ

横にスライドして開け閉めができるドアです。取り替えを業者に依頼した場合の費用相場は8~10万円程度で、カバー工法の場合は10万円ほどになります。

取り付けるときは引き込み部を作るため、壁の工事が必要になります。工事をする分、費用もかさみがちです。また、ドアのレールの部分に汚れが溜まりやすいことや、物がレールに挟まるとドアを開け閉めできなくなるという欠点があります。

引き戸の利点は、脱衣室や浴室の空間を圧迫しないことです。開き戸と違ってドアを横に開閉するため、部屋を広々と使えます。そして、横開きの構造は安全性が高いのもメリットです。人が浴室で倒れた場合でも、ドアをすぐに開けられるので、浴室で倒れた人を早く救出できる可能性が高くなるでしょう。

浴室ドアを選ぶ際に気を付けたいポイント

ドア選びで気を付けたい点は、使いやすいこと/安全性が高いこと/掃除がしやすいことの3つ。家族構成を考慮して、自分や家族が使いやすいドアを選ぶことが大切です。例えば、子どもや高齢者と一緒に住んでいる場合、使いやすいように段差が生じないタイプや、開閉しやすいドアを選ぶといったことが考えられます。

安全性の面も重要となります。浴室は、自宅の中でも事故が起きやすい場所です。水や石鹸で足を滑らせ、怪我をする危険性があります。緊急の出来事にも対応できるよう、取り外しやすいドアや、脱衣室向きに開くドアを選ぶと安全性が高く安心です。また、チャイルドロック付きのものを選ぶと、子どもが勝手に浴室に入ってしまうことを防げます。

そして、浴室は毎日使うものですから、手入れしやすいことも大切。清掃しやすい素材や構造になっているドアを選ぶのがオススメです。中には、ドアに換気口が複数付いているタイプや、パッキンレスでカビの生えにくい素材を使用したタイプなどもあります。手入れの手間があまりかからないドアを選ぶと良いでしょう。

浴室ドアの交換は何日かかる?

交換の工期は、何の問題もなく進めば、半日~1日が目安となります。工事を朝からしてもらえるように業者へ依頼すれば、浴室を利用する夜には、ドアの工事が完了している可能性が高いです。

しかし、築年数の関係で浴室全体が劣化していたり、ドア枠の腐食がひどかったりする場合は、工期が長引くことがあります。ドアの取り替え以外に浴室の修復も必要になると、1日以上の工期になる場合があることも知っておきましょう。

浴室ドアはDIYでも取り替えられます。しかし、ドアの採寸や故障した原因の判断など、自分で作業する上で判断しにくい工程も多いため、DIYの難易度は高めです。もし自信がない、失敗したくないと感じるなら、リフォーム業者に取り替えを任せてみるのも1つの手段です。ぜひ検討してみてください!

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