【ナイフを身近な存在だと再認識させてくれるDIYキット】として紹介した記事が人気を博した『fedeca mellow mode』の《It’s my knife》。金物の街として知られる兵庫県は播州三木で120年以上の歴史を誇る老舗道工具メーカーの神沢鉄工が展開する同ブランドから新作が登場。
¥4,800+TAX
前作は小刀モデルでしたが、今作はフォールディングモデル。刃を畳んでしまえるという実用性に特化した仕様になっているんです。前回同様、早速作ってみることにしました。
まずはキット内容の紹介から。
ハンドル材(1組)、ブレード(1本)、皿ばねとワッシャー(各2枚)、組ねじ(2組)、ピン(1個)、板ドライバー(1枚)、サンドペーパー#120・#240(各1枚)。
ハンドル材は前回の小刀と同じく硬くて質感の良い“ブナノキ”。
前作はハンドルパーツの切り抜きからスタートでしたが、今回は自分の思い描くナイフの形のマーキングから始めます。
付属の説明書に型紙が載っており、そこに自分だけのデザインを描いてオリジナルのハンドルを作ることができます。今回は基本編ということで、参考例を採用。
切り取った型紙に沿ってペンでマーキングしていきます。
マーキングが終わったら、ノコギリなどを使っておおまかな形にカットします。当日はレインボー倉庫3さんの糸のこを借りて作業を進めました。
そしてメインの作業、削る工程に入ります。もう1本ナイフを用意し、2枚のハンドル材を合わせて削ると形を整えやすいのですが、ナイフの用意がなかったので説明書に記載されている“付属の刃を使って削る手法”を用いました。
ハンドル材のうち片方に刃を固定し、もう片方のハンドル材を削ります。
固定する際には、完成時に使うワッシャーと皿バネを入れて刃が外れないように。また、それ用に設けられた捨て穴を使うことで本番のピン穴が緩むのを防げる、なんとも気の利いた仕様。
あとは自分が描いた形に向けて、ひたすら削っていくのみ。ブナノキは少し硬めなので、初めての方は少しずつ慎重に進めていきましょう。《fedeca mellow mode》のホームページでは削り方のコツも紹介されているのでぜひ参考に。
筆者は前作の小刀、ククサと合わせて3作目となる“削るDIY”だっただけに何となくコツが掴めており、サクサクと気持ち良く進めることができました。
形がある程度整ったらサンディング。粗い番手から始めて、仕上げは目の細かいもので仕上げます。もちろんこの削った凹凸感を生かしたいという方はそのまま使っても問題なし。
サンディングのビフォー(左)とアフター(右)。見た目も柔らかになります。
磨き終わったらはやる気持ちを抑えきれず、一度組んでみました。
我ながら満足のいく仕上がり!
ただ今回はここで終わらずに、もう一手間加えてみました。それがククサ作りの仕上げでも使ったクルミ油。DIYer(s)内でもクルミを使ったアイデアを紹介していますが、市販品でどのぐらい油が採れるかの実験も兼ねてトライ。
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クルミをティーバッグに入れて、ハンマーで叩いて潰します。
あとは擦ってハンドル材に染み込ませていきます。思った以上に油が出てきて面白いですよ。そして何より香りがいい。
こちらもビフォーアフターを。手前がオイル塗ったモノですが、白っぽく乾いた質感から、自然なツヤ感としっとりとした風合いに。
今回も無事に完成。やはり自分の手で作り上げていく感覚は面白いですね。
また、面白い点でいうと、このナイフはアウトドアでの調理シーンを想定して開発されているんです。なので、ブレード以外の金属パーツは錆びにくいステンレス製。分解可能なのでメンテナンス性も良好。
そして小刀と同じく刃の部分は職人が1つ1つ手で研き上げた本格派。鋼には高級鋼として有名な安来(やすき)の青紙を、地金にはステンレスを採用しているので切れ味は抜群です。そのブレードを生かすために、切断時に持ち手が刃先より高い位置にくる形状で、上から力をかけやすく、最後までしっかり切れる仕様なのも嬉しいところ。
作って終わりではなく、あくまで使い続けるための配慮が行き届いているのが何より素敵です。
このキットで、自分だけのフォールディングナイフを作ってみてはいかがでしょうか。完成後はその1本を使って、料理やDIYをぜひ楽しんでくださいね。
INOFORMATION
fedeca mellow mode
神沢鉄工
FEDECA
撮影協力
レインボー倉庫3
住所:東京都世田谷区北沢2-19-5
電話番号:03-5787-6882
営業時間: 10:00〜22:00(平日)、10:00〜20:00(土日)*貸切の場合は変動あり
定休日:不定休
WRITTEN BY
Japan
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