東京の中心地でDIYを叫ぶ〜レインボー倉庫3〜/CIRCLE of DIY Vol.04

“CIRCLE of DIY”というタイトルを掲げ、独自のDIYスタイルを発信する人にフィーチャーしていく本連載。vol.03までは『café craft』、『analog』、『石巻工房』の宮城県で活動を行っている人々をピックアップしてきましたが、今回は下北沢でビル1棟を改装し、様々な顔を持ったシェアスペースをご紹介します。

公開日 2016.05.22

更新日 2022.01.07

東京の中心地でDIYを叫ぶ〜レインボー倉庫3〜/CIRCLE of DIY Vol.04

 

 “ここは大人への秘密基地”というスローガンのもと、ショップやオフィス、アトリエなど5階建てのビルの中に多種多様なシェアスペースを持つ『レインボー倉庫3』。

 

敷地の前で買ったモノをゆっくりと堪能することができます。

 

下北沢駅南口から徒歩2分に位置する好立地な施設は年齢、性別、職業問わずに多くの人が出入りしています。まずはなぜこのような場所を作ったのか、その始まりを伺ってみました。

 

「母体の会社『T-Plaster』がもともと左官工事の下請けから、店舗や住宅のデザインを行っていたんです。その新事業として、ただ荷物を置いておくといういわゆるレンタルスペースではなく、人が集まりコミュニティーが生まれる場所ができないかということで横浜は磯子に『レインボー倉庫1』を2011年10月にスタートさせました。その後、2013年9月に『レインボー倉庫2』が池尻大橋にてオープンし、2015年1月にこの『レインボー倉庫3』ができました。そんな思想を持った会社である以上、モノ作りは必然的だったんですよ。シェアスペースやショップを運営しながら、工場も共有できるスペースを作って、建物全体がリンクするようにさせました」。

 

各所に描かれたアートワークもデザインソースとなるものばかり。

奥行きがあり、各階ともに雰囲気は抜群です。

 

DIYer(s)としても注目したのがその工場スペース。4Fに設けられた“factory”と名付けられたこのスペースでは電動工具の貸し出しから、 木材やビス、塗料などの材料購入もできるのでこの場所で完結することができるんです。また、電動工具を扱う際の騒音もここでは気にせず使用でき、1日3時間から¥1,620という優しい価格で利用できるのも嬉しいポイント。実際にアレキサンダー・リー・チャン氏工具みーつガールの撮影でも利用させてもらいました。

 

「家具や小物などのモノ作りをしたい一般のお客様から、僕らのほうで抱えているアーティストの作品作り、このビルに入居されている方が自分のスペースに置くモノを作る際、貸切りでのイベントという時に利用してもらっています。あとは今までそんなに開催してなかったんですが、毎月ないし2ヶ月に1回、僕らの企画としてテーマを設けてそれに沿うアーティストだったり、お店だったり、人を呼んで限定してワークショップを開催していこうかなと思っています。最近だと生活に付加価値をつけていこうというテーマでチョークサインのワークショップ。あとはクッションやTシャツなどに刷ることができるシルクスクリーンのワークショップ。人物シルエットのステンシル作りのワークショップ。よくあるワークショップよりもクオリティは高くすることを意識してやっていますね。そういったことが生活の付加価値にも繋がると思うので」。

 

“factory”スペース。壁にかかった工具や大物の電動工具など、すべて使用可能です。

独自のセレクトによる工具の販売も行っています。

4Fでも木材は購入することができます。

 

同階にはデスクワーク向けのスペースもあり、気持ちのいい風が抜ける素敵な環境。できるならこういうところで仕事をしたいなと思ってしまいました。

続いて他のレインボー倉庫と違い、ビルという形態をとったのかの理由について聞いてみました。

 

「コンセプトはビル1棟でやりたいことが詰まった空間。ここに来たら、僕らが提供したいライフスタイルを知ってもらい、体験してもらいたいんですよ。何を使って内装を作ってるとか、何のコーヒー豆を使っているか、はたまたどこかのフロアではワークショップがやっていて、違うフロアでは服とかレコードが売っているなど1つ1つ全部こだわってやっているので、上手く伝わればいいなと思っていますね。そのためにも1Fのコーヒースタンドは建物を知ってもらう窓口という役目を担ってもらってます。1日かけてダラダラ過ごせて、目的がなくても来たくなる場所であり、何かしら新しい発見できる場所という風に思ってもらえると嬉しいですね」

 

オーガニックのコーヒーとビールやアイスクリームが楽しめる“THE PLASTER’S CAFE”。

1Fには杉足場板専門店である“WOORPRO”が出店しており、DIYで使える木材も購入可能。

 

さらにそこからの展望は。

 

「継続してこれまでのように人と人が繋がっていくスペースであり、そしてこれまで以上に間口を広げてパブリックな場所にしていきたいですね。カルチャースポットではないけど、ここから何か発信できる場所でありたい。そのためにも複合の意味を高めていって、ライフスタイルの一部分を補える場所というジャンルでクオリティをアップしていきたいですね。あとは僕ら自身もDJブースや4Fのカウンターを作ったりしてるんです。もともとスタッフがそれぞれ特化した分野の職人上がりなので、ある程度は内装を仕上げることができるので。そういった風に僕らが作ったモノに感化されてワークスペースを利用してくれたら嬉しいので、空間や雰囲気作りは今後もこだわっていきたいですね。3、4、5Fではそういった意味では少しづつ作れていけてるかなと思います」

 

レインボー倉庫3を統括するスタッフの増沢さんと深田さん。

コーヒースタンドの奥にはオーナーが買い付けを行ったヴィンテージのインディアンジュエリーやインダストリアルな工具パーツを販売。

1Fと2Fには全20部屋のブースが並んでおり、1部屋単位でレンタルが可能。事務所、ショップ、アトリエなど使い方は自由です。

3Fには作品展示や講演、ワークショップ、イベントで使用可能な多目的スペース。

“BOXSHOP”と名付けられた3Fのスペースには沢山並んだ1つ1つ棚を借りることができるんです。作品の展示や販売、プロモーションなど幅広く利用可能。

5Fには休憩所が設けられ、ここでの撮影可能です。気持ちのいい風が抜け、ゆったりと過ごすことができます。

“人生には屋上が必要だ”というメッセージを掲げた同じく5 Fスペース。屋上菜園も進行中の憩いの場です。

 

この場所に来ることによって、自身のライフスタイルに彩りを加えられるという素敵なコンセプト。そしてその形態は自分たちだけじゃなく、そこに訪れる人たちと共に築いていくというのも面白い発想だと思いました。ぜひ一度ふらりとコーヒーを飲みに行くという軽い気持ちで大丈夫ですので、行ってみることをオススメします。きっと想像以上に楽しい時間を過ごすことができるかと思いますよ。そしてワークスペースを利用してDIYを体験してみてください。

 

 

SHOP INFORMATION

レインボー倉庫3

住所:東京都世田谷区北沢2-19-5

電話番号:03-5787-6882

営業時間: 10:00〜22:00(平日)、10:00〜20:00(土日) *貸切の場合は変動あり

定休日:不定休

URL:https://rainbowsoko.com

 

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