みかんの皮が食べたくなる!絶品9レシピ

冬といえば、みかん。実は皮も食べられるって知ってました?今回、みかんの皮をどう食べたらおいしいのか、いろいろ実験・実食してみました。

公開日 2017.01.16

更新日 2023.03.27

みかんの皮が食べたくなる!絶品9レシピ

暖房のきいた部屋で食べる、冬のみかん、おいしいですよね。ほとんどの方が、皮をむいて実だけを食べているかと思いますが、実はみかんは皮も食べられるんです。

 

むしろ、中国では乾燥させたみかんの皮を陳皮(チンピ)と呼び、漢方にも使われているほど、美容や健康に良い、という話もあります。

 

陳皮は色々な症状に用いられるそうで、咳嗽(がいそう):咳や咳き込むこと、肩こり、消化不良、悪心嘔吐、下痢、冷え性など、全身に色々な効果があるようです。また体を温めて、新陳代謝をアップさせる効果もあるそうですよ。

 

日頃から「モノを簡単に捨てずにアップサイクルする」ということを重要なテーマとしているDIYer(s)編集部としては、みかんの皮をどこまで食べられるか、挑戦せずにはいられません。

 

いざ挑戦!ということで調べていくと、やっぱりミカンの皮は栄養分もたっぷり含まれていると分かりました。 栄養にはビタミンCや摂るとビタミンAに変化するカロテン。ポリフェノールの一種、ヘスピリジン(ビタミンP)、食物繊維などが含まれています。

私たちが普段食べているミカンの中身より、皮のほうが栄養がたっぷりかも……なんて思ってしまいます。

なかなか摂りづらい食物繊維が含まれているのも嬉しいですし、ミカンの皮をアップサイクルするモチベーションがどんどん上がってきます。

ただ、食べるにあたって注意したい点が2つ。

 

皮に残っているかもしれない農薬をしっかり落とすこと。

“みかんに使用される農薬はほとんどが皮に残っている。皮をむいて食べるので、中味は安心して食べることができる。しかし、皮をむく際に手についた農薬が口に入ってしまうこともあるので、皮をむいた後手を洗ってから食べるか、面倒な場合は、購入後にまとめて水洗いするか乾いた布でふいておくことをお勧め。”

via: http://www.health.ne.jp/library/

 

一度にたくさん食べないこと。

“ミカンには黄色い色素であるβ(ベータ)カロテンが多く含まれています。ミカンをたくさん食べると、血液中のβカロテン濃度が高くなり、手のひらや足の裏などに色素沈着を起こします。これを「柑皮症(かんぴしょう)」といいます。”

via: http://kenko100.jp/articles/

 

以上2点に気をつけつつ、今回は3日3食にみかんの皮を取り入れてみましたよ!

有名なあの郷土料理から斬新で挑戦的なメニューまで、全9レシピ。

さて、それぞれのお味はいかに!?

 

そのまま食べても意外と美味しい

レシピ開発をするにあたり、まずはそのものの味を知らないと…ということで、そのまま食べてみました。

 

…あれ?意外とおいしい。

 

柚子の皮を食べている感じです。柚子よりも酸味が少なく、むしろ食べやすい。ただ、内側の白い筋の舌触りが気になります。そこさえクリアすれば、これはけっこうアレンジがきくんじゃないか!?

 

早速、3日限定のみかんの皮ライフ、スタートです。

 

【1日目:朝】みかんの皮入り“みかんご飯”でおにぎり!

みかん皮が入ったおにぎり

たまたまご飯を炊くために白米を洗っていたので、米×みかんの皮で何かできないかと思案スタート。寿司にゆずの皮が使われていたのを思い出し、おにぎりにみかんの皮を入れてみることに。せっかくなので、ご飯自体もみかんの絞り汁で炊いてオレンジ色のご飯にしてみました。

 

【材料】

米、みかんの絞り汁、みかんの皮、ゴマ、ミツバ、オリーブオイル、黒胡椒(多め)、塩(お好み)

 

【作り方】

分量のみかん絞り汁で炊いたみかんご飯に、ちぎったみかんの皮、ごま、みじん切りにした三ッ葉、約小さじ1/2のオリーブオイル、多めの黒胡椒、塩を加えて混ぜて握ります。

 

【実食】

びっくり!想像していたより食べやすいです!おいしい!!

それほど酸味も強くなく、ほんのり。甘みがありつつ、さっぱりしたご飯です。

みかんの皮の苦味も少なく食感がアクセントとなり、オリーブオイルとピリ辛の黒胡椒がみかんの皮をオシャレにアップグレードさせた感じで「本当にミカンの皮なの?」という印象でした。ひょっとしたらミカンの皮は、今までゆず皮を使っていた料理全般に使えるかも知れません。

 

【結果】

美味しさ ★★★☆☆

手軽さ ★★★★☆

独創性 ★★☆☆☆

 

−「白米との相性は意外にもばっちり!!」−

 

 

【1日目:昼】みかんの皮入り塩ラーメン

みかんの皮が入ったラーメン

朝おにぎり2個食べたというのに、お昼になるとまたお腹が空いてきました。外は寒そうで外出は避けたいところ。すると、こんな時のために買っておいたインスタントのラーメンを発見。そういえば、柚子入りラーメンておいしいですよね。先ほどの成功例から、柚子の代わりに…というロジックならいけると踏み、早速トライ。

 

【材料】

袋入りインスタントラーメン(塩味)、みかんの皮、長ネギ、ごま

 

【作り方】

インスタントラーメンを作り、細く切ったみかんの皮と斜め切りにした長ネギ、ごまをのせる。

 

【実食】

うん、それほど違和感なし。みかんの皮の舌触りが気になりますがラーメンとの相性は悪くありません。今回は、よくある柚子入りラーメンをイメージして塩ラーメンをチョイスしてみましたが、もしかしたら醤油ラーメンの方が合うかも。醤油のコクとみかんのほんのり酸味が相性良さそうです。

 

【結果】

美味しさ ★★☆☆☆

手軽さ ★★★☆☆

独創性 ★☆☆☆☆

 

−「塩ラーメンよりも醤油ラーメンの方が合いそう」−

 

 

【1日目:夜】みかん皮を入れたかき揚げ

みかんの皮が入ったかき揚げ

朝、昼のトライを経て、意外にいろんな料理にいけそう、という気がしてきました。そこで、夜はちょっと冒険。みかんのイメージからもっともかけ離れている調理法ではないかと思われる、「揚げる」という方法で、冷蔵庫の残り野菜とともに、かき揚げを作ってみます。

 

【材料】

人参、玉ねぎ、みかんの皮、天ぷら粉、青のり、水、油

 

【作り方】

水で溶いた天ぷら粉に青のりを加えて、千切りした人参、玉ねぎ、多めにみかんの皮を加えて油で揚げる。めんつゆに大根おろしを加えて頂きます。

 

【実食】

驚きです。みかんの皮、揚げてもおいしい!食感は肉厚のキノコのような感じで、ほんのりみかんの香りがするぐらい。言われないと気付かないほど、自然になじんでいます。ポイントは切り方。細切りよりもっと細く、千切りにしたことで口当たりがよくなりました。

 

【結果】

美味しさ ★★☆☆☆

手軽さ ★★★★☆

独創性 ★★★☆☆

 

−「千切りにすることで口当たり向上!」−

 

 

【2日目:朝】みかんの皮緑茶

みかんの皮入り緑茶

揚げ物の翌日は、胃をいたわるために、中国の用法にならって温かい「陳皮」ドリンクを。陳皮とは、みかんの皮を乾燥させたもので、漢方の材料としてよく使われています。今回は、日本らしさを取り入れるため「緑茶」と組み合わせてみました。和のもの同士なのできっとおいしいはず!

 

【材料】

緑茶、乾燥させたみかんの皮

 

【作り方】

緑茶を入れ、好みの量のみかんの皮を加える。

 

【実食】

やはり和同士。さっぱりみかんの香りと緑茶の苦味がマッチして、冬らしい飲み物に変身です。今回のやり方だと飲むときにみかんの皮が口に入ってしまうので、お茶の葉と一緒にみかんの皮を急須に入れ、混ぜて淹れるとよいかもしれません。間違いなしの美味しさです。

 

冒頭にも書いた通り、ミカンの皮は漢方の陳皮として使われますよね。陳皮を用いた漢方には、二陳湯 (にちんとう)、橘皮湯(きっぴとう)など「お湯に溶かして服用する」ものがたくさんあります。緑茶との相性がバッチリなことには納得です。

 

【結果】

美味しさ ★★★☆☆

手軽さ ★★★★★

独創性 ★☆☆☆☆

 

−「緑茶との相性は間違いない!お茶っぱに混ぜて入れると飲みやすい」−

 

 

【2日目:昼】みかんの皮を使った七味風調味料

みかんの皮を使った七味風調味料

ぶっちゃけ、みかんの皮を固形で味わうのに早くも飽きてきた2日目のお昼。何か面白いアイデアはないのかとネットでみかんの皮料理を検索してみると、なんと七味にみかんの皮が使われていることが判明!これは試したい。鍋、うどん、ソーメンと、バリエーションがぐっと広がるはず。一般的な材料のうち、けしの実と麻の実は入手困難だったので、この2つを省いて作ることに。

 

 【材料】

白ごま、黒ごま、山椒の皮、青のり、粉唐辛子、乾燥したみかんの皮

 

【作り方】

材料を細く砕き、好みの分量で混ぜる。

 

【実食】

おお、本格的な七味ができました!みかんの皮と山椒を多めにして、香りを強めに。ピリ辛さと柑橘ならではの香りが食欲をそそります。辛さが欲しい場合は粉唐辛子を多めにすると◎。いつもの鍋はが、ぐっとおいしくなりそう!

 

【結果】

美味しさ ★★★★☆

手軽さ ★★★★★

独創性 ★☆☆☆☆

 

−「本格的な七味(風)調味料は意外にも自宅で作れる!」−

 

 

【2日目:夜】まるごとみかん鍋 

まるごと入ったみかん鍋

七味ができたので、次は鍋でしょ!ということで、いつかテレビで見た、山口県周防大島名物の「みかん鍋」のことを思い出しました。本場では、みかんを丸ごと鍋に入れ、地魚のつみれや野菜と一緒にピリ辛のみかん胡椒で食べるそうです。もはやみかんの皮を何に入れることにも抵抗はありません。いざ、挑戦!

 

 

【材料】

水菜、しいたけ、薄切りの豚肉、みかんの輪切り、昆布、水

 

【作り方】

昆布で出汁を取り、材料をすべて火にかけて火が通ったら、出来上がり。

 

【実食】

今回は、みかんを半分に切った状態で鍋の中に入れたのですが、みかんの酸っぱさが全く感じられなかったことに驚きました。逆に、みかんが豚肉の臭みを消してさっぱりおいしい!ネギや千切りにした人参を入れても良さそう。お昼に作った七味も加えたら、最高においしかったです!

 

【結果】

美味しさ ★★★☆☆

手軽さ ★★★★☆

独創性 ★★★☆☆

 

−「みかんは煮込んでも美味しい!肉や魚の臭み消しにも使える!!」−

 

 

【3日目:朝】みかんの皮入りフレンチトースト

みかんの皮でフレンチトースト

いよいよ最終日。ずっと和食続きだったので、ちょっと気分転換に洋食に挑戦してみます。おしゃれな朝食といえば、フレンチトーストがテッパン。すりおろしたオレンジの皮が入ったフレンチトーストって、柑橘系の爽やかな香りがしておいしいですよね。似たようなみかんの皮だって、きっとおいしいはず!

 

【材料】

みかんの皮、牛乳、卵、砂糖、食パン、バター

 

【作り方】

みかんの皮を千切りにし、牛乳・卵・砂糖とともに混ぜ合わせて卵液を作り食パンを浸す。フライパンにバターをひいてじっくり焦げ目がつくまで焼いてください。

 

【実食】

ハイ、間違いなしのおいしさです。オレンジよりも香りが優しいので食べやすく、お子さまにもおすすめ。ただ、最終日にもかかわらず置きに行ってしまい、斬新さに欠けた点では反省…。ガーリックトーストと組み合わせたら味にアクセントが生まれて、新しいおいしさを引き出せていたのかも、と思うもあとの祭り。

 

【結果】

美味しさ ★★★★☆

手軽さ ★★★★☆

独創性 ★☆☆☆☆

 

−「オレンジよりも優しい味に仕上がります!」−

 

 

【3日目:昼】みかんの皮入りうどん

みかんの皮入りうどん

残すところ2食。先ほどの反省を生かし、おいしさと独創性を兼ね備えたメニューを考えに考え、思いついたのがこちら。うどんです。みかんの皮を入れて、みかんうどんを作ってみます。味は想像できませんが、みかんの皮の懐の深さは十分にわかっています。多分、大丈夫。

 

【材料】

薄力粉、強力粉、みかんの絞り汁、みかんの皮、塩

 

【作り方】

みかんの絞り汁に塩を加え、食塩水を作る。半量の薄力粉と強力粉、みじん切りにした1個分のみかんの皮に少しずつ食塩水を少しずつ加えてよくこねる。生地を1時間ほどねかせたら、綿棒で伸ばしてお好みの幅に切って熱湯で茹でてください。

 

【実食】

優しいオレンジ色と、ところどころに見えるみかんの皮のつぶつぶがきれいなうどんができました。柑橘の香りが爽やかで、めんつゆとのコンビネーションもばっちり!ざるうどんにし、もちろん手作り七味と一緒にいただくと、これもまたおいしい!もう、みかんの皮は万能スパイスとして手放せません。

 

【結果】

美味しさ ★★★☆☆

手軽さ ★★★★☆

独創性 ★★★★☆

 

−「見た目も美しく、香り爽やかで美味!」−

 

 

【3日目:夜】みかんの皮が入ったキーマカレー

みかん入りカレー

さあ、ラスト1食。若干の飽きを乗り越え、もはやみかんの皮の虜です。煮ても、揚げても、練り込んでもおいしいみかんの皮。最後は、みんな大好きカレーのスパイスとして使ってみます。きっと、縁の下の力もち的に、カレーのおいしさを引き出してくれるはず。全幅の信頼を胸に、最後の調理開始です。

 

【材料】

牛豚ひき肉、玉ねぎ、人参、トマト、生姜、にんにく、クミン、みかんの皮、ガラムマサラ、チリパウダー、カレー粉、ヨーグルト、サラダ油

 

【作り方】

フライパンに油を入れてクミン、生姜、にんにくを弱火で熱したら、玉ねぎと人参をよく炒め、ひき肉を加えて火が通ったら、みかんの皮、ガラムマサラ、チリパウダー、カレー粉を加え弱火で炒めたら、全部一緒に炒め、最後に煮詰めてヨーグルトを加えたら出来上がりです。

 

みかんの皮を入れる時

【実食】

完全に味がまとまりました。みかんの皮が入っているのかどうか分からないほどですが、確かに酸味を感じるので、他のスパイスとばっちり一体となっているのだと思います。ご飯は1日目のおにぎりで使用したみかんご飯。もちろん、コンビネーションもパーフェクトで、一気に完食です!

 

【結果】

美味しさ ★★★☆☆

手軽さ ★★★★★

独創性 ★★★☆☆

 

−「主張しすぎず、他の食材のおいしさを引き出すなんてすごい!」−

 

 

【おまけ!みかんの皮で油落としスプレー】

みかんの皮スプレー

みかんの皮は食べるだけでなく、油汚れなど掃除にも役に立つんです。そこで、番外編として油汚れが落ちるスプレーも作ってみました。

 

【作り方】

お鍋にみかんの皮が隠れるくらいの水を入れて、沸騰したら約10分ほど弱火で煮込みます。煮汁をスプレーボトルに入れたら、出来上がりです。

こちら防腐剤が入っていないので早めに使い切ってくださいね。

 

市販の洗剤に比べ洗浄力は弱いですが、何回かスプレーするとキレイに汚れが落ちます!何より、みかんの皮と水だけで作られているので手に優しいですし、嫌な臭いもしないので嬉しいです。お子さまのお手伝いにも!

 

みかんの皮の万能っぷりに驚きっぱなしの3日間

実験の結果は、「みかんの皮はおいしい」の一言に付きます。最初は食べられるのかどうかすら半信半疑でしたが、どんな調理法とも合い、他の食材ともけんかせず、さりげなく料理の味を引き立ててくれるみかんの皮はエライ。これまで大量に捨ててきたことが悔やまれてなりません。

 

ミカンの皮は陳皮という漢方に使われていて、栄養はたっぷり。私たちはただ「あまり食べられていないというイメージだけで捨てていた」のです。アップサイクルをテーマにした、私たちDIYer(s)としては、ミカンの皮料理にチャレンジして良かった!と心から思っています。

これから、冬にみかんを食べる時は、みかんの皮は捨てずに積極的に料理に使っていきたいと思います。体を温める効果があるといわれる陳皮はミカンの皮そのもの。だったら食べるしかないですよね。

 

ちなみに、個人的に一番美味しかったみかんの皮料理は、みかんご飯と食べるみかんの皮カレーです。

 

でも実は3日間の実験の間に色々と調べていくと、「焼きミカン」というミカンを丸ごと焼いて食べる習慣があったそうです。 (東北・北陸・九州などで、どんど焼き(とんど焼き・どんどん焼き)の時に、棒などに刺して焼いて食べる風習があるほか、かつては冬の定番おやつとしてストーブの上や焚き火で焼いて食べられていた) 私は「えっ!」と驚いてしまいました。昔からきっと、ミカンの皮は体に良いことが知られていたのでしょう。 焼きミカンは丸ごとアルミホイルに包んで、オーブンやグリルで焼くだけの簡単レシピです。今回の実験レシピではご紹介できませんでしたが、私は絶対試します!

家にみかんがある、という方は、ぜひともいろいろとお試しいただき、これは!というメニューが出来たら、DIYer(s)にレシピを投稿してくださいね!!

 

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