先日のDIYの件ですが。vol.2 〜“マルチに使えるソーホースが欲しい”編〜
DIYer(s)編集部が、思いつきでその時自分が欲しいものをDIYするだけ、のゆるい不定期連載です。
公開日 2016.12.13
更新日 2022.01.07
どうも初めまして、DIYer(s)編集部のGです。ふと思い立って気ままにDIYをすると言う、ゆる〜い不定期連載「先日のDIYの件ですが」が約2カ月ぶりにカムバック。12月ということで大掃除やら模様替えやらについてなんとなく考えていたら、“腰掛けられたり、植物を飾ったり、小物を収納できる台的なモノが欲しい”と思い立ったので、世田谷は下北沢に構えるレインボー倉庫3さんにてDIYしてまいりました。
普段からとてもとてもお世話になっているレインボー倉庫さんに関しては、こちらの記事を参照してください。そうそう、先日はDIYer(s)のイベントでもお世話になりました。
ただ、問題点はそんなマルチユースなプロダクトってどんな形?ということ。“DIYするのが逆に大変かな…”、”買ったほうが安いかな…”、”安く仕上がるといいな…”なんて思いを巡らせること数十分。
…。
……。
………。
ソーホースだ!!ソーホースがあった!!
ということで、マルチユースなソーホースを作ることに決定しました。
DIYer(s)をご覧の皆様は、「ソーホース」という言葉をご存知かと思いますが、改めてご説明。
ソーホースとは、英語で“Saw Horse”と表記される、いわゆる馬の脚。木材をカットする際の台として使用したり、2つ並べて天板を載せ、作業台にしたりと、さまざまに使えるDIYではお馴染みの便利アイテムです。
今回は、“腰掛けられるくらいの高さ”、“天板はある程度の物が置ける幅”、“天板下に収納付き”という3点を叶える理想のソーホースをDIYしようと思います!もちろん、材料は編集部にあった残りの木材を使用。頑張るぞー。
材料と道具
■OSB板:もともとは1820×910×9.9mmの1枚板だった端材たち。ホームセンターで買えば、1,000円前後で揃えられるのも安上がりでうれしいポイント。
ちなみにOSBとは、Oriented Strand Boardの略称であり、薄い削片状にした木片(これがStrand)を配向(これがOriented)して、積層、接着剤による高温圧縮を行った木材です。編集部にはベニヤなどの集成板もあったのですが、OSB板のグラフィックのような表情に魅せられてピックアップしました。
■BLACK+DECKER マルチツールプラス
■ヘッド:ドリルドライバー、丸ノコ、サンダー(サンダーはもしあればでOK)
■ネジ:40×3.3mm(3.3mmより細いネジの方がオススメです)
■スケール
■メジャー
■えんぴつ
■木工用ボンド
■設計図
作り方
STEP.01:木材をカットしてパーツ作成!
設計図に書いた寸法通りに木材をカット。スケールを使って丁寧にカットのガイドラインを描きます。ここのライン引きや寸法が間違っていると、パーツの組み立て段階で大惨事になってしまうので丁寧に描いていきましょう(というのも実際、この後トラブルが発生しました)。
ガイドラインに沿って、丸ノコで木材をカット。ちなみにこの日は、DIYer(s)の別コンテンツもレインボー倉庫3にて一緒に撮影中。レインボー倉庫は、編集部員3人でDIY作業、撮影をしても広々使えるのが嬉しい限り。今回は編集部から持ち込んだBLACK+DECKERのマルチエボで作業しましたが、工具も充実しています。資材だけあれば何かが作れてしまうため、撮影以外でもプライベートでDIYしに訪れたい作業空間です。
サンダーで断面を滑らかにしていきます。OSB板が細かい木を圧縮した素材のため、断面が意外とトゲトゲしてしまいます。気にしない方はそのままでもいいですが、DIYer(s)を通して皆様の目に触れるモノなので、ここはしっかりとサンディング。
天板用にカットした細長い木材は、耐久性を高めるために接着剤とクランプで2枚を貼り合わせます。
ということで、アウトラインの作成と木材のカットを繰り返して、ソーホースを作るのに必要なパーツが揃いました。
A 天板用パーツ
B 脚用パーツ×4
C 側面接合パーツ×2
D つなぎ貫パーツ×2
E 収納部分底パーツ
Eは、ほかのパーツを組み上げてからの採寸&カットだったため、後ほど登場します。また、今回のソーホースの設計図をDOWNLOADコンテンツ内に公開いたしました。興味のある方はDIYに挑戦してみてくださいね。
STEP.02:パーツをそれぞれネジ留め!
スケールで測ったネジ留め位置に、ドリルで穴を開けてガイドを作ります。この工程を行うことで、木材が割れるのを防ぎます。本来、ソーホースは木材をノコギリでカットしたり、天板の上で作業を行う際に振動が発生してネジの緩みが発生しやすいため、ネジを使わない構造が主流です。ただ、今回は腰掛けたり、ものを置くことが主目的なので、ネジ留めで組み上げていきます。
ガイド穴を開け終わったら、それぞれのパーツをネジ留めしていきます。今回は9.9mmの厚みに対して3.3mmのネジを使用しましたが、案の定、部分的にひび割れが。もし挑戦される場合は、より細いネジがオススメです。
順調にネジ留めが進み…と思いきや、ビッグトラブル発生!
側面の接合用パーツの幅が天板用パーツより大きく、隙間が生まれてしまいました…。しっかりと採寸していたのにと、涙目になりながら何度も確認しますが、やっぱりサイズが合いません。STEP.01でしっかりと採寸すればよかった…と激しく後悔。
けっこうな採寸ミス…。
せっかく形になり始めてきたところで泣く泣く一度解体し、再度アウトラインの引き直し。余分な部分をカットします。このパーツは左右からそれぞれのパーツを支える役目なので、結果的にほとんどのネジを外すことに…。
カットし直したパーツを改めて天板と比べてみると、隙間なくぴったり!ようやくネジ留め作業、再開です。
ちなみに天板は2枚の木材をボンドで固定ているため、そのままネジ留めすると振動で剥がれてしまいます。そのため、作業中はクランプで終始固定しながらの作業でした。しっかり乾いて接着されるのを待てばいいのですが、せっかちな性格のため強引に進めちゃいました。
脚をそれぞれ固定し、支えとなるつなぎ貫と呼ばれるパーツのネジ用ガイド開けにも一工夫。斜めにガイドを開けることで、下への力に強くなり、ネジから外れたり、木材のずれが発生しにくくなるんです。
だいたい組み上がったところで、収納部分の底に設置するパーツの採寸を行います。というのも、実際にパーツを組んでからでないと、脚の角度が分からず正確な採寸ができなかったから。現物合わせでピッタリに仕上げます。
カットしたパーツがスポッとハマると、なんだか嬉しいですよね。さっきのサイズが合わない失敗があっただけに、一発でフィットして一安心。
サイドと脚、つなぎ貫と固定したら、収納部分が完成。思った以上に面積が取れたので、いろいろとざっくり収納できそうで期待が高まります。
STEP.03:天板の耐久性を高める!
あらかた形が完成が見えてきたところで、再び新たな問題が発生!天板は2枚の木材を重ねていたのですが、それでも強度に若干の不安が。幅があるので、天板に体重をかけるとグイーとしなります。今回のプロダクトには“腰掛けられる”という目標があるため、対荷重を上げなければ…。強度をプラスするために、天板の裏側へT字になるように支えの木材を設置することに。
ハイ、本日2回目となるパーツの取り外し。スクラップ&ビルドの繰り返しです。撮影を一休みしていたカメラマンも、またも分解し始めた私に気づいて衝撃の表情。
片側の接合用パーツを取り外したら、補強用の木材をネジ留めしてきます。天板から下に向けて3カ所、片側のパーツからそれぞれ1カ所ずつネジ留めを行います。もちろんここでもドリルで一度ガイド穴を開けると安心。
反対側の接合用パーツを取り付けたら、強度を改めて確認です。天板をグッグッと押しても今度はしなりがありません!座ってみても沈みがなく、安定した座り心地に。ひとまずこれにて、大枠は完成です。一進一退を繰り返しながら、最後の大事なステップへ。
STEP.04:DIYer(s)の焼印でデザイン性をプラス!
先日のDIYer(s)によるイベント“WAREHOUSE”のワークショップでも活躍した、オリジナルの焼印。これを天板と脚の隅へ施します。全体的にシンプルなシルエットのソーホースに、さりげないアクセントをプラス。
いろいろモノを置いてみて、かっこよければ完成です!
完成したプロダクトはいかがでしょうか?塗装も何もしていないのですが、OSB板の木目がカモ柄や総柄のグラフィックのようにも見えて、何ともファッション性の高い仕上がりになっており、作った本人が一番気に入っております。
普段は植物を置くなど【インテリアとして使う】、晴れた日にはベランダでコーヒーを飲みながら【腰掛けるベンチに使う】、財布やサングラスといった【小物をざっくり入れておく収納に使う】、高い所のものを取る時の【ステップとして使う】などなど、本当にマルチユースな仕上がりとなりました。編集部の隅で放置されていた(けっこう邪魔になっていた)OSB板が、ここまで便利なソーホースになるなんて、大変手前味噌ですが感動です。
新品のOSB板は1,000円前後で購入できるので、使用する工具も少なく(ホームセンターでカットもしてもらえばネジ留めだけ!)、まさにお値段以上のプロダクト。さらに制作時間はネジを留めたり外したりを繰り返した分を入れても3時間弱。スムーズに行けば2時間ほどで作れてしまうんじゃないでしょうか?気になった方はぜひお試しくださいね。
SERIESE ARCHIVE
先日のDIYの件ですが。vol.1 〜“鍵とか置ける小さいテーブルが欲しい”編〜
LOCATION
レインボー倉庫3
住所:東京都世田谷区北沢2-19-5
電話番号:03-5787-6882
営業時間: 10:00〜22:00(平日)、10:00〜20:00(土日) *貸切の場合は変動あり
定休日:不定休
WRITTEN BY
Japan
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