2階が暑くなる理由は?涼しくするための方法も紹介

この記事では、暑い2階を涼しくする対策方法を紹介します。2階が熱くなる原因に触れながら、オススメの対策をリフォームあり・なしに分けてまとめました。気軽に取り入れられる冷却グッズを知りたい人や、快適な住まいをつくるリフォームを調べている人などはぜひ参考にしてください。

2023.04.14

2階に自室や寝室などがあり、夏場の暑さ対策で悩んでいる人は多いでしょう。日本は年々気温が上昇しており、室内でも熱中症になってしまう危険性はあります。この記事では、2階が暑くなる理由に触れながら、さまざまな対策方法を紹介します。すぐに取り入れられる暑さ対策について調べている人や、リフォームで2階を涼しくしたい人などはぜひ参考にしてください。

2階が暑くなる理由

1階に比べて2階が暑くなりやすい理由には、「断熱性・遮熱性・風通し」という要素が関係しています。加えて、「空気自体の性質」も影響しています。
これらを踏まえ、夏に2階の気温が上がりやすい理由を5つにまとめ、紹介します。

暖かい空気は上に行くため

暖かい空気は冷たい空気よりも軽いため、「高い位置に上がりやすい」性質を持ちます。上った暑い空気は天井付近に溜まるため、2階の方が暑くなりやすいのです。階数が上がるだけ、夏場の暑さを感じやすいでしょう。また、アパート・マンションなどの集合住宅では、上階に行くほど気温が高くなりやすいです。

加えて、冷たい空気はより地面に近い位置に下がっていきます。結果、1階と2階に大きな気温差が生じるため、より暑さを感じやすくなります。例えば、天井の高い住宅や吹き抜けのある住宅などは、開放感がありオシャレな住まいがつくれる一方で、「夏は暑く冬は足元が冷えやすい空間」になってしまうことも。こうした失敗を回避するには、設計時にしっかりと「空気の流れ・冷暖房効率」などを考慮する必要があります。

熱がベランダから照り返すため

ベランダの床は熱が反射しやすい素材でできていることが多く、ベランダから照り返した熱が室内の気温を上昇させているケースもあります。2階の部屋のなかでも、ベランダのある部屋だけが暑く感じることがあるのは、こうした照り返しのためです。
特に部屋とベランダが直接つながっているアウトドアリビングを採用していると、夏場の熱が室内に伝わりやすいでしょう。ベランダの照り返しが暑さの原因なら、床に人工芝を敷いたり、窓の外にすだれを設置したりするのがオススメです。

屋根の温度が部屋に伝わるから

太陽光によって屋根が熱くなると、熱はそのまま室内に伝わっていきます。日差しの弱い季節は問題ないものの、夏は屋根の表面温度が上がりやすいため、その熱が上階の温度を上昇させてしまうのです。

加えて、近年の住宅に多く採用されているストレート屋根や金属屋根は、従来の瓦などに比べて熱を伝えやすい特徴があります。屋根の種類はさまざまなものがあり、どの素材を用いるかによって室温の上昇度合いも異なるため注意しましょう。

部屋の断熱性や遮熱性能が低いから

屋根の熱が室温を上昇させる原因として、屋根裏の断熱性が関係しているケースもあります。断熱材は本来、屋根の熱を遮り、室内を一定の温度に保ってくれます。しかし断熱材の性能が低かったり、量が少なかったりすると効果を発揮しません。「熱を伝えづらい屋根材を使っているものの、2階が暑くなりやすい」といった場合は、屋根付近の断熱材が原因な場合もあります。

とはいえ、屋根裏の断熱材は露出していないので、直接は目視で確認はできません。さまざまな暑さ対策を行っても効果が得られない場合や、築年数の古い住宅に住んでいる場合に、断熱材という原因を疑いましょう。その場合は、リフォームで断熱性をアップして解決することがオススメです。

風通しが悪いから

住宅によっては、2階に窓や換気扇が少なく、風通しが確保しづらいケースもあります。天井付近に溜まった暖かい空気は、換気によって外に逃し、熱がこもらないようにすることが大切です。

2階を涼しくするポイントは、ひとつの窓ではなく、複数の窓を開けて「空気の流れ」をつくることです。窓が小さ過ぎると十分な効果が得られないため、場合によってはリフォームで窓を大きくしたり、換気扇を設置したりすることで、「空気が循環しやすい環境」を整えるとよいでしょう。

リフォームなしで暑さ対策をする方法

ここでは、すぐに取り入れられる暑さ対策グッズや換気方法など、リフォームなしで2階の温度を下げるポイントをまとめました。なるべくコストを抑えて涼しさをアップしたい人や、自分だけで実行可能な対策を知りたい人などは、ぜひ参考にしてください。

空気の通り道を作る

「窓を開けても温度が下がらない」という人に多いのは、窓をひとつしか開けておらず、空気の通り道を確保できていないといった失敗パターンです。空気の入口と出口になる窓をそれぞれ開けると、屋内の熱をより逃しやすくなります。

そのため開ける窓は、なるべく部屋の対角線上にあるものを選ぶとよいでしょう。「日陰になっている方を空気の入口と捉え、他方よりも小さく開けておく」のがポイントです。このようにすると、部屋の暑い空気を逃し、日陰の涼しい空気を効果的に取り込めます。

遮熱性のあるカーテンを取り付ける

ベランダの照り返しや日差しを遮る対策として、気軽に行えるのは「カーテンを閉めておくこと」です。普段使っているものでもよいですが、遮光カーテンや厚みのあるカーテンを取り付けると、より暑さを感じづらい部屋がつくれるでしょう。遮光カーテンはインテリアショップやホームセンター、通販などで気軽に購入できます。

さらに効果をアップしたい人は、窓に貼り付ける遮光シートがオススメです。外から全く室内が見えなくなる真っ黒なタイプや、半透明のグレータイプなど、さまざまな種類があります。用途によって適切なものを選ぶとよいでしょう。

ベランダに打ち水をする

昔ながらの暑さ対策である「打ち水」は、実は道路だけでなく、ベランダでも冷却効果があります。そもそも打ち水とは、熱い地面に触れた水が蒸発し、熱が大気中に逃げていく「気化熱」という現象を利用したものです。日中の暑い時間帯に行うと、かえって熱のこもった蒸気が室内に入ってしまうため、気温の低い朝や夕方などに行うとよいでしょう。

また、ベランダに洗濯物を干す時、脱水を控え目にして水分を含ませた状態にすると、打ち水と同じ効果が得られることもあります。しかし天気が悪いと生乾きになる可能性もあるので、「気温が高く、太陽が出ている日」に行うとよいでしょう。

扇風機やサーキュレーターを使う

「2階に窓が少なく、風通しが悪い」という住まいにオススメなのは、扇風機やサーキュレーターの設置です。一般に、2階に大きな窓や換気設備を備えている住宅は珍しいので、風通しで困っている人は少なくないでしょう。そうした場合は、「窓の近く」にサーキュレーターを置くことがオススメです。風の流れができ、室内の暑い空気を外に逃してくれます。

また、サーキュレーターの後ろに濡れた布を置いておくと、循環する風が冷たくなるため、高い冷却効果が期待できます。近年は「クリップ式の小型扇風機」「卓上タイプのサーキュレーター」など、狭い場所に設置できるタイプも市販されています。自宅の広さ・暑さの程度を考慮して、適切なタイプを購入しましょう。

グリーンカーテンやすだれを設置する

「遮光カーテンで完全に日差しを遮るのは避けたい」「涼しさと採光と両立させたい」といった人は、グリーンカーテンやすだれを設置するとよいでしょう。これらは、風通しを確保しつつも、日光をゆるやかに遮断してくれるため、換気設備がない部屋にオススメです。

またグリーンカーテンなら、「植物の葉から出る水分によって、周りの熱が吸収される」という効果によって、より涼しい空間が実現します。しかし、賃貸の場合はベランダでの植物栽培を禁止している物件もあるため、事前にしっかりとルールを確認する必要があります。

リフォームで暑さ対策をする方法

「夏は涼しく冬は暖かい住まいをつくりたい」「2階の涼しさを大幅にアップさせたい」などの場合は、リフォームによる暑さ対策がオススメです。ここでは、断熱リフォームや窓の改修など暑さ対策に効果があるリフォームを3つ紹介します。

天井裏に断熱材を詰める

屋根の熱が伝わって室内温度を上昇させている場合、先述のように「天井裏の断熱工事」が効果的です。大掛かりな施工と思われがちな断熱リフォームですが、屋根裏のみであれば「1平方メートルあたり4,000〜8,000円ほど」の費用で行えます。また、工事も1日で終わるため、何日も業者が家を出入りしたり、騒音に悩まされたりする心配もありません。

また、戸建て住宅は「10〜15年に1度ほど」のサイクルで、屋根を塗り替える必要があります。屋根のメンテナンスは、塗料を塗り直して外観をきれいにするだけでなく、住宅の機能性を高める目的もあります。この定期メンテナンス時に、遮熱塗料や断熱塗料を採用するとよいでしょう。

二重窓にする

冷暖房効率を上げたい人や、室内の温度を一定に保ちたい人などは、窓を二重窓にするリフォームがオススメです。断熱リフォームに比べて遮熱性は低いものの、エアコンと併用することで外気の熱を遮断し、室内を涼しい温度に保ってくれます。

また、二重窓は窓が厚くなる分、防音性の向上にも効果的です。2階の子ども部屋や楽器を練習する部屋などに設置すると、夏は涼しく室内の音を外に伝えづらい、快適な空間がつくれるでしょう。

熱を逃すファンを取り付ける

天井が高い住宅・吹き抜けがある住宅などでは、排熱ファンを設置するとよいでしょう。天井付近や屋根裏などにこもった熱を自動で排出できるため、高い冷却効果が期待できます。シーリングファンや屋根裏換気扇などいくつかの種類があるため、費用・デザイン・機能性などをよく比較して導入するべき設備を決めてください。

しかし、排熱ファンの取り付けには、大掛かりなリフォームが必要です。また住宅の設計によっては、そもそも設置できない場合もあります。プロでないと「工事可能・不可能」を見極めるのは難しいため、まずはリフォーム会社に相談し現地調査を依頼するとよいでしょう。
 
2階が暑くなりやすい原因として、「空気自体の性質・照り返し・断熱性・風通し」などさまざまなものが考えられます。まずは遮光カーテンやサーキュレーターなどを活用し、「熱い空気が溜まりづらい空間」をつくるのが効果的です。
また、間取りや設計とのかね合いで、リフォームが非常に有効な場合もあります。特に屋根裏の断熱性が低い場合は見た目での判断が難しいため、プロに相談するのがオススメです。暑さが改善されない2階の部屋で悩んでいる人は、「カシワバラ・コーポレーション」にぜひご相談ください。

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