土間リフォームのメリット・デメリットとは?注意点や事例も紹介!

この記事ではリフォームで土間を作る方法を紹介します。そもそも土間とはどのような空間なのか、メリット・デメリット、費用相場など、土間リフォームを行う前に知っておきたい情報をまとめました。土間リフォームを検討している人や土間の活用法を知りたい人はぜひ参考にしてください。

2023.04.15

昔ながらの住宅や、古民家などでよく見かける土間。さまざまな用途に使えるため、近ごろ再び土間の利便性に注目が集まっています。この記事では、リフォームで土間を作るメリットやデメリット、施工する際の注意点や費用の相場について紹介します。土足で使える趣味の空間がほしい人や、フレキシブルに使える自由な空間がほしい人などは、ぜひ参考にしてください。

土間とは?

古い間取りの住宅によく見られる土間ですが、そもそも何に使われていた空間なのか、知らない人も多いことでしょう。土間とは、家の中に設けられた土足で使えるスペースのことで、床材を張らずに地面と同じ高さで作られています。昔ながらの住宅では、炊事場や農具の手入れをする作業場などとして使われていたようです。

近代の住宅では、土間の面積が縮小され、玄関の一部としてわずかに残っている住宅や、土間のない住宅がほとんどです。しかし、アウトドアが趣味の人や、屋外で使う道具を収納するスペースがほしい人などにとっては、土足のまま作業できる土間は理想的なスペースと言えるでしょう。
また、土間は屋内でありながら、「半屋外空間」としてさまざまな使い方ができます。そのため最近では、新たに土間を作る人まで増えており、リノベーションの選択肢として注目を集めています。

土間の活用法

土間の魅力は、アイディア次第でさまざまな使い方ができることです。例えば、ロードバイクやスケートボードなど、アウトドアの趣味がある人は、これらをディスプレイしたり、設備のお手入れをしたりする場所として活用可能です。
また、ホコリや木くずなどが発生しやすく、なかなか屋内で行えないDIYも、半屋外の土間なら気にせずに作業できるでしょう。このように、普段庭やガレージなどで行わなければない作業も、土間があれば屋内で済ませされるのです。

そのほかにも、後述するようなさまざまな活用事例があります。例えば「土間をキッチンとつなげてパントリーとして使う」「広い土間を設けて愛犬のドッグランスペースとして使う」「アウターや靴、ベビーカーなどを収納するウォークインクローゼットとして使用する」など。
このように、生活スタイルに合わせてフレキシブルに利用できます。「ちょっとした収納スペースを増やしたい」「庭が狭く屋外で作業できる場所がない」といった人は、ぜひ土間の新設を検討してみましょう。

土間のメリット・デメリット

では実際に現在の住まいへ土間を導入すると、どのようなメリット・デメリットが発生するのでしょうか。ここでは、土間の長所と短所を具体的な事例とともに紹介します。

土間のメリット

土間は、前述したように収納スペースや愛犬の遊び場、リフレッシュ空間、パントリーなど、生活スタイルに合わせたさまざまな使い方ができます。また、普段屋外で行うべき工程を部屋の中で済ませられるのは、土間ならではの特徴と言えるでしょう。

その中でも、土間を作業空間として使うメリットは、進捗が天候に左右されないことです。雨や雪の降る屋外で道具を手入れしたりDIYを行ったりするのは、なかなか難しいものです。天候のせいで、作業を先延ばしにせざるを得ないケースもあるでしょう。しかし、土間があれば季節や天気に影響されることなく、自分のペースで着手・進行できるのです。

また、土間は地面とひと続きの空間なので、床よりも一段低く設計されています。そのため、広い土間は住まいの開放感をアップし、部屋全体にゆったりとした印象を与えてくれます。玄関は、家の顔とも呼ばれ、住宅の印象を左右する大切な場所です。玄関を拡張し、広い土間を設ければ、住宅の第一印象をアップすることにもつながるでしょう。

土間のデメリット

土間にいると冬の時期は足元が冷えやすく、長時間過ごす場合は寒いのがデメリットです。その場合、床暖房やストーブなどを導入するとよいでしょう。収納として使用するなら問題ないものの、作業場やリフレッシュ空間、趣味のスペースなどとして使用する場合は、しっかりとした寒さ対策が必要です。

また、土間は靴のまま使う空間なので、通常の部屋よりも汚れやすく、メンテナンスを徹底しなければなりません。掃除しやすい床材や壁材を使用する、汚れが目立ちにくいカラーを使用するなど、お手入れのしやすさに注目して素材やデザインを選ぶと失敗が少ないでしょう。

さまざまな使い方ができる土間は、ついつい面積を広くしたいと思いがちです。しかし、広い土間を作るとなると、その分住居スペースを圧迫します。「土間を作ったもののリビングが狭くなって後悔した」といった失敗例も見られるので、現在の住まいの広さを考慮しながら、適切な土間の面積を見極めることが大切です。

土間をリフォームする際の注意点

土間を使ったことがないと、どのような点に注意してリフォームを依頼するべきかわかりにくいものです。続いては、土間をリフォームする際に着目すべきポイントや、行うべき対策について解説します。

汚れ対策

土や埃などの汚れが溜まりやすい土間は、掃除しやすい環境づくりが何よりも大切です。壁や床に白・黒などのカラーを使用すると、汚れが目立って清潔感を損なってしまうこともあるでしょう。そのためカラーはグレーやベージュ、クリーム系など、なるべく泥汚れが目立ちにくいものを選ぶと、メンテナンス頻度を減らせます。

床材は、タイルや石畳、モルタルなど、水で汚れをそのまま洗い流せる素材を選ぶのがオススメです。特に磁器のタイルは水を弾きやすく、デザインのバリエーションも豊富なため、土間の床材に適しています。素焼きのタイルや天然石は吸水性が高いので、シミができてかえって汚れが目立つ恐れもあるので注意しましょう。

また、広い土間を設ける場合や、近くにホースを引ける蛇口がない場合などは、土間の掃除に手間がかかることも想定されます。水を流すために、水回りと土間を往復しなければならず、使いづらい空間になるでしょう。
そのような場合は、土間リフォームと併せて配管工事を行い、水栓を設置するのもよいでしょう。特に土間を作業場にする場合は、泥や埃などで汚れやすいので、必要に応じて設置を検討しましょう。

湿気対策

土間は、屋外に近い場所にあるため、湿度が溜まりやすいという難点があります。季節によっては結露が発生し、収納していた荷物が濡れてしまう恐れもあります。窓を設置して風通しをよくしたり、調湿作用のある壁材・壁紙を使用したり、きちんとした湿気対策を行いましょう。

また、窓の設置は湿気対策だけでなく、採光をアップして開放感のある玄関を作ることにもつながります。広い土間は新たに電気を引かないと、暗くて作業に支障が出るケースもあります。しかし、窓の採光を利用すれば、電気工事代を節約できるのです。土間用に電気工事をしようか迷っている人は、湿気対策も兼ねて、窓の増設を検討するのもオススメです。

土間リフォームの費用相場

土間リフォームの費用相場は、広さや間取り、使用する資材などによって異なります。ちょっとした収納スペースを増やしたい場合や、玄関を拡張したい場合は、3畳ほどの土間を玄関に増設するリフォームがオススメです。土間リフォームの中では比較的費用が安く、30万〜50万円ほどで行えるでしょう。
ただ、作業場やウォークインクローゼットなど広い土間を作る場合や、電気・配管工事を含む場合などは費用が膨らみやすく、100万円を超えるケースもあります。どのようなリフォームを行うかによって費用に幅があるので、用途と費用のバランスを考慮しながら、施工内容を決めるとよいでしょう。

土間リノベーションの事例集

ここでは、ぜひ真似したい土間の活用事例を紹介します。「土間を作りたいが、肝心の使い方に迷っている」「どのような土間リフォームがあるか事例を見たい」という人は、ぜひ参考にしてください。

【事例①】土間で空間を分け、見せる収納でオシャレに

こちらは「ゼロリノベ」に掲載されているリフォーム事例です。土間をL字型にし、土間からのみ入れる防音室を作りました。土間を使って空間を隔てる独特な間取りが印象的でオーダーメイド設計だそうです。土間の壁には棚を設置して、シューズをあえて見せる収納にしています。床材はグレーのコンクリートを使用して、汚れが目立ちにくいデザインに仕上げている素敵な事例です。

【事例②】作業スペースを確保して趣味を楽しむ空間に!

続いては「Reno-Bloom」より、作業スペースと趣味の空間を兼ねた土間を紹介します。ロードバイクや整備に使うペンチなどは、屋外に置きたくはないものの、収納する場所が決まらずに悩む人も多いでしょう。その場合、玄関横に土間を増やすだけで、簡単な作業もできる収納と趣味のスペースが生まれます。キャンプ用品の収納、マウンテンバイクやスキー板のメンテナンスなど、アウトドアの趣味がある人にオススメな土間リフォーム事例でしょう。

【事例③】ワンルームのような空間のつながりを実現

最後は「リノベりす」より、玄関から部屋までを、土間でつなげたリフォーム事例を紹介します。ゆるく仕切られたワンルームのように見えますが、玄関から本棚までの空間はすべて一段低い土間で、土間の奥はワークスペース用にデスクとパソコンが設置されています。
近ごろ在宅勤務が増え、急遽ワークスペースが必要になった人も多いでしょう。玄関土間を活用すれば、部屋数が少なくても、しっかりとプライバシーを確保したワークスペースが作れます。

古い間取りの住宅によく見られる土間ですが、実はさまざまな使い方ができる利便性の高い空間なのです。アウトドア用品の収納スペースがほしい人や、ちょっとした作業場所がほしい人などは、ぜひ一度土間リフォームを検討してはいかがでしょうか。
土間リフォームのコツは、メンテナンス性の高い建材を使用し、しっかりと湿気対策を行うことです。住居スペースとのバランスを考えながら、ライフスタイルに合った広さの土間を作るとよいでしょう。より具体的なご相談は、ぜひ「カシワバラ・コーポレーション」へお問い合わせください。

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