【事例付き】テレワークに合わせたリフォームのポイントは?在宅勤務を快適に進めるアイデア

本記事では、テレワークに合わせたオススメのリフォーム事例を紹介します。在宅勤務の長期化に伴う問題点にも触れながら、快適な業務スペースをつくるアイデアをまとめました。自宅のワークスペースを見直したい人は、ぜひ参考にしてください。

2023.04.15

新型コロナウイルスの影響により、多くの企業でテレワークが導入されました。それに伴いオフィスが縮小され、在宅勤務を中心としたワークスタイルに切り替わるなど、生活ががらりと変わった人も多いのではないでしょうか。本記事では、在宅勤務でよくある悩みや問題点に触れながら、テレワークに合わせた自宅リフォームのポイントを実例付きで紹介します。自宅のワークスペースをより快適にしたい人は、ぜひ参考にしてください。

続けてわかった、在宅勤務でよくある不満や悩み

導入されて間もない頃は、自分のペースで働けたり、通勤時間がかからなかったりと、さまざまなメリットがあるように思えた在宅勤務。しかし、続けていくうちに、これまでになかった不満や悩みを抱える人も増えているようです。ここでは、在宅勤務の定着によって生まれた新たな課題を紹介します。

オン・オフの切り替えが難しい

これまで自宅といえば、仕事の疲れを癒し、家族とのコミュニケーションを楽しんだり、趣味に没頭したりするプライベートな空間でした。しかしテレワークへの移行により、そうしたプライベート空間に仕事を持ち込むようになったことで、オフィスとの環境の違いに戸惑うケースも少なくありません。実際、「思うようにやる気が出ない」「オフィスよりも集中力が維持できない」といった悩みを抱える人は多いでしょう。特にワンルームに住んでいる人など、生活スペースと執務スペースを区別しづらいと、気持ちの切り替えも難しいようです。

加えて、「勤務時間が終わっても仕事のことが頭から離れず、気持ちが休まらない」といった不満もあります。自分の時間を楽しむ空間であった自宅が勤務スペースになってしまい、リラックスできる場所がないと感じてしまうのです。
このような状態が長く続くと、自律神経の調子を崩すこともあります。なるべく早く、新たなリフレッシュスペースを設けるなど、具体的な対処を行うことが望ましいでしょう。

家族や同居人とのコミュニケーション

在宅勤務では、たとえ作業中であっても、家族との生活を優先しなければならない場合もあります。業務の合間に小さい子どもをあやしたり、家事を行ったりすると、なかなかひとつの作業に集中できないかもしれません。オフィスで仕事をしていた時よりも、業務効率や生産性がダウンし、業績に影響を及ぼすケースも多いようです。

また、在宅勤務では主にビデオ通話でミーティングを行いますが、子どもの泣き声や同居人の雑談などが音声に混ざり、打ち合わせに支障をきたすケースもあります。個室の仕事部屋を確保できる場合はまだしも、リビングで業務を行っていたり、オープンな執務スペースを使用していたりすると、不満が溜まりやすいでしょう。

作業環境が不十分

在宅勤務では、Web回線周りの整備や、作業で必要な設備などを自分で揃えなくてはなりません。「椅子選びを間違えて腰痛に悩んでいる」「ネット回線の質が悪く、しばしばビデオ会議中にフリーズする」など、作業環境のトラブルを抱えている人もいます。仕事を進める環境が整っていないと、ストレスや生産性低下につながるため、長期的に心地よく使えるインテリアや設備を導入するとよいでしょう。

また、執務スペースの居心地が悪いと、業務に対するモチベーションも下がってしまいがちです。ひとまず仕事ができるよう簡易的な執務スペースをつくった人などが、在宅勤務が長引くにつれて空間に不満を感じるケースも増えています。この先も在宅勤務が続いていく可能性が高いようなら、あらためて作業環境を見直してみるのもオススメです。

テレワークに合わせたリフォームのススメ。仕事を快適にするポイント・予算感は?

ここでは、在宅勤務の悩みを解消するオススメのアイテムやリフォーム内容を紹介します。それぞれの予算にも触れながら、快適に業務が行える空間づくりのポイントをまとめました。

パーテーションや間仕切り壁を導入する

仕事用の部屋がない人や、オープンスペースで業務を行っている人にオススメなのが、パーテーションや間仕切り壁の導入です。間仕切り壁で視線を遮り、個室感を出すことで、集中力をアップできるでしょう。また、パソコンや資料などの仕事道具が目に入りづらくなるため、業務後のオン・オフを切り替えやすくなるメリットもあります。

パーテーションや間仕切り壁は、既存の設備を購入するだけでなく、リフォームでの増設も可能です。パーテーション・簡易式パネルは6万〜20万円ほど、間仕切り壁は8万〜25万円ほどで設置できます。

壁や床を吸音材・防音材に切り替える

電話対応やWeb会議を行う場合は、防音性をアップするリフォームが適しています。壁材や床材を防音材・吸音材に張り替えるだけでも、外に声が漏れにくく、外部の音が聞こえにくい部屋をつくれるでしょう。また、DIYでも施工可能で、気軽に導入できる防音対策として人気を集めているのが防音カーテンです。突っ張り棒とS字フック、カーテンを用意すれば、初心者でも簡単に防音性のある半個室型のワークスペースがつくれます。

使用する資材にもよりますが、壁材の張り替えは18万〜25万円ほど、床材の張り替えは25万〜80万円ほどで施工できます。防音カーテンは大きさや素材によって費用が異なりますが、8,000〜1万5,000円ほどを目安とするとよいでしょう。

疲れにくい椅子や机を導入し、オフィスの就業環境に近づける

狭い机や腰に負担がかかる椅子は、業務効率低下や疲労の蓄積などの原因になりかねません。在宅勤務が長期化するのであれば、机や椅子を機能性の高いものに買い換えることをオススメします。また、ほかの部屋から離れた場所に設置し、机の周りに無駄なものを置かないなど、なるべく執務スペースの周りをオフィスのような環境に近づけると、集中力を保ちやすい空間がつくれるでしょう。

機能性に優れた机や椅子は、基本的には6万〜10万円ほどで購入できます。業者に造作を依頼する場合は、相場よりも費用が膨らみやすく、サイズや素材、依頼する業者によっても費用が異なるので注意しましょう。

換気や照明・室温にも気を遣う

見落としがちなのが、換気や照明、室温などの室内環境です。厚生労働省が作成した「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」では、「机上の照度は300ルクス以上とする」「換気をこまめに行う」「室温は17〜28度に設定する」など、作業環境整備のポイントが示されています。これらを参考に、空調設備や照明などを見直し、必要に応じて新たな設備を導入するとよいでしょう。
(参照元:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_01603.html

テレワークに合わせたリフォームにも補助金は出る?

国やそれぞれの地域が定めたリフォームを行う場合は、リフォーム費用に補助金制度を利用できる場合があります。「長期優良住宅化リフォーム推進事業」では、もともと省エネやバリアフリーリフォームなどを行う場合、補助金の申請が認められていました。しかし、令和3年から「テレワーク環境整備改修工事」が補助対象として加わったため、テレワーク用のリフォームにも補助金が活用できるようになったのです。

対象となる工事は、間仕切り壁や建具の設置など、テレワークの環境整備にまつわるリフォームです。「リフォーム工事前にインスペクションを行い、維持保全計画およびリフォームの履歴を作成すること」「リフォーム後に劣化対策や耐震性、省エネルギー対策など、一定の基準を満たすこと」など、申請には独自の条件があるため、あらかじめリフォーム内容をよく検討する必要があります。

テレワークに合わせたリフォームのアイデア事例を紹介!

ここでは、テレワーク対応リフォームの優れた施工事例を紹介します。子どもの様子を見ながら働ける空間や、デッドスペースを活かしたテレワーク空間など、さまざまなアイデアをまとめました。

あえて「子どもを見ながら働ける空間」を目指したプチリフォーム

こちらは「SUUMO」に掲載されている、マンションのリフォーム事例です。カウンター机を造作し、空間に馴染むオシャレな執務スペースをつくりました。子どもの様子を見守りながら働けるように、あえてリビングの一部を改造したそうです。

階段下のデッドスペースをワークスペースに活かしたリフォーム例

こちらは「カツデンアーキテック」に掲載されている、戸建てのリフォーム事例です。デッドスペースになっていたシースルー階段の下を活用し、こもり感のあるワークスペースをつくりました。デザインのポイントは、段差を設けて上下の空間を広げたことです。小窓を追加し、採光を確保したことで、暗さを感じない居心地のよい空間に仕上がっています。

リビングに小部屋を!木の風合いで安らぐ執務スペースを導入した事例

「ファミリー工房」に掲載されている、マンションのリフォーム事例を紹介します。リビングの一角に小部屋を造作し、カフェのようなテレワークスペースをつくりました。内装はリビングと統一し、ナチュラルテイストの木目を使用。上部をガラス張りにしたことで、リビングの様子を確認しながら自分の作業に集中できる、開放感のある空間に仕上がっています。

ウォークインクローゼットを書斎化!テレワーク時代ならではのリフォーム事例

「収納ソムリエ」に掲載されているリフォーム事例を紹介します。ウォークインクローゼットにカウンターを造作し、執務スペースとしても使用する「ワークインクローゼット」を導入しました。完全個室のため音漏れもせず、備品が多くても収納スペースに困りません。もともとのウォークインクローゼットは照明やコンセント、空調がないものが多いので、それらを忘れずに追加することが大切です。

近ごろ、在宅勤務の長期化に伴い、これまで気にならなかった問題点や不満を抱える人が増えています。「仕事のオン・オフがうまく切り替えられない」「家族・同居人の声や生活音が気になる」などの悩みがある人は、業務スペースの見直しを行ってみてはいかがでしょうか。レイアウトを変更したり、リフォームで新たな設備を導入したりと、環境を変えることで業務効率や生産性の向上が期待できるかもしれません。より詳しい内容や予算、オススメのデザインなどを知りたい人は、リノベーション実績が豊富な「カシワバラ・コーポレーション」に、お気軽にご相談ください。

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DIYer(s)

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