リフォーム?建て替え?古い家の改修、お得なのはどっち?!
中古の木造住宅をリフォームするか建て替えるか、それぞれのメリット・デメリットを比較しています。種々のリフォームにかかる費用の目安もお伝えします。条件別にどちらが向いているかを知ることができるので、リフォームか建て替えかで迷っている人は、ぜひ参考にしてください。
公開日 2020.10.24
更新日 2022.01.07
INDEX目次
新築の一軒家を購入するよりもお得なことから、近年人気が出ている中古住宅のリノベーション。リフォームも建て替えもそれぞれ異なる魅力があり、どちらにするか迷う人も多いでしょう。
この記事ではそれぞれのメリットとデメリットを紹介します。施工費用の目安も挙げていますので、選ぶ際の参考になるでしょう。おしゃれなリフォーム事例も掲載しているので、「実例を見てリフォームイメージを膨らませたい」という人もぜひご覧ください。
この記事ではそれぞれのメリットとデメリットを紹介します。施工費用の目安も挙げていますので、選ぶ際の参考になるでしょう。おしゃれなリフォーム事例も掲載しているので、「実例を見てリフォームイメージを膨らませたい」という人もぜひご覧ください。
古い木造住宅をよみがえらせる「リフォーム」と「建て替え」
リフォームと建て替えは、定義に大きな違いがあります。ここでは、リフォームと建て替えの相違点やメリット・デメリットなどを紹介します。
「リフォーム」と「建て替え」の違いは?
リフォームと建て替えの違いは、「家の基礎部分に手を加えるかどうか」です。リフォームは基礎部分をそのまま残し、気になる部分のみ補修・増築などを行います。
一方、建て替えは家の基礎からすべて解体し、新しい住宅に作り替えることです。骨組みまで劣化している古い木造建築などは建て替えの必要があります。
一方、建て替えは家の基礎からすべて解体し、新しい住宅に作り替えることです。骨組みまで劣化している古い木造建築などは建て替えの必要があります。
リフォームのメリット・デメリット
リフォームのメリットは、建て替えよりも施工期間が短いこと、部分的な改修が可能なことです。既存の住宅を生かし、気になった箇所だけ修理できるので比較的手軽に依頼できます。
デメリットは、建物の劣化具合によっては追加の補修費用がかかること、建て替えと比較すると自由度が低いことです。限定された工事になり、希望をすべて叶えるのが難しいケースもあります。
デメリットは、建物の劣化具合によっては追加の補修費用がかかること、建て替えと比較すると自由度が低いことです。限定された工事になり、希望をすべて叶えるのが難しいケースもあります。
建て替えのメリット・デメリット
建て替えのメリットは、設計の自由度が高く間取りや設備の不満をすべて解消できること、リフォームよりもローンが組みやすいことなどです。ゼロからまるごと家を作り直すため、建て替えの方がこだわりや希望を反映しやすいでしょう。
デメリットは、工期が長く仮住まいの確保などの費用がかさむこと、不動産所得税や固定資産税などの税金がかかることなどです。工事費用以外のコストも多いため、想定外の出費で予算オーバーしてしまうこともあります。
デメリットは、工期が長く仮住まいの確保などの費用がかさむこと、不動産所得税や固定資産税などの税金がかかることなどです。工事費用以外のコストも多いため、想定外の出費で予算オーバーしてしまうこともあります。
中古住宅をまるごとリフォーム、いくらかかる?
まずは、中古の木造住宅をリフォームする場合の費用を見ていきましょう。人気の施工内容ごとの相場も紹介します。
全面リフォーム(スケルトンリフォーム)にかかる費用目安
家の骨組み以外すべて取り払い、大幅な改修を行うスケルトンリフォーム。住宅の築年数や状態によって、リフォームすべき範囲や費用の目安が異なってきます。
築30年では内装のみのリフォームで対応できることもありますが、築40年の建物は、大抵内装・外装ともに全面リフォームが必要です。
1981年6月に建築基準法が改正されたため、それ以前に建てられた住宅は現在の耐震基準を満たさず、耐震補強の費用が必要なケースが多いでしょう。
【30坪の住宅にかかるリフォーム費用】
内装を全面リフォーム:約1000万~1500万円
内装・外装ともに全面リフォーム:約1300万~1800万円
築30年では内装のみのリフォームで対応できることもありますが、築40年の建物は、大抵内装・外装ともに全面リフォームが必要です。
1981年6月に建築基準法が改正されたため、それ以前に建てられた住宅は現在の耐震基準を満たさず、耐震補強の費用が必要なケースが多いでしょう。
【30坪の住宅にかかるリフォーム費用】
内装を全面リフォーム:約1000万~1500万円
内装・外装ともに全面リフォーム:約1300万~1800万円
耐震補強にかかる費用目安
耐震補強にかかる費用の相場は25〜250万円ほどで、施工内容により金額に幅があります。
【耐震工事の施工内容・費用】
筋交い・金具設置(壁の解体なし):約20~25万円
筋交い・金具設置(壁の解体あり):約50万円~
耐震パネルの設置:約60~70万円
屋根の軽量化:約80~160万円
外壁全面をリフォーム 約150~250万円
【耐震工事の施工内容・費用】
筋交い・金具設置(壁の解体なし):約20~25万円
筋交い・金具設置(壁の解体あり):約50万円~
耐震パネルの設置:約60~70万円
屋根の軽量化:約80~160万円
外壁全面をリフォーム 約150~250万円
断熱リフォームにかかる費用目安
築年数が40年などの古い物件は、断熱が不十分で冷暖房効率が悪いことがほとんどなので、断熱リフォームが必要です。カビ防止対策にもなります。
相場はおおよそ20~120万円ほどですが、一戸建て住宅をすべて断熱リフォームすると400~500万円前後かかることもあります。
【断熱リフォームの施工場所ごとの費用】
天井(1m2):約3,000~8,000円
床下(1 m2):約3,000~7,000円
壁(1 m2):約5,000~2万円
外壁(1 m2):約2,000~5,000円
屋根(1 m2):約3,000~6,000円
窓を二重窓にする:約10万~20万円
複層ガラスに交換:約3万~10万円
相場はおおよそ20~120万円ほどですが、一戸建て住宅をすべて断熱リフォームすると400~500万円前後かかることもあります。
【断熱リフォームの施工場所ごとの費用】
天井(1m2):約3,000~8,000円
床下(1 m2):約3,000~7,000円
壁(1 m2):約5,000~2万円
外壁(1 m2):約2,000~5,000円
屋根(1 m2):約3,000~6,000円
窓を二重窓にする:約10万~20万円
複層ガラスに交換:約3万~10万円
水回りのリフォームにかかる費用目安
トイレ、お風呂、キッチンなど水回りは設備のグレードによって費用が大きく異なります。施工内容は設備の交換、配管工事などです。
水回りの場所を移動すると価格が上がるので注意しましょう。なお、水回りを3~4か所まとめてリフォームすると施工費が抑えられることもあります。
【水回りリフォームの費用(全体リフォームの場合)】
トイレ:約20~50万円
お風呂:約50~140万円
洗面所:約20~50万円
キッチン:約50~130万円
水回りの場所を移動すると価格が上がるので注意しましょう。なお、水回りを3~4か所まとめてリフォームすると施工費が抑えられることもあります。
【水回りリフォームの費用(全体リフォームの場合)】
トイレ:約20~50万円
お風呂:約50~140万円
洗面所:約20~50万円
キッチン:約50~130万円
間取り変更にかかる費用目安
間仕切り壁の撤去・増設などを行います。それに伴って床・壁の補修をしたり、空間を分けたため電気工事が必要になったりすると、コストが上がります。
階段の位置を変更するなど大規模な改修は、費用が高額ですのでよく検討しましょう。
【壁の増設・撤去の費用】
壁の増設、撤去(1箇所):約8万~20万円
階段の位置を変更するなど大規模な改修は、費用が高額ですのでよく検討しましょう。
【壁の増設・撤去の費用】
壁の増設、撤去(1箇所):約8万~20万円
外観・外壁のリフォームにかかる費用目安
外壁・屋根の塗装や屋根の葺き替えなどを行います。安いプランが必ずしもお得なわけではなく、良質な塗料・資材の方が長持ちしコストパフォーマンスがよい例もあります。
【外壁塗装・屋根の葺き替え費用】
外壁塗装(延べ床面積1坪):約2万~3万円
屋根の葺き替え(30坪の住宅):約120万~180万円
【外壁塗装・屋根の葺き替え費用】
外壁塗装(延べ床面積1坪):約2万~3万円
屋根の葺き替え(30坪の住宅):約120万~180万円
中古住宅をすべて建て替える場合にかかる費用は?
建て替えは、既存の家をすべて解体した後に新しく土台から住宅を作ります。ここからは解体・新築にかかる費用、また地盤工事などが必要な場合の値段について見ていきましょう。
古い家の解体にかかる費用目安
木造住宅の解体費用の相場は、地域にもよりますが1坪あたり約3万~5万円。30坪の家なら90万~150万円が目安です。家の延床面積が分かればおおよその費用を計算できます。
新しく家を建てる際の費用目安
建て替え費用の内訳は、主に解体費用、本体工事費用、別途(付帯)工事費用です。さらに諸費用を合わせたものが建て替え費用の総額になります。
本体工事費用は1坪あたり60~70万円ほどと言われています。30坪で1,800万~2,100万円が目安です。別途工事費用は本体工事費用の約2割が目安なので、30坪だと360万~420万円ほどになるでしょう。
本体工事費用は1坪あたり60~70万円ほどと言われています。30坪で1,800万~2,100万円が目安です。別途工事費用は本体工事費用の約2割が目安なので、30坪だと360万~420万円ほどになるでしょう。
地盤強度によっては地盤改良工事や特殊基礎工事が必要になることも!
地盤の強度が弱いと、地盤改良工事や特殊基礎工事を追加で行わなければなりません。一概には言えませんが、約80万~170万円の費用が必要になるので注意しましょう。地盤の深さによって行う工法が違い、深くなるほど費用は高額になります。
「リフォーム」vs「建て替え」結局どっちを選ぶべき?諸条件で比較!
リフォームと建て替え、どちらを選ぶべきかは、住宅の状態や予算によって異なります。さまざまな条件を踏まえて比較し、自分にあった改修方法を選びましょう。
築年数が古すぎるとリフォームできないことも……
リフォームは家の構造部分は残して工事を行うため、骨組みの劣化が激しいと施工できないことも。築50年以上の物件を購入するときは特に注意が必要でしょう。自分で判断せず、業者に相談したり、住宅診断を依頼したりするのがおすすめです。
コストで考えるなら「リフォーム」がお得かも?!
建て替えは解体費用や基礎部分の工事費用などが必要なため、リフォームよりも費用がかかるのが一般的です。コストを抑えたい場合は、リフォーム優先で検討しましょう。
しかし、リフォームは施工金額によってローンが組めないことがあります。建て替えは比較的簡単にローンを組めるので、ローンでの支払いを希望するなら建て替えのほうが適しています。
しかし、リフォームは施工金額によってローンが組めないことがあります。建て替えは比較的簡単にローンを組めるので、ローンでの支払いを希望するなら建て替えのほうが適しています。
間取りを1から考えたいなら「建て替え」の自由度が魅力!
天井や床下に空間が少ない物件や、壁で建物を支えている構造の物件などは、間取り変更に制限があるため、思うようにリフォームできないことも。建て替えなら既存物件の特徴にとらわれず、希望にあわせて住宅を作りやすいのが魅力です。
建て替えできない「再建築不可物件」に注意!
建築基準法や都市計画法ができる以前に建てられたため、現在の基準を満たしていない物件を、再建築不可物件と言います。建築基準法には接道義務があり、幅員4m以上の道路に2m以上接していない場合、住宅を建て替えられません。
建て替え予定で住宅を購入するなら、再建築不可物件ではないかを前もって確認しましょう。
建て替え予定で住宅を購入するなら、再建築不可物件ではないかを前もって確認しましょう。
古い家がまるで新築に!参考にしたい素敵なリフォーム事例3選
家の基礎が劣化していなければ、古い家もリフォームで新築のように生まれ変わります。ここでは、思わずまねしたくなる魅力的なリフォーム事例を紹介します。
間取りはそのままなのにまるで建て替え!築30年の木造二階建てリフォーム
こちらは「ハウスネットギャラリー リノベーション」に掲載されている事例です。築30年の戸建て住宅をリフォームし、デザインも暖かみのあるテイストへ一新。間取り変更は行わず、耐震補強と内装の工事、設備交換などを行いました。総費用は1,000万円ほどです。
築80年の長屋を光と風が通る空間に生まれ変わらせたリフォーム
via suvaco.jp
「SUVACO」に掲載されているリフォーム事例です。築80年の古民家を改修し、既存の「通り土間」と「光庭」を生かした味のある空間へ。間取り変更や部分的な補修、設備交換などを行いました。
築140年の古民家がモダンに大変身!耐震・断熱も◎ なリフォーム
「住友林業のリフォーム」に掲載されている、築140年の古民家リフォーム事例です。耐震や断熱工事、間取り変更などを行いました。大きな梁を生かしつつも、モダンなデザインでまとめ、費用は約3,600万円です。
【関連リンク】おしゃれなリノベーション事例はこちらもチェック!
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壁の一部の色や素材を変えるアクセントウォールを使ったリノベーションを紹介。比較的簡単な工事で、印象を大きく変えられるのが魅力です。LDKや玄関などにアクセントウォールを使用した事例が豊富に紹介されています。
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リフォームと建て替えは、それぞれメリットとデメリットがあり、どちらを選ぶか判断が難しいもの。費用や必要な工事について具体的に知りたい人はぜひ「カシワバラ・コーポレーション」にご相談ください。住宅の状態や、ライフプランに合わせた最適な住まいを提案いたします。
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