遊び心あふれるスケートボードアートの作品の世界/CIRCLE of DIY VOL.26

全国各地で活躍するDIYerたちとその作品を訪ねる本企画。今回は、スケートボードアーティストとして活躍されるトミーさんこと、オオトミヤスヒロさんにその作品と、それが生まれる工房の中をご案内いただきました。

遊び心あふれるスケートボードアートの作品の世界/CIRCLE of DIY VOL.26

街での気軽な移動手段として、そして本格的な技を競う合う競技としても、人気が高いスケートボード。風を切るスリルや爽快感と、どんな場所でも楽しめる手軽さがなんとも魅力的です。そんなスケートボードを使って、様々な作品を生み出しているアーティストがいると聞き、さっそく千葉県は市川市へと向かいました。

誰も持っていないアイテムが欲しかった

笑顔で出迎えてくれたトミーさん。奥には、ご自身で作った提灯が。よく見ると、上輪と下輪部分がスケートボードの素材で出来ています。

工房のいたるところに、作品が置かれていました。カラフルなストライプが特徴的です。

-とても素敵な作品ですね。一体、どんなきっかけで作りはじめたのか教えてください。

「はじめは、普通のスケーターだったんです。歴は15年くらいになりますかね。でも、毎日スケートボードの練習をしていると、デッキ(ボード)部分の傷みが激しくって。いちいち買い直すのも面倒なので、自分で作ってしまえ、とリシェイプをしはじめたのが5年程前になります。うちが自動車の整備工をやっているので、何かを修理したり、作ったりすることは得意なんです。そこからスケートボードを使ったDIYに関心を持ち、いろいろと作るようになりました。最初は、“人が持っていないオリジナルのアイテムが欲しい!”と思って車のキーホルダーなどを作っていたのですが、徐々に知り合いから、あれも作って欲しい、これも作って欲しいといった依頼が入るようになりまして、今に至ります」

-トミーさんの作品は、色付きの板が何層も重ねられたデッキの断面を活かしたスタイルのモノが多いですが、その着想はどこから得たのでしょうか?

「海外のDIYのアイデアとかは参考にさせていただきました。あとは、それであえて和風の作品を作ってみたり、ニスの種類を変えてみたり、いろいろ試行錯誤しアレンジをしています。依頼をいただいた方と一緒に考えたりもしていますね」

自動車の整備会社を営む実家の2階の一部を工房として使っています。もちろんこちらもトミーさんがDIYして作ったそうです。

作業用のイスもスケートボードで作られていました。

設計は、0.0ミリ単位までこだわる

-どうやってスケートボードがこのような作品になるのでしょうか。製作過程を教えて下さい。

「まずは、スケートボードの調達からですね。これは、スケーター仲間や、知り合いのショップなどから譲ってもらっています。作品を作る前には、設計図を描き、細かい作りなどを確認していますね。後の工程になって、微妙に大きさが合わないと困るので、ミリ単位までしっかり決めてから作業にとりかかった方が効率がいいんです。この後の工程は、どんな作品を作るかによって変わりますが、大まかな流れとしては、板を形を揃えて切り出して、固定し、接着剤でとめます。しっかり固まったら、機械で形を整え、ニスを塗って仕上げます。基本的には何でも作れますよ!」

-トミーさんの作品はどうすれば手に入るのでしょうか。

「ご依頼を受けて作ることがほとんどですね。大体のイメージを伝えていただき、一緒にデザインを考えたりもします」

工房の前には山積みのスケートボード。

設計図は、ミリ単位まで誤差が出ないようにしっかりと書き込まれていました。丁寧な仕事ぶりがうかがえます。

8枚前後のベニヤ板が圧縮されているスケートボードのデッキ(ボード部分)。

作品にあわせてスケートボードの板を同じ大きさにカットします。

カットした板を接着剤をC型クランプで固定し、接着剤でつなぎ合わせます。

こちらは、木材を固定し、回転しながら削っていく旋盤(せんばん)という機械。

木材に穴を開けるために使用するホルソー。工房内には様々な大きさのものが置かれていました。

固定作業に欠かせないクランプ。

糸鋸で板を削っていきます。

湾曲しているスケートボードの板をきれいに削るためには、集中力が欠かせません。

トミーさんの作品が実際に使われているお店があると聞き、同じく市川市に店を構える、ニューヨークスタイルのピザ屋「YAMA PIZA」へと移動しました。

お店自体もスケーター仲間でDIY!

市川駅から徒歩5分くらいの場所にあるYAMA PIZA。さっそく入り口からトミーさんの作品が出迎えてくれます。

同じ作品の裏面。使い込まれた感じが素敵な味わいを醸し出しています。

ピザの美味しそうな匂いが漂う店内。カウンターに並べられているイスがトミーさんの作品です。

-とても素敵な内観ですね!

(YAMA PIZA店長の山本さん)「どうもありがとうございます!実はこのお店自体も、仲間でDIYして作ったんですよ。もちろんトミーくんにも手伝ってもらいました」

(トミーさん)「そうそう。みんなで壁とか塗ったなぁ。スケーターが揃えば、家が建つってことが証明できましたね(笑)」

-トミーさんの作品もとても内観と馴染んでいます。

(トミーさん)「店長の山本さんとは長年のスケボー仲間で、今年の6月にお店を開くと知って僕の作品も置かせてもらうことしたんです。やっぱりスケボー好きが作るお店なので、店内に置くものもスケボーにちなみたいなって。この椅子は沢山の板を固定して繋げる作業が大変でしたが、お店にとても良くマッチしたので、よかったです」

(山本さん)「僕もとても気に入ってますよ。実際にお客さんから“このイスいいね!”ていうお声も頂いています」

それぞれ似ているようで、色合いが微妙に異なるイス。よくみると足掛け部分の先にもスケートボードの木材が。細かい部分も遊び心満載です。

DIYとは、“自分のやりたいことを自由にやること”

-今後、トミーさんが作りたいものについて教えて下さい。

「いろいろありますが、音楽とコラボしてみたいです! スピーカーとか作ってみたいなぁ。スケートボードと音楽は文化的にも切っても切り離せないものですからね。僕自身も作業中、よく音楽を聞いてますし。あと、欄間も気になります」

-欄間とは、あの和室で見かける天井と鴨居の間の…?

「はい。ああいった細やかなデザインをスケートボードで作ったらどうなるのかなって。和のデザインをいろいろ勉強してみたいですね。今作っているものは、スケートボードと何かを組み合わせるパターンの作品が多いのですが、最終的にはスケートボード100%で何かを作れたらいいなぁ」

-本日はいろいろありがとうございました。最後にトミーさんにとってDIYとは何か教えて下さい。

「“自分がやりたいことを自由にやる”ってことですかね。移動手段がとしてスケートボードに乗るのと同じで、気に入るものがなかったら作ればいいし、気になることがあればやってみればいいんだと思います。そういった自由な精神が大事なんだと思います」

トミーさんの作品を紹介

カラフルな色合いが素敵なキーホルダー。

和風の長椅子。畳などといった和の素材とも絶妙にマッチしています。

ストライプが美しく浮き上がる行灯。板を薄く同じ厚さで切り出すなど、高い技術が要求される作品です。

ポップな作品から、渋い和の作品まで。トミーさんが作るスケボーアートの世界は、とても表情豊かなものばかり。世界に一つだけの作品というところも素敵ですね。これからどんな作品が生まれてくるのか、期待が高まります。

INFORMATION

TOMMY

Mail:jobless@gmail.com
Instagram:https//www.instagram.com/docomotm/
YAMA PIZZA

千葉県市川市新田4-18-20
17:30-22:30
月曜定休
090-9366-5401
Instagram:https://www.instagram.com/yama_pizza/

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