作り手が心を込めて仕上げる、最高のモノ作り。〜HERZ〜/CIRCLE of DIY Vol.14
全国のあらゆる場所から各々のDIYを発信する人々を紹介し、大きな“CIRCLE=円”を作ろう!という本連載。今回は鞄の裁断から縫製まで全て自分達の手で作り上げる手作り革製品工房HERZをピックアップしました。
公開日 2017.03.31
更新日 2022.01.07
ーHERZの商品ができるまでの流れを教えてください。
(根本)「素材である革や金具類のパーツを仕入れてからは、商品として並ぶまでをここで行っています。特に変わったことはなくいたってシンプルではありますが、例えば持ち手は彼で、ポケットは彼女に、といったパーツ毎での分担作業は行わずに、裁断以外の工程はそれぞれの作り手が1つ1つ責任持って仕上げています。これしか作れないということはもちろんないですが、作り手それぞれに得意なバッグがあったりするのも面白いところ。今工房で働いている女性のスタッフが2名いるのですが、彼女たちは女性ならではの繊細さや細く器用な指先を活かして、小銭入れなどを作っています。硬い革の大きいバッグを作るときは片手で支ながら縫製を行うので、そういう作業は力の強い男性スタッフが行なうことが多いですね。商品の作り方そのものはとてもシンプルに設計されているということもあり、作り手同士口頭で『あそこの部分はこれで、ここはこれでさ』というような会話をしていると頭の中に同じイメージが共有できるんです。それは、商品が違うモノでも同じスピリットで一本筋の通った“HERZとしてのモノづくり”のベースがあるからです。そして僕たちはそれをとても大切にしています。だからというわけではないのですが、商品が500型以上もあるんです。特に廃盤という考え方はなくて、新しいものが生まれたらどんどん増えていきます。しかし、このままだと年々カタログが分厚くなってしまいますね(笑)」
パーツの取り付けや細かな仕上げもすべてこの工房で行います。
ー1番のこだわりを教えてください。
(根本)「もちろん手作りであることもそうですが、1番は素材である革。HERZで使っている革は染色は行っていますが、素あげに近く、革そのものに表情がある物を使用しています。具体的には、同じ物で同じように染色しても厚みや筋など、生きてきた個体差でムラがある、よく言えば表情豊かな物、革ならではの魅力がある物を選んでいます。しかしながら、それをそのまま紡げばいいということではなく、できるだけ特徴を活かしたうえで、どういう風に紡げば均一に見えるだろうか?とか、どういう風にパーツを取ればいいだろうか?というのは特に考えるところであり、こだわっている部分です」
小さな革からハンマーで型を取る女性スタッフの作り手。
片手で力強く支えながらしっかりと縫い上げていきます。
ーそれは商品の魅力にも通ずるところがありそうですね。
(根本)「まさにおっしゃる通りで『一生使えるモノを作りたい』というコンセプトにも繋がってくるのですが、HERZで使っている素材や作り方は“ワイルド”。シンプルに素材を活かし、縫製も太い糸を使って広いピッチでガシガシと縫い合わせていく物がメイン。強くてしっかりした素材をできるだけシンプルに形作る、そうすることで長く使っていく中で、仮にほつれてしまったり、破けてしまったところも、作り自体が複雑でない分修理もしっかりと行えるんです。先日も20年以上愛用していただいた鞄の修理を頼まれたのですが、そういうお客様に出会えた時は嬉しさもひとしおで、どんな状態になっていたとしても、『よしっ絶対に直してやるぞ!』という気持ちになりますよ(笑)」
スタッフおすすめの3アイテムをご紹介。
口枠構造が特徴的なボストンバッグ/Lサイズ。V-103 ¥69,120(税込)
柔らかなフォルムとハードでタフ質感がたまらない。リュック。R-11 ¥64,800(税込)
ギャジットのデザインを受け継いだ伝統のカメラバッグは、相棒としていろいろなところに連れて行きたい。N-108 ¥45,360(税込)
1点1点丁寧かつ思いを込めて作り上げていくHERZのアイテムたち。レザークラフトに挑戦してみたいという方は、ぜひ一度のお店に足を運んで手にとってみてください。きっとそのクオリティの高さにあなたのDIY精神も感化されると思いますよ。
SHOP DATA
HERZ 本店
創業40周年の節目に、東京・表参道にオープンしたHERZ最大の旗艦店。ワンフロアの広々としたお店の奥に併設された工房からは、ミシンやハンマーの音が響き、日々生まれる作りたての鞄と製作現場を間近に感じることができます。
創業40周年の節目に、東京・表参道にオープンしたHERZ最大の旗艦店。ワンフロアの広々としたお店の奥に併設された工房からは、ミシンやハンマーの音が響き、日々生まれる作りたての鞄と製作現場を間近に感じることができます。
住所:東京都渋谷区神宮前5-46-16 イルチェントロセレーノB1F
電話番号:03-3406-1471
営業時間: 11:00-19:00
定休日:水曜日
URL:https://www.herz-bag.jp
電話番号:03-3406-1471
営業時間: 11:00-19:00
定休日:水曜日
URL:https://www.herz-bag.jp
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Japan
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