ペットに優しい家のリフォーム方法とは?快適な暮らしを提供

「ペットと快適に暮らせる住まい」へリフォームする方法を紹介します。犬・猫などペットの種類ごとに、適切なリフォームを行うためのポイントをまとめました。ペットに優しい家をリフォームでつくりたい人は、ぜひ参考にしてください。

2023.04.14

ペットを飼っていると、「床がすぐに傷ついてしまう」「暖房を入れると抜け毛が舞ってしまう」などのトラブルが発生することもあります。現在リフォームを検討されている場合は、そうしたトラブルを防止するためにも、ペットに優しい設備や施工を取り入れてみてはいかがでしょうか。
この記事では、ペットが快適に暮らせる床・壁のリフォーム方法や、動物の習性に合ったリフォームのポイントなどを紹介します。犬や猫を飼っている人や、ペットとより快適に暮らせる住まいを目指したい人などは、ぜひ参考にしてください。

ペットが快適に暮らせる床材のリフォームとは?

ひと口に「ペットに優しい家をつくる」といってもさまざまな方法がありますが、近年では特に、床材のリフォームが人気を集めています。ペットが家の中を走り回ったりおもちゃで遊んだりしても、床に爪の跡や細かい傷などを付けづらくできるからです。

また、冷たい空気は床付近へ、暖かい空気は天井付近に溜まりやすい性質を持ちます。小さなペットは行動範囲が地面により近いため、空気の冷たさを感じやすくなります。床材をリフォームすることで、こうした事態にも対処可能です。

まずは、ペットが快適に暮らせる床材の代表的なリフォームについて解説します。

傷がつきにくい床材にする

床材は、どの種類を選ぶかによって手触りや機能性などが異なります。ペットにまつわるトラブルを最小限に減らすためには、一般的なフローリングではなく、「傷付きにくい床材」や「滑り止め加工が施された床材」などを選ぶとよいでしょう。建材の劣化を防げるだけでなく、ペットの怪我や転倒防止の効果も期待できます。

例えばクッションフロアやタイルカーペットなどは、ペットを飼っている人にオススメの床材です。クッションフロアとは「塩化ビニールなどでできたシート状の床材」を指します。衝撃に強く、耐水性にも優れているため、汚れてもすぐに落とすことが可能です。

一方、タイルカーペットとは、パネル状にカットされたカーペットのことです。正方形になっているものが多いでしょう。1枚1枚のパネルをつなぎ合わせるようにして、自由な範囲に敷き詰められます。誰でも簡単に取り付けられ、「汚れた箇所を部分的に交換可能」というメリットを持ちます。加えて、滑り止め効果も高いため、ペットが転んで足腰を痛めるリスクを軽減できます。

床暖房を入れて寒さを防ぐ

暖かい空気は上昇し、寒い空気は下降します。つまり床に近い場所にいるペットは、冬の寒さを感じやすいということ。
また、冬場にエアコンなどを強めるとペットの抜け毛が温風で散らされます。これは、人間側にアレルギーを引き起こすケースにもつながります。

冬の暖房効率をアップしつつ、ペットや人間にとっても快適な空間をつくるには、床暖房の導入がオススメです。床暖房が設置できる床材は限られていますが、中には滑り止め機能がついたものや傷付きづらいものなど、「ペット向きの床暖房対応フローリング」もあります。床暖房を検討する場合は、あらかじめ業者に相談したうえで適切な床材を選ぶとよいでしょう。

ペットが快適に暮らせる壁材のリフォームとは?

壁材の張り替えも、ペットに優しい家をつくる代表的なリフォームです。「ペットの爪とぎやいたずらなどで傷が付き、壁材の劣化が早まってしまう」といったケースは多く見受けられます。
ペットを部屋に放し飼いにしている人や、家を空ける頻度が多い人などは、こうした事態を防ぐためにも、あらかじめ耐久性に優れた壁材を導入するとよいでしょう。ここでは、ペットによる傷や汚れに強い壁材のリフォームについて紹介します。

耐久性に優れたクロスの腰壁にする

代表的な壁材であるクロスには、「機能性クロス」と呼ばれる機能性に優れた種類もあります。機能性クロスには調湿や消臭などさまざまなタイプがありますが、ペットに適しているのは「スーパー耐久性クロス」です。一般的なクロスの約10倍の耐久性があり、汚れにも強いため、ペットの引っかき傷をしっかりと防止できます。
また、「傷が付きやすい部分にだけ腰壁を導入する」という方法もオススメです。
腰壁と呼ばれているのは、クロスとは別素材の壁材で「床から腰ほどの高さに施されるもの」を指します。傷に強い板張りやレンガなどが一般的で、デザイン性にも優れることから、ワンランク上の内装を目指したい人や、落ち着いた内装に仕上げたい人などにも適しているでしょう。

悪戯されても気にならない壁紙にする

犬や猫などを飼っていると、目を離した隙に壁にいたずらをされてしまうこともあるでしょう。それらを完全に防ぐのは難しいため、機能性クロスでなくても、あらかじめ強度の高い壁紙を選んでおくと安心です。例えば、「表面に加工を施したビニールクロス」「不繊維の輸入壁紙」などは、一般的なクロスよりも傷が付きづらく、耐久性に優れています。
特に不繊維の輸入壁紙は、個性的な柄や高級感のあるデザインが人気を集めており、ほかとは違うユニークな部屋をつくりたい人や、アクセントクロスを導入したい人などにオススメです。一般的なクロスと比べると材料費や施工費用は割高ですが、効果的に使用することで住まいの雰囲気を一新できるでしょう。

ペットの悩みや習性ごとのリフォームポイント~犬編~

ペットの種類によっても、住まいに取り入れるべき設備や資材などは異なります。まずは「犬を飼っている人」に向けて、犬の習性に合ったリフォームのポイントをまとめました。

防音効果で足音や鳴き声を抑える

「人の気配やインターフォンなどで犬が吠えてしまう」「興奮すると部屋の中を走り回ることがある」といった場合は、防音リフォームが適しています。犬の鳴き声や足音などを、外に漏れづらくすることができるでしょう。

住宅の防音性をアップする一般的な施工方法は、床や窓の変更リフォームです。床材に合板フローリングを用いる場合は、業者と相談しながら条件に合う遮音フローリングを選んでいきます。無垢フローリングを用いる場合は、基本的に、防音性の高い下地材を導入する必要があります。

窓のリフォームで防音性を高める場合は、内窓の設置が効果的です。二重窓にすることで犬の鳴き声を周囲に聞こえづらくするだけでなく、住宅の遮熱機能をアップする効果も期待できます。家の中を一定の温度に保ちやすくなるため、ペットにとって快適な環境をつくりやすいでしょう。

飛び出しや脱走を防止する門扉を設置する

犬を飼っている人にとって、住宅のエクステリアは脱走や飛び出し事故などを防ぐ重要なポイントです。玄関と道路の間に壁や門扉などを設けていない場合は、玄関ドアの隙間から犬が飛び出し、怪我・事故を招きかねません。例えば、「興奮して外に飛び出した犬が、通行人に怪我を負わせてしまう」といった事態も起き得るでしょう。

犬の脱走や飛び出しを防ぐには、敷地内を十分な高さのフェンスで囲ったり、敷地の出入り口に門扉を設置したりするリフォームがオススメです。フェンスが低過ぎたり、下に隙間ができたりすると脱走の原因になるため、犬の大きさや種類に合わせて設備を選んでください。

遊び場として使う庭やガーデンスペースを設置する

庭やガーデンスペースにちょっとした遊び場があると、犬を適度に運動させられます。ペットの遊び場はどこでもよいわけではなく、大人の目が届きやすいリビングやキッチンなどの近くが理想的です。

また、サンルームやウッドデッキなどの増設を検討している場合は、それらをドッグランも兼ねたスペースにするのもオススメです。子どもの遊び場やアウトドアリビングなどを、犬も遊べるエリアとして改修することで、新たに空間を確保する手間・労力を省けます。

ペットの悩みや習性ごとのリフォームポイント~猫編~

猫は高い場所に登ったり爪をといだりするため、犬のケースとはまた違ったリフォームを行う必要があります。ここでは、猫を飼っている人に向けて、取り入れるべき設備やオススメの施工などをまとめました。

悪戯防止として網戸を張り替える

猫は網戸を引っかいて穴を開けてしまうことがあります。既存の網戸ネットは、あらかじめリフォームで変更しておくと安心です。
ステンレス製の網戸ネットなら耐久性が高いため、猫の爪が当たっても破れたり、網目がずれたりしづらいでしょう。猫が出入りする部屋だけでも網戸を張り替えておくと、脱走などのリスクを軽減できます。

また、網戸を取り外しておく方法もありますが、風通しを確保しづらくなります。さらに窓を開けておきづらくもなるため、猫の熱中症リスクが高まってしまう危険があります。やはりリフォーム済みの網戸などによって、外気を取り入れるほうが望ましいでしょう。

キャットウォークを設置して運動不足を解消する

高い場所を好む習性がある猫にとって、キャットウォークは不可欠な設備と言えます。特に室内飼いの猫は運動不足になりやすいため、小規模でも「上下運動を行える設備」を設けるのが理想的です。

キャットウォークの設置で重要なことは、「飼い主の手が届く高さに設置すること」です。天井に届くような高い位置にキャットウォークを設置すると、掃除ができなかったり、視線が届きづらかったりと、不具合が生じる場合もあります。吹き抜けや天井付近のスペースを利用する場合は、設置位置を慎重に決めることが大切です。

猫にも飼い主にも優しい猫扉を設置する

猫扉(ペットドア)とは、壁やドアなどに、猫がくぐれるサイズの穴を開けてつくった「猫用の出入り口」です。猫扉を設置すれば、猫のためにドアを開けておいたり、猫が部屋を行き来するためにドアを開け閉めしたりする必要がありません。
また、猫がドアノブを無理やり引っかくリスクも軽減され、猫にとっても飼い主にとっても安全性や快適性をアップできます。今日では、のれんのようなカバーがついているタイプや、フレームだけのタイプなどさまざまなバリエーションがあります。猫のサイズ・用途・状況に合わせて、最適なものを選びましょう。

ペットを飼っていると、住まいに求める条件や優先順位なども変わってくるものです。壁材・床材・暖房設備・防音性といった要素に着目しつつ、適切なリフォームを行えば、ペットとより充実した時間を過ごしやすくなるはずです。住宅自体の環境をペットの習性にも合わせて、リフォーム内容を検討していきましょう。
ペットと生活しやすい環境をつくるリフォームを検討している人は、「カシワバラ・コーポレーション」にお気軽にご相談ください。

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DIYer(s)

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