オフィスにピッタリな観葉植物は?オシャレで丈夫な植物の選び方や注意点を解説

オフィスに観葉植物を置くと、眼精疲労の緩和や快適性の向上などの効果が期待できます。本記事では、観葉植物をオフィスに置くメリットを具体的に紹介し、オフィス向きの植物の種類や特徴、育て方のコツも解説しますので、ぜひ参考にしてください。

2020.05.22

インテリアとしての人気が高い観葉植物は、オフィスでも発揮されるいくつもの効果があることをご存知でしょうか。空気の清浄作用から生産性の向上まで多岐にわたります。本記事では、観葉植物の効果を具体的に紹介し、オシャレで丈夫な植物の種類や選び方、育てる上でのコツを解説します。ぜひ、あなたのオフィスにピッタリな観葉植物を見つけてください。

オフィスに癒し!観葉植物の効果をご存知ですか?

オフィスに置く観葉植物は、空間のイメージを変えるだけではありません。オフィス環境や、社員にどのような好影響を与えるのでしょうか。オフィスの癒しにつながる、観葉植物の効果を詳しく解説していきます。

オフィスの空気がキレイになる!

はじめに紹介するのは、観葉植物の空気清浄作用です。室内の空気には、建材や家具から出るホルムアルデヒドやトルエン、キシレンといった有害物質が含まれていることがしばしばあります。それら有害な化学物質と細菌やカビ、一酸化炭素や二酸化炭素が複合的に影響して、シックハウス症候群の原因になります。
シックハウス症候群になると、目や鼻、のどに刺激を感じ、涙や咳が出たり、頭痛や湿疹などが出たりします。症状の出方には個人差も大きいので、自分は問題ないと思う環境でも、ほかの人はこれらの症状に悩まされているかもしれません。
シックハウス症候群の発生を抑えるために注目されているのが、観葉植物の空気清浄作用です。聞いたことはあるけれど、オフィス内で本当に効果があるのだろうか?と思う人もいるかもしれません。嬉しいことに、観葉植物にホルムアルデヒドを浄化する作用があることは、オフィス内で行われた実験でも実証されています。
こうした効果は、造花やフェイクグリーンにはありません。オフィス内の空気が良くないと思われる場合は、解決策として観葉植物を置くことを検討してみましょう。

オフィスの快適性を左右する湿度調整効果

オフィスの快適性に関する効果として、室内の湿度を調整する機能もあります。エアコンの使用により乾燥しがちな空気に、適度な湿度を保たせてくれます。
理科の授業で、植物の「蒸散」について学んだことを覚えていませんか?蒸散とは、植物が根から吸い上げた水分を、葉の裏側にある気孔という穴から空気中に水蒸気として拡散する働きです。なお、植物は周りの湿度によって蒸散させる水分量を変化させるので、極端に多く置かない限り、湿度が過剰になることはないでしょう。
しかも、加湿器だと、水分に雑菌や水垢が含まれることが懸念されますが、観葉植物ならそういう心配は要りません。

目の疲れや心理的ストレスを改善する効果も

観葉植物が持つメリットは、まだまだあります。観葉植物を見ることで、コンピューター画面などを見ることによる眼精疲労が軽減されることが、研究により実証されています。
また、前述した湿度調整機能により、ドライアイの軽減も期待できるでしょう。
そのほか、観葉植物には、生理・心理的効果があることも分かっています。観葉植物が視界に入っていると、ストレスを感じると分泌するホルモンであるコルチゾールが減少する、という研究結果もあります。

やる気・モチベーションの向上にも効果あり!

落ち着いて仕事に向き合えることは、非常に重要なことです。心理的ストレスの軽減は、オフィスで働くメンバーのやる気やモチベーション、生産性の向上にもつながります。また高いモチベーションで働けると、仕事に対する満足度や幸福度も高まるでしょう。
リラックスしている時に、よいアイデアが浮かんだという経験はないでしょうか?デスクの上にちょっとした植物の鉢を置いておくだけでも、変化があるかもしれません。

観葉植物の効果を引き出すために押さえておきたい「緑視率」とは?

では、ただやみくもにオフィスに観葉植物を増やせばよいかというと、そうでもありません。街中では緑が多くて困ることはあまりないかもしれませんが、オフィスでは観葉植物が多過ぎると、作業の邪魔になったり、通路が狭まり歩きにくくなったりといった不便も生じます。
そこで重要になるのが「緑視率」ですが、聞き慣れない人もいるかもしれません。緑視率とは、人の視界における草木、すなわち緑の多さを計る割合のことです。2013年に大阪府が実施した都市景観に関する調査では、緑視率=(緑の面積)÷(撮影範囲)という式で算出しています。
実際、オフィスではどの程度の緑視率が望ましいのでしょうか。研究によると、緑視率が10~15%の環境にいる時、人はストレスが減り、パフォーマンスが最も向上するという結果が出ています。

観葉植物をオフィスに置く際は、この数値を意識すると観葉植物の効果を最大限に引き出せるでしょう。

何を飾る?オフィスにオススメの観葉植物は?

観葉植物にはさまざまな種類があり、葉の色、大きさ、育てやすさも違います。サイズごとにオススメの種類を紹介するので、自社のオフィスにどの観葉植物が合うか検討してみてください。

大鉢タイプの観葉植物

鉢が9号・10号サイズで、高さが80cmを超える大型サイズの観葉植物は、存在感が抜群です。緑視率を大幅に向上させるだけでなく、空間を緩やかに間仕切る緑のパーテーションとしても活用できます。ではさっそく、大鉢タイプでオススメしたい植物の特徴、大きさ、育て方のコツを見ていきましょう。

まずはアマゾンオリーブ。グァバやグローブと同じフトモモ科で、うねりながら成長する白い幹と、よく茂る葉が特徴です。高さ2m以上に成長します。生育が早いので、時には選定が必要になるかもしれません。耐寒性がありますが、およそ5度の気温は必要です。
水を好む種類なので、たっぷりと水をあげましょう。観葉植物全般にいえることですが、受け皿にあふれた水は捨ててください。枝が垂れてきたら、水不足のサインです。風水では社交運や仕事運につながるとも言われています。
ドラセナ・パラオは、まっすぐと伸びる太めの幹の上部に細い葉が広がる、特徴的な見た目をした植物です。流通が少ない種ですが、育て方は簡単。日光が当たる場所に配置し、土が乾いたら水をあげましょう。ただし、真夏の直射日光は葉にとってダメージになるので避けてください。冬の水やりは控えめにし、土が乾いて3日たってからにします。暖かい時期に半月に1度ほど液体肥料を与えると、育ちがよくなります。

小鉢で販売されているのを見かけるガジュマルも、大型に成長する植物で、鉢植えでも高さ2m前後になることもあります。幹から気根が伸びてくるのが特徴です。幹の形状に大きな個体差があるため、選びがいのある植物といえるでしょう。
手入れはそれほど難しくなく、日当たりのよい場所に配置し、土が乾燥し過ぎないくらい定期的に水をあげれば大丈夫です。できれば毎日葉に霧吹きで水をあげると乾燥や害虫を防いで、より元気に育つでしょう。
インドボダイジュは、仏教の三大聖樹の一つとされています。クワ科の植物で、細く伸びる枝にハート型の葉を付けるのが特徴です。市販のものでも、高さは2m以上に成長します。日照不足に陥ると、せっかくの特徴である葉を落とすので注意が必要です。また、どの植物にも大抵言えることですが、エアコンの風が直接当たる場所は避けてください。
水やりの頻度は、土が乾いている時にあげる程度で問題ありません。霧吹きで葉水をやるといいでしょう。冬場はやや乾燥気味くらいにします。与える水が冷た過ぎると根が傷むので、できるだけ室温に近い水をあげましょう。

中鉢タイプの観葉植物

続いて、7号・8号サイズの中型観葉植物を紹介します。

ベンガレンシスは、インドに自生する植物で長寿の木とされています。葉の形状は丸みを帯びていて、幹が成長にしたがい白くなっていきます。育て方はシンプル。多くの観葉植物と同じように、日当たりのよい場所で育て、土が乾いたらたっぷり水をあげましょう。肥料は、生育期である春~秋にあげてください。剪定すると白い液が出てきますが、かぶれることがあるので触らないほうが無難です。
パキラは5枚葉が特徴的な、観葉植物の定番品種です。丈夫な種類のため、初心者にもオススメ。日陰でも育ちますが、その場合水やりは控えめにしてください。なお、日照不足になると、枝が細く伸びたり葉が落ちたりすることがあります。
掌状の葉が美しいパキラですが、形が悪い葉が伸びてくることも。剪定することで形のよい葉を徐々に増やしていきましょう。

カンボジアーナは、直線的に伸びる幹の上にたくさんの細い葉が広がる東南アジア原産の植物です。人気がありますが、流通量は少なめです。日当たりと風通しを好み、葉の変色は日照時間が足りていないサインなので注意してください。熱帯の植物なので、できる限り10度を下回らない室内で育てましょう。霧吹きで葉水をあげ、ティッシュで葉の汚れを拭き取ると、より美しい姿を保てます。
ウンベラータは、観葉植物として注目が高まっている熱帯アフリカ原産の植物です。ハート型をした大きな葉や、曲線を描くように成長する独特な幹が人気の理由。明るい場所を好みますが、夏場の直射日光は葉を黒く変色させる恐れがあるので避けましょう。やや寒さに弱く、室温は8〜10度以上を保つ必要があります。水やりは、これまで紹介した観葉植物と同じで問題ありません。

野外向けの観葉植物

最後に、オフィスの外でも育てられる観葉植物を紹介します。
地中海地方の樹種を代表するオリーブは、葉の色や枝に独特の雰囲気があり、観葉植物としても人気を集めています。細長く小さな葉を無数に付け、5~6月にかけてキンモクセイに似た花を咲かせます。日当たりのよいバルコニーや軒先などで育てるのにぴったりです。湿気に弱いので、土には水はけのよいものを選びましょう。

オーストラリア原産のユーカリは、ハート型の葉が特徴です。葉に爽やかな香りがあり、形や色も相まって、切り葉としても高い人気を誇ります。寒さや乾燥に強い一方、夏の高湿度はやや苦手。そのため、風通しのよい場所を選んで配置しましょう。水のやり過ぎも要注意です。ちなみに冬に葉が赤くなることもありますが、異常ではありません。
南国らしさが漂うソテツは、沖縄や東南アジアに自生する植物で、5mほどに成長します。ただし成長スピードはかなり遅いので、欲しい高さのものを買いましょう。特徴は、太い褐色の幹と、その上部に広がる厚くて光沢のある羽状の葉です。寒さに弱く、越冬するには幹にわらを巻くなどの防寒対策が要ります。水やりは、土が乾いたタイミングで問題ありません。

シマトネリコも沖縄や東南アジアに自生する常緑樹です。光沢のある深緑の葉と、細身の幹が涼しげな印象を与えます。日光を好みますが、半日陰でも十分に育ちます。乾燥させ過ぎないように気を付けて、定期的に水をあげましょう。成長が速いので一年に一度は剪定してください。
お好みの観葉植物は見つかりましたか?観葉植物にはレンタルサービスもあります。まずは試してみたいという人は、利用してみましょう。多くの時間を過ごすオフィスの環境を快適に整えることは非常に重要です。これを機に、ぜひ観葉植物の導入を検討してみてください。

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