塗装職人とアーティストの魂が融合! 水性塗料による壁画が完成!

DIYer(s)編集部の出羽です。日々の営業活動をブログでお届けしています。

公開日 2019.03.05

更新日 2019.03.05

塗装職人とアーティストの魂が融合! 水性塗料による壁画が完成!

舞台は、DIYer(s)がかねてから注目している東京都千代田区にあるアートセンター「3331 Arts Chiyoda」。アーティスト、佐々木耕成の作品を壁画として再現するため、関東エリアの「ダイヤモンドコート」加盟塗装施工店から10人を超える塗装職人が集結するとのこと、駆けつけてきました!

美術家・佐々木耕成とは

美術家・佐々木耕成(1928〜2018)。「漂流画家」「変革の煽動者」ともいわれた彼は、1960年代に前衛芸術運動の最前線で活躍し、その後70年代に渡米。80年代に日本に帰国した当時は美術界との関係を一切絶っていたが、1990年頃からは群馬に居を構え、制作活動を再開していた。そして、2018年に美術家としての生涯を終えるまで筆を持ち続けていた。今回、その作品や生き様を通して強烈なメッセージを放ってきた彼の作品が、塗装職人の技により再現壁画として蘇りました。

まずは綿密な下準備から。

壁画を制作するのは、1階から2階にかけた階段の壁2面。それぞれサイズは高さ約3.6m× 横幅7m。まずは、キャンバスとなる壁面の汚れや凹凸をなくし、下地を塗っていきます。

1階から踊り場までの階段壁面には、青を基調とした「作品 #53」、そこから2階へと続く壁面には「無題」を描いていきます。

塗装前の準備段階として、まずは画面構成から。壁画として拡大した時をイメージしながら作品を合わせ、構成していきます。

塗装前の準備段階として、まずは画面構成から。

壁画として拡大した時をイメージしながら作品を合わせ、構成していきます。

構成が決まったら、次に下絵となる原画の裏塗り作業。別の作業スペースで、協力されている東京藝術大学の学生を中心としたチームが制作されていました。1つの絵を縦に7分割し、それぞれをロール紙に出力。出力した絵を裏返して、絵のアウトラインをグラファイトクレヨンでなぞります。

塗りもらしがないように、アウトラインは太くとっていました。

裏塗りが完了したら、ロール紙を壁面にあて、ずれないように慎重に貼り合わせていきます。そして、今度は表面からアウトラインをなぞることで、裏面に描いた線が壁面に写る仕組み。

しかし、ロール紙を外してしまうと、どの線の間に何色を塗るのかが、とてもわかりづらいようで...

画面自体が大きくなると、全体像をとらえるのが難しくなります。

職人さんの卓越した調色技術に脱帽!

若干の不安を抱えつつも、いよいよ、塗装作業当日!職人歴25年以上のベテランから美大出身の若手まで、関東近郊の「ダイヤモンドコート」加盟塗装施工店から精鋭たち11名が集結!

いつもの現場とは違う作業に、職人さんも興味深そうに身を乗り出していました。

早速、プランを手に取り、作業の順番や調色、塗り面の確認などを行っていきます。今回使用する塗料は、このプロジェクトに協賛する日本ペイント株式会社による室内環境配慮形水性つや有り塗料「オーデコートGエコ」。有害物質を極力控えた、室内でも臭いがほとんど気にならない商品で、公共施設などでも多く用いられるものだそう。
塗装作業に入る前に、まずは塗料の色を確認。作品をできる限り忠実に再現するためにも、色の正確さは重要。基本色は事前に工場で調色し、一部の色は調色ができる職人が現場で調色。計量カップなどで数値をもとに調整するのかと思いきや...原本となる画集を見ながら、なんと経験値で測っていくから驚き!

「これくらいかなぁ」と言いながら、濃い目の青を少しだけ足して画集と比べてみると...

なんと!ジャストな色に!!!

調色エリアの横では、塗装作業が進行。「今日はいつもの現場と違うな〜」と言いつつも、スムーズに刷毛を滑らせ描かれるその線に迷いがありません。作品自体が直線的というよりも有機的な線で描かれているため、湾曲部分の角度や幅、線のエッジの取り方などコントロールが繊細なのは、この世に1点しか存在しない「作品」の再現ならでは。作業の途中、「やっぱり実物の作品を見て、線の引き方や雰囲気を確認したい」とのリクエストもあり、急遽作品倉庫から佐々木氏の作品を運び出し筆のタッチを確認する場面も。

いつもと違う作業もニコニコと楽しそうですね!

黒で線を引いた後は、刷毛だけでなくローラーも使って青や黄色の面を塗っていきます。

薄い部分が塗った直後。濃い部分は乾燥済み。乾燥後の色の変化まで予測した調色はプロフェッショナルのなせる技!素晴らしい!

そろそろ完成間近!細かい部分の修正も入念に!

揺らいだエッジも一筆で修正...!

匠の技。

う、美しい...。

もうすぐ完成です!

職人さんに聞いてみました。

職人の皆さんに今日の作業について聞いてみると、「普段は外壁塗装中心で、今日みたいにカラフルな色を扱うことは滅多にないから、楽しかったよ」「現場に来る前は『作品の再現』って本当にできるかちょっと不安だったけど、やってみるとなんだか誇らしいね」「アーティストの気持ちがわかってきたかも」という声が。
ちなみに、お話を伺ったこの道25年の職人さんでも「どの現場でも、いまだに心配はつきもの」のよう。0を1にする仕事にとって、試行錯誤やアクシデントは避けられません。そうなった時にどう対応するのかを常に考え、緊張感を持って現場に挑む姿は、ものづくりに携わる人のプロ意識の高さや誇りの現れと言えるのではないでしょうか。

午後5時。わずか6時間で2面の壁画が完成しました。

今回作業をされた職人のみなさん。

「精度の高さ」「スピード」そして、道具の使い方や身のこなし、現場を綺麗に保つことも含めた「美しさ」。職人の技は、制作された”もの”だけに注ぎ込まれているのではなく、その時間や過程にも宿っていることを改めて実感できました。
DIYer(s)ではプロではない一般の方々にもチャレンジしてもらえそうな情報発信も行ってきましたが、やはりプロのお仕事は特別で気高いもの。そんなリスペクトを忘れてはならないことを実感できた1日でした!

プロ仕様から普段使いのDIYまで。

今回使用したのは、建築建材屋内用でしたが、日本ペイントの家庭用ライン「ホームプロダクツ」では、0.7Lや3Lなどの使いやすい少量缶もありカラーバリエーションも豊富。広報担当者によると、「賃貸住宅でもホームセンターなどでボードを一枚買い、好きな色に塗り、壁に立てかけるだけでも部屋の印象を変えられますよ」とのこと。「下塗りは何回」「この塗料にはこの道具」といったルールは特に気にせず自由に楽しむのがDIYの醍醐味。換気だけは忘れずに!

アーツ千代田で今年もアートフェアが開催!

制作した再現壁画は、現在3331館内で見ることができます。3/6〜3/10には地下から屋上まで全館がアートに染まるアートイベント「3331 ART FAIR 2019」が開催。100名以上のアーティストによる作品が見られるほか、週末はフードマーケットやブックマーケット、そしてDIYer(s)でも何度も紹介している段ボールアーティスト・島津冬樹さんのコレクションを展示する「段ボールミュージアム@3331」も2日間限定で開催!この機会に、ダイナミックに描かれた再現壁画の迫力をぜひ実際に感じてみよう!

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DIYer(s)編集部の出羽健太郎です。広告営業と商品仕入れ担当。毎日の刺激的な出会いをブログで発信していきます。実はDIYとアウトドア初心者ですが、Do It Yourselfをポジティブかつ広義的に解釈し、そのカルチャーを伝播すべく日々奮闘。 使い捨て文明と消費社会に静かにアンチテーゼを投げかけます。最近は山の精神世界に傾倒、2019年の7-9月に黒戸尾根の登攀を目指しトレーニングをしています。

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