アウトドアライフを彩る“焚き火台”。初心者向け選び方のススメ

アウトドアライフに欠かせない「火」を扱う焚き火台には、さまざまなタイプがあります。ここではその基本的な知識や失敗しない選び方を解説し、具体的な焚き火台をご紹介していきます。逆四角錘型の焚き火台、箱型の焚き火台、ステンレスメッシュタイプなどから人気の高い焚き火台まで、使う人の好みやシーンを細かく考慮した、優れた焚き火台をご紹介します。ぜひあなたの焚き火台選びの参考にしてください。

公開日 2018.10.29

更新日 2022.01.07

アウトドアライフを彩る“焚き火台”。初心者向け選び方のススメ

キャンプといえばすぐに思いつくのが「焚き火」。想い出に残るキャンプを盛り上げてくれる必須アイテムです。ところが最近のキャンプ場では直火禁止が常識になりつつあり、地面から直接火を起こすことができなくなってきています。そこで大活躍するのが「焚き火台」。単純な構造のものから、さまざまな用途にも使える多機能なタイプのものまで、種類が豊富です。でもいざ購入しようとすると本当に迷ってしまいますよね。楽しいアウトドアライフを満喫できるように、焚き火台の基本的な知識を解説した上で、数ある焚き火台の中から選りすぐりの商品をご紹介していきます。

焚き火台の種類と特徴

焚き火台にはさまざまな種類があります。大きく分けると、逆四角錐型、箱型、ステンレスメッシュタイプ、それ以外のタイプです。逆四角錐型はオーソドックスなタイプで、比較的軽量小型なものが主流です。箱型は形状が大きなものが多く、多人数の使用に向いています。ステンレスメッシュタイプは焚き火自体を楽しむことに特化しています。そのままでは調理等には向きませんが、コンパクトで持ち運びに便利です。そのほかにも、さまざまな形状をした焚き火台が数多く開発されているので、自分の想定しているシーンに合った焚き火台選びをぜひ楽しんでください。

焚き火台の選び方

焚き火台選びで失敗しないためには、まずどれくらいの人数で使用するかをあらかじめ想定しておくことが重要です。
ソロ(1名)で使うのか、ファミリーで使うのか、それとも多人数のグループでの使用を想定するのか。使う人数でどんな焚き火台を選べばいいのかをある程度絞ることができます。使用目的にもよりますが、基本的には人数が多くなればなるほど大きな焚き火台が必要になります。使う人数が多い場合には、サイズの大きな焚き火台を選択しましょう。火力が十分に確保できるとともに、燃焼する面積が広いため、料理をするときにも便利です。

次に重視するのは焚き火台の形状です。キャンプ場によっては使用できない形の焚き火台があります。キャンプ場で「直火での焚き火禁止」となっている場合は、脚が付いていないタイプの焚き火台や、付いているが地面との距離が近過ぎるものは使用に向いていません。キャンプ場の芝生や地面を焦がしてしまうからです。もしも使う場所が特に決まっていないという場合には、直火禁止の場所が増えていることを考慮して、脚つきのものを選ぶといいかもしれません。また、脚なしタイプのものを選んだとしても、自分で台を用意するなどの工夫で場所を選ばず使えるようにすることも可能なので、どうしても脚なしのタイプを選んでみたいと思った方は、同時に直火禁止の場所で使うためのオプション品の購入なども検討するようにしましょう。

また、焚き火台選びは自分のキャンプスタイルによっても左右されます。車を使ってのオートキャンプ主体なのか、バイクでのツーリングキャンプをするのかで選ぶべき焚き火台は変わります。前者は積載量に余裕がありますので、多人数用の大型の焚き火台を選ぶこともできますが、バイクや自転車、徒歩での登山などの場合にはそうもいきません。特に焚き火台をバックパックに入れて持ち運びたいという場合には、軽量でコンパクトに収納できるタイプの焚き火台が求められるでしょう。

最後に、焚き火台の使用目的も大切です。焚き火台を純粋に焚き火を楽しむために使うのか、それとも調理器具として使うのか。大抵の焚き火台は両方を兼ねているのですが、中には調理に向いていない焚き火台もあります。また、その度合いにも注目してもらいたいのですが、より調理に便利なもの、ダッチオーブンなどの特定の調理器具と相性がいいもの、一度に3つの鍋類の調理ができるタイプなどもあります。あなたが焚き火をする目的は、単に焚き火を楽しみたいだけなのか、それとも焚き火で調理をしたいのか、その場合はどのように使いたいのか。そういった、焚き火を利用する場面を想定して候補を絞っていきましょう。

さて、ある程度焚き火台の候補を絞ったなら、あとは予算とデザインなどから自分に適したものを選ぶといいでしょう。とはいえ、焚き火台はいろいろなラインナップと魅力的なデザインの製品が次々と発売されていますので、ひとつに絞るのは本当に大変かもしれません。しかしアウトドアの楽しみは「道具を選ぶ」というステップにもあります。焚き火を使いたいシーンを思い浮かべながら、より使い勝手のいいお気に入りの焚き火台を選び抜いていただきたいと思います。

逆四角錘型の焚き火台

四角錐をさかさまにしたような形状の焚き火台です。この形はなんといっても燃焼効率がいいことと、接合部の安定感があるというのが特徴でしょう。大型サイズも数多くあるので、重たいダッチオーブンで本格的な料理をしたい、何種類かの鍋を置きたい、といった耐荷重性を求める人、また焚き火と調理を同時に行いたいという人にも向いています。また比較的軽いものが多いので、持ち運びが簡単な、調理器具も兼ねた焚き火台を探している方にもおすすめです。

1〜2名のキャンプシーンにぴったりピラミッドグリル【LOGOS(ロゴス)】

少人数のキャンプで焚き火台を気軽に使いたいときに活躍します。組み立てと収納はそれぞれわずか10秒で完了し、コンパクトにたためるので収納場所も選びません。手軽に焚き火を楽しみたい方にぴったりです。

大なべ料理やダッチオーブンにも対応可能なthe ピラミッドTAKIBI L コンプリート【LOGOS(ロゴス)】

薪を立てて燃やすこともできるピラミッド型焚き火台です。ゴトクの位置が絶妙で、燃料を縦にすることができるので火起こしもしやすくなっています。串焼きプレートが付属されているので、魚を串に通して炭火で直火焼き、ということも簡単にできます。表面積が広いのでダッチオーブン料理も使用できます。

オーブン料理もできる多機能なthe KAMADO コンプリート【LOGOS(ロゴス)】

焚き火でかまど料理ができてしまうのが最大の魅力。遮温カバーをかぶせて400度以上のダッチオーブン料理ができます。鍋釜もセットできるので鍋料理も。立った姿勢での調理がしやすいように高い位置に脚を調節できます。

開いたらすぐに使えるシンプルさが魅力の焚き火台【snow peak(スノーピーク)M】

一生使える焚き火台と評価されるほど、堅牢性が高い信頼できる焚き火台です。もちろん使いやすさも一級品。重量が約5kgなのでツーリングには向きませんが、オートキャンプでは焚き火・調理と場面を問わず長く付き合える焚き火台になるでしょう。

ソロキャンパーにおすすめの焚き火台【snow peak(スノーピーク)S】

snow peak(スノーピーク)の焚き火台の堅牢性はそのままに、バイクツーリングでも使えるサイズです。折りたたみや展開が非常に楽で、小さくたためるのでツーリングバッグにも寝かせて入れやすくなっています。

ファミリーや仲間で賑やかに囲みたいヘキサステンレスファイアグリル【CAPTAIN STAG(キャプテンスタッグ)】

複雑な形状に見えますが、組み立ても折りたたみも非常に簡単です。特筆すべきは、そのサイズ感。ファミリーや仲間とともに大勢で火を囲んで多くの料理をこなすことができ、ソロユースでのんびり焚き火を楽しむのにも適したサイズとなっています。

焚き火台としてだけでなく、料理でも大活躍 ファイアグリル【UNIFLAME(ユニフレーム)】

初心者からベテランまで多くの人に使われている焚き火台。グリルとして調理するのもよし、ダッチオーブンで料理するのもよし、もちろんシンプルに焚き火をするのにも向いています。作りが堅牢なので長く使えるのもおすすめのポイントです。

コンパクトかつ軽量な焚き火台XXXS焚き火台【CAMPING MOON(キャンピングムーン)】

重量は1.42kgと非常に軽く、また折りたためばコンパクトにすることができます。それでいて焚き火台とBBQグリルを兼ねている優れもの。オールステンレスなので品質がよく見た目も美しいのでスタイリッシュです。

折りたたみ式だから初心者でも安心の焚き火台バーベキューコンロ収納袋付き【Giyomi(ギヨミ)】

折りたためば非常にコンパクトになり、また専用のケースがついているため収納も簡単。初心者でも取り外しに不安を感じさせません。焚き火にも料理にも使えてコストパフォーマンスもよく、初心者の焚き火台入門用に向いています。

箱型の焚き火台

箱型の焚き火台は、正方形と長方形があります。どちらも安定感があり、どっしりとしています。おしゃれに焚き火を楽しむ、というよりは、BBQを楽しんだり、大鍋やダッチオーブンで料理作りを楽しむ、といった方に向いているでしょう。大きなサイズのものが多いのですが、広げるのもたたむのも簡単で、四角形なので収納しやすい、というのもポイントです。
サイズは極小サイズまであるので、料理を作る頻度が多い人は、片付けやすさも考えて、使う人数に合わせた箱型を選ぶことを考えてみましょう。

コンパクトなのでキャンプツーリングにぴったりのコンパクト焚き火グリル【笑's (ショウズ)】

B6サイズという極小サイズにまで折りたためてしまうのが売りの箱型焚き火台。組み立て式にすることで部品を極力減らし、重量358gという軽さを実現しています。バイクでのツーリングや自転車、バックパックでの旅にも持っていくことができるでしょう。

デザインが人気の焚き火台 ステンレスファイヤープレイス【Coleman (コールマン)】

組み上げると井げた状態になり、ほかの焚き火台では味わえない「キャンプファイヤー感」を醸し出します。もちろん形状が空気の流れを作りやすいため、燃焼効率がとても高いのも特徴です。

料理のアイテムとしても使いやすい長方形型の薪グリル ラージ【UNIFLAME(ユニフレーム)】

長方形型のため、薪を短く切ったりせずにそのまま使えるのがポイント。幅広なので飯ごう、ダッチオーブン、鍋を横並びに同時に置くこともできます。造りも堅牢でオプションとして網焼きや鉄板焼きにも対応しているため、料理の幅が広がります。

風を自動で送って火力調節する電動アシスト焚き火台 ファイアビット【BioLite(バイオライト)】

焚き火台は「火力調節が難しい」という難点がありますが、それを克服してしまったのがこの焚き火台。風量は4段階調節可能で、スマートフォンで遠隔操作をすることもできてしまうという徹底ぶりです。

ステンレスメッシュタイプの焚き火台

ステンレスメッシュタイプは軽くて丈夫、さらにコンパクトに収納できるのも嬉しい点です。料理をするというより、できるだけ直火に近い状態で焚き火自体を楽しみたい、という人に向いています。メッシュは通気性がいいので、最後まで勢いよく燃えてくれるでしょう。ソロキャンプ用にハンディタイプも多数販売されており、小さなものなら価格もお手ごろです。おしゃれ感もあるので、スタイリッシュな焚き火を求める人にも満足感をもたらしてくれます。
最近ではステンレスメッシュを使用した大型の焚き火台など、料理もしっかり楽しめるものが出てきています。

オートバイでのキャンプツーリングにおすすめ 焚き火スタンドハンディ【BUNDOK(バンドック)】

シンプルなステンレスメッシュタイプの焚き火台ですが、収納時に脚が2つに分割できるため、ほかの同様の焚き火台よりも小さくなります。特に荷物に制限を受けるバックパッキングやバイクツーリングで使いたい焚き火台です。

丈夫で耐久性も抜群、国内メーカーで安心のファイアスタンド2【UNIFLAME(ユニフレーム)】

ステンレスメッシュタイプの元祖とも言えるモデル。国内メーカーだからこその信頼感と安心感を手に入れることができます。重量も軽く、バイカーからの人気が根強い焚き火台です。小人数で裸火を楽しみたい人にはうってつけでしょう。

ダッチオーブンを吊り下げて料理できるビッグファイアクレードル ブラック【DOD(ディーオーディー)】

3本脚で自立し、その中央にステンレスメッシュが張られているタイプの焚き火台です。上部から鍋を吊り下げることで、ダッチオーブンを使った料理も楽しめます。

特殊耐熱クロスを使った焚き火台【DOD(ディーオーディー)】

収納時は長さ30cm以下になる吊り下げタイプの焚き火台なので、バイクや自転車にも積載することができます。重量も約700gとかなり軽量で、気が向いた時に取り出して焚き火を楽しむこともできます。鎖は調節ができるので、ヤカン、クッカー、飯ごうなど、さまざまな調理器具を使えます。

コストパフォーマンス抜群、気軽に焚き火が楽しめるメッシュファイアスタンド焚き火台【UJack(ユージャック) 】

とても低価格なので初心者の入門用として最適です。ステンレスメッシュの耐荷重は5kgあるため、大量の薪を載せても問題ありません。

そのほか焚き火台のいろいろ

最近の焚き火台は、デザイン性と機能性に優れた楽しいものが続々登場しています。例えばブック型はパタンと折りたためるタイプ。ハンディで片付けも簡単です。また、薪を挟みこむタイプの焚き火台や、まるで聖火台のように空気を上から下に巻き込みながら燃焼効率を上げるようなデザインの焚き火台、初心者が簡単に焚き火ができるように設計された円形の焚き火台などもあります。これらは美しく洗練されたデザインなので、見ているだけでもなんだかワクワクしてきます。ほかの人と違う焚き火台を探している方、焚き火台にもっとおしゃれ感を出したい方は、こういった焚き火台に注目してみてください。

安定感抜群で後片付けもラクラク カモト オープンファイアピット 【IWATANI-PRIMUS(イワタニプリムス)】

この焚き火台の特徴は、なんといってもその安定感。脚と底板が一体化しているので、ちょっとやそっとの風や揺れでは倒れたりしません。折りたたみも簡単で、デザインも秀逸。高い満足感を得られる一品です。

着火を特殊システムでサポートしてくれるエアスタ ベース&ウイング 【SOTO(ソト) 】

優れたデザイン設計により、着火がより簡単になった焚き火台です。中央の筒に小枝を入れて燃やすことにより発生する空気の流れを利用したエア・アシスト・スタートシステムだからすぐに着火でき、ストレスなく焚き火を楽しむことができます。

「2017年度グッドデザイン賞」を受賞したファイアーディスク【Coleman(コールマン)】

ありそうでなかった純粋なお皿型の焚き火台。デザインが美しいということもさることながら、その構造上、使用後の掃除が非常に簡単なのが大きな特徴。使いやすさと見た目を両立した優れた焚き火台です。

燃焼効率がよいワンアクション焚き火台【Onway(オンウェー)】

珍しい聖火台状の焚き火台。空気の取り入れ方が独特で、気流が及ぼす影響で燃焼効率を高めています。これを使えばキャンプ場で大注目されること間違いなしの一品です。

ヨーロピアンスタイルが気軽に楽しめるラウンド ファイアピット【CAPTAIN STAG(キャプテンスタッグ)】

ボウル型のラウンドフォルムの焼き台がおしゃれなファイアピット。組み立ては脚を広げるだけで簡単にでき、網とメッシュフードが付属しています。そのため、単純な焚き火や調理だけでなくさまざまなシーンで活用することができそうです。

シーンに合わせて変幻自在焚き火台・ファイヤーボールローインパクト【Tschum (チャン)】

Tschum (チャン)のファイヤーボールローインパクトは、ステンレスのプレートの組み合わせによって形状を変化させることができる珍しいタイプの焚き火台です。姿勢の高低も調整でき、焚き火、バーベキュー、ダッチオーブンでの調理などにも使うことができます。

薪が自動的に燃えてゆくファイアーウォール【SPORTES (スポルテス)】

形状が独特で、薪を横から挟みこむようにして積み重ねられるようになっています。下の薪の火が効率よく上の薪を燃焼させながら、少しずつ全部燃えていくという仕組みです。特に薪の燃える様を美しく観賞できるため、焚き火ファンにとって新しい楽しみ方を提供してくれる焚き火台といえるでしょう。

まとめ

ひとくちに「焚き火台」といっても、さまざまなメーカーから独特な焚き火台が数多く発売されています。純粋に焚き火を楽しむもの、野外での調理をより便利にするもの、デザインを含めて火の様子を観賞するためのもの。その使い道も使用する本人次第という点が、ほかのアウトドアアイテムとは異なります。ここまで魅力的な焚き火台がたくさんあると、ひとつに決めるのももったいなく感じ、シチュエーションごとに焚き火台を複数保有したくなる方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回ご紹介した記事が、あなたの焚き火台との出会いに役立てば幸いです。

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