手作りリース&ママレードで迎えるクリスマス
様々なクリエイターを講師に招き「ものづくり」のワークショップを行っている、IID 世田谷ものづくり学校。こちらのワークショップから毎月、DIYer(s)編集部が注目するコンテンツをご紹介。今回ピックアップしたのは10年前から毎年開催されている『冬至のリースづくりとスダチママレード』です。
公開日 2017.12.21
更新日 2022.01.11
コトコト煮込みます。徐々にとろみが出てきて、ママレードらしくなってきました。
ここで砂糖を加えます。量はお好みで調整しましょう(果実:砂糖=2:1から1:1の割合がベストです)。今回は黒糖とグラニュー糖の2種類を使っていました。 なお、糖分を加えると一気に焦げつきやすくなります。火加減はとろ火にしましょう。
焦げないよう注意しながら、果実が透明になるまで最低1時間煮詰めれば完成です! 冷ましてから各々が持ってきた瓶に詰め、ハーブを載せて持ち帰りました。
「ここのワークショップに参加される方にしても、普段の庭仕事のお手伝いに来ていただいている方にしても、お子さんを連れている方が多いんです。そこで例えば、3人の女性と触れ合うとすると、私が彼女たちに教えたことが間接的にその子どもたちに伝わっていきますよね。少しおこがましいかもしれませんが(笑)、そんな風に私が伝えたことが子どもたちを育てていると思うとうれしい気持ちになります」
植物のしなやかな姿から得たものが、忙しいお母さんたちの優しさやたくましさの養分になってくれたら、と、石田さんは言います。
まずは講師の塚田さんから、リース作りのコツなどについてレクチャーしていただきました。
リースの骨組みになる部分は前もって準備してくださっています。こちらは、学校園でとれた藤やブドウのツルでできているそうです。
飾り付けに使う植物は、学校園で各々好みのものを好きなだけとらせていただけます。学校をぐるりと囲むように植えられている植物の説明を塚田さんにしていただきました。
今回はオーソドックスなリースを目標に制作しようと思います。まずはモミの木から枝を少々いただきました。
続いて、ピラカンサの赤い実も一房。
心安らぐ香りがする、フレンチラベンダーも加えます。
こんなに摘めました!
それでは、さっそくリースを作りましょう。
摘んできた植物の特性を生かしつつ、思い描いたデザインに沿ってリースを作ります。コツとしては、植物を固定させるために土台をしっかりさせること。次に、外に広がるように枝を挿し、立体的に見せること。そして中心から左右に向けて飾り付けてゆき、バランスよく整えることです。
しっかり固定させたい部分がある場合はワイヤーを使いましょう。交差させたワイヤーの根本をギュッと一度ねじり、引っ張りながら回せばきっちり締まります。また、拾ったマツボックリをさげるためにワイヤーを使っている方もいらっしゃいました。アイデア次第で使い方は広がりそうです。
モミの枝をバラします。
前もって巻きつけておいたツタに、バラしたモミの枝、そしてピラカンサやラベンダーを挿していきます。
土台にうまく挿さらないものはワイヤーを使いつつ進めましょう。
完成です!
ほかの参加者の方のリースは、どれもとても素敵でした!子どもたちの作品も個性があり、見ていて飽きません。
「リースは、次の年の神様に捧げるものでもあるんです。しおれてしまっても残念がらないで」と、塚田さん。
初心者や経験者に関係なく楽しむことができるワークショップでした。
「私は長野県の出身でして、子どもの頃からお気に入りの雑木林が近所にいくつもあったんです。それが大学生の頃に、長野オリンピック開催に伴ってかなり破壊されてしまって。経済効率や利便性が重視される世の中になったことで、自分が大切にしていたものが失われていくことに疑問を感じたんです。そして何より、後世に私が大好きだった場所を見せてあげられないことが悲しくて。また、ちょうどその頃にお華の稽古を始めたことも大きいですね。“日本人の美意識”に興味がありましたし、それらが失われているのはなぜなのかという疑問をきっかけに始めたんです」
大切にしていたものが失われていくことに対する思いを表現するため、そして人々の中に潜伏している“日本人の美意識”を改めて発掘するために、植物に触れるようになった塚田さん。そんな彼が、ワークショップを通して人に伝えたいこととは?
「このワークショップで使う植物は、生きているものを自分の手で摘むんです。目の前の命をいただくことで、言葉では表し難い何かを肌で感じられるのではないでしょうか」。
Profile
石田紀佳さん(左)
陶器や布に関わる作家を紹介し、展覧会を企画。また、植物に関わるワークショップも開催している。
ワークショップ情報:https://www.asahiculture.jp/shinjuku/course/32f40196-3fb3-20a3-fdda-59fa914c2442
塚田有一さん(右)
ガーデンプランナーやフラワーアーティスト、IID 世田谷ものづくり学校のグリーンディレクターとして活動。花活けのイベントや、個人宅やオフィスの造園、グリーンデザインを多数手がけている。
有限会社温室:http://onshitsu.com/about_us.html
School Data
住所:〒154-0001 東京都世田谷区池尻 2-4-5
電話番号:03-5481-9011
一般開館時間:11:00〜19:00
休館日:月曜日(休館日が祝日または振替休日の場合、その翌日)
URL:https://setagaya-school.net
WRITTEN BY
Japan
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