キャンプで料理を守る“卓上テント”!?折り畳み式の木製フードカバーをDIY
アウトドアシーンでありがちな、せっかく作った食事に虫や灰などが付着してしまってテンションが落ちてしまうあの現象。今回はそんな悲しきキャンプ飯を救うために、テントライクなデザインのフードカバーをDIYしていきます。
公開日 2022.02.28
更新日 2023.04.16
はじめに
少しずつ暖かい春が近づいてきて、DIYerでありキャンパーのみなさまはそろそろ新たな装備を整え出す頃ではないでしょうか。こだわりのギアを使ってキャンプご飯を作るのはもちろん楽しいですが、作ったあとの料理のことに関してはすっかりおざなりになってしまいがち。そこで今回は、渾身の料理を守ってくれる心強いプロダクトを作っていきましょう!
作るもの
今回作るのはこちらの木製フードカバー。テントのような形に木材が組まれており、料理に被せるだけで虫や焚き火の灰が料理に付着してしまうことを防いでくれます!また、写真の通り上を持ち上げるだけでスムーズに取り外しができ、使わない時はパタッと折り畳んでコンパクトに収納できるのも嬉しいポイント。せっかく作った料理が台無しにならないように守っていてくれる、健気な卓上ミニテントということですね。
材料
丸棒 900×10mm 4本
ネット(チュール生地など、手芸コーナーで入手可能)
ボンド(ポリエチレンのつくもの)
針金
ネット(チュール生地など、手芸コーナーで入手可能)
ボンド(ポリエチレンのつくもの)
針金
STEP.01 木材のカット
まずはフードカバーの骨組みとなる木枠の部分を作っていきたいと思います。用意した丸棒を、350mmを2本・500mmを4本ずつ切り出してください。この時、2本目以降は1本目をガイドとしながら切り出せば定規を使う必要がなくなるため、時短できます。
ちなみに、最終的な骨組みの完成形はこちらの寸法。「あれ、縦棒の方がさっきより50mm短い?」と思われるかもしれませんが、実は今回の接合方法のために少し余分に木材をカットしておりました。
それがこちら!以前も記事にチラッと登場したことがある“手持ち旋盤機”です。ドリルビットの代わりに350mmでカットした方の木材ドライバーに取り付け、やすりを当てながら回転させることで表面を均等に削っていくことができるというナイスなアイデア。これによって先端を細く削っておき、後ほど交差する木材に差し込むことでビスを使わない連結が可能です!
手回し旋盤機をかけるとあっという間にこのような状態に。まるで工芸品のような美しいくびれを見せてくれています。ちなみに、最終的には細かく手で調整していくため、ここでは写真と同じ程度に削ることができたら一旦作業を中断してください。
もちろんこのままでは接合に使えないので、写真のように先端をカットして、細くした部分が綺麗な円柱型になるようにやすりで調整していきます。言うまでもありませんが、細くした分強度が下がっておりますので、あまり強くやすりがけをすると折れてしまう危険性があるのでご注意ください。
目安としては、直径が4mmになるように整えておきましょう。この時、“ノギス”という写真のような計測機器があると便利ですので、これを機に一つ購入を検討してみては?
仕上がりとしてはこの通り。255mmの丸棒を残し、両端に直径4mmの細い連結部分を作りました。特にこの寸法を守らなければならないこともありませんので、縦と横それぞれの長ささえ合っていれば使いやすい大きさにしていただいて構いません!
次は500mmでカットした方の木材に、手持ち旋盤機で細くした木材を差し込むための穴を開けていきましょう。4mmのドリルビットを使うのですが、その前に一度細いビットを使って下穴を開けておくことで木材の割れを防止したいと思います。
上手く穴を広げ、木材同士を連結した様子がこちら。いかがでしょう、ビスを使うことなく見事に繋がってくれました。なかなか上手く入らないという方は、もう一度やすりで木材を削るなどして調整してみると良いかもしれません。
次に、500mmの丸棒を左右から40mmずつの地点と、センターの3箇所でマークします。マークしたら再度手持ち旋盤機を使って丸棒を回転させ、写真のようにやすりの角などを使って3箇所に薄く切り込みを入れていきます。
切り込みを入れるとこのような形に。この切り込みは後ほどネットを固定する際に必要になりますので、細かい点ではありますが忘れずにつけておいてください。
一旦、ここまで出来ているものを仮組みしてみた様子がこちら。この時点で構造はほとんど完成していますね。ここからは細かい調整とネット張りを進めていきますので、もし疲れてきていたらこのタイミングで休憩しておきましょう!
さて、気を取り直して次の作業に。まずは木材の接着面それぞれに木工ボンドをつけて差し込み、余った木材は手のこでカットします。余裕があれば紙やすりで削って表面を整えておくと、よりクオリティが上がるのでオススメです!
木材の連結が終わったら、用意していたポリエチレンに使用可能なボンドをフレームに塗り広げていきます。ここはまだ仮止めの段階ですので、薄めで問題ありません。
次にネットをフレームよりも一回り大きくなるようにハサミでカットし、しっかりと張るように意識しながらタッカーで仮止めしていきます。
仮止めが出来たら、ボンドをさらに上塗りしていきます。最終的にはタッカーを外してボンドのみで固定することになりますので、少し多めくらいを意識しておくとちょうど良いでしょう。
余った部分はハサミでカット。どの程度ネットを余らせるかはお好みですが、あまりビラビラと動いてしまっても稼働の邪魔になるかもしれません。ちなみに、今回は少し内側に入るくらい深めに切ってみましたが、ちょうど良い印象になりました。
短辺のネットは、写真のように片側の長辺をそのまま伸ばすような形で覆いました。
ネットの取り付けが出来たら、木材同士の結束を行います。先ほど手持ち旋盤機で作った切り込みに入るようにして針金を回し、ペンチで巻き付けてしっかりと固定しましょう。
完成
最後に、短辺のネットも含めて仕上げのカットをしたら完成です!ネットの鮮やかなイエローが映える、明るい印象のプロダクトになったのではないでしょうか。
また、こうして立ててみると小さなテントのようなビジュアルをしていて、キャンプなどで使うと可愛くてつい写真を撮ってしまいそうです(笑)。それでは、実際に設置していってみましょう!
また、こうして立ててみると小さなテントのようなビジュアルをしていて、キャンプなどで使うと可愛くてつい写真を撮ってしまいそうです(笑)。それでは、実際に設置していってみましょう!
設置
中に料理を入れた様子がこちら!うーん、可愛い。フードカバーという、つい野暮ったくなりそうなアイテムにも関わらず、卓上を華やかにして料理もすごく美味しそうに見えてくるのだから不思議です。また、少し大きめのサイズで今回は制作したので、2人分くらいの食事であればすっぽりと収まって安心しました。
諸々の用意が済んで、いざ!となれば、ひょいと持ち上げるだけで簡単に撤収も可能です。ちなみに、制作工程では書きませんでしたがこっそりと持ち手用のリングを取り付けてみました。なくても大丈夫ですがビジュアル的にもよくなるので、お手持ちのリングや輪っかにした麻紐などを取り付けておくだけでもぜひお試しください。
食事中は畳んで傍らに。このようにパタッとテーブルに置いてみたり、薄くなるのでコンテナの隙間に入れてみたりと、収納場所に困らなさそうなのも嬉しいポイントですね。
ただ、食事を囲うものになりますので砂や泥・灰などで汚れてしまわないようにだけ気を遣いたいところ。今回は用意できませんでしたが、これに合う布ケースを別で揃えてみるのもよいかもしれません。
ただ、食事を囲うものになりますので砂や泥・灰などで汚れてしまわないようにだけ気を遣いたいところ。今回は用意できませんでしたが、これに合う布ケースを別で揃えてみるのもよいかもしれません。
ちなみに、手持ち旋盤機のシステムを使って連結した部分がこちら。やすりで整えたこともあって、非常に綺麗な仕上がりになりました。何よりビスを使わずに組むと、より達成感を味わうことができるので、みなさまもぜひチャレンジしてみてください!
まとめ
今回はインドア・アウトドアどちらのシーンでも使えるフードカバーをDIYしました。ネットの色を変えてみたり、ワンポールテントのような三角屋根の形で作ってみるなど、アレンジを楽しんでみるのもよいですね。春のキャンプシーズンに向けて、他の方と一線を画すオリジナルアイテムとしてぜひご活用を!
撮影:薮内努(TAKIBI)
監修:岩西剛
監修:岩西剛
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