【空き家の明日Vol.2】築40年の物件に“自分の好き”を詰め込む

DIYと言う視点から日本の空き家問題について考える【空き家の明日】。今回は千葉県、松戸市にて築40年以上の物件の一室を改装して、思い通りの生活を送っている木村さん宅にお邪魔しました。節約をしながらも妥協せずに作り上げた自分だけの空間。そこにはDIYや空き家に関する様々なヒントが隠されていました。

2017.12.27

【空き家の明日Vol.2】築40年の物件に“自分の好き”を詰め込む

「うちの物件にお住いの方で、とても面白い人がいるんです。スケボーや飛び蹴りで壁を壊すなどとハチャメチャなところもあるのですが、すごく素敵なDIYをされていて…」。千葉県松戸市で、DIY可能な物件を貸し出しているMAD Cityにお伺いした際に聞いたなんとも興味深いこの話。自分の手で空き家を自分らしく改築して暮らしを楽しむ、そんなDIYerに視点を当てた連載【空き家の明日】に打って付けということで向かったのは、同じ松戸市内にあるアパートの一室です。約4年近くも空室だった物件を見事に作り変えたという木村さん。DIYの経緯やお部屋のコンセプトについてお話を伺ってきました。

そもそも空き家の定義とは?

国土交通省では1年以上住んでいない、または使われていない家を「空き家」と定義しています。 その判断基準として、人の出入りの有無や、電気、ガス、水道の使用状況ないしそれらが使用可能な状態にあるか、物件の登記記録や所有者の住民票の内容、物件が適切に管理されているか、所有者の利用実績などが挙げられています。

空き家だったからこそ、予算内で思い通りの暮らしを実現

【空き家の明日Vol.2】築40年の物件を、“自由に自分の好き”を詰め込んだ空間に

気さくに取材に応じてくれた木村さん。デザイン関係のお仕事をされています。後ろにはご自身でデザインされたTシャツやパーカーが並んでいます。

「もともと僕は、東松戸で友人とルームシェアをしていたのですが、その友達が部屋を出ることになり、物件を探していたんです。そんなときに、遊びに行った先輩の事務所兼自宅がものすごく格好よくって…。土足で上がれるコンクリートむき出しの空間や、ちょっとしたバーのようなスペース、どかっと置いてあるソファなどもう全てが素敵なんです。自分も絶対こんな素敵な部屋に住むんだ!と心に決めて部屋探しを始めました」。そう語る木村さんは、なんと今回が初めての本格的なDIYだったと言います。
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コンセプトは、 “おもちゃ箱をひっくり返した” ような“自由な”空間。「ここには自分の好きなものしか置いていないんですよ。僕はストリートファッションが好きなので、そういうアイテムをいろいろディスプレイしています。あと…テレビやゲームに出てくるちょっと影があるダークヒーローが住んでいる家、みたいなイメージもありました(笑)。彼らって、よく倉庫みたいなところに住んでいるじゃないですか。コンクリート打ちっぱなしの空間で、天井ではファンが回っていて、革のソファに座ってテキーラを傾けている…みたいな(笑)」。
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全部で56.83㎡の広々とした木村さんの部屋。玄関からダイニングまでは土足で入ることができます。

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コンクリート打ちっぱなしの壁が部屋の雰囲気とよくマッチしています。

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シューズや洋服を、あえて見せて収納するというのも素敵ですね。

築40年となるこちらの物件に決めた一番の理由は、なんと言ってもこの広さ。「僕の理想の物件には、20帖以上の空間が必要だったんです。コンクリート打ちっぱなしの床や大きめのソファを置くスペースは確保したかったので」。広さは32帖になる現在の物件。古い分、これだけの広さを予算内で確保できたことも大きいと木村さんは語ります。
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実際作業にかかったのは、約3ヶ月。仕事を最小限にして朝から夕方までDIYをしていたと言います。「もともと、ここは畳の部屋とフローリングがあったんです。まずは床を剥がす作業から始めて、次に壁ですね。壁は…スケボーや体当たりで壊しちゃいました(笑)。それから出たゴミを捨てていったんです。始める前は40kgくらいかなって思っていたのですが、実際に出たのは400kg。こんなに沢山の木材が使われているんだと驚きました」。

3ヶ月間、手間暇かけて作ったご自宅。続いて、こだわりの場所を教えてもらいました。

「まずは、キッチンです。玄関からコンクリートむき出しのこういう場所にしようと考えていました。鍋の収納などに使っているドラム缶は父親の職場からもらってきたもの。先輩の家では、テーブルとして使われていたんですが、僕だったらこんな感じで収納として使いたいなって思ったんです。あとはDIYではないですが、ちょっと風水を取り入れて、北東に暖色、南西に寒色を集めてみたり、生活感をなくすため、ポイント以外、出来る限りプラスチックの製品を置かないように気をつけています」。
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キッチンに並べられたドラム缶。木村さんならではのアイデアが溢れています。色もお部屋とマッチしていますね。

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ドラム缶の中は、鍋や食器を収納するスペースになっていました。

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黄色に塗ろうと思いながらも、模様が気に入ってそのままにしてあるという天井。

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大量の廃材が出た中でも使えるものは使ったというインテリア。

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部屋中にあるちょっとした落書きや、ステッカーが木村さんが目指した雰囲気を演出しています。

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敷き詰めたOSB材があたたかい雰囲気を醸し出す玄関。

こんなに素敵な空間ながら実際にかかった費用は5万円以下だといいます(※売りに出したものなどを相殺した金額)。「ドラム缶のテーブルとかもネットで売っていたのですが、一個3万円とかするんですよ。だったら自分で作っちゃえばいいかなって。あとは、材木屋で要らない木をもらったり、道端に落ちている木をみて、どうやってインテリアとして活かそうか考えたり…。このDIYを終えて感じたのは、自分が住みやすい空間って工夫次第で作れるものなんだな、ってことです。もちろん、床や壁を壊す作業などは大変でしたが今は自分だけの空間に満足しています」。
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次は、一軒家を自分で作ってみたいと語る木村さん。「大きさはここくらいで、2階建て、庭付きの家がいいですね。間取りから全部作って、自分のブランドの服をディスプレイしたいです」。

「僕にとってのDIYとは、“自分らしさの表現”かな、いろいろアイデアを絞ってこの空間を作り上げましたからね」。松戸市内で、友人も増えたという木村さん。「来週は、イタリアンのシェフをやっている友人が来て、みんなでパーティーをするんです」と楽しげな様子。
【空き家の明日Vol.2】築40年の物件を、“自由に自分の好き”を詰め込んだ空間に
比較的家賃が安く、セルフリノベーションにも対応可能という空き家の利点を活かしつつ、自分で工夫しながら作り上げたこの空間。そんな場所だからこそ、より自分らしい暮らしができるのかもしれません。初めての一人暮らしについてうかがうと「最高です!」と笑顔で答えてくれました。

INFORMATION

木村さんが手掛けるブランドHP

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