MAD City:DIYの先にあるのは、自由でクリエイティブなまちづくり/CIRCLE of DIY VOL.27

千葉県、松戸市の松戸駅から半径500mにおいて、DIYし放題の物件の貸し出しや各種イベントの開催など様々な活動を展開するまちづくりプロジェクトMAD City。実際にどんな活動を行っているのか代表の寺井さんにお話をうかがいました。

MAD City:DIYの先にあるのは、自由でクリエイティブなまちづくり/CIRCLE of DIY VOL.27

DIY好きにとってネックとなる賃貸物件の原状回復。自分の理想の生活空間を作りたいものの、原状回復できる範囲で作業をしなくてはなりませんし、壁などに穴をあけてしまうと、退去の際に壁やクロスの交換が必須などおおごとになってしまいます。

そんな悩みを解消してくれるDIY好きにとって理想の街が、千葉県松戸市にあるんです。その名もMAD City。賃貸物件でありながら、DIYし放題。しかもその改装によって家賃が上がれば、退去時にその分キャッシュバックしてもらえるのだとか。一体どんな方が運営をしているのか、そしてどのような物件があるのか、さっそく松戸市に向かい代表の寺井さんに話を伺ってみました。

改装可能!原状回復なしのお部屋を提供!

MAD Cityを運営する株式会社まちづクリエイティブの事務所。

-まずは、MAD Cityの活動について教えて下さい。

「MAD Cityは、千葉県松戸市の松戸駅前半径500mを中心に行っている、街づくりプロジェクトです。賃貸物件でありながら改装可能で、原状回復不要の物件をDIYに関心がある方向けに貸し出しています。利用者は20代後半から60代と幅広いですが、ボリュームゾーンとしては30代ですね。思う存分DIYができると知って松戸市外から移り住んでくる方が多いです。また、ただDIYできる物件を貸しているだけではなく、そこに住んでいる人が他のDIY好きに部屋を案内したり、イベントを開いたり、住人同士の横のつながりがあるところも特徴ですね。改装によって家賃が上がった場合はキャッシュバックの仕組みがあることをはじめ、僕達と住人がビジネスパートナーとして経済関係で結ばれているところも他とは大きく違いますね」

-現在はどれくらいのお部屋があるのですか。

「90部屋くらいです。まだまだ足りないくらいなので、常に物件を探しています。不動産市場に出ていないようなリフォーム前やボロボロの物件を探しているのですが、なかなか難しいですね」

事務所に置いてあったMAD Cityのロゴ。松戸市から半径500mの地図を模している。

-他にはどんな取り組みをされているのでしょうか。

「ラブホテルの跡地を使って、アート系の社団法人や松戸市とともに、全4部屋、最大約3ヶ月で海外からやってくる芸術家の宿泊施設の運営を行っています。“一宿一芸”を掲げていて、宿泊代の代わりに街の中で1パフォーマンスをしてもらうんです。これが、海外の芸術家にも刺さっていて、公募プログラムだと倍率300倍強の申し込みをいただいています。そういった活動の他にも、MAD Cityに関心がある人向けに、街案内や先輩入居者に話を聞く機会を設けたり、DIYのサポート、入居者限定の交流イベントも開催しています!」

入り口のDIYで作った棚には、住人の方のイベント告知などが置かれている。

自由でクリエイティブな自治区を作りたい

-寺井さんが、MAD Cityの活動をはじめたきっかけについて教えて下さい。

「クリエイティブな自治区を作りたいなと思ったんです。自治区というのは、そこだけで独立した文化や経済、政治があるもの。そのために何をしなきゃいけないか考えた末に辿り着いたのが、このMAD Cityなんです。街は、ある一定のエリアと住宅、そこに住んでいる人がいて出来るもの、なら僕がMAD Cityというもう一つのレイヤーを実際の松戸のなかに作ろうと思って」

-自治区ですか!? どんなきっかけで自治区を作ろうと思ったのでしょうか。

「学生時代にNPO法人を起業して、街なかでのアートやスポーツイベントを企画運営をしていたことがあるんです。例えば代々木公園で、日本のスポーツメーカーの協賛を得て、国内外のストリートバスケのチームが参加する大会を開催したり。それ以外にも街なかのビル壁面をストリートアーティストのアート作品のキャンバスにするといった活動もしていました。でも、都や区、民間企業やいろいろな団体のビジネス的なメリットが絡む中でそういった街を自由に使ったイベントはなかなか開きにくくって…。でも海外に目を向けると意欲的な人たちが街を変え続けていたりするんですよ。日本にはそういったものが足りないんじゃないかと思って、それならその手本となるまちづくりをやってみようと思ったのがきっかけですね」

-なるほど。そのなかで、松戸市を選んだ理由を教えてください。

「こう言うと怒られちゃうかもしれませんが、特にこれといった理由はないんです。たまたま松戸で地域活性化の仕事をしている友人に紹介してもらって訪れた際に、地元の人の話などを聞いてここでもいいなと思って始めました。あ、でも松戸という響きは気に入っています(笑)」

-ずっと気になっていたのですが、MAD Cityというネーミングの由来は…?

「文字通り、端から見たらこれまでなかった尖った街という意味です。普通は、入居したばかりの物件が理想と少し違うからといって壁を抜いたりしないですからねぇ(笑)。あと、響きが昔読んでいたヤンキー漫画の某チーム名を彷彿とさせるところとか。決して無法地帯を作りたいとかそういうのではないので、そこはご安心下さい!」

松戸駅周辺の飲食店情報が掲載されたフリーペーパー。

松戸=芸術家の多い街、というのが根付いてきました

-活動をはじめられて7年経ちましたが、その間の変化などあがれば教えて下さい。

「良かった点も反省点もいろいろありますが、芸術家やクリエイティブな人間が多く住む街として、MAD Cityや松戸が認知され始めているところでしょうか。日本のDIY好きだけにとどまらず、海外の芸術家も注目してくれているのは嬉しいですね。あと、住宅の他にも住民の方が経営する、アトリエやお店が増えるなど、住居以外の仕事場が増えつつあるのもいいことだと思います。日本って、いいところもたくさんありますが、何か新しいことを始めたり、何かを変えるためのプラットフォーム作りにおいては、まだまだ後進国だと思うんです。このMAD Cityを通してチャレンジが後押しされるまちづくりにこれからも励んでいきたいです」

-本日はどうもありがとうございました!最後に寺井さんにとってDIYとは何か教えてください。

「ライフスタイルや価値観、生き方そのものですね。DIYって自分は自由であって、何だってやってみよう、という思いが根本にないと出来ないですから。自立した生活やまちづくりをしたいなら、まずは自分を律し、自分が住む場所をコントロールするところからはじまるんだと思います」

MAD Cityの物件探訪

インタビュー後、MAD Cityの物件に実際にお邪魔させていただきました。

アーティスト・イン・レジデンス「PARADISE AIR」

ホテルを改装して作られた海外のアーティスト向けの宿泊施設。写真は、宿泊者が交流できる共用スペース。

廊下にはアーティストの作品が展示されていました。

千葉県松戸市本町15-4 ハマトモビル501号
047-364-8832
http://paradiseair.info

MAD lab

古民家を改築した工房。建築家やアーティストがシェアしながら利用している。

外には、材木と木材加工用の機械が並んでいる。

一軒家をまるごと工房として使用しており、スペースや騒音を気にせずのびのびと作業ができる。

MAD labを工房として使っているアーティスト
森純平、四方謙一、西尾健史、安西剛、李 ヘドゥン/崔 在弼、大和田俊

NOMAD宿(古民家スタジオ 旧・原田米店)

100年以上前の商家を改装し、周辺Airbnbのロビー施設にした「NOMAD宿」。

広々としたNOMAD宿のロビー。

都内へのアクセスも良いことから、月にのべ800組もの外国人観光客が訪れているそう。

今までにない画期的な方法でまちづくりを進める寺井さん。これからMAD Cityがどんな街になっていくのか、楽しみですね!

INFORMATION

MAD City Gallery(運営会社:株式会社まちづクリエイティブ)
047-710-5861
千葉県松戸市本町6-8
火曜、水曜定休 11:00-18:00
https://madcity.jp/
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