狭小店舗の内装をレイアウトする際のポイントは?デザイン事例も紹介

この記事では、狭小店舗をレイアウトするポイントについて紹介します。内装デザインの事例を取り上げながら、限られたスペースを広く見せるレイアウト・カラーや、導線設計のコツ、オススメの設備などをまとめました。店舗の物件選びで悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

公開日 2022.06.23

更新日 2022.06.23

狭小店舗の内装をレイアウトする際のポイントは?デザイン事例も紹介

自分のお店を持ちたいと考えているものの、「毎月きちんと黒字化できるか不安」「開業資金が集まらない」などの不安から躊躇している人は多いでしょう。初期費用や毎月のランニングコストを抑えつつ、店舗を開業したい場合は狭小店舗がオススメです。この記事では、狭小店舗を選ぶメリットに触れながら、狭い店舗を活かした内装のレイアウト方法やデザイン事例などを紹介します。売上につながる狭小店舗設計について調べている人は、ぜひ参考にしてください。

狭小店舗を選ぶメリット

店舗の物件を探していると、つい広々とした路面店などに目が行きがちです。しかし、あえて狭小店舗を選ぶことで、ほかの店舗にはないメリットを享受できることもあります。ここでは、狭小住宅を選ぶメリットや、店づくりに活かせる特徴などをまとめました。

開業資金・運転資金を抑えられる

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地域にもよりますが、狭小店舗は賃料が安い傾向にあります。購入費用や月々の家賃を抑えられるため、開業資金・運用資金を削減できるでしょう。
特に店舗を開業する際は、物件取得費や内装工事費など多くの費用がかかります。狭小店舗を選択すれば、最小限のコストで理想の内装デザインを叶えやすいメリットを得られます。

また、店舗の規模が小さければ、光熱費や人件費なども多くの費用を必要としません。現在はテイクアウトやデリバリーなどの需要も高まっているため、席数が少ない飲食店でも売上を伸ばしやすいでしょう。このように、最小限の運用費用で売上アップを目指せることも、狭小店舗の大きな魅力です。

コンセプトが明確になりやすい

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店舗のブランディングがうまくいかず、集客や売上につながらない店舗は多いものです。しかし狭小店舗なら、空間が制限されることで、かえってコンセプトを明確にしやすいというメリットを得られます。
例えば「隠れ家のような非日常的なカフェ」「完全予約制のワンランク上の美容室」など、狭い空間や限られた席数などを逆手に取ったコンセプトを強く打ち出しましょう。これによって、狭小店舗ならではの特徴を、肯定的にアピールできます。

また営業中に、顧客の様子や気分を肌で感じ取れる点も、狭小店舗のメリットです。これにより、店舗の改善点などを把握しやすい状況が生まれます。「お店の強みは何か」「改善点はあるか」など、店舗独自のコンセプトをより明確化するためのアイデアも固めやすくなるでしょう。

コミュニケーションが生まれやすい

一般に飲食店では、顧客とコミュニケーションを取ることで親近感が発生し、リピーターの増加につながります。その点、狭小店舗はスタッフと顧客の距離が近いため、注文を取ったり食事を提供したりする中で、自然と会話が生まれやすいでしょう。

一度に店内に立ち入る人数が少ないため、顧客の顔を覚えやすいことも大きなメリットです。スタッフと顧客の距離感を適度に縮めながら、親しみあふれる空間を自然と構築していけるでしょう。
ある程度リピーターが増えると、顧客同士が仲良くなったり、会話を楽しんだりするようになることもあります。
常連客を増やして積極的に関係性を築くことは、常連客の紹介や口コミなどを活性化するため、高い集客効果を発生させるでしょう。ただし、「高級感が漂う、大人の隠れ家」のようなコンセプトを持つ店舗には、こうした集客方法はフィットしないかもしれません。自店舗のコンセプトをよく顧みつつ、常連客との関係性を構築しましょう。

狭小店舗におけるレイアウトのポイント

狭小店舗には、レイアウトやデザインについて独自のポイントがあります。狭い店舗だからこそ、細部までこだわった理想の内装に仕上がれば理想的です。ここでは、狭小店舗の特徴を活かしたレイアウトの方法をまとめました。

コンセプトに合った店舗デザインにする

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店舗デザインを考える時は、まずは大枠となるコンセプトを決めて、それに合った素材やインテリアなどを選ぶことが大切です。店舗の広さに関わらず、「コンセプト固め」は基礎的なプロセスですが、特に狭小店舗にとっては重要なポイントと言えます。
狭小店舗では、コンセプトと店舗デザインが噛み合っていないと中途半端な印象を強く与えてしまいやすくなります。新規顧客の開拓やリピーターの獲得を阻害してしまう恐れも生じるため、最初のコンセプト固めは慎重に行いましょう。

コンセプトを決める時に重要なのは、「トレンドに流されないようにすること」です。たしかに、時代の流れを汲み取って需要の高い店舗を作ることは大切です。しかしトレンドに左右され過ぎると、流行が過ぎたあとに店舗の価値が下がってしまうでしょう。だからと言って、流行に合わせて店舗デザインを何度も変えていては、運営上の大きな負担になります。したがって、根幹的なコンセプトやデザインは、あくまで店舗主体で決めるのが望ましいのです。

コンセプトが決まったら、「内装に使用する建材や照明、壁のクロス、タイル・フローリングなどの床材、インテリア、什器」などの詳細を決めていきます。狭小店舗では、デザインの細部まで顧客の視線が届きやすいため、一つひとつの素材・デザインにこだわりましょう。これによって、コンセプトの実現度高め、顧客に強くアピールできます。「明確なコンセプトに沿った、統一感のある内装」を目指し、デザインに妥協せず、ディティールや材質などにも注意しましょう。

内装の色味を調節する

内装の色味は、店舗の雰囲気に影響を与えます。壁紙や床材、カウンターなどは、店舗の大部分を占めます。こうしたインテリアに関しては、建材・色味を統一し、コンセプトに沿ったニュアンスに調整することが大切です。
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明るい色味は、空間を広く見せ開放感をアップする効果があります。カフェ・美容室・サロンなどをナチュラルテイストな印象に仕上げたい場合は、「ホワイト系の壁紙」や「ベージュ系の木目」といった、明度の高い建材を選ぶとよいでしょう。明るく親しみやすい雰囲気に統一できます。

一方、店舗のコンセプトによっては、あえて暗い色味を使ったほうがよい場合もあります。暗いトーンの色味はシックな印象を与えるため、「隠れ家感・高級感」を演出したい時に適しています。暗めの配色は、トーンを落とした暖色系の照明や、あえて天井を低くした入り口ドアなどと相性がよく、ほかとは違う非日常的な雰囲気を演出できるでしょう。

最適な配色はコンセプトによって決まります。「自店舗に入った顧客にどのような印象を与えたいか」を十二分に考慮したうえで、カラーリングを検討することが大切です。

インテリアで広さを演出する

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インテリアを工夫することで、空間に奥行きや開放感をプラスできます。例えば、ガラス製品は透け感があり空間の圧迫感を抑えられるため、狭い店舗を広く見せる効果があります。
内装を落ち着いたトーンで統一し、カウンターやローテーブルなどにガラス製品を使っているバーなどを見かけることがあるかもしれません。これらは、窮屈な印象になってしまいがちな暗い配色をインテリアで緩和している好例と言えるでしょう。

また、狭小店舗は視線の抜けを作ることが大切です。椅子やテーブル、間仕切りなどはロータイプのものを取り入れ、店舗の奥に視線が届くように配慮するとよいでしょう。さらに壁に大きな鏡を配置すると、店内に光を取り込みやすくなり、奥行きも強調できます。
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シンプルな導線づくりを意識する

狭小店舗では、限られた空間の中に顧客とスタッフとの導線を確保しなければなりません。複雑な導線は業務効率や店内の快適さなどに影響を与えるため、なるべくシンプルな導線を心掛けましょう。「作業は極力カウンターの中で済ませる」「客席に近い場所に必要なものを置かない」など、日々の作業導線にも気を配る必要があります。
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また狭小店舗とはいえ、顧客がスムーズに移動できるように、通路の幅にはある程度余裕を持たせなくてはなりません。飲食店の場合、カウンター席の後ろは「最低でも60cm以上」は確保するとよいでしょう。

飲食店はオープンキッチンがオススメ

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狭小店舗に飲食店をつくる場合、キッチンはオープン型がオススメです。無理に仕切りや壁などを設置すると圧迫感が生まれたり、狭小店舗のメリットである親しみやすさを損なってしまったりと、デメリットにつながる可能性があります。

オープンキッチンは店内に開放感・奥行きを与えやすく、狭小店舗と相性がよいレイアウトのひとつです。オープンキッチンにカウンターのみの店内であれば作業導線も確保しやすく、顧客と導線がぶつかることも少ないでしょう。また、調理の過程をあえて見せることで、ライブ感を演出できるメリットもあります。

狭小店舗の内装デザイン事例

ここでは、狭小店舗の内装事例を挙げながら、デザインのポイントを解説します。ゆとりを感じられる内装デザインや、コンセプチュアルな目立つデザインなど、幅広い事例を集めました。

6坪でもゆとりを感じられる内装デザイン

こちらは「内装建築.com」より、和食店の内装デザイン事例です。6坪と限られた空間の店舗ですが、木材と温かみのある照明でゆとりを感じられる内装に仕上げています。また、照明や空調設備などを天井に埋め込むことで、無駄がなくすっきりとした印象に。通路には丸みのある大きな鏡が置かれており、空間に奥行きを与えています。

外にも楽しい雰囲気が伝わるお店に

こちらは「内装建築.com」より、亀戸で人気のホルモン屋「亀戸ホルモン」の新業態の店舗デザインです。ガラス張りの扉を採用することで、下町の居酒屋らしい賑やかな雰囲気が、通りがかりの人にまで伝わるよう工夫しました。また、内装と厨房の境目は腰壁のみと視線を遮らない設計で、店内を広く見せています。外観は赤い塗装と照明を施し、思わず目を引く印象的なデザインです。

シンプルなのに目立つデザインのお店

こちらは「内装建築.com」より、アパレル店舗の内装デザインです。10坪の小さなテナントですが、色彩計画に注力し、商品のアクセサリーを目立たせる内装に。余計なインテリアは一切置かず色味をベージュ系に統一したことで、シンプルながらも高級感が漂う、インパクトのあるデザインになっています。外装は全面ガラス張りにしたことで、ファサードでも内装が際立つ設計です。

狭小店舗はデザインを工夫することで、空間を広く見せたり、集客率をアップさせたりできます。コストを削減したい人や、コンセプトを押し出した個性的な店舗をつくりたい人などは、狭小店舗を視野に入れて物件を探すとよいでしょう。狭小店舗のレイアウトでお悩みの際は、顧客目線で内装リフォーム・リノベーションを手掛ける「カシワバラ・コーポレーション」にぜひご相談ください。

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