憧れのモルタルキッチン!カウンターや土間の参考アイデア集

昨今、人気を博しているモルタルキッチン。当記事では、モルタルを取り入れるべき場所やアイデアなどをご紹介しています。モルタルを取り入れるメリットやデメリットなどについても触れていますので、モルタルキッチンの基本について知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。

公開日 2019.10.03

更新日 2022.01.07

憧れのモルタルキッチン!カウンターや土間の参考アイデア集


いぶし銀な雰囲気が魅力のモルタルキッチン。ステンレスや人工大理石などのキッチンが多い中で、モルタルを使用したキッチンは、どこか男らしさを感じさせる無骨なオシャレさがあります。

しかし、いざモルタルを取り入れようと思うと、そのメリットやデメリットが気になるのでは。また、自宅のキッチンにどのように取り入れたらよいのか、悩んでしまうという声も聞こえてきます。そこで当記事では、モルタルについての基本情報から、取り入れ方の参考になる実例まで、幅広くご紹介します。

モルタルってどんな素材?コンクリートとの違いは?

モルタルキッチンといえば、グレーが基調で無骨なオシャレさが特徴的。そんなイメージを抱く人も多いでしょう。しかし、そもそもこのモルタルとは、いったいどのような素材のことを指すのか、ご存知でしょうか?ここではまず、モルタルについての基本知識を確認してみましょう。


モルタルとは、セメントに水と砂を加えて練り上げたものです。セメントと砂を1:2から1:3の割合で混ぜ合わせ、そこに水を加えてほどよい硬さと粘り気に調整します。乾かす前は柔らかい素材なので、レンガやブロックを積む際に接着剤や、コンクリートを用いた建物の仕上げに使われたりすることが一般的です。

ちなみにセメントとは、石灰石や粘土、石膏などを砕いて作られる粉末のこと。これに水や砂などを混ぜ合わせることで、モルタルやコンクリートに派生するのです。
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よくモルタルと混同されるコンクリートですが、これはセメントに水と砂、砂利を加えて練り上げたものです。セメントと砂、砂利を1:3:3から1:3:6の割合で混ぜ、水を加えて作ります。砂利が入っているかどうかがモルタルとの違いで、その分強度が増すため、建物の外壁やカーポート、ブロック塀などに用いられることが多いです。

モルタルを使うメリット

接着剤や仕上げに使われることが多いモルタル。キッチンに使うことで、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
まずキッチンにモルタルを使うメリットとして、耐震性・耐火性・耐久性に優れていることが挙げられます。キッチンは毎日のように使う場所であり、料理の過程では当然火を使用しますから、耐久性や耐火性に優れているのは嬉しいポイントです。

また、モルタルを塗り上げる時のコテむらが、キッチンに柔らかい印象を与えてくれる点もメリットの1つ。凹凸のないきれいな壁や床も素敵ですが、職人さんによる多少のコテむらは、かえって温かみが生まれるものです。

そしてモルタルの素材感は、キッチンに無骨なオシャレさも与えてくれます。素敵なキッチンは毎日使っていて気分がよいもの。ホームパーティーなどで、友人を自宅に呼びたくなりそうですね。

モルタルを使うデメリット

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一方で、モルタルを使うことによるデメリットもいくつかあります。その最たるものが、ひび割れです。モルタルは水を含む素材のため、乾く時に水分が蒸発します。その際にモルタルが収縮して、どうしてもひび割れを起こしてしまうのです。ひび割れ部分から水や汚れが染みこむため、その部分は耐水性に乏しく、汚れがつきやすくなります。

また現場施工が中心となるため、費用が高くなりがちなのもデメリットの1つです。さらに、ステンレスやタイルを使ったキッチンよりも工期がかかります。

真似したい!モルタル×キッチンの参考実例

ここからは、実際にモルタルを取り入れたキッチンの実例を見ていきましょう。いろいろなアイデアがあるので、気になるものをピックアップしてぜひ取り入れてみてください。

無垢材×モルタルのキッチンカウンター

こちらは、モルタルをカウンターの天板や側面に使用したオーダーキッチンです。汚れや耐水性に難があるモルタルですが、メーカーや会社によっては耐水性に優れ、お手入れが簡単な商品を用意しているため、天板にも利用できます。前面や引き出し部分にはウォールナットの無垢材を使用しており、無機質でマットなグレーに仕上げたモルタルと、木目の美しいキャメル色の無垢材は相性抜群です。キッチンカウンターとともに、バックにある調理台も同じ素材で作られているので、全体としてのまとまりもよくスッキリとしています。Y’s KITCHEN FACTORYさんで見つけたアイデアです。

シンプル&シームレスなモルタルキッチン

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シンプルなモルタルキッチンは、キッチンスペースの中央に配置するのがオススメです。脚の部分から天板まで一体型の造りにすることで、どっしりとした存在感抜群のキッチンテーブルに仕上がります。また、シンプルなグレーのモルタルキッチンなら、異素材との組み合わせも自由自在。壁面をタイルやレンガなど、モルタルと相性のよいものにすれば、キッチンの雰囲気がグッとオシャレになります。また、カラフルなチェアをレイアウトすれば、印象が華やかになるだけでなく、キッチンをカウンターとしても活用できるでしょう。周りにどんな家具をチョイスするかによって雰囲気がガラッと変わるのが魅力的ですね。画像は、インテリックス空間設計さんがSUVACOに投稿している事例です。

見せる収納が映えるモルタルの壁

モルタルは、キッチン壁面の仕上げにも使用できます。モルタルで仕上げると、塗り上げる際にうっすらと模様がつき、シンプルなのにどこか雰囲気のあるオシャレな壁になるのが特徴です。全体的に均一なグレーに仕上がるため、壁面にウッドシェルフなどを取り付けて、食器や調理器具などを見せる収納にしてみましょう。シンプルなモルタルにレイアウトした食器などがよく映えて、インテリアの一部になってくれます。また、食器と一緒に小さめの観葉植物を飾ると、緑もプラスされて心癒される雰囲気に。照明器具にもこだわれば、収納したアイテムをより華やかに見せてくれるでしょう。画像はイエナカ手帖で見つけた事例です。

壁・天井・キッチンカウンターをモルタル仕上げに

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効果的に使えばオシャレですが、キッチン全体をモルタルで仕上げると、グレーで覆われて倉庫のような雰囲気が出てしまう場合も。天井や壁、カウンターの一部など、モルタル同士が接しないようバランスよく取り入れるのがコツです。そこで、モルタル以外の部分はタイル張りにしたり、ホワイトの壁紙でモノトーンに仕上げたりするのがオススメ。また、天井や壁など面積の広い部分をモルタルにすると、キッチンの雰囲気がガラリと変わるので、ぜひ試してみてください。画像はSUVACOで見つけたCuestudio(キュースタジオ)さんの事例です。

土間にもモルタル使用で統一感を

キッチンカウンターと合わせて、土間もモルタル仕上げになっているこちらのキッチン。カウンターは暗めのモルタルでしっかりと作られている一方、床はさらっとした薄めの色味で仕上がっているので、重たい雰囲気になっていません。また、あえて天井のパイプをむき出しにすることで、男らしい雰囲気もプラスされています。そこに木材でできた調理台を取り入れることで温かみのある印象をプラス。全体として統一感ある、ハイセンスなキッチンに仕上がっています。複数の素材を使用するのはなかなか難しいですが、ぜひトライしてみてはいかがでしょうか。画像はFIELDGARAGEさんが公開されている事例です。

モルタルの浅いひび割れ補修はDIYで簡単にできる!

モルタルキッチンを取り入れる時に心配なのが、モルタルのデメリットとしても挙げた「ひび割れ」です。施工してすぐはきれいなモルタルキッチンも、時間が経てばほぼ確実にひび割れを起こしてしまいます。ひび割れもモルタルが持つ味だと思って楽しむのもよいですが...。汚れや水が入り込んでしまうことを考えると、清潔に保ちたいキッチンでは防ぎたいものです。

そんな時は、DIYでひび割れを修繕してみましょう。早めの補修を心がければ、プロに依頼せずに済むので補修費用を抑えられます。また、強度を保つことで、さらなるひび割れの予防にもつながります。

モルタルのひび割れをDIYで補修する方法

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DIYで補修できるひび割れは、ヘアークラックと呼ばれる幅0.3mm以下、深さ4mm以下のものです。補修には、シーリング材と呼ばれる穴埋め材を使用します。このシーリング材とモルタルの色味を合わせておけば、穴埋めをしても不自然になることはありません。主なシーリング材には、チョーク式とスプレー式の2種類があります。チョーク式はひび割れ部分にピンポイントでセメントを埋め込める一方、施工に時間がかかり、慣れないと体力も必要です。スプレー式は噴射するだけなのでお手軽に作業ができますが、周りに飛び散るため掃除や養生が必要になります。どちらを選ぶかは、状況や好みによって判断しましょう。そのほか、ひび割れ補修に必要な道具と、具体的な修繕方法は以下の通りです。

<道具>
・洗浄用アルコール
・マスキングテープ
・プライマー(接着をよくするためのもの)
・シーリング材(穴埋め材)
・ヘラ

<修繕方法>

1. ひび割れ部分とその周辺のゴミや油分や汚れを、アルコールを染みこませた布などで拭き取る。
2. ひび割れ部分以外にシーリング材が付着しないよう、ひび割れを起こした部分の周辺にマスキングテープを貼る。
3. ひび割れ部分にプライマーを塗布し、指定時間乾燥させる。
4. シーリング材を注入する。ヘラなどを使って押し込み、表面を平らに仕上げる。
5. マスキングテープを剥がし、クラック以外に付着したシーリング材を拭き取ってよく乾かす。

プロにお任せした方がよいひび割れの特徴

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ひび割れの幅が3mm以上の場合は、DIYでの修繕が難しいため、プロに依頼した方がよいでしょう。こうしたケースでは、ひび割れが下地や構造部分にまで悪影響を及ぼしていることも。自分で修繕すると、かえってよくない状況に陥る恐れがあります。また、ひび割れではなく、塗装が剥がれてきたり浮き上がったりしている場合も、プロに依頼するのがオススメです。

オシャレで魅力的なモルタルキッチン。メリットやデメリットを知ってうまく付き合っていければ、愛着の湧く素敵な空間になることでしょう。ぜひ今回紹介した実例を参考にして、ご家庭にモルタルキッチンを取り入れてみてはいかがでしょうか?

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